20141001 私は、日本共産党を代表して、市政の重要問題について質問いたします。
 質問に先立って、広島の土砂災害、本市の大雨、御嶽山の噴火で、犠牲になられた方に哀悼の意を表すとともに、被災された方々に、心よりお見舞い申し上げます。

 質問の第1は、「核兵器のない世界」の実現についてです。
 被爆70周年にあたる来年2015年の核不拡散条約再検討会議は、核兵器廃絶の道へ、とりわけ核兵器禁止条約の交渉開始に踏み出せるかが問われる重要な会議となります。
 「札幌市平和都市宣言」で核兵器の廃絶を呼びかける本市として、来年の核不拡散条約再検討会議に向けて、核兵器禁止条約の交渉開始を求める立場をアピールするとともに、市民への啓発をすすめることが大切だと考えますが、いかがか。また、政府に対して、核兵器禁止条約の交渉開始を求める立場にたつよう働きかけるべきと考えますが、いかがですか。
 日本政府は、「米国の核抑止力を損なう」核兵器の廃絶に反対との立場です。しかし、この「核抑止力」論こそ、核兵器廃絶を妨げる元凶となっています。
 「核抑止力」論は、その使用を辞さないことを前提とし、核兵器がもたらす壊滅的な結果と、それへの恐怖によって「国益」を図ろうとするもので、核戦争を引き起こす危険を増大させます。広島、長崎を経験した日本の政府として、「核抑止力」論を放棄すべきだと考えますが、市長の見解を伺います。
 質問の第2は、ヘイトスピーチについてです。
 国連人種差別撤廃委員会は8月29日、日本に関する総括所見(最終見解)を発表し、人種差別を扇動するヘイトスピーチに対して、日本政府が断固として対処するよう、法規制を含む対応を勧告しました。
 特定の民族や個人に対し、差別や人権を侵害する言葉を叫びたてる行為は、それ自体が許されない問題であり、「表現の自由」とは次元が違うというのが世界の流れです。
 国際都市札幌をめざす本市として、ヘイトスピーチを許さず、アジアと世界の人々との信頼と友好を発展させる立場を、「条例」または「宣言」でアピールすることは、今日、きわめて重要と考えます。市長の見解を伺います。また、国に対して、ヘイトスピーチへの法規制を実施するよう求めるべきと考えますが、いかがですか。
 また、北星学園大学の非常勤講師に対する攻撃が問題になっています。その教員が、かつて朝日新聞記者であった時に書いた記事に問題があるという不当な理由で、現在、勤務している大学に対して攻撃が行われています。
 マスコミの報道では、「なぶり殺しにしてやる」、「辞めさせないと学生を痛めつける」、「ガスボンベ爆発だ」などの、脅迫状やメールが集中し、日常業務に支障をきたす状況です。
 このような不当な攻撃が、大学の自治と自由を侵害することは許されません。
 さらに、攻撃はエスカレートし、ネットで大学講師の娘さんの実名と顔写真をさらし、「死ねばいい」、「日本から出ていけ」とまで言っているようです。
 市長は、北星学園大学講師へ、このような攻撃が行われていることをご存知ですか。許されないことだと思うのですが、市長の見解を市民の前に明らかにしてください。このような攻撃に屈してはならないという激励を、本人と大学に伝えるべきと思いますが、今後、どういう行動をとるのか、明らかにしてください。
 質問の第3は、アイヌ民族の問題についてです。
 本市が2010年に策定した「アイヌ施策推進計画」は、「策定にあたって」のなかで、先住民族の権利に関する国連宣言とアイヌ民族を先住民族と認めた国会決議など、アイヌ施策を実施する環境が変化するなかで、札幌市においてもアイヌ民族が先住民族であるという認識のもと、本計画を策定したとしています。
 まず、先住民族の権利に関する国連宣言と、これが契機となって採択されたアイヌ民族を先住民族とする国会決議について、市長の基本認識を伺います。
 アイヌ民族は、北海道、サハリン、千島の広い地域に先住していましたが、とりわけ明治期以降の「北海道開拓」のなかで、土地を奪われ、漁業・狩猟の禁止、「同化政策」による伝統・文化の制限・禁止など、生活基盤も伝統・文化も奪われ、差別されてきました。アイヌ民族を先住民族とする国会決議が、衆参両院において全会一致で採択されたのは、こうした歴史的事実を共通の認識にしたからだと考えますが、市長の見解を伺います。
 現在でも、アイヌ民族への偏見や差別は存在しています。政府は来年、アイヌ民族への差別に関する全国的な意識調査を実施するとしていますが、こうした偏見や差別をなくすために力を尽くすべき本市議会で、それに逆行するようなことがあってはならないと考えますが、市長の見解を伺います。
 質問の第4は、福祉灯油の実施と電気料金値上げについてです。
 年金が削減されるなかで、生活物価の上昇と消費税増税、灯油代の高騰が重くのしかかっています。灯油価格は2009年9月の平均67円から毎年値上がりし、この9月で104円と、5年間で1・5倍を超えています。
 政府は昨年度末、石油価格の高騰対策として、福祉灯油に特別交付税を措置し、道内約9割の自治体が福祉灯油を実施しました。本市でも福祉灯油を実施すべきだと考えますが、いかがですか。また、国に対して、福祉灯油への特別交付税を措置するよう求めるべきと考えますが、いかが伺います。
 北電による電気料金の再値上げに批判が広がっています。標準的な家庭で、17%値上げされた場合、月1000円の値上げで、オール電化なら8000円と言われています。また、北海道商工会議所連合会の調査では、会員企業の8割が値上げに反対し、9割が値上げ分を商品やサービスに転嫁できないと回答しています。
 本市でも、仮に22%の値上げが実施された場合、影響額は年間25億6千万円です。
 今回の再値上げは、市民生活と経済に及ぼす影響は極めて大きいと考えますが、いかがですか。また、本市の財政運営にどのような影響があるか、一般会計及び企業会計について、具体的に明らかにしてください。今回の再値上げについて、中止するよう北海道電力に申し入れるべきだと思いますが、いかがですか。

 次に、昨年度決算についてうかがいます。
 昨年度の一般会計決算の歳入は8517億円、歳出は8420億円で、次年度への繰り越し41億円を引いた実質収支で56億円の黒字でした。
 財政調整基金から11億円の取り崩しを予算計上していましたが、取り崩すどころか、逆に28億5千万円積み立てを増やしました。
 質問の第1は、使用料手数料についてです。
 市営住宅家賃減免制度の見直しがあり、8割・7割減免というもっとも所得の低い階層、生活保護と同等かそれ以下の所得の世帯に値上げが行われました。29の市営住宅自治会など187団体から、議会に反対陳情が出されました。
 また、ていねプールと川下公園のリラックスプラザについて、事業仕分けで「廃止」あるいは「廃止を含む見直し」とされたために大混乱を招き、結局、両施設とも有料化で存続することになりました。
 ていねプールでは小中学生と高齢者を対象にした有料化で、リラックスプラザは障がい者減免の有料化でしたが、これら2つの施設での有料化による増収は、1330万円であり、一般会計が56億円の黒字になったことを考えると、子ども・お年寄り・障がい者からお金をとることはやめるべきでありました。
 値上げしなくても、本市財政への影響はほとんどなかったと思いますが、いかがですか。
 また、今後は、施設利用料の見直しについては、利用者の声を十分聞き、合意を前提とすべきと考えますが、いかがか、うかがいます。
 質問の第2は、基金についてです。
 本市基金全体の昨年度末現在高は、前年度より156億円増加し、3023億円となっています。
 財政調整基金は、29億円増の175億円、まちづくり推進基金は43億円増の280億円。土地開発基金は、4億円増の660億円となっています。
 これら基金は、重要な市民の財産であり、灯油価格の上昇や、年金の受給額の引き下げなど、市民生活がかつてなく厳しかった時であり、適切に取り崩して活用すべきだったと思いますが、いかがか、うかがいます。
 また、本市基金条例第3条の2では、「土地基金の額は、200億円とする」と明記されており、条例に照らし、正常な運用とは言えないと思いますが、いかがか、うかがいます。

