20121210 私は、日本共産党を代表して、市政の重要問題について質問します。

 最初に、市長の政治姿勢についてです。
 質問の第1は、日米地位協定に対する認識についてです。
 本市議会は、沖縄県でおきた米兵による日本人女性への集団暴行事件に対し、11月2日に「米兵による後を絶たない日本人女性への暴行事件に抗議する決議」を全議員提出で可決し、米大統領へ送付しました。
 その後も沖縄では、11月2日に住居侵入・中学生への暴行、9日に米兵が脱走、18日には酒に酔った海兵隊中尉が午前7時半に住居侵入、22日午後2時過ぎ、民間の敷地に侵入しました。このように、米兵による事件が繰り返されています。
 怒りは、米軍のオスプレイの配備強行とも重なり高まっています。仲井間沖縄県知事は、米国に直接抗議をし、県議会代表も米国総領事館などに、厳重に抗議しています。「安心して家で眠ることさえできない」「基地ある限り、米軍犯罪が繰り返される」との声が広がっています。
 市長は、米兵が「公務中」に起こした事件・事故を日本側が裁けない地位協定について、どのように認識しているのか、うかがいます。「地位協定見直し」を国に求めるべきと思いますが、その意思がおありかどうか明らかにしてください
 質問の第2は、精神障害者交通運賃割引についてです。
 国交省の乗合バスの標準運送約款が改定され、運賃割引が精神障害者にも適用される内容となっています。当事者団体の運動が、政治を動かしました。
 第3回定例会において、わが党の代表質問に対し市長は、「地下鉄、市電への障害者への運賃割引制度の導入が望ましい」としながら、バスと地下鉄、市電の三事業が「歩調を合わせて運賃割引を行うことが重要」と答弁しました。
 まず、本市地下鉄及び市電が割引制度を実施し、バス事業者をリードすることが求められていると思いますが、いかがか伺います。

 次に、児童心療センターについて質問します。
 5名の医師のうち4名が来年3月末で退職することが明らかになり、これまでの機能を維持できるのか、重大な問題となっています。
 質問の第1は、医師の確保についてです。
 「11月14日に渡部副市長が北大医学部に出向いて医師確保の依頼を行う」と厚生委員会で答弁されました。道内唯一の児童精神科の入院施設を持つ、かけがえのない役割を果たしており、この機能は絶対に守らなくてはなりません。医師確保のために、どこに、どのようなはたらきかけをし、見通しはどうなっているのか、伺います。
 質問の第2は、現場と保健福祉局の食い違いについてです。
 障害保健福祉部長は、医師4人の退職について、「個人的な理由」としましたが、厚生委員会で、児童精神科部長は「本当の理由は、行政担当者と私たち病院の医療技術者との意思の対立にあった」、「静療院を成人部門と児童部門に分けることにしたときからずっと、本来目指すものと行政担当の者意見の齟齬が続いた、そのことが、建物の改修のあり方に関しても、機構のあり方に関しても、診療のあり方に関しても、たくさんの意見の対立をずっと生み続けた」と述べています。そして、「今度の問題は、4ヶ月間で爆発したのではなくて、準備期間を通じてずっと解決できなかった問題」だったと説明しています。
 児童心療センターの現場の医師・職員と、保健福祉局とは、ここ数カ月の問題ではなく、それ以前から、長く齟齬が続いてきたことについて、市長は、どう認識しておられるのか、伺います。
 質問の第3は、今後の方向性についてです。
 医師の大量退職についても、その底流には、児童心療センターの現場の声を尊重してこなかった運営の問題があることを明らかにすること、今後の施設計画については、一旦、白紙に戻して、現場の声をよく聞いて、話し合いをすることが、齟齬を解消することであり、問題解決と、児童心療センターの今後のあり方を検討する第一歩になると思うのですが、いかがか伺います。
 市長は10月15日の定例記者会見で「この児童心療センターのめざす施策、方向にご賛同いただけるお医者さんに担っていただきたい」と述べています。児童心療センターの今後の方向について、既に決まっているかのような固定的な考え方をするのではなく、退職予定の人も含め現在の職員、患者、家族とともに、今後の方向を練り上げていくべきではないかと思うのですが、いかがですか、お考えを伺います。

 次に、生活保護の問題について質問します。
 質問の第1は、基準の引き下げについてです。
 8月に閣議決定した来年度予算の「概算要求基準」で政府は、「社会保障分野についても、これを聖域化することなく、生活保護の見直しをはじめとして、最大限の効率化をはかる」と、生活保護の縮小方向をあらわにしています。
 生活保護基準が引き下げられることは、現在の受給者が対象から外されたり、支給が減額されるなど、憲法第25条が保障する「健康で文化的な最低限度の生活」の基準、すなわち我が国における生存権の水準を引き下げる重大問題です。
 また、最低賃金法第9条第3項では、労働者の最低賃金の決定にあたり、「生活保護に係る施策との整合性に配慮する」とされており、労働者の賃金が下がることにもつながります。就学援助の給付対象、市営住宅の家賃減免基準も、生活保護基準が下がると、連動して下がります。
 さらに、地方税法第295条第3項により、市民税の非課税基準は、夫婦子ども2人世帯で生活保護基準を下回らないように設定されているため、生活保護基準に連動して下がり、非課税であった世帯が課税されたり、増税になる世帯が現れます。
 非課税世帯が課税されることで、保育料は、B階層からC階層以上に値上げされます。介護保険の保険料も上がるなど、市民全体に及ぼす影響は甚大です。
 生活保護基準の引き下げは行なうべきでないと思いますが、市長は、いかがお考えか、見解を伺います。
 保育料・介護保険料などは、保護基準引き下げに連動しないよう、札幌市として措置を取るべきだと考えますが、いかがか伺います。
 質問の第2は、東区で起きた、保護受給世帯の孤立死についてです。
 11月27日、東区内で88歳の母親と61歳の息子がアパートの中で、死亡しているのが発見されました。電気と水道が止められており、母は、11月19日から23日の間に老衰で、息子は、25日か26日に、「低栄養による衰弱死」したとされています。
 まず、水道局の対応についてです。11月14日に、水道局が給水停止を行っています。衰弱している人の水道を止めることは、あってはならないことだと思いますが、いかがか伺います。
 水道局職員が何度か訪問したが反応がなかったので停止したとされています。しかし、水道停止は生命の問題であり、訪問した際の反応のある無しだけでなく、中に人がいる可能性があれば、停止すべきでないと思いますがいかがか。今後、給水停止のあり方を再検討することが必要だと思いますが、いかがかうかがいます。
 次に、東区保護課の対応についてですが、11月14日と19日に訪問をし、19日には、新聞がたまっていたのを確認しています。その後、20日、21日と続けて訪問しているにもかかわらず、入室するなどの対応をしていないのです。この時点で、入室していれば、親子を助けられたはずです。対応が不十分だったと思うのですが、いかがですか。今回のことから、何を教訓にするのか、明らかにしてください。
 また、悲劇をくり返さない、市長の決意をお聞かせください。
 質問の第3は、職権廃止にかかわる、慎重な対応についてです。
 指導・指示違反で廃止する前に、口頭および文書による指導、期限を切った指導、弁明の機会を設けることは、当然としても、廃止については、慎重のうえにも慎重な対応が必要だと思いますが、いかがですか。
 本人の意向も配慮し、窓口支給や停止措置も適切に活用すべきだと思いますが、いかがか伺います。
 質問の第4は、申請権の保障と担当職員の親切な対応についてです。
 生活保護基準以下の世帯であることが明らかであっても、車の所有や、関係書類の不足などのために、区役所で追い返される例が後を絶ちません。親切な態度で「申請したい」という意思を確認し、関係書類等の不足があっても、申請を受理することが徹底されていないようです。今後、改善を図るべきだと思いますが、いかがか伺います。
 人権にかかわる問題も起きています。2010年、市内で保護を受給している世帯の妻が妊娠3か月であることをケースワーカーに報告したところ、「自立していないのにどうやって育てるのか」と言われました。「産んではいけないのか」と思い、わが党の議員が同席のうえ抗議すると、ケースワーカーが、謝罪し「今後発言には配慮する」としました。
 市長は、生活保護の現場で、このような人権問題が次々と起きていることを承知しているのか、うかがいます。受給者や相談者の人権を尊重した対応をするよう全区役所に注意を喚起すべきと思いますが、どう対処されるのか、伺います。
 質問の第5は、来年度の保護課体制強化の具体化についてです。
 保護課の職員配置について、経験年数・年齢等、係のなかでバランスとった配置にすることについて、来年度から、どう改善を図るのですか、また福祉専門職について、どう配置を進めるのか、それぞれ具体的にお示しください。

