私は、日本共産党を代表して、市政の重要問題について順次質問いたします。

 質問に入る前に、改めて、新型コロナウイルス感染症によりお亡くなりになられた方々に謹んで哀悼の意を表しますとともに、ご遺族の皆様にお悔やみを申し上げます。また、治療を受けておられる皆様にお見舞いを申し上げます。
 そして、感染症とのたたかいが長期化しているなかで、最前線で奮闘されている医療従事者の方々を始め、社会生活を支える仕事に従事されている全ての方々に敬意を表します。

 それでは、順次、質問させていただきます。
 はじめに、市長の政治姿勢についてです。
 質問の第1は、政府の新型コロナ対策についてです。
 1点目は、これまでの感染拡大についてです。
 パンデミックから1年以上が経過し、収束の目途が立ちマスク着用を解除するなど感染抑止に成功した国と、そうでない国がはっきりとしてきました。日本は、効果的な対策が打ち切れず、感染拡大の波を繰り返してきました。
 感染初期から検査を軽視して無症状者の特定、隔離、保護をおこなってこなかった政府の方針は、誤りだったと考えますが、市長の評価について伺います。
 2点目は、感染拡大のリスクと要因についてです。
 昨年11月には市内の陽性率が10%を超え、新規陽性者数は197人まで引きあがり、今年5月には過去最高を記録しました。
 感染時期からみても、昨年のGo To トラベル キャンペーンやマラソンテストが要因になったと考えられます。
 マラソンテスト大会開催で感染が広がったデータはないといいますが、人流の増加を招いたのは否定できない事実だと思います。市長のお考えを伺います。
 質問の第2は、東京オリンピック競技開催についてです。
 1点目は、開催の是非についてです。
 先日、共同通信社が実施した全国世論調査で、オリンピック開催で感染拡大の「不安」を感じているとした回答が86%にのぼりました。
 しかも、6月、来日したウガンダ選手団は、全員ワクチン接種をしていましたが、2人の新型コロナウイルス感染が確認され、さらに2人ともデルタ株であることが明らかとなり、競技の開催は、感染リスクをいっそう高める危険性を裏付けました。
 わが会派は、幾度となくオリンピックは実施すべきでないと市長へ要請してきましたが、市長はこれまで、開催の是非及び賛否について、政府に伝えられたことがあるのか、伺います。
 また、デルタ株が拡がっていますが、この変異株の最大の脅威は、拡散するスピードと重症化するまでの期間が短いことだといわれています。オリンピックは、デルタ株の急速な拡散による医療崩壊の危機が予測される中で、開幕を迎えることが懸念されますが、市長の認識を伺います。
 2点目は、競技開催による人流増加についてです。
 厚生労働省のアドバイザリーボードが6月に開催され、デルタ株の影響が少なく、宣言解除後の人流増加が10%増程度に抑えられたと仮定しても、7月から8月にかけて、緊急事態宣言の再発令が必要との見解が示されました。
 市長は、競技開催により、人の流れが10%増にならないという確証をお持ちなのか。お持ちであれば、どのような科学的な根拠からなのか、伺います。
 3点目は、「さっぽろっこオリ・パラウィーク」の取組についてです。
 市教育委員会は、「札幌らしい特色ある学校教育推進事業」の一つとして、小中学生に、競技選手や医療関係者への激励メッセージを書いた団扇(うちわ)を作成させて、各自が応援などで使用するように、学校を通じて呼びかけています。
 この取組に、女性団体からは、「自分の気持ちとは違う思いを書いてしまう子、つらい思いをする子がいるのではないかと、とても心配」と、見直しを求める要望書が市教育長に提出されています。
 本来、スポーツ観戦や応援は、強制や動員はもとより、だれかに指示されておこなうものではありません。あくまで自主的な感情に基づく行動であり、本市事業においても、子どもたちの気持ちが、何より尊重されなければならないと考えますが、市長の見解を伺います。