 次に土砂・浸水災害の対策についてです。
 8月20日、広島県広島市で発生した豪雨による土砂災害では、9月25日現在で死者74人と甚大な被害となりました。土砂災害が起こった原因は、数週に渡る雨で、地盤の緩みが進行していた所に20日の午前1時から3時までの間に150mm近くの猛烈な雨が局地的に降ったことです。
 本市では、9月11日未明から激しい雷と強い雨が一晩中降り続き、大雨特別警報が出され、災害対策本部が設置されました。
 道路の冠水、河川の氾濫などによる床上浸水、床下浸水、土砂崩れなどの被害が報告されました。この災害を教訓にして今後の本市の対策について5点質問します。
 質問の第1は、本市の土砂災害警戒区域の指定を前倒しで進めることについてです。
 本市では、土砂災害危険箇所が974カ所あり、そのうち、356カ所については、2009年度から14年度までに土砂災害警戒区域に指定が完了しますが、残りの618カ所については北海道が指定完了するのが2019年度となっております。前倒しで土砂災害警戒区域を早急に指定して対策を行うことを道に強く求めると同時に、国に予算措置を求めていくべきと考えますがいかがか伺います。
 質問の第2は、避難所の課題についてです。
 9月11日午前0時36分に札幌市に浸水害の大雨警報が出され、避難所の開設は警報が出されてから3時間30分後で、避難勧告を見た住民がどしゃ降りの雨の中、自主的に避難を始めましが、たどり着いた避難所がしばらくの間、閉まっていて入れなかったところがありました。迅速な対応ができるようにエリアメールで避難勧告が出される前に避難所開設の準備を整え、避難勧告が出た時点で直ちに受け入れるべきと考えますが今後の対応について明らかにしてください。また、直ちに避難所を開設するために、学校の鍵を管理している教師がどこに住んでいるのか、学校ごとに鍵の管理者が誰でどこに住んでいるのかを早急に調査するべきと考えますがいかがか伺います。
 質問の第3は、本市で9月11日に起こった大雨災害で被害にあわれた方への対応についてです。
 川が氾濫したことで自営業をしていて被害を受けた方が、今後の営業の見通しが立たず、融資を受けたいと区役所へ相談に行ったところ、セーフティネット保証制度を受けられないと返された人がいます。セーフティネット保証制度の対象とならなくても本市の融資制度を活用できるように対応すべきと考えますがいかがか伺います。
 また、床上浸水した住居を対象に2万円を支給する災害見舞金がありますが、制度を知らない市民が多いと思いますが、このたび支給されたのかうかがいます。
 質問の第4は、要配慮者への避難対策についてです。
 地域防災計画の水防計画では、避難に時間のかかる要配慮者に早めの避難を促し、また、その他の市民等に避難の準備を促すために避難準備情報を発令する」としています。今回の大雨では、望月寒川、月寒川の洪水避難勧告が発令されました。しかし、近くに住む携帯電話やスマートフォンを持っていない方は、大雨特別警報が出たことにまったく気づいていない方がいました。
 今後、川沿いや土砂災害が発生する危険がある地域に住んでいる高齢者や障がい者などを把握するための調査を実施し、町内でのネットワークを確立するなど高齢者や障がい者に避難勧告を迅速に知らせる対策を本市の責任において取り組むべきと考えますがいかがか伺います。
 質問の第5は、雨水対策についてです。
 雨水処理の進め方は、下流から上流に向かって進めていくのが原則ですが、今回の大雨を踏まえながら、被害の調査を綿密に行い、今後の雨水対策に生かして、浸水した地域や地下鉄駅近辺などの整備を優先とし、拡充管、雨水貯留管の整備に当たって浸水実績や土地利用による優先的整備地域を検討すべきと考えますがいかがか伺います。

 次に国民健康保険料について質問します。
 質問の第1は、高すぎる国民健康保険料が払えずに無保険状態になっている人がいる現状についてです。
 本市の国民健康保険料の滞納世帯は、2014年8月末現在で4万8,778世帯、滞納処分件数が299世帯、資格証明書発行世帯が9,231世帯になっています。少ない収入の中で高すぎる保険料が払えず、無保険状態の世帯もいます。この現状は国民皆保険制度にてらし、問題だとは思いませんか市長の認識を伺います。
 質問の第2は、国民健康保険料を引き下げることについてです。
 1992年度の加入者の平均所得は279万円ありました。2012年度は95万円ですから、3分の1に減っています。本市では、2000年度以来、平均保険料を据え置いていますが所得が激減する中、加入者から見れば保険料は毎年値上げになっています。例えば、年金収入200万円の2人世帯の場合ですが、1992年度の保険料は4万7,000円でした。2014年度は、同じ年金収入200万円の2人世帯の場合、保険料は9万7590円と2倍以上になっています。
 ですから、高すぎる国民健康保険料を引き下げて欲しいという願いは切実なのです。
 国民健康保険会計で一般会計からの保険料軽減対策分の繰入金の不用額は、2009年度から5年連続で不用額が出ており、その平均額は、42億4,545万円です。
 わが党は、予算を確保して保険料の引き下げに回すべきと指摘してきました。5年間の不用額を平均したら1世帯1万4152円の保険料の引き下げを行うことができます。
 保険料の引き下げに活用する決断を市長は行うべきと考えますがいかがか伺います。