 次に保育の問題について4点質問します。
 質問の第1は、子ども・子育て関連3法、すなわち「新システム」についてです。
 「幼保連携型認定こども園は、保護者と事業者が直接契約すること、入所については事業者が決定するので、手のかかる子を排除するなど、恣意的選別が行われるのではないか」と、心配する声があります。児童福祉法第1条「すべての児童はひとしくその生活を保障され、愛護されなければならない」に照らし、問題はないのか伺います。
 また、「新システム」では、保護者の労働時間に応じて預かる時間を決めることから、細切れの保育となり、子どもの生活リズムの確立を保障することができなくなることや集団生活で子どもたちが身につける社会性など、保育の質の低下につながることが現場から指摘されていますが本市のご見解を伺います。
 質問の第2は、待機児童対策についてです。
 第3回定例会のわが党の代表質問への答弁は、「前倒しを含めて保育所整備を積極的に行っていきたい」とのことでした。保育所の増設は、前倒しを含めて、いつまでに、何人分を行うのか、お示しください。
 質問の第3は、保育ルームについてです。
 本市は、保育ルームの認可保育園事業については、「従来通り指導助言を行なっていく」としていますが、実際には保育ルームの経営者が認可へ移行したいという相談を本市にしない限り、指導・助言はしておらず、保育ルームをいつまでに、何カ所、認可保育所へ移行するという計画的な考え方はありません。認可保育所へ移行させる計画を持って進めていくべきと考えますが、いかがか伺います。
 また、保育ルームの申請が出された際に、事業者に対して「本来、認可園の整備を進めたいと考えている」ことや、「認可園に移行するための条件」を提示し、「移行を検討する際には相談に乗る」ことなどを伝えるべきだと思いますが、いかがか、うかがいます。
 質問の第4は、市立保育所の保育士の勤務実態の問題についてです。
 2008年に保育所保育指針が改定されたことなどから、研修の増加や保育過程や指導計画作成など保育計画の他に、カリキュラムやクラス便り・研修の報告など事務量が膨大になり、勤務時間外や休日に事務仕事をこなしているのが実態です。正職員を増員すべきと考えますが、いかがか伺います。
 市立保育所21施設中、正職員が10人以上の保育所でパソコンが2台~3台しかない保育所が9か所もあります。書類作成に支障をきたしており、ただちにパソコンを増やし、改善すべきと考えますがどう対処するのか伺います。

 次に学童保育についてです。
 質問の第1は、学童保育指導員の待遇改善についてです。
 学童保育指導員の勤務実態は、平日でも子どもが学童保育所へ来るまでの午前中からカリキュラム作りなど保育の準備を行い、子どもたちが帰るときは、安全面から自宅まで送っていく学童保育所も増えています。さらに学童保育所を運営する父母たちとの運営会議や懇談会、研修などで8時間以上の勤務になることがほとんどです。また、夏休みなどの長期休みには子どもたちが朝から学童保育所へ来ますから、勤務時間は9.5時間以上になっています。登録児童数に応じて正規指導員を配置し、指導員が長く働き続けられるような改善を行うべきと考えますがいかがか伺います。
 質問の第2は、障がい児加算についてです。
 2012年度は、人数に関係なく1人いても複数いても一律年間152万円加算されていますが、多いところでは5人の障がい児を受け入れている所があります。安心安全に保育するため、障がい児の人数に応じて加配できるよう改善するべきと考えますがいかがか伺います。