 4点目は、競技開催に伴う医療への負荷についてです。
 市長は、6月18日の記者会見で、知事との連名で大会組織委員会に対し、「地元の医療体制に負荷をかけないような体制を構築していただきたい」と要請書を提出しました。
 競技開催ともなれば、選手や大会関係者の体調悪化や怪我などは避けられず、本市でも、延べ1,000人、1日にして120人規模の消防職員・消防団員を派遣し、サッカーと競歩会場にはそれぞれ3台、マラソン会場には4台の救急車を配置するとお聞きしました。
 私たちのもとには、医療関係者から、「命の選別」をさせないでほしいとの訴えが届けられてきました。
 このまま競技をおこなえば、コロナ危機に向き合う医療現場にさらなる負荷をかけることになり、本市が進めるワクチン接種や感染症対策のみならず通常医療に困難をもたらすことになると思いますが、市長のお考えを伺います。

 次は、新型コロナウイルス感染拡大への対応についてです。
 質問の第1は、感染拡大防止対策についてです。
 現在、本市の新規感染者数は減少しているものの、本市と同様、緊急事態宣言が解除された東京では、わずか数日で感染者数が増加傾向に転じ、アルファ型変異株より感染力がさらに強く、若年でも重症化する傾向がより高いとされるデルタ型変異株の割合が増えています。
 7月下旬には、感染者の7割がデルタ株に置き換わるといわれており、本市においても、第5波到来に備えた感染拡大防止対策は重要です。
 1点目は、ワクチン接種についてです。
 我が党は、5月26日、集団接種会場を各区1カ所以上設置し増やすことと、移動支援を行うこと。介護施設、サービス付き高齢者向け住宅などの入居者と施設職員へのワクチン出張接種を実施することなどを要望しました。
 1つ目は、集団接種会場の設置と会場への移動支援についてです。
 エルプラザとパークホテルの2カ所からスタートした集団接種会場は、ホテルエミシア札幌、札幌コンベンションセンター、そして、7月17日からは「つどーむ」も加わる予定です。
 集団接種会場は、市民が帰宅時に接種できるなどの工夫をし、各区に設置するなど、接種を希望する人が一人でも多く受けられるように、さらに増やすことを検討すべきと思いますが、いかがか伺います。
 また、札幌コンベンションセンターについては、移動支援として無料のシャトルバスを運行することになり、市民に大変喜ばれるものです。
 コンベンションセンター以外の集団接種会場にも移動支援が必要と思いますが、いかがか伺います。
 2つ目は、巡回接種についてです。
 高齢者施設、特に医師などが常駐していないグループホームやサービス付き高齢者向け住宅に入居している方などは、ワクチン接種をしたくても、外出移動は困難な実態があります。
 本市は、医師と看護師による2チームで巡回接種をスタートし、7月からは5チームで行うと聞いています。
 巡回接種の必要性と課題をどうとらえているのか、また、今後の巡回接種体制について伺います。
 2点目は、PCR検査のさらなる充実についてです。
 6月29日時点で2回のワクチン接種を終えた人の割合は、全市民の1割未満にとどまっており、抗体を持った人が6割以上必要といわれる集団免疫の状態に達するには、まだ遠い状況です。
 ワクチン接種による感染防止の社会的効果が得られるまでは、半年先になるともいわれていますが、国立国際医療研究センターは、今後考えられるコロナ株の変異によって、ワクチンの効果が大幅に落ちる恐れがあるという研究結果を発表しました。
 細胞生物学専門医師の黒木登志夫東京大学名誉教授が、「PCR検査なくしてコロナ対策はあり得ない」と述べているように、ワクチン接種と一体にPCR検査は引き続き重要であると考えますが、認識を伺います。
 札幌医科大学の當瀬規嗣(とうせのりつぐ)教授によると、第4波の感染急拡大を招いた4月上旬の時点で、「札幌市中では、無症状の人や、症状があってもPCR検査を受けない人が多数存在する状況であった中で広まったと推測できる」と、発言しています。