 次に、保育に関する問題について質問します。
 質問の第1は、新しい保育団体の問題についてです。
 これまで全国的な保育団体として、全国私立保育園連盟、日本保育協会などがありますが、新しい保育団体を上から作らせようという動きがでています。
 それが「保育推進連盟」ですが、その新団体の目的として「自由民主党とともに保育所保育政策の充実を図る」とし、さらに「将来的には自由民主党の各県連での党員拡大を図り、代議員制をめざす」としています。
 「役割」では、「自由民主党の選挙活動を統括し推進すると同時に、自由民主党の党員獲得に努める。また、3団体の自由民主党への保育所保育政策及び予算活動を一本化し、保育推進連盟のみがこれを行う」としています。
 他の保育団体が与党との交渉を行うことを妨害しようとしているのです。
 法人の理事長や、保育所の園長、職員、保護者の政治的自由を侵害し、思想良心の自由を定めた憲法第19条に抵触すると思いますが、いかがか、うかがいます。
 本市各区の私保連の会議中、または会議終了宣言直後にその場で「保育推進連盟」の紹介、または、加入の呼びかけが行われたと聞いていますが、そのような事実を掌握していますか、また、問題だとは考えませんか、このような動きを黙認することは許されないと思いますが、いかがか、うかがいます。
 質問の第2は、待機児童対策についてです。
 昨年4月1日の時点では待機児童が1033名、超過入所児が869名で、1902名分の保育施設が不足していました。その後も、待機児童は増え続けています。
 保育所を増設して、たとえ4月1日時点での待機児童が解消されたとしても、定員いっぱいの状況であれば、その後1年間、翌年の3月末に年長児が卒園するまで、待機児童は、入所することができません。
 第2回定例会のわが党の代表質問に対して、井上副市長が「今年度は約1,900人分の保育サービス拡大を行う予定だが、今回の待機児童の実態をふまえた更なる対応について、今後早急に検討を行ってまいりたい」と答弁していますが、あらためてうかがいます。
 市内の保育所全体の状況として、4月1日時点で保育所の定員がいっぱいで、あらたに入所を希望する人が翌年4月まで入れないという状況でもよしと考えておられるのか、それとも4月1日時点では定員に余裕があり、その後も受け入れ可能という状況を目指して保育所整備を進めるのか、うかがいます。
 また、今年度中の待機児童解消の見通しと今後の対策についても明らかにしてください。
 質問の第3は、待機児童ゼロを保障する土台でもある保育士の確保と処遇改善についてです。
 職業安定局が、保育士資格を有する求職者のうち、半数は「保育士として働くことを希望していない」ことに着目して、意識調査を実施しました。
 保育士を希望しない理由で最も多いのは、「賃金が希望と合わない」47.5%であり、「責任の重さ・事故への不安」が40.0%です。
 また、川村雅則北海学園大学准教授による「保育・保育労働をめぐる問題」では、保育士の仕事や労働条件等に関する満足度について、特徴の第一として上げているのが「仕事の内容・やりがいに関する満足度の高さ」で、満足から不満を引いたDI指数でプラス 59.5と非常に高い数値です。
 逆に最も低いのが、「賃金」であり、民間の正規職員でも、マイナス 34.1であり、民間非正規においては,マイナス46.4になっています。
 これらの調査結果から、保育士は、とてもやりがいのある仕事だが、賃金が低く、責任の重い仕事という実態が浮き彫りになっていると思うのですが、市長の保育士の仕事に対する認識と、処遇改善の必要性についてのお考えをお示しください。
 昨年度、国は保育士等処遇改善臨時特例事業を実施し、「保育士一人あたり月額8千円から1万円の給与改善になる」としていましたが、市内の保育所では、どの程度賃金が上がったのか、基本給で上がったのか、手当だったのかなど実施状況を明らかにしてください。
 また、今年度についても賃金の引き上げを実施するのか、するのであれば、基本給での引き上げが望ましい旨、各保育所に指導すべきと思いますが、いかがか、うかがいます。
 質問の第4は、宗教食を実施する保育所への人件費補助についてです。
 イスラム教徒が宗教的戒律により豚肉を食べられないために、ホテルやレストランでは、イスラム教徒が食べられるハラル食に対応できるところが増えています。
 保育所では、市内の16か所で、宗教上の理由による個別の食事対応をしています。
 調理、配膳などの作業それぞれにアレルギー除去食と同様の点検や確認が必要であるため、アレルギー除去食と同様の人件費の補助を行うべきと求めてきましたが、本市は、「補助制度全体の中で慎重に考える」と、前向きの姿勢が感じられません。
 観光行政では、国も本市もハラル対応が重要だとして進め、本定例会でもインドネシアのシティプロモートの補正予算を提案する一方で、保育分野で遅れることは矛盾だと思うのですが、宗教食の人件費補助の必要性について、現場の実態調査と、実施のための検討を行なうべきと考えますが、いかがか、うかがいます。

 次に、学童保育について質問します。
 質問の第1は条例案についてです。
 条例で定める基準について「その基準は、児童の身体的、精神的および社会的な発達のために必要な水準を確保しなければならない」と明記されています。条例案は、指導員の資格、配置、基準のいずれも国の示した基準と全く同じです。子ども・子育て放課後児童健全育成部会の意見を見ますと「基準案はおおむね妥当」としながら、ただし、今後、札幌市が当該基準を策定し実施するにあたって、留意すべきことが3点にわたって盛りこまれました。
 1点目は、従事する者は全員有資格者であることが望ましい。家庭支援、障がいのある子への対応等に関する知識や技能の習得がますます重要になることが考えられるために、質の向上につながる研修体系の構築に努めるとともに、こうした指導員の高い専門性と職務の重要性、経験に見合った処遇となる対策を検討すること。
 2点目は、集団の規模及び施設について、集団の分け方について十分に検討すること。また、子どもたちが安全で楽しく過ごすことが出来る環境を目指す一方、現在の利用者が困ることがないよう配慮するとともに、将来的な児童数の増加等も見込んで施設整備の計画を検討すること。
 3点目は開設日数及び時間などについて、保護者の視点だけでなく子どもの視点に立った事業の実施とともに、学校や地域、保育園、幼稚園等、関係機関との連携強化に努めること。また、放課後児童クラブの基準だけではなく別途、児童会館や中高生も含めた放課後施策のあり方についても検討すること。
 この3点は、いずれも重要なことであり、条例に反映されるべきではないかと思うのですが、なぜこれらが盛り込まれなかったのですか、また、今後この3点について実施していくお考えがあるのか、うかがいます。
 民間学童保育の位置づけと事業の進め方についてですが、利用料の引き下げや、施設の修繕費、備品などの維持について、保護者まかせ事業者まかせにせず、市の支援を強めるべきと考えますが今後の対応について伺います。
 質問の第2は保育緊急確保事業についてです。
 これは放課後児童クラブ開所時間延長にともない、指導員の賃金を増額させる事業で、国から通達が出されました。
 民間学童保育所は、先日の豪雨の時も長期休みも、情熱をもって献身的に保育し、働く親を支えています。早朝、延長保育、障がい児保育も早くから実施し、札幌の学童保育をリードしてきました。指導員は低賃金で処遇改善が切実に求められています。本市において、この事業をどのように取り組むつもりか、各クラブに事前調査票を提出させ、説明会まで開き期待を持たせました。各クラブでは父母会を何度も開き、きつい仕事をしている指導員の底上げしようと一大決意を行ったところもあります。また、これを見込んで9月から実施したところもあります。
 そこで質問ですが、いくつの学童保育所から計画書が出されたのか、すでに賃金を上げる計画があるのはいくつか、あらたに指導員を雇用する所はいくつか伺います。
 また、いま、条例案が提案されている時、補正を組んででも手立てを取るべきですがいかがか伺います。

 次に、介護の問題について質問します。
 質問の第1は、デイサービスで要介護者を宿泊させている問題です。
 本市における特別養護老人ホームの待機者は、10年間で2600人以上増えています。
 グループホームに入所して待機したり、ショートステイをつないで、なんとか生きているというのが現状です。
 自宅で介護できない様々な事情があると思いますが、デイサービスに行き、そのまま帰らずに宿泊している、いわゆる「お泊りデイサービス」が札幌市内で行なわれています。
 ただ単に認められない、許されないでは済まされない事情も考えられますので、入所施設への受け皿を整えて、高齢者本位の解決をすべきと考えます。
 デイサービス事業所で要介護者が宿泊している実態を把握されているのですか。
 どの事業所で行なわれ、1日当たり何人が宿泊しているのか、デイサービス事業終了後の時間帯には、介護福祉士・看護師が常時監視しているのか、本市ではグループホームの火災で7名が死亡するということもありましたが、消防設備は整っているのか、雑魚寝させているところもあると聞いていますがプライバシーは確保されているのか、などの実態について、本市は把握しているのですか、うかがいます。
 ただちに実態調査を行ない、必要な対策をとるべきですが、今後の対処方針についてうかがいます。
 質問の第2は特養の入所制限についてです。
 今年6月末現在の特養待機者は6,571人で要介護度1が1,106人、介護度2は1,666人となっていますが、来年4月から要介護度1・2の方が原則、施設入所できなくなります。これらの方でも「認知症や、知的障害・精神障害を伴」う方、「家族などの虐待、単身や家族病気等により在宅生活が困難」などについては特例を認める方向が出されています。
 来年4月から「特養の軽度者はずし」が始まりますが、市として、すべての事業者に対して、特養入所基準を要介護3以上と限定し一律に受付拒否をしないように徹底すべきと思いますが、どう対処するのかうかがいます。特養待機者を一刻も早く解消するために、さらに増設が求められていると思いますが、新年度策定の介護保険計画にどのように反映されるおつもりか伺います。
 また、サービス付き高齢者住宅の整備や高齢者下宿・高齢者共同住宅のバリアフリー化等の整備など高齢者が安心して在宅での介護を受けられる環境整備を積極的に進めるべきと考えますが、いかがか伺います。
 質問の第3は保険料についてです。
 新年度の介護保険計画の見直しにより保険料の大幅な値上がりが懸念されています。この間、市は特養の整備を進めてきましたが、この事を理由にした値上げは断じて容認できません。値上げすべきでないことを改めて申し上げておきます。
 また、保険料収入全体から低所得者への減免制度を行っていますが、これにも限界があります。今回の法改定で、低所得者の保険料軽減の財源を公費、すなわち一般会計で補てんする仕組みが導入されました。本市においても、国民健康保険料同様、保険料の据え置き、低所得者への減免のため、介護保険会計に一般会計からの繰り入れを行うべきではないですか、伺います。
 質問の第4は利用料についてです。
 来年の8月から、収入によって利用料の負担が1割から2割に大幅な負担増となります。所得で160万円、年金のみの収入の単身者で280万円以上の方が、利用料2割負担の対象になりますが、この基準額そのものが「高額所得者」とは言えません。また、介護の必要度が高い人ほどサービス利用が多くなり、負担増となります。この際、市として2割負担の撤回を国に強く求めるべきと思いますが、いかがですか伺います。また、わが党が再三求めている低所得者への利用料減免を本市独自でも行うべきと考えますがいかがか伺います。
 質問の第5は介護予防・日常生活支援総合事業についてです。
 要支援1・2の方を介護予防給付の対象からはずし、総合事業へ移行し、遅くても2017年4月にはスタートすることになっていますが、国からの方針が具体化されず、現在サービスを受けている利用者は、現行のままサービスを受け続けることが出来るのか大変な不安を抱えています。サービスを提供している事業者は無資格者が低コストで参入することに強い危機意識を持っています。
 今後、移行するまでの間で、市民や利用者、事業者から実態やニーズの把握を十分行うべきと考えますがいかがか。
 現行サービス水準を維持し、必要なサービスをきちんと受けられるようにすべきであり、また無資格者でも介護サービスを提供できるような仕組みはつくるべきでないと思いますが、いかが対処なさるおつもりか伺います。