 次に、子どもの権利条例について質問します。
 今年3月の予算特別委員会で、私は国連子どもの権利条約の3回にわたる日本政府への勧告についてとりあげ、子ども育成部長は、「子どもが生活するあらゆる場面において子どもの最善の利益を考慮して実践的にかかわっていかなければならない」と答えています。
 本市の子どもの権利救済委員をされた市川啓子氏は、昨年度のアシストセンター活動状況報告書のなかで、「いかに多くの子どもが確かな心の居場所を求めているかを、また孤立した子育ての中で保護者が抱いているゆき詰まり感がいかに深いものであるかを、肌で感じる日々でした」と書いています。
 2010年3月に本市は「子どもに関する実態・意識調査」を行いました。「自分のことをどのように思っていますか」という設問で、「自分のことを好きだと思わない・あまりそう思わない」と答えた子どもが45.1%となっています。
 本市の小中学校児童のうち、不登校は、2007年全児童の1.09%にあたる1639名。2011年には1.24%の1700名と増えています。昨年度のアシストセンターへの相談内容では、「学校生活に関する相談」が47.4%と圧倒的に多くなっています。
 子どもにとって快適な場所・心地よい居場所となる学校づくりが必要だと思いますが、教育委員会は、国連子どもの権利員会の勧告について、どのように受け止めていますか、うかがいます。
 本市子どもの権利条例が生かされた街づくりを進めていかなくてはなりませんが、本当に生かされているでしょうか。本市の子どもにかかわる施策をみると、市民の熱心な運動やわが党が議会で求めたことなど、前進している面もあります。
 不十分さはありますが、保育所は増設する方向になってきましたし、子どもの保険証取り上げはやめ、学童保育は6年生まで対象とするなど、市民の声が生かされはじめました。
 一方、遅れた面、不十分な面もあります。先ほど申し上げました、児童心療センターの体制や学童保育指導員の待遇の問題。国連が繰り返し指摘している、過度に競争主義的な教育が是正されていないこと、本市において、子どもの自殺が後を絶たないこと、子どもの貧困の問題が本市の重要な課題として扱われていないこと、教員や児童福祉施設の職員の多忙、などです。
 札幌市が全体として子どもの権利条例が生かされたまち、そして「権利条例があってよかった」と市民が思える街に進むためには、まだまだ課題が山積しています。この点について、市長はどういう認識をお持ちですか。子どもの権利条例を生かしたまちづくりを進めるため、子どもと子どもにかかわる大人の意見を、これまで以上に尊重し、環境整備に努める必要性について、見解をおきかせください。
 学校現場での教員の忙しさの問題についてです。
 学級担任としての学級指導や個別の対応、校務分掌上の仕事、学校行事、会議、部活動など、早朝から深夜まで職員室の明かりは消えません。長時間で過密なうえに、土日の休みもとれない状態です。本市教職員の30日以上の休務者が約250名、そのうち休職者が約120名もいて、全く減っていないことにも表れています。これでは、教師が子どもたちとじっくり向き合う教育をすすめることは困難です。問題なのは、教員が持ち帰り残業も含めて何時間残業をし、どれだけ休日出勤をしているのか、本市教育委員会が掌握していないことです。子どもの権利条例第30条は、「施設設置管理者は、職員が心に余裕をもって、子どもと十分かかわることができるように、必要な職場環境の整備につとめることとします」としています。
 まず、30条で言う施設に学校など教育施設が含まれているのか、そして、休務者の多いことは、教員が心に余裕をもてる状況にないことの反映だと思いますがいかがか。改善のために、このかん、非常勤のスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーを少しずつ増やしていますが、肝心の教員の長時間労働や休日出勤など労働環境を改善することが必要です。そのために、まず、労働実態を調査・把握するべきだと思いますが、実施するお考えはおありですか。教育長と教育委員が、現場教員の生の声を聞いて改善に踏み出すべきと思いますが、いかがかうかがいます。
 今年9月、文部科学省は、5年間ですべての小中学校を35人にするため、来年度の概算要求を119億円計上しました。
 本市では、35人学級は小学校1、2年生と中学校1年生に導入されています。すべての学年でまずは35人学級へ、さらに30人以下の学級へとすすめるべきと考えますが、計画を持って一歩ずつでも進めるお考えはないのかうかがいます。子どもの権利条例をもつ本市として、独自にでもすすめるべきと考えますがいかがかうかがいます。

 次に、地域防災計画の見直しについて質問します。
 質問の第1は、原子力災害対策編についてです。
 本市地域防災計画の見直しで原子力災害対策編を策定することになり、有識者会議が行われています。福島市の被害を想定しつつ、不測の事態にも対応できるように、第1段階、第2段階と分けた被害想定を決めるべきです。
 どのような状況を想定しているのか、また、今後の議論の仕方について、それぞれ明らかにしてください。
 また、計画をつくると同時に、市民に対しての情報伝達、放射性物質の影響などについて、わかりやすく説明する機会を設けることなどを検討するべきですがいかがか伺います。
 質問の第2は、要援護者支援についてです。
 東区では、大規模災害時に要援護者を支援するために、区内の特別養護老人ホームなど11施設と協定を結び、地震発生を想定した訓練も行われているようです。どのような課題が明らかになったのですか、それを踏まえて全市展開すべきと考えますが、いかがか、うかがいます。
 質問の第3は、避難所と備蓄物資についてです。
 本市は小中学校を基幹避難所としていますが、基幹避難所から遠い空白地域には、学校以外の公共施設やお寺など、民間の施設による避難所を、バランスよく配置することを、あらためて検討すべきですがいかがですか。民間施設の避難所にも水や食料、毛布、寝袋、暖房器具、発電機等を配置すべきですが、いかがか伺います。避難所になっていることを認識していないお寺もあったことを、第3回定例会で取り上げました。その後、民間の避難所すべてに指定されていることを確認されたのか、どの様な対応をされたのか伺います。
 先月末、北海道が暴風雪に見舞われ、胆振地方では数日間停電が起こりました。避難した住民は、冬場の災害の恐ろしさをあらためてかみしめたとのことです。停電したために、灯油ストーブに点火できないなど、寒さ対策の点検・強化が必要であることが明らかになりました。本市は、現地に応援に行き、冬の災害対策の教訓を持ち帰るべきでしたが、現地には行かなかったようです。大切な機会を逃したのではないかと思うのですが、今後、道内の災害には、積極的役割を果たし、経験と教訓を蓄積すべきと思いますが、いかがか伺います。

 次は景気・経済対策についてです。
 質問の第1は、中小・零細企業対策についてです。
 中小業者の年末資金ショートなどに対する相談体制、スピーディーな対応、金利の肩代わり、小口融資の充実、年末支払い、人件費に充てる資金については特段、迅速な対応が求められており、年末の倒産を生じさせない体制が必要と思うのですが、いかが対処されるお考えか伺います。また、中小企業金融円滑化法の終了によって、今後は返済にむけて借り換えなどの特段の配慮が必要だと思うのですが、いかがか伺います。
 住宅エコリフォーム資金助成制度についてですが、今年度予算1億円に対して執行は9,300万円となっていますので、再募集すべきですがいかがか。あわせて、来年度の予算は大幅に拡大するとともに、申請手続きの一層の簡素化や、参入事業者の建設業許可要件の撤廃すべきですが、いかがか伺います。
 質問の第2は、自然エネルギーへの転換による経済活性化についてです。
 即時原発ゼロ社会の実現に向けた大胆なエネルギー政策の転換を新しい産業の柱と位置づけ、支援の具体化や雇用の拡大を図って行くべきと考えますが、いかがか伺います。

