私は、日本共産党を代表し、ただいま議題となっております議案等17件中、議案第10号~13号、第15号、第17号、第18号、及び第30号の8件に反対、残余の議案等には賛成、及び陳情第252号~254号は採択すべき立場から討論を行います。

 議案第10号 札幌市個人番号利用条例の一部を改正する条例案に反対する理由は、マイナンバー制度の利用を拡大するからです。
 本議案は、生活に困窮する外国人に対する進学準備給付金の支給に関する事務に個人番号を使えるよう利用拡大を図るものです。
 マイナンバー制度は、個人情報の漏えいや、国家による個人監視につながり、その利用拡大に反対です。

 次に、議案第11号 札幌市税条例の一部を改正する条例案に反対する理由は、東京23区内から本市内に本社機能を移転する企業に対して、1年目の固定資産税を0にするというさらなる大企業優遇策だからです。
 本市の9割を超える中小企業への支援の拡充こそ、優先させるべきです。

 次に、議案第12号 札幌市幼保連携型認定こども園の設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例案に反対する理由は、設備基準の緩和をするからです。
 既存の保育所から幼保連携型認定こども園へ移行する際、設備基準が耐火建築物から準耐火建築物でも良いと緩和することは、子どもたちが一日の多くを過ごす保育園の安全確保の観点から、容認することはできません。
 また、幼保連携型認定こども園への移行を促進することが目的とされており、これは自治体の保育に対する公的責任をなくし、営利企業の参入を広げていくものであり、問題です。

 次に、議案第13号 札幌市児童福祉施設条例及び札幌市区保育・子育て支援センター条例の一部を改正する条例案に反対する理由は、新たに厚別区に「ちあふる・あつべつ」を設置することに伴い、豊園乳児保育園、澄川乳児保育園及び、山の手乳児保育園を廃止するからです。
 待機児童解消は喫緊の課題です。公立保育園を廃止するのではなく、建替えなどの整備をして、維持していくべきです。
 次に、議案第15号 札幌市養護老人ホーム及び特別養護老人ホームの設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例案に反対する理由は、職員配置の基準緩和が含まれているからです。
 主任生活相談員及び看護職員は利用者一人ひとりの実情に応じたサービスを提供する立場にあり、利用者の状況を把握し、きめ細かく対応するためには「常勤」として配置すべきです。
 「常勤」を常勤換算方法で、非常勤でも良いとすることは、養護老人ホームにおけるサービスの質の低下と職員の不安定雇用をうむ懸念があるため反対です。

 次に、議案第17号 札幌市建築基準法施行条例の一部を改正する条例案に反対する理由は、防火基準を緩和するからです。
 建築基準法の一部改正に伴う、木造の特殊建築物の外壁等に係る制限の緩和により、「ホテル、診療所など特殊建築物等への『防火制限』も削除する」ことは、安全を守る趣旨の規制を緩和することであり、容認できません。

 次に議案第18号 札幌市立学校設置条例の一部を改正する条例案に反対する理由は、学校規模適正化により、上野幌小学校及び青葉小学校、常盤小学校及び石山東小学校の統廃合を行うからです。
 10月5日に行われた文教委員会では、本議案と「学校統廃合」に関する陳情について審議されました。
 学校は、子どもの教育の場にとどまらず、地域における文化・コミュニティ、防災など、まちづくりの拠点となる重要な役割を担っていることから、住民と町内会などとの理解と協同した取り組みが求められています。学校統廃合問題は、様々な不安や意見をもつ住民や町内会、保護者がいるのは当然です。だからこそ、関係者と十分に時間をかけた議論と合意をぬきに統廃合は進められない課題です。
 特に、新さっぽろ駅周辺地区は、市営住宅の高層化による建替えに伴い、余剰地を活用した再開発計画が進められ、商業施設や集合住宅、大学や看護などの教育機関、ちあふるの整備が予定されています。若者や子育て世帯にとって魅力あるまちづくりが進められようとしているのです。
 この新さっぽろ駅周辺から、徒歩約15分にあるのが青葉小学校です。住民からは「市の再開発方針に逆行する」など、疑問や反対の意見が数多く出され続けてきました。また、この周辺は、高層の市営住宅やマンションの密集する地域であることから、高齢者は「地震や集中豪雨などの自然災害が増加傾向なのに避難場所はどうなるのか」など、強い不安が示されています。
 地域の連合町内会長やPTA会長、校長らで構成される「上野幌、青葉地域小規模校検討委員会」は約4年間続けてきたものの、住民に初めて説明会を開いたのは2月24日と、検討委員会からの結論が出てからでした。
 検討会ごとにニュースを作成し、回覧・配布してきたことをもって、「広く適切に発信してきた」と答弁されましたが、住民との対話を重視したものとはいえません。
 また、住民説明会では、80数名の参加で会場がいっぱいとなり、予定時間を超過するなか、「統廃合に反対」、「白紙に戻して」という意見が多く出されましたが、「通学安全」に対する不安に対し、統廃合後のスクールゾーンの調査を実施するなど、すべてが統廃合ありきで進んでいたのは問題で、住民の教育委員会への信頼を損なうものでした。
 2004年、中央区の4小学校の統合、2016年、豊滝小学校が統合により廃校になる時も、住民との丁寧な話し合いが行われず、合意のないまま統廃合をすすめたために、本市に陳情が出されました。
 本市がすすめる学校統廃合は、「保護者・地域住民と丁寧な対話を通じて合意形成する」という文科省の手引きに基づいても、問題といわざるをえません。
 教育委員会が画一的、一方的にすすめる学校規模適正化計画は、住民の不安と疑問にも応えていません。結果として、住民合意が図られない統廃合計画には反対です。
 よって陳情第252号~254号は採択すべきです。

 次に、議案第30号 市道の認定、変更及び廃止の件について反対する理由は、副都心団地にかかわる路線の変更と廃止が含まれているからです。
 この路線は、「新さっぽろ駅周辺地区まちづくり事業」の「I街区」とされるところで、市道4路線の、廃止・変更後、本市所有の市営住宅地も含め、「公募型プロポーザル方式」により「大和ハウス」と本契約を結び売却し、新さっぽろ駅周辺の再開発を行おうとするものです。
 市民の財産である土地を売却することは問題であり、それにかかわる道路の変更・廃止は行なうべきではありません。

 最後に、議案第14号 札幌市子ども医療費助成条例の一部を改正する条例案について一言申し述べます。
 今年4月から、ようやく小学1年生まで通院の無償化が拡大され、対象となった子どもの保護者からは喜びの声があがっています。今回の条例改正案によりさらに、来年度から小学2年生まで拡大することは、望ましいことです。
 今後のさらなる対象年齢の拡大に、間を置かずに進めることを求めます。

 以上で私の討論を終わります。