 次に、市税の取立て・差し押さえについて質問します。
 取り立てが厳しく、「まるで悪徳業者のようだ」との声がたびたび聞かれます。
 本市産業振興ビジョンでは、「札幌市の経済は、中小企業によって支えられている」「中小企業を振興することで、多くの雇用や所得が生まれ、結果として市民生活が向上するという好循環を生み出すことができます」としています。
 しかし、現実はどうなっているでしょうか。
 本市統計書1993年版と2013年版で比較をすると、従業員50人以上の事業所は221か所増えている一方、49人以下の事業所は、9,688か所も減少しているのです。
 納税にも苦労されているはずですが、2009年度と2013年度のデータ上の比較は、以下のようになっています。
 収納率は、94.3%から96.7%へ上昇。滞納件数は11万5,505件から75,159件に減少。滞納税額も、151億6400万円から83億7200万円へ減少しています。
 経営環境の厳しさで廃業する企業が後を絶たない中で、滞納が減っているのは、滞納対策、取り立て・差し押さえが強化されているからです。
 差し押さえ目標が、8,886件から11,083件に引き上げられ、実際の差し押さえ件数も、7,773件から1万1,978件に増加しています。そして、不服申し立ても2009年度8件から、2011年以後は15件から20件で推移しているのです。
 まず、経営環境が改善されないのに、収納率が向上しているのは、取り立てと差し押さえの強化によるものではないかと思うのですが、いかがか、うかがいます。
 2012年12月、東区在住の市民が、委託契約を結んでいた会社から、個人口座に振り込まれることになっていた委託料を全額差し押さえられました。
 振り込まれるはずだった委託料は、夫婦の生活費そのものであり、生きていくために不可欠のものでありました。
 名目が給料ではなくても、実態として生活費である場合には、全額差し押さえることはせず、最低生活費は保障すべきだと考えますが、いかがか、うかがいます。
 また、暮らしと営業を再建することを前提にした、滞納者も納得して払っていけるような滞納対策が必要だと思いますが、いかがか、うかがいます。

 次にブラック企業について質問します。
 日本の雇用は、小泉構造改革によって大きく壊され、1999年の「産業活力再生法」や「労働者派遣法」原則自由化で、企業の退職強要・解雇、裁量労働制などが進められ、不安定雇用が増えました。とりわけ、2008年のリーマンショック以降は正社員が職場でいじめられ退職に追われる、企業ぐるみで退職を強要して自己都合退職に追いやるなどの正社員いじめ、派遣や嘱託社員へのハケン切りが次々と起き、民間支援団体が「年越し派遣村」を開設して食事と住まいを提供するなどの取り組みが始まりました。
 構造改革、規制緩和路線は、ごく一部の正社員と、多くの使い捨てられる労働者という社会問題をうみ、格差と貧困が広がり続けています。
 安倍政権は、それに歯止めをかけるどころか、「世界で一番企業が活動しやすい国、日本」をつくる、として、労働法制をいっそう規制緩和し、解雇自由、残業代ゼロなど、長時間労働、ただ働き、低賃金の非正規の拡大など、ワーキングプアを増やすアベノミクスを進めています。
 国際労働機関ILOは、「持続可能な企業」という提起を行い、労働者はコストではなく財産であること、熟練労働者は企業の競争力の源泉であること、人減らしや賃金カットは万策尽きたあとの最後の手段とすべきこと、という考えを2007年に打ち出し、世界は、「働く人を大切にする」「人減らしを優先する企業に未来はない」というのが共通する考えになっており、日本の働く人の実態は世界から見て異常です。
 質問の第1は、ブラック企業の認識についてです。
 「ブラック企業」という言葉は、今までの日本型正社員とは異なる労働管理におかれたIT技術者が、ネット上で自らの低賃金・長時間労働を揶揄して使うスラングとして始まったと言われています。法違反労働やいやがらせ、脅しなど、働く人を過酷な労働に追い立ててモノのように使い捨て、使いつぶす職場や会社を「ブラック企業」「ブラックバイト」と呼んでいます。
 「たかの友梨ビューティクリニック」では、多くの従業員が1日12時間働かされ、営業終了後に一旦タイムカードを押させたあと「自主練習」という名称で残業することが日常となっています。月に平均80時間にも及ぶ残業をさせているにもかかわらず、残業代の支給は1万5千円。休憩が取れず、昼食やトイレにも行けないこともあり、休日出勤手当もなし。有給休暇を取得させない、産休を取得させない、売り上げ目標がいかないとカードローンなどで自腹購入させられる、などの実態が労働組合から報告されています。
 こうした働く人を過酷な労働に追い立ててモノのように使い捨て、使いつぶすブラック企業が広がっており、本市でも問題が起きているという認識をお持ちか、うかがいます。
 質問の第2は、この問題への本市の対応の抜本的強化についてです。
 私ども市議団は、ブラック企業アンケートを開始しました。「時間外の残業を申告するとクレームをつけられる」「一人体制をやめてほしい。今年の正月は5時間一人でした」「深夜までミーティングをし、帰りの地下鉄がない。」「交通費が突然カット」などの実態が記入されていました。
 本市でも、就業サポートセンターなどに寄せられている相談には、「雇用契約時と違う仕事をさせられている」、「残業代がまったく支払われていない」、「退職を申し出たら罰金2万円と言われた」などです。
 市民が働く職場でこうした実態がある以上、本市が、困っている市民を支えるという立場に立ち、積極的な対応をすべきです。
 1点目は、学校における働くルールの教育および市民への啓発活動についてです。
 会社で不当な目にあったときにどのようにしたらよいのか、対処方法や相談先を学ぶことができるワークルール教育を進めるべきと考えますが、いかがかうかがいます。
 2点目は、市民と市内企業への周知徹底についてです。
 最低賃金はもちろんのこと、労働者の権利の保護と労働基準法を、市民と市内の企業に周知徹底するべきだと考えますがいかがかうかがいます。
 3点目は、相談窓口の設置についてです。
 相談窓口の設置を、いまの就業サポートセンター、西区、清田区だけでなく、各区に置き、時間帯の延長、弁護士や労働組合との連携などを強め充実を図るべきだと思いますがいかがか、うかがいます。