 最後に、公契約条例についてです。
 本市が今年第1回定例会で提案した「公契約条例」は継続審査のままとなっています。この条例が出来ると本市が業務委託している清掃・警備や指定管理者によって運営されている公的施設や本市発注の公共工事で働く労働者の賃金の底上げを図ることが出来ることから、早期の制定が求められています。私ども日本共産党は、以前から制定を求め、繰り返し議会でも取りあげてきました。
 このほど「公契約条例の早期制定を求める会」の構成団体である札幌地区労働組合総連合などが、市役所、区役所、市立病院、地下鉄、体育施設等の市の施設で清掃・警備の業務に当たっている労働者にアンケート調査を行いました。そこに書かれている内容ですが、最低賃金ギリギリの時給719円、720円が圧倒的で、最低賃金を下回る違法状態で働かされている労働者もいます。ある女性は、同じ施設で8年間勤務しているのですが、業務を請け負っている会社は毎年入札で入れ替わりながら、1年更新で雇用されるため、有給休暇もつかず、賃金も上がりません。管理業務に従事している男性は、14時間勤務を月に10日で、月給9万円です。「3月の入札がある度に継続なのか終わりなのかビクビクしながら働いている。終わりであれば、その後の保障もなく再就職も無理。こんなに少ない賃金何とかしてくれ」と記入しています。
 「建築保全業務労務単価」では、清掃は763円、警備では1,000円が基準となります。また、本市現業職員の初任給を基準にすれば846円ですが、この水準に達していない労働者が多数です。
 このように、本市の施設で働く労働者の賃金については、指定管理者の再委託で働く労働者をはじめ、大きな問題があると考えています。
 市長は、本市の施設で働く労働者の実態をどの様に認識していらっしゃいますか。ワーキングプアの解消はもとより、最低賃金以下で雇用している実態は労働基準法違反でありただちに解消すべきですが、いかが対処なさるおつもりですか。労働者の賃金の底上げを図るためにも早期に公契約条例を制定すべきですが、どのような見通しをお持ちか伺います。
 以上で、私の質問のすべてを終わります。ご清聴ありがとうございました。

 

上田市長 答弁

 9項目ご質問がございましたので、私からは、政治姿勢の問題と、それから公契約条例について答弁させていただきます。その余は、担当の副市長並びに教育長からもご答弁をさせていただきますので、お聞き取りください。
 私の政治姿勢ということで、日米地位協定に関する認識についてお尋ねでございます。
 沖縄におきまして米軍人による事件が相次いで発生したことにつきましては、沖縄県民の不安、苦しみを思いますと、極めて遺憾でありまして、本市議会が時期を置かずに抗議の決議を全会一致で採択をされたということに対して、大変敬意を表するものでありまして、私も、実効性のある再発防止策というものが早急に講じられることを切望するものでございます。
 日米地位協定は、議員のご質問にあったように、刑事裁判権について、公務執行中の犯罪につきましては日本側に裁判権がない、こういう重大な欠陥がある、重大問題がある、そういう協定だというふうに認識をいたしておりますので、早く解決をするべき問題であるというふうに認識を共有させていただいております。
 この地位協定でありますが、締結されまして既に50年以上が経過をしておりまして、その間、沖縄では何度も痛ましい事件がございました。それを契機といたしまして、それぞれ地方からもさまざまな声が上がり、そのたび、若干の運用改善というものは図られてきたとはいうものの、抜本的な見直しは行われないまま今日に至っております。
 日米関係全体に対する国民の信頼というものを著しく毀損するものでありますので、大事な信頼関係といったものを構築していくためにも、国政の場で十分に議論を尽くされるべきものだ、このように考えているところでございます。
 精神障がい者交通運賃割引につきましては、地下鉄、路面電車がバス事業に先行して精神障がい者交通運賃割引を適用した場合に、運賃制度が大変複雑になりますことから、利用者に混乱を来してしまうおそれがございます。したがって、利用者が混乱を来すことなく精神障がい者交通運賃割引を実施するためには、バス事業者と歩調を合わせて実施することが基本である、このように認識をしているところでございます。
 公契約条例につきましてご質問でございます。
 労働者の実態認識と労働基準法違反への対処についてというご質問でございますが、昨今の厳しい経済情勢の中で、価格競争の激化等によりまして、業務委託受託者の経営状況というものが、あるいは、雇用環境というものは本当に厳しいものがあるというふうに考えております。また、市発注の清掃・警備業務や、指定管理者について行った賃金調査の結果からも、全般的に労働環境は大変厳しい状況になっているというふうに認識をいたしております。
 なお、札幌市の契約等において、関係法令違反の事実が確認された場合には、これまでどおり、厳正に対処をしていく方針でございます。
 公契約条例の早期制定の見通しについてということでありますが、現在、関係業界と公契約条例に係る協議におきまして、条例について幅広く意見交換を行っておりまして、共通認識を深めて、条例施行に伴う不安や、あるいはご懸念というものの解消を図っていく、その努力をしているところでございます。
 こうした議論の積み重ねを踏まえまして、できるだけ早く条例が制定できるように頑張っていきたい、このように考えているところでございます。
 以上であります。

生島副市長 答弁

 私から、地域防災計画の見直しについてお答えをいたします。
 まず、原子力災害対策編についてでございます。
 1点目の被害想定及び今後の議論の仕方につい
 てでありますが、被害想定としては、福島市と同
 程度の被害を基本とし、さらに、泊発電所から50キロメートル圏内の市域につきましては、計画的避難区域になることも想定をしているところでございます。今後は、有識者会議などの議論を踏まえた素案につきまして、パブリックコメントを実施し、札幌市防災会議において議論をしていただくこととしております。
 2点目の市民への啓発についてでありますが、原子力防災に関する市民への普及啓発につきましては、非常に重要であると認識をしておりまして、ホームページに放射線に関する情報や放射線量の測定結果などを掲載するとともに、11月には、福島市役所から職員の方をお迎えし、原子力防災フォーラムを開催したところでございます。
 今後も、今回の計画内容を含めまして、引き続き、パンフレットや出前講座などで積極的に普及啓発に取り組んでまいります。
 次に、要援護者支援についてでございます。
 東区では、災害時要援護者のうち、避難場所での生活が困難な方につきまして、あらかじめ施設を指定した上で、災害発生直後に、直接、施設に受け入れてもらうという内容の協定を独自に結んでおります。施設の方々と意見交換を行う中で、要援護者の状況を継続的に把握する方法や要援護者の移送手段の確保などの重要な課題が明らかになってきたところでございます。今後、東区におきまして、施設や地域の方々とこれらの課題について検討していくこととしております。
 地域防災計画では、災害発生直後に、まず、最寄りの収容避難場所に避難していただき、その後、避難場所での生活が困難な要援護者につきましては、福祉施設に移送することを想定しております。これを前提に、昨年7月に、老人福祉施設協議会等の福祉施設の団体と要援護者の受け入れ協定を結んでおりまして、まずは、この協定に基づく取り組みを進めてまいりたいと考えております。
 次に、避難所と備蓄物資についてでございます。
 1点目の避難所と備蓄物資の配置についてでございますけれども、基幹避難所から遠い地域では、耐震性など一定の基準を満たす施設があれば、基幹避難所に指定をすることとしておりまして、また、そのような施設がない場合には、民間施設を含みます地域避難所に備蓄物資を配置するなど、小・中学校にかわる避難所を確保することとしております。
 2点目の収容避難場所指定の認識についてでございます。
 今回の計画策定に当たりましては、すべての民間の収容避難所の管理者の皆さんを対象にアンケート調査を実施したところでございます。したがいまして、収容避難場所に指定されていることを認識していただいているものというふうに考えております。
 3点目の災害の支援と教訓の蓄積についてでございます。
 道内で災害が発生した場合には、災害時等における北海道及び市町村相互の応援に関する協定、こういう協定を結んでおりますので、この協定に基づきまして、必要に応じて役割を果たすべきものと認識をしております。また、東日本大震災の職員派遣など、道内に限らず、災害について必要な情報を収集しているほか、日ごろから、各種研修や訓練を実施して災害対応力の向上に努めているところでございます。
 私からは、以上であります。