 5月には、必要なPCR検査がすぐに受けられず、検査結果がでるまで数日かかるということが起きていました。
 新規感染者数が減少している段階から、地域単位での網羅的な検査や、広く市民が何度でも検査を受けられるようなPCR検査体制のさらなる充実を目指すことが、肝要だと思いますが、いかがか伺います。
 質問の第2は、介護現場の課題と対策についてです。
 1点目は、事業所の現状の聞き取りと介護保険制度の検証についてです。
 介護労働者の仕事は責任が重く業務量が多いわりに、賃金は全産業労働者の平均より月額9万円も低いことから、毎年約10万人もの離職者をうみ出し、慢性的な人手不足に陥るなど社会問題化しました。そこにコロナウイルスが襲い掛かったため、介護事業所は感染拡大の事態に耐えられませんでした。
 また、昨年3月の報道では、主要自治体首長の約9割が「人材や事業者の不足」「保険料の負担に住民が耐えられない」ことを理由に、今後10年、現行のまま介護保険制度を維持するのが難しいと認識を示しています。
 国が介護保険制度の全面的な検証を行い、介護保険財政における国庫負担割合を引き上げることが必要と思いますがいかがか、本市のお考えを伺います。
 合わせて、本市は、コロナ禍にある介護現場の実態について、早急に確認し、対策をとる必要があると思いますがいかがか伺います。
 2点目は、クラスターを防ぐ対策への支援についてです。
 現在本市では、コロナ感染の拡大で病床がひっ迫し、高齢者などが感染しても入院先が見つからず、介護施設で療養を続けるケースが増えています。
 国は、5月に特別養護老人ホームや介護老人保健施設、サービス付高齢者向け住宅、ショートステイなどの介護施設内で陽性者を療養させる場合、一人あたり原則15万円の補助を決めましたが、重症化しやすい高齢者を施設にとどめることを容認する結果となりました。
 「入院が原則」というもとで、職員が通常の介護に加え、家族への対応、感染対策等をしなければなりません。
 介護職員が濃厚接触者となれば2週間程度の自宅待機が余儀なくされ、体調不良が生じれば出勤停止となり、普段から不十分だった介護職員体制は、コロナ禍により一層厳しいものになりました。勤務体制を組めず、事業の継続に支障をきたした小規模事業所もあります。
 これは、介護が必要な人にサービスを提供できないことに直結します。
 さらに国は、居宅サービス事業所の従事者もワクチン接種の優先対象としましたが、陽性者・濃厚接触者にサービスを提供する意思があることを接種の要件としました。
 従事者のワクチン接種は、介護の担い手である職員の健康を守り、感染を広めないうえで重要であることから、接種に要件を付けるべきではありません。
 我が党は、居宅サービス事業所等の従事者への優先接種については、市町村が一定の判断をすることとなっていることから、要件を廃止したワクチンの優先接種を行うべきと求めてきたところ、本市は6月25日、要件の廃止を発表しました。
 今後クラスターを防ぐため、感染防護具の安定的な供給など、事業者が必要とするものは、一層の充実を図るべきと思いますが、いかがか、伺います。
 3点目は、介護事業所の減収補填についてです。
 政府の制度見直しにより、事業所に支払われる介護報酬は低く抑え込まれてきました。採算ぎりぎりの経営を強いられてきた事業所にとって、コロナ禍による利用者の利用控えなどによる経営ダメージは、存続の危機といえる状況です。
 クラスターが発生した特養施設では、収益は減る一方で、感染症廃棄物処理や、PCR自費検査などの費用増により、国の補助金を加えても、なお、赤字であったとの報告があります。
 平時と違うコロナ対応の支出により、経営困難は加速しているにも関わらず、介護事業所・従事者に対する政府の支援策は不十分なまま推移し、深刻な減収に対する補填は、いまだに行われていません。
 公費による事業所の減収補填なくして、コロナ禍による経営困難を打開する方法はないと思いますが、どのようにお考えか伺います。