 最後に、東雁来土地区画整理事業地域の児童急増について質問します。
 東雁来では、団地造成により住宅建設が進んでいます。新しい住宅を建設する方は、子どものいる家庭が多く、札苗緑小学校、札苗北小学校では、児童数の急増に対応しきれなくなっています。
 緑小は、今年増築工事をしていますが、北小は来年度の増築予定ですから、来年度は教室不足が必至です。
 放課後児童対策も大変になっています。
 北小校区には児童会館がありますが、登録児童は133名とパンク状態です。
 緑小校区にある、民間共同学童保育所には67名と市内で最多の児童が登録され、従来使ってきた住宅1戸建てでは間に合わなくなり、高学年の児童は近くの町内会館も利用しています。
 緑小学校には、今年度ミニ児童会館を整備する計画ですが、教室不足という状況では不可能です。
 緑小、北小とも、今後10年間以上は児童が増え続けるものと思われます。
 したがって、当分の間、緑小の校舎内にミニ児童会館を整備することはできません。
 東雁来の区画整理は、本市が施工してきたものであり、それに伴う児童数の増加に対して、十分な見通しを持って来なかったために、対策が後手後手に回ったことは、本市としての責任が問われていると思います。
 北小、緑小の児童数の急増に対して、対応が遅れていることについて、どう責任を感じているのか、緑小の児童の放課後対策については、新設の児童会館が必要だと思いますがいかがか、うかがいます。
 以上で、私の質問のすべてを終わります。
 ご清聴ありがとうございました。

 

上田市長 答弁

 10項目ご質問ございましたので、私からは政治姿勢についてと、昨年度決算について、さらにブラック企業について、ということについてご質問でありますので、お答えをさせていただきます。その余は担当の副市長から答弁をさせていただきますので、お聴き取りください。
 まず私の政治姿勢についての項目で、核兵器のない世界の実現について、ということでございますが、まず市民への啓発と政府への働きかけについてでございますが、札幌市では、札幌市平和都市宣言に掲げます核兵器廃絶の実現に向けて、毎年平和に関する普及啓発事業を実施しておりまして、不断に取り組んでいるというふうに言うことができると思います。加えまして、国内1,505都市・国外で4,771都市が加盟をしております、核兵器の廃絶を求める活動を行う平和首長会議に加盟をしておりまして、核兵器廃絶に向けた姿勢を内外にお示しをしているところでございます。平和首長会議では、2015年の核不拡散条約再検討会議に向けまして、それぞれの政府に対し核兵器禁止条約の締結に向けた具体的な交渉を開始するように要請する、ということとしているところであります。日本では政府に対し既に3回にわたりまして要請を行っておりまして、今後とも加盟都市が一丸となって、核兵器禁止条約の早期実現に向けて、取り組んでいく所存でございます。
 次に核抑止論についてでございますが、核抑止論は、核の力で脅威を与えて、他国に攻撃を思いとどまらせるという考え方でございます。本来は核抑止力に頼らずに世界の平和を保つということが望ましい、このように考えております。繰り返しになりますけれども、平和首長会議によります核兵器禁止条約の締結に向けた政府への要請などを通じまして、札幌市平和都市宣言にも謳っております、人類がひとしく平和のうちに暮らせる世界の実現に向けて、核兵器廃絶を呼びかけてまいりたい、とこのように決意をいたしております。
 政治姿勢の2点目、ヘイトスピーチについてでお尋ねございます。ヘイトスピーチは、人間として誠に恥ずべきことでございます。極めて遺憾であるというふうに認識しております。市民の皆さん方も、この、札幌という良識に満ちた市民の皆さんも同様であると私は信じております。特定の人種や民族を否定することは許されるものではなく、国においては、規制に関する動きもありまして、その動向をしっかりと注視しているところでございます。札幌市では、「札幌市国際戦略プラン」の大きな柱の1つでございます、多文化共生社会の実現を目指し、さまざまな施策を行っているところでもございます。アジアや世界の人々との信頼と友好を発展させていくためにも、市民一人ひとりが、より一層、人種や文化などの多様性を尊重し、共生ができるまち、まちづくりを進めていかなければならないと、こんなふうに考えているところであります。
 また、議員からご指摘のありました、北星学園大学の非常勤講師に対する一連の動きにつきましては、私も一部マスコミ等の報道を読ませていただいておりますので、そのような行為が、当然のことながら許されるものではない、具体的には脅迫罪、あるいは威力業務妨害、刑法犯でございます。警察当局がしっかりとした取締りをすることは当然のことであるというふうに思いますし、北星学園大学におきましては、このようなものに屈してはならないということを、エールをおおくりしたい、とこのように思います。繰り返しになりますが、さまざまな人々が、お互いを尊重し合い、共生できるまちづくりをすすめていかなければならないと、このように考えているところでございます。
 アイヌ民族の問題についてのご質問でございます。
 1点目の先住民族に関する国連宣言と国会決議の認識と、2点目のアイヌ民族の歴史的事実に関する認識については、一括してお答えをさせていただきます。「先住民族の権利に関する国連宣言」におきましては、先住民族の権利と国の関わり方についての国際指針というものが示されておりまして、その趣旨を踏まえまして国会決議は、我が国の近代化の歩みの中で、多数のアイヌの人々が差別をされ、貧窮を余儀なくされたという歴史的な事実を示したうえで、政府に対して、アイヌの人々が先住民族であるということを認め、アイヌ政策をさらに推進するように求めたという、このような決議であると認識をいたしております。
 この国会決議を受け止めて、政府はアイヌの人々が先住民族であるという認識の下に、総合的なアイヌ政策の推進に取り組んでいるところでありまして、札幌市といたしましても、国の動きを踏まえて、札幌市アイヌ施策推進計画を策定し、総合的な施策の推進に努めているところでございます。
 3点目のアイヌの人々への偏見や差別については、これまでの政府のアイヌ政策に関する世論調査や、あるいは北海道のアイヌ生活実態調査、これらによれば、今なおアイヌの人々への差別があることは明らかになっているところでございます。市民の一人ひとりがお互いに思いやり、夢や誇りを持って生きられるように、差別や偏見のない社会となるよう、札幌市といたしましても市議会と認識を共有しながら、しっかりと市政を推し進めてまいりたい、このように考えておるところでございます。
 福祉灯油の実施と電気料金値上げについてお尋ねでございます。
 1点目の福祉灯油の実施についてでございますが、石油価格の高騰というのは、あらゆる市民生活の中に幅広く影響を及ぼすことになりますことから、まずは国において対策を講じるべき課題であると、このように認識をいたしております。また福祉灯油につきましては、給付金及び支給事務に多額の経費を要する一方、給付を受ける側にとっては、冬季間の暖房費のごく一部が補強されるにとどまるということから、施策としての実効性については高いとは考えていない、というふうに私は考えております。
 2点目の電気料金の値上げについてでございますが、今回の再値上げは、市民生活や経済に多大な影響を及ぼすものと認識しておりまして、その影響を少しでも抑えられるように、省エネ・節電を支援をする事業等を引き続き行ってまいりたいというふうに考えておりますし、また、札幌市への影響については、一般会計で年間14億円、企業会計で年間11億6千万と試算をしたところでございまして、まずは、徹底的な省エネ・節電を始めとするさまざまな工夫や努力によりまして、対応してまいりたいと、このように考えております。また、北海道電力に対しましては、最大限の経営努力によりまして、市民生活や企業活動への影響というものを可能な限り緩和するように、さまざまな機会を通じて伝えているほか、北海道市長会といたしましても過日その旨申し入れを行ったところでございます。
 2項目目の平成25年度の決算についてお答えをさせていただきます。
 まず使用料手数料についてでございます。使用料などの受益者負担につきましては、サービス提供のコストと料金のバランスや、他都市との均衡などを勘案いたしまして、適正な負担とすることを基本にいたしまして、不断に見直すべきものと考えております。また、今後の見直しにあたっても、引き続き、市民や利用者の皆様に必要性を十分に説明をさせていただきまして、ご意見をしっかり伺った上で、議会にお諮りをしながら、取組を進めてまいりたいと考えております。また基金についてでございますが、基金活用の財政的な効果というのは、一時的なものでございまして、過度に依存するべきではないと、このように認識をいたしております。引き続き、取崩しが過大にならないように留意しつつ、有効に活用してまいりたいと考えております。なお、土地開発基金につきましては、条例上、最低限200億円の残高を確保した上で、「予算の定めるところにより(中略)処分することができる」と規定がされておりますことから、これまでも予算に計上し活用しているところでございます。
 9項目目にご質問ございましたブラック企業についてでございます。
 ブラック企業問題の認識についてでございますが、ブラック企業の定義はなかなか明確ではございませんけれども、深夜労働やあるいは休日出勤をしたにもかかわらず、割増賃金が支払われないといったような賃金の未払いや、あるいは長時間労働を課するなど、労働者が安心して健全に働くことができない企業が現に存在しているということについては認識をさせていただいているところであります。
 ブラック企業問題への対応の抜本的強化ということについてでありますが、1点目の学校における働くルール、ワークルールの教育についてでございますが、中学校や高等学校の授業で、労働者の権利や労働基準法などについて学習をしておりまして、その中で、いわゆるブラック企業等の問題についても学習をするということはたいへん重要なことだと考えますし、その必要性を強く認識をしているところでございます。
 2点目の市民と市内企業への周知徹底ということについてでありますが、厚生労働省におきまして、事業主・労働者双方を対象にいたしまして、長時間労働の抑制や年次有給休暇の取得促進をうたったリーフレットを配布しておりまして、周知を図っているところでございます。札幌市におきましては、ホームページに「労働相談道しるべ」というものを掲載し、賃金未払いや解雇など、労働者が抱えるさまざまな問題について、事例を示しながら相談窓口や問い合わせ先などを周知させていただいているところであります。
 3点目の相談窓口の設置についてでございますが、札幌市では、労働問題に関して、3か所の相談窓口のほか、あいワークにおいても相談内容に応じた適切な窓口を紹介するなど全区で対応をさせていただいているところであります。また、市内では、労働基準監督署など3か所の窓口や札幌弁護士会の雇用トラブル相談センターで相談を受け付けてもおるところでございます。このほか、国や北海道を始め、さまざまな労働組合でも、土・日や夜間に対応する電話相談窓口を開設をしているところでもございます。労働問題に関しては、多様な専門窓口があることから、引き続き相談窓口の周知にも努めさせていただきたい、このように考えているところでございます。私からは以上でございます。