渡部副市長 答弁

 私からは、児童心療センター、生活保護の問題、保育の問題、学童保育、子どもの権利条例につきましては2点目の子どもの権利条例を生かしたまちづくりについて、お答えをいたします。
 まず、児童心療センターについてでございます。
 1点目の医師確保についてでありますが、ご指摘のように、先月の14日、私が、札幌市へ長く医師を派遣していただいている北大医学部に出向きまして、医師確保の依頼を行ったほか、現場の医師が本州の同種の病院や関係医学会へ協力を依頼したところでございます。また、今週からはインターネットで医師公募を開始するなど、後任の医師の確保に向けて最大限努力をしているところでございます。
 しかしながら、児童精神科を標榜する医師は全国的に大変少なく、現行医師の確保は極めて難しい状況でありまして、当面は、病院としての入院機能を存続させるために必要となる医師の確保に全力を尽くしてまいりたいと考えております。
 2点目の現場と本庁の意見相違の認識についてでありますが、児童心療センターの一般行政病院化及び複合施設化の計画につきましては、昨日の代表質問でも答弁したとおり、平成21年度から現場医師も含めた関係部局で議論を積み重ねた上で、平成23年2月に市の方針として決定したものでございます。決定に至るまでの議論の中では、児童心療センターの医師からもさまざまな意見が出されまして、他の関係部局からの意見とも調整しながら、札幌市の保健福祉行政全体を見据えて決定を行ってまいりました。
 また、方針決定後におきましても、複合施設化後の機能連携につきましては、平成26年度の開設に向けまして現場の職員を中心に議論を重ねているところでございます。そのような中にありまして、今般の事態を招いたことにつきましては、組織マネジメントや組織目標の共有化が不十分であったと言わざるを得ず、極めて残念に思っております。
 3点目の今後の方向性についてでございますけれども、この計画は、先ほど申し上げましたが約2年間の議論を経て、札幌市の保健福祉行政全般を見据えて決定したものでございます。しかしながら、昨日の代表質問でも答弁をいたしましたとおり、現場のスタッフにとって、よりよい施設とするためには、時間をかけて丁寧に説明し、理解を得ながら進めることも重要であり、より一層の丁寧な対応を心がけながら計画を進めてまいりたいと考えております。
 また、児童心療センターの今後の方向性につきましては、このセンターの使命をより明確化しまして、センター機能を高めるための議論を進める責務があると考えておりまして、発達障がい支援に関する学識経験者や民間医療機関の医師に加えて、現場職員や利用者などからも意見を伺いながら検討を進めてまいりたいと考えております。
 次に、生活保護の問題についてでございます。
 1点目の生活保護基準についてでありますが、生活保護基準は、国が物価や賃金の水準等を踏まえまして5年ごとに見直すことになっております。来年度は、その5年に一度の見直し時期に当たっているため、現在、社会保障審議会の生活保護基準部会におきまして議論が行われているところでございます。
 札幌市といたしましては、生活保護基準は国が責任を持って決定するものと認識しております。
 2点目の札幌市としての措置についてでございますが、介護保険料や保育料につきましては、制度上、市民税の課税、非課税などと連動して決まる仕組みになっております。したがいまして、生活保護基準の変更に伴う介護保険料などへの影響につきましては、制度上の問題でありまして、国におきまして、必要に応じ、検討すべきものであると考えております。
 次に、東区で起きた保護受給世帯の死亡事案についてでございます。
 1点目の水道局の給水停止について、一括してお答えをいたします。
 給水停止に際しましては、機械的、画一的に行っているのではなく、未納に至った事情などを把握するため、最低でも4カ月程度の期間をかけて慎重に従前から対応しております。また、滞納者から支払いができない理由や相談の申し出があれば、その生活状況に応じまして、支払いの分割や給水停止の一時延期、さらには、給水停止後の早期再開など柔軟に対応しております。
 今回の場合は、9月に3回、11月に3回と繰り返し訪問いたしまして面会を求め、文書により通知も行いましたが、いずれも応答がありませんで、やむを得ず給水停止に至ったものでございます。
 水道事業は、利用者の料金によって運営されておりまして、将来にわたる事業の安定運営や料金負担の公平性の確保などの観点から、最終的に給水停止により支払いを促すこともやむを得ない、そのように考えております。
 2点目の東区保護課の対応についてでありますが、本件世帯は、本来、年間4度程度の訪問頻度になるところでございますが、少し細かく申し上げますと、東区保護課では、今年度、5月30日、8月21日、9月12日、10月5日、10月16日と訪問しておりまして、10月5日には、世帯主及びお母さんと、10月16日には、世帯主と面談し、速やかに保護費を取りに来てくださいと、その都度、お伝えをしていたものでございます。その後、11月14日、11月19日、同20日、21日と訪問いたしましたけれども、不在でありましたため、メモを投函するなど、生活状況の把握に努めてまいりました。世帯主は、1カ月前の訪問の際には元気な姿を見せておりまして、61歳の年齢からして、新聞が4~5日たまっていることをもって世帯の異変を察知することは非常に難しかったのではないかと考えております。そこで、東区は、22日以降、連休となりましたため、民生委員にこの間の様子を確認するように依頼をしており、世帯の状況を把握するために可能な限りの対応をしたものと認識をしております。
 なお、入室につきましては、私生活に無断で立ち入ることとなりますため、明らかな異変、異常があるとき以外は、管理会社主導で入室せざるを得ず、現場では極めて困難な判断を迫られることがあるということをぜひともご理解いただきたいというふうに考えております。
 今後も、訪問調査を行うことで、世帯状況の適正な把握に努めてまいりたいと考えております。
 次に、生活保護の問題、職権停・廃止にかかわる慎重な対応についてでございますが、職権による停止または廃止を行う場合は、生活保護法第27条による口頭での指導、文書による指示、さらには、期限を付した文書指示を経て、弁明の機会を付与した上で処分するよう、厚生労働省社会・援護局長通知で規定をされているところでございます。
 区保護課では、事案に応じまして、保護課全体でケース診断会議などに諮りまして、議論を重ねた上で、より慎重に停・廃止が妥当かどうかを判断しているところでございます。今後とも、職権による停・廃止などの不利益処分を行う場合には、慎重に判断をしてまいりたいというふうに考えております。
 次に、申請権の保障と職員の対応についてでありますが、まとめてお答えをいたします。
 生活保護相談につきましては、相談者の申請権を侵害しないことはもちろんのこと、申請権を侵害していると疑われることのないよう、漏れなく保護申請の意思を確認しているところでございます。さらには、申請の意思が確認された場合は、速やかに保護申請書を交付して、申請手続について適切に助言を行っております。
 また、保護受給者につきましても、その抱える悩みは多種多様にわたっているため、ケースワーカーは、受給者の声に親身に耳を傾け、世帯の状況に応じた適切な支援を行うよう、研修等で周知徹底を図ってきたところでございます。今後とも、会議や種々の研修の機会に、申請権の保障と親身な相談体制について周知徹底を図ってまいりたいと考えております。
 次に、保護課の体制強化についてでございます。
 職員を配置する際には、これまで同様、経験年数、年齢等、職場内のバランスを考慮しまして適切に配置してまいりたいと考えております。福祉の専門性を有する職員につきましては、各福祉職場のニーズの高まりを受け、来年度は今年度より5名多い20名の採用を予定しているところでございます。今後とも、各福祉職場の状況を見きわめながら、必要な配置を行ってまいります。
 次に、保育の問題についてでございます。
 1点目の子ども・子育て関連3法、すなわち新システムについてでございますが、1点目の直接契約の問題についてでございますけれども、幼保連携型認定こども園における直接契約は、市町村の関与のもとで行われる公的契約であること、また、施設には原則として応諾義務が課せられることから、新制度におきましても子どもたちが必要な保育が受けられるものと認識しております。
 2点目の保育の質の低下についてでございますが、国は就労形態の多様化に対応すべく新制度のあり方について検討していることから、現在はこの動きを注視しているところでございます。
 次に、待機児童対策でございますけれども、認可保育所は、第3次新まちづくり計画に基づきまして、平成26年度末までに定員4,000人増を図るべく整備をしているところでございます。今後も、保育需要に柔軟に対応しながら、積極的に進めてまいりたいと考えております。
 次に、保育ルームについてでございます。
 1点目の認可保育所への移行についてでございますが、保育ルームの認可保育所への移行につきましては、地域における保育需要を含めた設置認可基準を満たす必要があります。して、事業者からの相談に応じて個別に対応すべきものと考えております。
 次に、申請時の対応ということでございますが、今後、保育ルームの申請の際には、事業者の意向を確認しながら、適宜、情報提供を行ってまいりたいと考えております。
 次に、市立保育所の保育士の勤務実態の問題ということでございますが、1点目の正職員の増員についてですが、市立保育所の正職員数は、従前より国の保育士配置基準に基づく必要数に独自に上乗せしているところでございまして、今後も適正な配置に努めてまいりたいと考えております。
 2点目のパソコンの増設でございますけれども、パソコンの増設も含めまして、今後とも職場環境の改善に努めてまいります。
 次に、学童保育でございます。
 1点目の学童保育指導員の待遇改善についてでございますが、民間児童育成会に対する助成金につきましては、年々増額する国の補助基準に対応して助成を充実しているほか、家賃補助などの札幌市独自の助成項目も設け、配慮をいたしているところでございます。
 指導員の配置などにつきましては、子ども・子育て関連3法に基づき、基準がこれから示されることから、その動向を注視してまいりたいと考えております。
 次に、障がい児加算でございますけれども、障がいのある子どもの受け入れに応じた助成につきましては、現在、国の補助基準に基づいて実施していますことから、これも、国の動向を見ながら判断をしていく考えでございます。
 次に、子どもの権利条例について、子どもの権利条例を生かしたまちづくりについてでございます。
 課題に対する認識につきましては、子どもたちが社会全体で大切にされながら、市民自治の担い手になるべく、健やかに成長・発達することができる環境づくりが重要と考えております。そのためには、子どもの参加の機会を充実させながら課題を解決していくことが必要と考えております。
 また、子どもの権利条例を生かしたまちづくりを進めていくためには、あらゆる機会をとらえ、子どもを含めた多くの人から意見を聞くことが重要である、そのように考えております。
 私からは、以上でございます。