 次は、医療提供体制についてです。
 質問の第1は、「医療法等の一部を改正する法律」についてです。
 2025年度に必要な入院ベッド数を、今より5万床ほど少ない119万床と推計し、「地域医療構想」を推進するこの法律は、病床を削減した病院(自治体)に補助金を支給するという、まさに「病床削減推進法」です。
 病床削減・病床再編をすすめれば、医師、看護師など医療従事者の削減につながり、看護師が全体で 5 万⼈、救急・急性期に限れば 11 万⼈も削減されるものです。さらに、医師の時間外労働を過労死ラインの 2 倍の 1,860 時間まで容認したことは、医師の長時間労働を固定化し過労死を生み出しかねません。
 この法律は、北海道全体の医療提供体制に極めて深刻な影響をおよぼし、住民のいのちと健康を守ることも今まで以上に困難になると考えます。
 「北海道地域医療構想」では、病床機能別で急性期病床が余剰となり、回復期病床が不足する見通しから、2025年の必要病床数を高度急性期で4,788床減らし、回復期と慢性期で6,827床増やすとしています。
 本市では、第4波のピーク時に、500床を超えるベッド数を確保しましたが、ひっ迫する状況が改善できず、自宅や宿泊療養所、待機所でベッドが空くのを待ちわびながら死亡した事例が少なくとも4件発生する深刻な事態となりました。
 「地域医療構想」に基づく急性期から回復期への大幅な移行は、この間本市が経験した感染症医療における問題の解決と市民ニーズの反映となるのか、見解を伺います。
 質問の第2は、第4波後までのコロナによる本市の死亡率についてです。
 変異株の拡大で、5月のゴールデンウィーク以降、感染者が急増し、本市の医療提供体制がひっ迫しました。
 本市は、医療機関への協力を要請し、受け入れ病床を6月7日に527床まで増やしましたが、症状が悪化しても入院先がないため、宿泊療養施設でやむを得ず点滴や酸素投与などの医療処置を行い、入院待機ステーションも運用することとなりました。5月27日を例にすると、全感染者5,130人のうち、入院されている方が445人と1割にも満たず、入院が必要だと医師が判断しても120人の方が待機する事態でした。
 一般的なコロナ感染者の死亡率は2%以下と言われますが、本市は6月24日時点で3%と高く、異常事態だと報じられた大阪府でも2.5%、東京都では1.2%程度です。
 このような高い死亡率になったのはなぜなのか、その理由と分析について明らかにしてください。変異したデルタ株が急速に拡大していますが、どのように今後に生かしていくお考えか、あわせて伺います。
 質問の第3は、医療機関との十分な連携についてです。
 6月8日から65歳以上へのワクチンの接種券を配布しました。本市は「かかりつけ医」での個別接種を基本としてきたにもかかわらず、この情報を事前に病院に周知徹底しなかったため、接種を焦る市民から「なぜ通院しているのに受けられないのか」等の苦情や、中には罵声を浴びせられることもあり、その応対に苦慮し、混乱が生じた医療機関が少なくありませんでした。「送付の前日に、接種券の送付時期を市に問い合わせたが『6月中旬』との回答のみだった。翌朝の新聞報道で突然知らされた」、という報告も我が党に寄せられました。
 医療機関は、感染患者の入院受け入れや、個別接種の実施、集団接種での医師派遣など、今なお極度の疲弊状態であり、本市が状況を把握しながら連携することは引き続き重要です。
 このたびのワクチン接種開始にあたって、医療機関への事前の相談や情報提供などの連携が十分だったのでしょうか。認識と、今後の対処方針についてお尋ねします。

 次は、地域保健の充実についてです。
 質問の第1は、地域保健充実のための保健所の複数化についてです。
 保健所は、「10万人に1か所」とされていた所管区域が、1997年に「地域保健法」が施行されたことで見直され、1992年の852カ所をピークに、2020年4月には469カ所と、全国の保健所数は半分近くに減少し、本市でも、各区にあった保健所が1か所になりました。母子保健や健康相談など地域住民に密着した事業は各区の保健センターが担い、保健所はそれらを専門的・広域的見地から支援する機関、となりました。