生島副市長 答弁

 私から3項目目の土砂・浸水災害の対策についてお答えをいたします。
 1点目、土砂災害警戒区域の指定の前倒しについてでありますが、すでに国が法改正と財政支援を検討しており、北海道も前倒しの意欲を示しておりますことから、この機を捉え北海道に対して強く要請をしてまいります。
 2点目、避難所の課題についてでございます。避難所開設の準備については、避難勧告発令前に整っていることが望ましいとは考えますが、9月11日は、急激に大雨が降りだし、災害発生のおそれが非常に高い状況であったことから、地域の皆さまにその危険性を早急に伝え、自宅の2階に避難するなど、速やかに命を守る行動を促すことが最優先として避難勧告を発令したものでございます。また、学校の鍵の管理者につきましては、毎年度当初に、名簿を作成し、各学校と区役所相互に緊急連絡先の情報を共有しているところでございます。今後、これらの避難所の開設の課題を含め、今回の大雨の対応について、幅広く検証を行ってまいります。
 3点目、被災者への対応についてでございます。まず自営業者への支援についてでありますが、札幌市では、中小企業者に対する資金繰り支援策として、中小企業貸付金制度を設けており、セーフティネット保証制度の該当の有無に関わらず、特に小規模事業者の方にお使いいただける低利の資金を用意してございます。また、札幌中小企業支援センターにおきまして、資金繰りを含め多様な経営相談に対応しているところでございまして、今後ともきめ細かい対応を行ってまいりたいと考えております。
 次に、災害見舞金の支給についてでございます。札幌市では、自然災害及び火事などにより被害を受けた市民の方々に対しまして、被害程度に応じて災害見舞金を支給をしております。この制度は、消防局などからの情報に基づき、区役所の担当職員が現地調査を行ったうえで、住居の床上浸水が認められた場合には2万円を支給するものでございます。現時点では、手続き中のものも含めて5件の支給を決定しており、ほか数件についても対象となるかどうか調査中でございます。
 4点目の要配慮者への避難対策についてでございます。要配慮者への情報伝達や避難支援
 などを円滑に行うためには、常日頃の近隣との交流の中で、つながりを築いていくことが大切でありますことから、町内会など地域が主体と
 なって取り組んでいる災害時要援護者避難支援事業に対し、これまでも支援をしてきたところでございます。札幌市といたしましては、今後作成を予定しております「避難行動要支援者名簿」の活用も含めまして、更なる支援の充実・強化を図ってまいりたいと考えております。
 5点目の雨水対策につきましては、これまでも、浸水の状況や被害が地域に及ぼす影響などを考慮して地区を選定し、雨水拡充管などの整備を行ってきておりまして、引き続き、計画的な整備に努めてまいりたいと考えております。以上であります。