秋元副市長 答弁

 私からは、8点目の景気・経済対策についてお答えをいたします。1点目の中小零細企業対策についてであります。
 まず、年末の倒産を防ぐ取り組み及び金融円滑化法終了に向けた対策についてでありますけれども、年末の中小企業への資金繰り対策といたしましては、昨日、12月5日に、札幌中小企業支援センターが札幌商工会議所など他の支援機関と合同で年末に向けた金融・経営相談会を開催いたしましたほか、各機関で随時相談に応じております。
 また、今年度から、中小企業融資制度の中に低利の短期サポート特別枠を創設したところでもございます。
 金融円滑化法終了に向けた対策につきましては、既存の景気対策支援資金の中に特別枠を設け、借りかえを含め、早期に対応したいと考えているところでございます。
 2点目の住宅エコリフォーム資金助成制度についてであります。
 補助の申請受け付け期間は、年度内で事業が完了するように定めておりますので、今年度についてこれからの再募集は考えておりません。来年度の予算につきましては、今年度の実績等を踏まえて検討していきたいと考えております。
 申請手続の簡素化につきましては、適宜、見直しを進めてきておりますが、施工業者の要件につきましては、一定の信頼性を担保する観点などから、建設業の許可を受けた者としておりまして、その見直しは考えてございません。
 2点目の自然エネルギーへの転換による経済活性化についてであります。
 恵まれた自然を生かした再生可能エネルギーの創出や、省エネルギー推進のための技術やシステムの開発など、エネルギーをつくることと賢く使うことの二つの側面から市内企業の取り組みを支援することを検討しておりまして、これを雇用の拡大にもつなげていきたいと考えてございます。
 私からは、以上です。