 公衆衛生の最前線である保健所は、地域における市民のくらしと密接にかかわりながら、健康増進を図る役割があります。農村地域、工場の集中した地域など、住民の健康状態は、地域によって特徴があります。それぞれの地域保健の方針は特徴に沿った個別なものであり、即応した、科学的な対応が求められます。
 昨年からの新型コロナウイルス感染症については、変異株の出現による感染拡大はもとより、今後も起こりうる新たな感染症の拡大や、災害などの健康危機管理の拠点として、いざというときに力を発揮する保健所として、現状を充実させる方向性が必要ではないでしょうか。
 197万人の本市に保健所が1か所しかないという事態を改善し、今後も発生が予想される災害・新たなウイルス感染などに備え、保健所の複数化などの検討を開始すべきだと思いますが、見解を伺います。
 質問の第2は、保健師の増員についてです。
 昨年9月、総務省・厚労省が「保健所体制に関する自治体調査」を実施し、76%の自治体が特に強化が必要な内容として「保健師の増員」を挙げました。
 国は、保健所において感染症対応業務に従事する保健師が現行の 1.5 倍になるよう、今年度からの 2年間で、現状の約1,800名から約2,700名へ、約900名の増員を図るための財政措置を行う、としました。また、本市では、各区に、保健師等の免許を有する専門職として母子保健相談員の配置も行ったところです。
 パンデミック以前から貧困が拡大し、助けを求めることができない市民が増えています。出産前からの切れ目のない母子保健指導、乳幼児健診の徹底、孤立することのないきめ細かい地域の見回り、高齢者の介護や見守りなどの地域連携、地域住民の保健指導や健康管理など、保健師が果たしている地域保健の要としての役割は重要です。
 保健師をさらに増員する必要があると考えますが、どのような対処方針をお持ちか、伺います。

 次は、行政サービスのデジタル化についてです
 質問の第1は、市民サービスと自治体の独自性についてです。
 デジタル改革関連法の「地方公共団体情報システム標準化に関する法律」は、税や医療・福祉・子育て支援など市民生活に密接にかかわる17業務を国のガバメントクラウドを活用することで全国一律に標準化・共通化を図るとしています。 
 自治体システムの標準化により、本市が独自で実施している税や国民健康保険料等の減免や子どもの医療費無料化、給付型奨学金などの市民サービスが後退するようなことがあってはならないと考えますが、本市の認識を伺います。
 質問の第2は、個人情報保護についてです。
 2017年から始まっている、「非識別加工情報」制度により、自治体によっては「特定の個人と見分けられないように加工」した市民の情報を企業に提供してきました。
 「非識別加工情報」であっても、本人の知らぬ間に、行政から民間へデータ提供することは、プライバシー権を侵害しかねない問題です。これまで、非識別加工情報制度の実施は自治体の任意とされてきましたがデジタル改革関連法により義務となります。
 本市の個人情報保護条例は「個人に関する情報であって、特定の個人を識別できるもの。他の情報と照合することにより特定の個人を識別できるものを含む。」と規定しています。
 国は、個人情報保護法の一元化を目指していますが、非識別加工情報を含む個人情報の保護をどのようにお考えか、伺います。

 次に、「学校規模適正化」についてです。
 質問の第1は、感染対策上の現状の教室面積についてです。
 学校での感染者数は、昨年7月から今年3月末までで200人余りでしたが、第4波では、4月からの2カ月半で、すでに200人を超えました。また、教室の机の間隔が狭く対策が不十分であることや、本人や家族に持病があるために感染の不安をもつ子どもの自主休校が増えていると報道されています。学校ガイドラインでは「児童生徒の間隔を可能な限り2m確保するような座席配置を基本」としていますが、35人学級でも実際はほとんどの教室で不可能であり、40人学級ではなおさらです。