井上副市長 答弁

 私からは4点目の国民健康保険に国民健康保険料について、5項目目、保育の問題について、6項目目、学童保育について、7項目目、介護保険について、8項目目、税の徴収について、10項目目、東雁来土地区画整理事業地域の放課後児童対策についてお答えをいたします。
 まず4項目目、国民健康保険料についてでありますが、1点目の国民健康保険料に対しての認識についてと、2点目の保険料の引き下げについて、一括してお答えをいたします。
 国民健康保険は、国民皆保険制度の中で重要な役割を担う制度であり、加入者が保険料負担を分かち合うことにより、安心して医療を受けられる仕組みとなっております。保険料の納付が困難となる方々については、生活状況を確認しながら、納付相談に応じるなど、相談者に寄り添いながら、きめ細やかな対応を行っているところであります。また、保険料は、医療費に連動して決まる仕組みとなっておりますが、札幌市では、一世帯当たりの保険料を据え置く観点から、これまで一般会計から繰り入れを行ってきているところであります。繰入金の不用額を保険料の更なる引き下げに充てることは、既に多額の繰り入れを行っているなか、一般会計に与える影響など、札幌市全体の財政バランスや、国民健康保険に加入していない市民との負担の公平性などに鑑みると、極めて難しいものと考えております。
 次に5項目目の保育に関する問題についてお答えいたします。
 まず、新しい保育団体の問題についてでありますが、この団体への加入や脱退は、あくまでも任意であり、法人や個人の自由を制約するものではないと認識をしております。また、札幌市私立保育園連盟からは、全国の保育団体に係る情報提供の一環として会員に周知し、入会は各会員の任意の判断に委ね、今後も、保育推進連盟の活動に関与する意思はないとの報告を受けており、問題はないものと考えております。
 次に、待機児童対策についてであります。これまでも保育所については、入所申込みの多い4月時点の保育需要を推計し整備を進めてまいりました。今後は、現在策定中の子ども・子育て支援事業計画にもとづく供給量を保育所整備などにより確保する予定であります。この事業計画の策定に当たり、札幌市では昨年11月に「札幌市子ども・子育て支援ニーズ調査」を実施しており、現在、潜在的な部分も含めたニーズ量に対する供給量の確保策を検討中であります。今後とも、保育を望む全ての保護者が安心して必要なサービスを受けられるよう、引き続き保育環境の整備に努めてまいります。また、待機児童の解消に向けた今後の対策としては、本定例市議会において保育所定員660人を含めた774人分の保育サービス拡大の補正予算を上程するなど、最大限の取組を進めているところであります。
 次に、保育士の確保と処遇改善についてであります。保育士の仕事は子どもの健康と安全を守り、人格形成に重要な乳幼児期に専門的知識と技術をもって、保育をする重要なものであると認識をしており、適切な処遇が確保されるべきものと考えております。昨年度、国の補助制度を活用して実施した「保育士等処遇改善臨時特例事業」では、パートも含めた保育所職員1人あたり平均で月額7,633円の賃金が改善されたところであります。賃金改善を実施した市内208施設のうち、基本給を改善したのは10施設で、198施設については一時金で支給しております。今年度につきましても、この事業を実施することとしており、事業の趣旨を踏まえ、基本給の改善を各保育所に働きかけてまいりたいと考えております。
 次に、宗教食を実施する保育所への人件費補助についてであります。保育所における宗教食の実施状況については、毎年実施しております「食物アレルギー調査」の中で把握しており、現場の実態についても、運営指導の中で確認をしております。民間保育所に対する補助制度については、様々な要望がある中で、既に札幌市単独で多くの補助を実施しており、今後も保育所団体の意見を聞きながら、適切な補助について考えてまいります。
 次に6項目目の学童保育についてお答えいたします。
 まず、条例案についてでありますが、札幌市としては、今回定められた国の基準が、児童クラブや民間事業者による放課後児童健全育成事業の適正な運営の確保等のため、必要かつ十分なものと判断したところであります。札幌市子ども・子育て会議の審議におきましても、札幌市の基準を国の内容と同様にすることが妥当との意見でありましたが、一方で附帯意見も併せていただいているところであります。これらは、いずれも重要な視点であると認識しておりまして、事業を実施していく上で十分留意してまいります。民間児童育成会への支援につきましては、各育成会への助成金は市の独自加算の維持や、国の補助基準の増額に対応して支援を継続してきているところであります。今後については、国から示される交付金などの支援策の動向を注視して対応してまいりたいと考えております。
 次に、保育緊急確保事業についてであります。札幌市から助成金を交付している民間児童育成会に調査を実施したところ、新たな指導員の雇用は把握しておりませんが、賃金の改善を見込んでいる育成会は35箇所でございました。今後、札幌市として保育緊急確保事業を実施するに当たっては、賃金改善の対象者の範囲や具体的な内容など厚生労働省の実施要綱に沿った整理に加え、次年度以降の対応を含めた検討が必要となるため、引き続き関係機関との協議や整備が必要と考えております。
 次に7項目目、介護保険についてお答えいたします。
 まず、デイサービス事業所における要介護者の宿泊についてであります。通所介護事業所が、自主事業として行っている宿泊サービスについては、平成25年5月に札幌市内の全通所介護事業所470か所あてにアンケート調査を実施し、そのうち約64%の事業所から回答を得ております。その結果、回答のあった事業所のうち、約16%の48事業所が宿泊サービスを行っており、実施している事業所の1日当たりの平均利用者数は、約2人でありました。現在、国では、「指定権者への届出」、「都道府県による情報の公表」、「市町村への事故報告」を平成27年4月以降に導入し、「人員、設備、運営」に関するガイドラインの策定を検討しているところであります。札幌市といたしましても、今後、国の方針に基づき、より詳細な実態の把握に努め、適切に対応してまいりたいと考えております。
 次に、特別養護老人ホームの入所制限の1点目、特養入所基準及び次期計画における特養整備計画についてであります。今後、国から特例入所に係る指針が示されますことから、札幌市においても、これに沿って関係団体と協議し、入所の手続きや基準を定める特別養護老人ホーム入所指針の改定を予定しているところであります。各施設において、改定する入所指針が適正に運用されているかにつきましては、実地指導の際に確認してまいります。特別養護老人ホームの整備については、次期計画の策定の中で、これまでと同様に、施設サービス・在宅サービス双方の介護基盤整備の状況や、介護保険料に与える影響などを総合的に勘案しながら検討しているところであります。
 2点目の高齢者が安心して在宅介護を受けられる環境整備についてでありますが、サービス付き高齢者向け住宅については、本市の窓口やホームページなどにおいて、登録制度の説明や登録住宅の情報提供を行い、制度の普及に努めているところであります。また、バリアフリー化の改修工事につきましては、住宅エコリフォーム補助制度において補助対象とするなど、高齢者が安心・安全に生活するための各種支援制度を実施しております。
 次に、介護保険料についてであります。低所得者に対する保険料軽減につきましては、札幌市においても今回の制度改正で定められた別枠での公費負担を実施してまいりたいと考えております。なお、札幌市としてこれ以外に独自で保険料を軽減することは、被保険者と行政、利用者が重層的に支え合う介護保険制度の趣旨から適切ではないと考えております。
 次に、利用料についてであります。今回の制度改正において、一定以上所得者の2割負担を導入したのは、保険料の上昇を可能な限り抑えつつ、現役世代の過度な負担を避けるとともに、高齢者世代内における負担の公平化を図っていくためと認識をしております。一方で、一定額を超える負担については、高額サービス費として払い戻し、利用者負担が高額にならないよう、制度上の配慮もなされているところであります。利用料につきましては、札幌市としても介護保険法などに定めるところにより負担を求めることとなりますが、今後とも、介護保険制度全体として低所得者に配慮した制度設計がなされるよう、引き続き国に求めてまいります。札幌市として独自に利用者負担を軽減することにつきましては、保険料の場合と同様適切ではないと考えております。
 次に、介護予防・日常生活支援総合事業についてであります。予防給付から総合事業への移行に当たっては、サービス利用者のニーズやサービス提供事業者の意向等を踏まえる必要があると認識をしております。昨年11月に実施した、要介護・要支援認定者や介護サービス事業者に対する調査等による実態を十分考慮し、事業の検討を行ってまいりたいと考えております。また、専門的な支援を必要とする方には、従来の介護保険事業所を有効に活用するなど、引き続き専門職によるサービスを提供できるように配慮しながら、利用者の状態に応じた柔軟なサービス提供が可能な制度設計を考えてまいります。
 次に8項目目、税の徴収についてであります。
 収納率の向上と差押えの強化についてと、暮らしと営業を再建することを前提とした滞納対策につきましては、相互に関連いたしますので一括してお答えをいたします。収納率の向上には、コンビニ収納等の納税環境の整備や、滞納段階毎に専門のチームが対応する機能分担型滞納整理の推進など、これまでの取組が寄与しているものと認識をしております。札幌市では従前から、財産が無い場合や生活困窮の場合には滞納処分の停止を行い、また、担税力がありながら納付に応じないと判断した場合には、納税秩序の維持のためにも、法律の規定に基づき適時適切な差押えを執行しているところであります。差押えに当たっては、直接折衝や財産調査等により把握した滞納者の実態を踏まえ、生活を著しく窮迫させることのないよう考慮して行っているところであります。
 次に10項目目、東雁来土地区画整理事業地域の放課後児童対策についてお答えいたします。
 現在、札幌市では、すべての小学校区での放課後の居場所づくりのため、ミニ児童会館等の整備を進めているところであります。児童数が増加しております札苗緑小学校区においても放課後の居場所の確保は、大変重要なものと認識をしておりまして、小学校の校舎内だけではなく敷地の活用を含めたさまざまな方策について早急に検討を進めてまいります。以上です。

