20130605 私は、日本共産党を代表して、ただ今議題とされております4件中、議案第16号及び議案第17号について、今採決することに反対し、残余の2件については、賛成する立場から討論いたします。
 議案第16号東札幌小学校改築工事請負契約締結の件での、契約の相手方は伊藤組土建株式会社、議案第17号南郷小学校改築工事請負契約締結の件の契約の相手方は、田中・丸竹竹田組特定共同企業体であります。
 さて、現在、千歳市を起点とし釧路市と北見市へ至る予定の道東自動車道の東側部分が工事中です。
 5月29日の新聞報道によりますと、28日午前8時ころ、道東自動車道の白糠町にある縫別トンネルの工事現場で、作業中の56歳の男性が事故で死亡しました。
 クレーンで吊り上げた鋼鉄がワイヤの切断で落下、型枠の解体作業中だった男性がのっていた足場が傾き、足場とトンネル型枠との間に挟まれたために、出血性ショックにより死亡したようです。
 この工事を請け負っていたのが、伊藤・田中・堀口特定建設工事共同企業体で、最初に申し上げた議案第16号、第17号の契約の相手方となっているのです。
 事故の方は、まだ、警察が捜査中であり、詳細は不明ですが、一般的に考えて、ワイヤが切断するのは、接触による損傷や、金属疲労による断線、雨水による腐食、摩耗などが考えられます。日本工業規格では、7%以上の摩耗があれば交換しなくてはならないとしています。
 これらの原因の多くは、点検不良や、ロープグリースの補給不足など、保守の不良があると考えられます。
 そこで、労働安全衛生法にもとづくクレーン等安全規則第35条では、「事業者は、クレーンについて、ひと月以内ごとに1回、定期に自主検査を行わなければならない」として、「ワイヤ及び吊りチェーンの損傷の有無」の点検を義務付けています。さらに、第36条では「事業者は、クレーンを用いて作業を行うときは、その日の作業を開始する前に」「ワイヤロープが通っている箇所の状態」を点検しなければならないとしています。
 これらについては、警察が捜査中でありますが、事業者の過失や責任が明らかになれば、道路工事の発注者である北海道開発局が、当該事業者を指名停止にすることが十分考えられます。
 委員会で理事者は「すでに入札を終え、仮契約を済ませある」と述べました。
 しかし、作業員が死亡する重大事故であり、事業者の責任や安全対策が疑問視される状況で、本契約を結ぶのは問題であります。
 こういう場合には、一度立ち止まって、十分に原因が解明され、再発防止策がしっかりとられたことを確認することが必要ではないでしょうか。
 とくに、今は定例会中であり、本会議は、まだ何度もあります。このタイミングで、工事請負契約の議案を可決してしまうのではなく、原因と経過、再発防止策を、議会としてもしっかり見極め、「これなら大丈夫だ」と確認してから議決すべきであります。
 議会の厳格なチェック能力を発揮すべきという観点から、いま議決すべきではなく、議案に反対することを申し述べ、私の討論といたします。