 現状の教室面積は、2mの間隔を確保するには狭く、感染対策が不十分になると思いますが、現状への認識を伺います。
 質問の第2は、社会情勢の変化についてです。
 2019年から2021年の春までに、南区と厚別区で小学校8校が統廃合されました。以前は、1学年1から2クラスであったものが、1学年3クラス程度と学校は大規模化し、1学級20数人ほどだったものが40人近くになるといった事例も見受けられます。
 昨年、コロナ感染対策のため、1クラスを半分にした分散登校が行われました。少人数になったことで、子ども一人ひとりへの配慮ができ、「授業がわかるようになった」「不登校だった子が登校するようになった」などの声が多く聞かれました。教員からも「余裕をもって子どもと関われるようになった」と、改めて少人数学級の良さが見直され実感が広がっています。また、コロナ感染拡大から、「統廃合をすべきでなかった」という声も出ています。
 本市は、2018年に「札幌市小中学校の学校規模の適正化に関する基本方針」を改正し、「地域選定プランによることなく順次取り組み地域を設定することで取り組みを加速する」とし、急ピッチで統廃合を進めようとしています。
 この基本方針には、「学級編制基準の改正などの教育制度に変更がある場合や、市民ニーズなどの社会情勢を踏まえながら、必要に応じて見直しを行う」と記されています。衆議院の改正義務標準法審議での参考人質疑では、コロナ感染を経て「学校統廃合は推進するのではなく一旦停止し再検討が必要」との見解が示されました。
 今年、40年ぶりに学級編制の標準が改正されたことは、大きな制度変更が生じたと考えますがいかがか、伺います。
 また、昨年からの新型コロナウイルス感染症拡大により、密を避け人と人との距離を取ることが必要になるなど、社会情勢はこれまでにないほど変化し、市民のニーズも大きく変わったと思いますが、本市は、大きな社会情勢の変化が起こっているとお考えか伺います。

 次は、市内経済についてです。
 感染拡大と緊急事態宣言、まん延防止等重点措置に伴う長期間の活動自粛と制約は、特定の業界や業種にとどまらず、ほぼ全ての中小企業と個人事業主等に及び、市内経済に大きな影響を与えています。苦境にたっている事業者が先を見通せる継続的な支援が必要です。
 質問の第1は、事業者への固定費補助と地方創生臨時交付金の積み増しについてです。
 市内の中小企業と個人事業主等は、コロナによる社会経済状況の著しい変化のなか必死に耐え、各種感染防止対策にも協力してくれています。しかし、経済活動が抑制された状態が継続し、一向に売上が回復せず、特に、飲食・宿泊サービス業と、その関連事業者を中心とした更なる倒産、廃業が懸念されています。
 厳しい経営環境が続く事業者に対して、事業規模や店舗コスト等経営の影響の度合いに応じた支援の強化が急がれています。
 そこで、今後の市内経済の維持・振興には、本市が中小企業等の置かれている実態を把握するとともに、事業者意見を反映した事業継続と雇用維持に資する効果的な対策が必要だと思いますが、認識を伺います。
 また事業者は、売上が無くても支払いが発生する家賃・水道料などの固定費負担に耐えられず危機的状況が続いていますが、国の家賃支援給付金等はすでに給付事業が終了しています。事業者負担軽減のため、本市独自に固定費への何らかの補助を早急に検討すべきだと考えますが、いかがか伺います。
 さらに、事業者支援分の地方創生臨時交付金の積み増しを国に強く求めるべきだと思いますが、どのように取り組まれるおつもりなのか認識を伺います。
 質問の第2は、事業者の二重債務問題についてです。
 経済的苦境が続くなか、資金繰りに困窮する事業者への対応が急がれます。