北原教育長 答弁

 子どもの権利条例についてのご質問のうち、1点目と3点目、4点目について、私からお答えをいたします。
 まず、1点目、国連が指摘した点についてであります。
 国連子どもの権利委員会からの勧告につきましては、いじめや不登校に関する問題など、実際に子どもの学校生活における権利を守るために実践的に対応すべき課題もありまして、教育委員会としても、引き続き、教員の研修に努めるなど積極的に対応しなければならないものであると認識しております。
 次に、3点目の学校現場での教員の忙しさの問題についてであります。
 まず、子どもの権利条例第30条に規定する育ち学ぶ施設に学校などが含まれるのかとのご質問でございますけれども、この施設には、学校教育法に定める学校が含まれるものであります。
 次に、休務者が多いことについては、教員が多忙な状況にあることもその要因の一つではないかというふうに認識しているところであります。
 教員の勤務実態につきましては、平成19年実施の勤務実態調査で把握しておりまして、その結果を踏まえて、教育職員負担軽減検討会議を設置いたしまして、負担軽減に向けた具体策を取りまとめ、取り組みを進めているところであります。その一つとして、来年度から校務支援システムの運用も予定しておりまして、今後の実態把握につきましては、それらの取り組みの進状況を踏まえて検討してまいりたいと考えております。
 現場教員の声を聞くことにつきましては、これまでも、私を含め、教育委員が学校を訪問するなど学校現場の状況把握に努めてきたところでありますが、今後も引き続き状況把握に努めながら職場環境の改善を図ってまいりたいと考えております。
 最後に、4点目の少人数学級についてであります。
 少人数学級は、これまでの調査結果等からも、児童生徒の生活及び学習の両面において効果が上がるものと認識しております。今後の少人数学級の実施に当たりましては、国の教職員定数計画の動向を注視してまいりたいと考えております。
 札幌市としては、少人数学級の実現は、国及び道が措置すべきものと考えておりまして、引き続き、国及び道に対して強く要望してまいりたいと考えております。
 以上でございます。

小形 かおり議員 再質問

 いろいろご質問したいことがあるのですが、まず、質問ではなくて、学童保育について、今、障がい児の加算のことについては国の動向を見てと、こういうふうなことを言っていましたけれども、こういうところでもいいから、子どもの権利条例を持つ本市として、子育てを支援する、子どもが豊かに育つ環境を整える、そのために障がい児のいるところには人数に応じた加配をするというような考え方を持ってほしいというふうに思うのですよ。
 学童保育所は、指導員と親が支え合って運営してきたのです。建物も古くて、そして、父母の負担で、共同で運営して、長い間、子どもたちの放課後をずっと支え続けてきた、そういう学童保育所です。ようやく、札幌市が助成金の対象を、当初は4年生までだったものを5年生、6年生というふうにふやしてきたではないですか。ですから、今度、また次のステップをやはり踏むときなのではないかというふうに思うのです。
 ですから、障がい児については、1人について幾ら、152万円と、そして、2人にふえればその倍というふうに、人数に応じた補助が必要だというふうに思いますので、これについては、やっていただくようにぜひ検討していただきたいと思います。
 それで、質問なのですけれども、2点質問したいと思います。
 生活保護に関するところと、それから児童心療センターについてのところです。
 生活保護に関するところは、東区で起きた孤立死事件に関連して、まず、水道局のことなのです。月に3回、長く訪問してきたというふうなご答弁でしたけれども、何度も訪ねていって、反応がなくて停止したと。停止したのは11月14日、その時点では、親子とも生きておられたのですよね。私は、衰弱している人の水道をとめるのかと、そういう問題意識があるのです。停止することで滞納している水道料金が納められるということはあると思います。だけど、水道というのはライフラインですから、そういう性格上、やっぱりほかの一般的な滞納とは違う対応が必要だというふうに思うのですよ。
 例えば電気は、民間企業が供給していますけど、停止する際には、申し出があったら1アンペアだけは供給しているのです。危機だけは回避するという姿勢だというふうに思うのですよね。水道も、やはりライフラインとしての対応を検討するべきだというふうに思います。人がいない場合は停止をするとしても、人がいないということが確認できない場合には、やっぱり停止をしてはいけないと思います。そういう人道的な対応を検討するべきだと思いますが、いかがか、ここをまず伺いたいと思います。
 それから、東区の区役所保護課の対応なのですけれども、19日、20日、21日と3日連続して保護課の職員の方が訪問をされています。その職員の方は、相当意識していたから、多分、人出不足で忙しい中でも3日間連続して訪問したのだろうというふうに思います。心配していたのだと思います。
 だけど、19日には、新聞が大量にたまっていたということを見ていながら、20日と21日には、部屋に入るということをしないで、民生委員の方に後を頼んでしまっています。もし、そのとき、職員が心配だと思った時点で、もう一歩、積極的に対応して、アパートの管理会社と一緒に部屋に入っていくということをしていたら、私は、この親子を助けることができたはずだと思うのです。ですから、そのことをやはり現場の職員の方々でよく話をして、今後の教訓にしてほしいと思うのです。積極的に対応して、どうやって命を救うか、そういう対応をするように、市として方針を持つべきだと思います。その点、いかがか、伺いたいと思います。
 それから、二つ目は、児童心療センターについてです。
 これについては、ぜひ、市長にお答えいただきたいと思います。
 先ほどのご答弁は、目標が共有できなかったのだ、それで、今後は現場のスタッフにとってよりよい施設とするために説明をし、理解を得るようにしたいというような、そういう答弁だったと思いますけれども、まず、よりよい施設というのは、現場スタッフのためではなくて、市民のためにあるべきなのじゃないかと思います。そのことが現場スタッフの喜び、働きがいにつながるというふうに思いますので、ここは間違えないでいただきたいと思います。
 そして、説明や理解を得るというふうにご答弁されていますけれども、それは、こっちは姿勢を変えませんよ、わかってもらうようにしますよというだけのことなのじゃないですか。それじゃだめだと思うのです。何かこう新たな検討委員会を立ち上げてというようなことをおっしゃっていますけれども、そうやって問題の核心をぼかすのじゃなくて、やはり、一度、スケジュールをとめて、どういう心、理念でというところから、一から、退職の意向を示した医師と、あわせて職員、そして、何よりも患者、家族の方々と一緒に納得するまで話し合うということが、今、一番優先してやるべきことなのではないかと思います。
 先日、11月に開かれた厚生委員会の中では、加藤局長が答弁されていて、そごがあったということを認めておられます。そして、反省をしていますというふうにも答弁されていて、その中で、一つ一つ意見を聞きながら、改めて方針を確立するというふうに局長は答えておられるのですよ。
 意見を聞いて、改めて方針を確立する、こういう立場に立つことが必要なのではないですか。つまり、理念だとか、それを具体的に実現していくための手だてとか課題とか、どういうふうに解決していくのかなどを、やっぱり退職の意向を示した医師も含めて一緒に話し合うことが必要だと思うのです。
 なぜならば、今のような医師の確保のやり方では、私は、後任の確保は極めて難しいと思いますよ。先ほど、インターネットで公募したというふうに答えていましたけれども、インターネットでの公募では、本気で確保するという決意が全然感じられないですね。普通、お医者さんを確保したいと思ったら、全国からだったら、やっぱり少ない児童精神科医だと言うのだったら、ぜひ、そこは出向いていって、面談して、そして確保するというふうな、それが熱意であって、はい、だれか手を挙げる人という感じでインターネットで公募するというのは、何か本気が感じられないというふうに思います。そういうふうに現場の意見と事務方の意見が食い違ったままだったら、私は、医療関係者から見たら、そういう病院には行きたくないなというふうに思うだろうと思いますよ。
 食い違いの中身を放置したまま、市長は、記者会見でこの児童心療センターの目指す方向、施策にご賛同いただけるお医者さんに担っていただきたい、こう言ったのですけれども、それでは、意見の食い違いのある医者にはおやめいただきました、同じ意見のお医者さんに担ってほしいと言っているようにしか聞こえないのです。
 私は、お医者さんが一度に4人やめていく、その原因は何だったのか、何があったのかということが、ここが、一番、市民の疑問だと思うのです。12月1日に開かれた緊急集会では、みんな、そこのところは何があったんだというふうに疑問が出されています。
 ですから、ここを徹底的に明らかにして、解決のための前向きな姿勢を見せることが市民の不安をなくし、市民からの信頼を回復し、そういう風通しのいい運営をするところだったら働きたいというふうに、医療関係者の方から見ても魅力のある施設になるのではないですか。
 そのためには、市長が、現場の医師とのそごをなくして、一緒に、医者、家族と保健福祉局の3者で丁寧な議論、納得のいくまで話し合うという姿、姿勢を率先して見せていくということが必要だというふうに思います。その点、いかがか、伺いたいと思います。