宮川 じゅん議員 再質問

 まず何点か指摘させていただきたいと思いますが、新しい保育団体について、問題がないという答弁でありましたけれども、この団体は自民党の選挙運動をやり、自民党の党員拡大をやるという政治的にははっきりした性格を持っている団体で、その団体がいまある保育団体が与党との交渉ができないようにするといっているのが問題なんですよ。任意の団体がどういう性格を持っていようとそれは様々ありますけれども、他の保育団体の交渉を妨げるということが、いまはされていませんよ、実際にはできています。しかしこれが現実になったときには重大な問題になるんじゃないんですか。そこをめざすといっているんですよ。ですから、あらためてですね、これまで私保連や日保協などが、与党にも野党にも要望活動をやってきていますから、これらの団体が従前どおり、きちんと要望活動ができるように、そこは市としてですね、きちんと見届けていただきたい、妨害することのないようにしていただきたい、この点は申しあげておきたいと思います。
 学童保育の緊急確保事業についてです。国から通達があり、指導員の賃金改善が期待されているというなかで、答弁は引き続き協議を行うということでした。しかし、学童保育所ではすでにもう賃上げを見込んでいるというところが35カ所あるということであります。私は市の事務手続き上の問題ではないかと思っております。ですからあらためて一刻も早く手続きを行い完了させるという立場で賃金改善を実施するようにということで、本市のなかでまず事務手続きをすすめていただきたいと思います。それからですね、指摘をもう一点しておきます。デイサービスにおける宿泊についてであります。自主事業ということですから、監査が入っていないんですよ。実態がどうなっているかわからないんですよ。市内の64%から回答を得たということでありますから、36%は回答していない、市のアンケート調査に対して回答していないことにこそ、私は問題があるんじゃないかと思いますよ。そこに立ち入り調査をすべきだと思いますよ。もし夜間に火災が起きたらどうなりますか。消防設備はどうなっているかわかっているんですか、わかっていないんでしょ。事故が起きる前にただちに立ち入り調査を行い改善させるべきは改善させていただきたい。これはすぐやっていただきたいということを申し上げておきます。
 質問に入りますけれども、福祉灯油について市長は「実効性が高いとは考えていない」と、こうおっしゃいました。その前に「多額の経費がかかるし暖房費の一部でしかない」と、こうおっしゃいました。私は、暖房費のごく一部であっても、暖房費がとても高いので、一部であっても支援してほしいのというのが市民の声なんじゃあないですか。(「そうだ」の声)暖房費の全部だったらやるけれども一部だったら効果がないってことはないと思いますよ。生活が苦しいから一部でも支援してほしいという、こういう声なんですよ。暖房費のごく一部だけだから実効性が低いっていうことには私はならないと思いますよ。多額の経費がかかるんだということもおっしゃいました。私は、事務費はかかると思います、確かに。しかし、国は事務費をかけてでも特交措置するからっていうのが、国の考え方なんじゃないですか。北海道でも、圧倒的多くのところでも、事務費をかけてでもやっているんじゃないですか。それが、実効性が低いということにはならないでしょう。要するに、暖房費にどれだけ困っているのか、あるいは、年金も引き下げられて消費税も上がってという中で、この灯油価格の高騰がどれだけ冬場大変なのか、そこに心を寄せられるかどうか、その問題じゃないですか、市長。(拍手)実効性の問題ではないと思います。あらためて答弁を求めたいと思います。
 次に国保の問題ですけれども、「一般会計に与える影響が大きい」という答弁をされましたね。一般会計にどれだけ影響を与えるのかっていうのは、予算計上した段階で考えているわけでしょう。不用額を戻すということは、その予算通り使わないで戻すということです。一般会計に与える影響が大きいか小さいかは、予算のときに決着済みなんです。確かに金額は大きいけれども、必要だから出そうということで提案してそれが議会に通っているんですよ。だったらそれは、不用額で戻さなくても、国保会計で使っても当たり前なんじゃないですか。議会で通っているんですから。それに、今は保険料軽減分の繰り入れというのは、数十億単位ですよね。100億はいかないでしょう。かつてはこの2倍以上、ざっと調べただけでも平成19年度でいったら134億入れていますから。今の2倍くらい入れているんじゃないですか。それで、不用額は戻さなくても国保会計に繰り入れたままだったんじゃないですか。それと比べたら、今はもともと繰り入れる金額が少なくて、しかも予算を議決しているんですから。一般会計に戻さなきゃ一般会計に与える影響が大きいっていうことにはならないでしょう。そもそも一般会計、私も昨年度決算のところで申し上げましたけれども、黒字だったんですよ。赤字で何かの事業ができなくなるということじゃないんです。繰り入れ額が大きいということについては、一般会計に与える影響といっても、何かの事業ができなくなったということじゃないでしょう。戻さなきゃできなくなるということじゃないでしょう。黒字の幅が若干少なくなるだけでしょう。だったら国保料の引き下げ、踏み出すべきじゃないですか。(拍手)うかがいます。

上田市長 答弁

 福祉灯油につきましては、従前から何度もご質問を受けたり、あるいは非常に急騰する場合、あるいは上げ止まりのような状況、いろんな状況がございましたけれども、今回の私どもの考え方は、「実効性がない」という言葉に象徴されておりますように、本当に一部のカバーということで、それでもいいと言われるかもわかりませんけれども、私どもは全体の政策の中で、この方法はとる必要がないと、このように考えていると、いうことでございます。

井上副市長 答弁

 国民健康保険料についてのご質問でございますが、予算編成では、過去の実績や制度改正などを考慮するとともに、医療費に不足が生じて加入者に影響が出ないよう、正確な見積もりに努めているところでございます。また、医療費は、特定の疾病の流行や、加入者の受診行動に大きく影響されるために、結果として繰入金についても予算と決算に差が生じております。繰り入れは、平均保険料を据え置く観点から、議会に導入いただきまして行っているものでございまして、繰り入れの不用額の保険料の引き下げに充てる考えはございません。

宮川 じゅん議員 再々質問

 福祉灯油、全体の政策の中でやる必要がない、国でさえ特交で措置しますよということを出したんですよ。少なくとも、国が特交で措置した場合については、国も認めていることですから、市としてもそれをやるべきじゃないですか。ぜひそのことをですね、考え直していただきたいと思います。
 それから国保についてですけれどね、平均保険料を維持するための繰り入れだって言ってますけれど、議会ではそんなこと議決していませんよ。議会は数字の予算額を議決したんですよ。なぜ国保料が高くて大変かというと、同じ収入でいた場合でも、同じ収入でいると毎年保険料が上がっていくから毎年大変なんですよ。同じ収入でいたら、保険料も同じでずっと続くっていうんであれば、見通し持ってなんとか我慢できるかもしれないけれど、同じ収入でいたら保険料が上がっていくから見通し持てないくなるんですよ。年金200万円の場合で申し上げました。1992年の場合は、国保料4万7千円なんです。2014年には、それが9万7590円になっている。だから国保が高いんですよ。毎年毎年値上げをする、収入が同じでも値上げをしていくから、だからやりくりできないんですよ。平均国保料を維持するということで、平均国保料は維持されているんです。しかし、1世帯1世帯から見たら、値上げになっているんですよ。平均国保料を維持するということで、同じ国保料が請求されるんではなくて、上がっていく。こういう点から見たら、平均国保料を維持するだけではなくて、同じ所得の人が、少なくとも保険料は値上げしない、こういう政策に踏み込むことが必要じゃないですか。(拍手)そのために財源がないのかっていったら、不用額で戻している。ここに財源があるって言っているんですよ。私ね、出来ないことをやれって言っているんじゃないんです。不用額戻さなければできるんですよ。どうですか。ここはね、政治決断なんです。市長。同じ所得でいる人が国保料毎年上がる、そこに手を打つ必要がある、そこに支援の必要があるとは思いませんか、どうですか。

井上副市長 答弁

 繰り返しになるかもしれませんけれども、繰入金の不用額の保険料をさらなる引き下げに充てるということでございますけれども、すでに多額の繰り入れを行っております。札幌市全体の財政のバランス、それから国民健康保険に加入していない市民との負担の公平性を鑑みると、きわめて難しいものと考えております。