 いま多くの事業者は、金融機関からコロナ関連の融資を受けています。これは平時における借入金とは性格が異なり、売り上げの減少による営業損失の穴埋めに使われた、いわゆるコロナ債務とでも呼ぶべきものです。
 コロナ感染が収束して仕事が動き始めると、事業者は仕入れのための運転資金や設備投資など、事業の再開に向けた積極的な借入金が必要になります。
 しかしコロナ債務が残り、過剰債務状態にある事業者への融資は、金融機関にとってもリスクを伴うため、簡単には融資に応じてくれない可能性があります。
 新たな融資が無ければ、事業の再開どころか、倒産、廃業の危険性があるのです。
 そこでお尋ねします。コロナ債務と新たな債務との二重債務問題の解決は、コロナ後の本市経済を立て直す上でも避けて通れない課題であると思いますが、認識を伺います。
 また昨年度本市は、信用保証料無し、低金利などで実施した約943億円の融資に続き、今年度も新型コロナ対応サポート資金を創設し、融資を継続します。しかし、事業者の二重債務による債務膨張は避けられません。中小企業者と個人事業主の事業継続と雇用者の生活を守るために、コロナ債務の削減、縮減など、国に対し緊急的に要請すべきと思いますが、いかがか伺います。
 質問の第3は駅商業施設の雇用についてです。
 今年3月、JR北海道の子会社「札幌駅総合開発株式会社」が、運営する駅商業施設パセオの営業終了を発表し、約2,000人の従業員の雇用が影響を受けると報道されました。
 テナントの募集形態をみると、不安定な非正規雇用で働く従業員が多く、派遣先の撤退やコロナ不況と結びつけば、いっきに雇用悪化が進み、本市の経済回復にとっても、大きな足かせになることが危惧されます。
 パセオの終了は、市も負担金を支払う新幹線札幌延伸の駅工事という、極めて公共的な事情によるものです。
 テナントの撤退などで生じる雇用問題への対応は、本市も避けられないと考えますが、そうした認識をお持ちなのか、伺います。
 あわせて、パセオ従業員の雇用維持にあたっては、非正規の正規化など市の一般的な雇用施策のほかに、国やJRとの連携した対策など、従業員の雇用維持をどのように進めるおつもりか、検討されている対策について、伺います。

 最後に、南区の諸課題についてです。
 質問の第1は、定山渓地区についてです。
 本市では、2015年に「定山渓観光魅力アップ構想」を策定し、基本方針の1つとして、温泉街らしさや賑わいづくり、また、その方向性として、美しい都市型温泉観光地としての景観形成などを掲げ、その主要な取組みとして、景観の魅力を高める指針の策定を位置付けています。
 わが会派としても、観光協会との懇談を重ね、定山渓地区の駐車場やトイレの改修など議会で提案してきたところですが、引き続き、市民と観光客が魅力を感じる温泉街への整備は本市の重要な課題です。しかし、産業振興エンジンとなる飲食・宿泊業とその関連事業者は、感染拡大に伴い宿泊客が大幅に減少するという深刻な打撃を受け、貴重な観光資源でもある老舗事業者の廃業も発生しています。
 「定山渓観光魅力アップ構想」に基づく取り組みを進めることはもちろんですが、コロナ禍の苦境が続く中、感染症対策に対する設備等の充実と団体客中心から個人や少人数客に対応するなど、宿泊施設や観光施設の改修のための新たな対応と設備投資が必要と考えます。
 こういった中、本市では、国の補助事業である「既存観光拠点の再生・高付加価値化推進事業」を申請するため定山渓地区をエリアとした「観光拠点再生計画書」を観光庁に提出したところ、計画が採択されたと聞いています。
 さらには、本市が推進するスノーリゾートシティーSAPPORO推進戦略案では、市内スキー場、関連事業者、関係団体、行政が一体となって取り組むことになると考えています。
 このような、定山渓地区における宿泊業とその関連事業者との連携した観光拠点の再生、地域全体で魅力と収益力を高めるための取り組みは、今後の本市経済の振興にも不可欠であると考えますが、市長の認識を伺います。
 質問の第2は、真駒内地区まちづくりについてです。