渡部副市長 答弁

 私からは、水道の給水停止の問題と東区保護課の対応の問題についてお答えをいたします。
 給水停止につきましては、先ほど申し上げたとおり、いろんな手順を踏みまして、結果的に給水停止になったことはやむを得ないものと考えておりますけれども、滞納者からの申し出等により生活状況が把握できた場合には、給水停止の一時延期、または給水停止後におきましても速やかに給水を再開するなど、柔軟な対応を行っておりますが、そこに人がいるか、いないかという判断は、大変、現実に難しいというところがございます。
 次に、保護課の対応の問題でございますが、これも繰り返しになりますけれども、入室につきましては、私生活に無断で立ち入ることとなりまして、慎重に行わなければなりません。入室のタイミングにつきましては、先ほど申し上げましたように、世帯主は61歳ですし、年齢とか病気があるか、ないか、さらには、それまでの訪問で確認した世帯の状況や生活対応なども考慮して総合的に判断しなければならず、何日経過したら踏み込むべきというように画一的に決められることではないと考えております。
 今回、東区保護課は、日中、ケースワーカーが訪問しまして、夜間について民生委員に様子の確認を依頼した上で入室しておりまして、結果的にお亡くなりになったということは大変残念ではございますけれども、保護課の判断は適切だった、そのように考えております。
 以上でございます。

上田市長 答弁

 心療センターの問題につきましては、大変ご心配をいただいておりますことを、ご指摘の点も含めて、十分に受けとめさせていただいているところでございます。
 ただ、先ほど渡部副市長から答弁させていただきましたように、これは、突然、そういう提案、体制にしようとしたことではなくて、現場のお医者さん等も含めて計画を立てて準備をし、平成23年2月に方針を決定したというものでございます。その過程には、行政と、それから、現場のスタッフ、もちろん医師も含めて、議論の中に加わって、こういう方針でいこうという一たんの合意をさせていただいているわけであります。そこで働いた理念というのは、もちろん働きやすいということは結果の問題でありまして、患者、特に児童ということでありますので、保護者の皆さん方の気持ち等々、ご心配になる気持ちも十分に配慮して、最も子どものためにいいセンターにしよう、それが複合施設ということにもつながっているわけであります。そのことを最上位の理念として、方法論としてこういう方法を選んだ、その結果について、これまでの議論の中でどう実施していくかということについての過程で今回の事態が起きているということを十分ご理解いただいた上で、私どもは、当初決めさせていただいたときの理念というのは正しい理念だというふうに今のところ考えておりますし、この理念を追求するために最大限の努力を今後とも払っていきたい、このように考えているところでございます。

小形 かおり議員

 まず、生活保護についてですけれども、もうあと一歩踏み込んでいればという、そういう状況だったのですから、やっぱり判断が適切だったというふうにしないで、どうやったら救えたのかということを教訓にするような話し合いをぜひやっていただきたいということを求めておきたいと思います。
 それから、児童心療センターについてなんですけれども、現場の意見を聞いて、方針を決めたのだ、その理念は正しいのだというふうにおっしゃるのですけれども、私は、質問の中でもちゃんと言いましたけれども、厚生委員会の中で、討論の中では、現場の職員、医療技術者との意見の対立があったのだって、ずっとそれが長く続いてきたのだということを言っているわけですよね。だから、そこがきちんと直されないで、理念は正しいからそれについてくる人というふうなやり方をしたのでは、これは、市民からの信頼を回復できないと思うのです。だから、納得のいく話し合いをきちんとしていくということにしなければならないんじゃないかと。最初から、もうこれで決めて、現場の意見も聞いて、方針を決めたのだから、このとおり、平成26年にオープンするのだというふうな、こういうスケジュールありきで進めていったら、結局、医療関係者からの信頼も損なうし、医師が確保できない、そして施設が縮小されて、結果、被害を受けるのは子どもたちというふうになると思います。そういうことにしてはならないというふうに思いますので、私は、やはり具体的に話し合いを、正面から向き合って、何があったのかということも含めて、きちんとされていくということを求めておきたいと思います。
 そのことこそが、利用者、現場、そして市民自治を進めるのだと言っている上田市長にふさわしいやり方なのじゃないかと思うのですよ。このあり方の、一方的にこういうのは正しいからやりましょうということではなくて、そごがあったのだから、もう一度そこに対して議論をして、そして一緒につくっていく、この姿勢を示す、ここが一番の道だというふうに思いますので、そのことを指摘して、質問を終わります。