 2013年「真駒内駅前地区まちづくり指針」が策定され、検討委員会や地域協議会を経て、今年度中に「真駒内駅前地区のまちづくり計画」が策定される予定です。
1点目は、住まいの機能についてです。
 真駒内駅の周辺には、区役所や区民センターなどの公共機能が配置され、UR五輪団地、道営住宅などの団地群が大きく広がっていますが、建物の老朽化と入居者の高齢化が著しく進んでいます。
 真駒内地区は駅前のにぎわいや機能充実だけでなく、新しく真駒内を選んで住む若い世代の受入れが一体となることで、地域コミュニティが強化・活性化し、真駒内地区の抱える課題解決にも繋がってゆくと考えます。
 解体撤去となった道営住宅跡地は、道警宿舎跡地の取得と同様に本市が土地を取得し、住居機能整備に取組むべきと考えますが、いかがか伺います。
 2点目は、既存商業施設との連携・活性化についてです。
 真駒内駅前から西側の駅前通り沿いは、四季を感じられる街路樹が並び、にぎわいやみどりを感じられる歩行空間として区民に愛されてきました。この通り周辺には、スーパーや飲食店などがあり、長く真駒内地区住民の日常生活を支え、地域商業の発展に寄与してきました。しかし、少子高齢化などでテナントの撤退など活力が失われています。
 そこで、これまで地域を支えてきた既存の商業施設の活性化が必要だと考えますが、いかがか伺います。またそのためには、既存の商業施設との連携した取り組みが重要と思いますが、どのように進めるお考えなのか、伺います。
 3点目は、交通広場の機能についてです。
 地下鉄真駒内駅は、南区の中継拠点として一日利用者数は約13,000人、またバスの発着は一日約1,100便であり、他の始発駅と比較すると、バス乗り継ぎ利用客割合が高いのも特徴です。
 長年、バス発着場は、冬期間は風雪に晒され、地下鉄へ乗り継ぎのため凍結した歩道を横断し、身障者や高齢者にとって大変危険であることなどが課題でした。
 この度の計画案では、バスの乗り場が屋内型の待合施設として示されていますが、現時点での考え方を伺います。また、南区の特徴として、車での送迎も欠かせないことから、一般送迎用の乗降スペースも必要であると考えますが、どのように改善する予定なのか伺います。

 以上で、私の質問のすべてを終わります。ご清聴、ありがとうございました。

 

秋元市長 答弁

 全体で8項目ご質問をいただきました。私からは、1項目目の私の政治姿勢について。2項目目の新型コロナウイルス感染拡大への対応についてお答えをさせていただきます。その余のご質問に関しましては、それぞれ担当の副市長、教育長からお答えをさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
 1項目目、私の政治姿勢についての、まず1項目目、政府の新型コロナ対策についてお答えをいたします。
 1点目のこれまでの感染拡大についてでありますけれども、我が国ではこれまで、積極的な疫学調査や検査体制の確保に努めつつ、諸外国のような経済活動や市民生活に全面的に大きな影響を与える、いわゆるロックダウン等の対策ではなく、感染の増加局面では国民や企業に外出自粛や一部休業要請をおこなうなど、人と人の接触を減らす行動変容を促すことで、感染の大幅な拡大を防いできたところであります。札幌市におきましても、引き続きこれらの取り組みを継続していくことが必要であると認識をしているところであります。
 2点目の感染拡大のリスクと要因についてでありますが、特に第4波と言われる4月下旬から6月上旬の感染拡大につきましては、特定のイベントなどが要因ではなく、年度替わりの人の移動やゴールデンウィーク中の道外からの人の流入が多い時期であったことに加え、変異ウイルスであるアルファ株の感染力の強さが、身近な場所での感染の拡大に影響を与えたものと考えているところであります。
 次に、2項目目の東京オリンピック競技開催についてであります。
 まず1点目の開催の是非についてであります。私はこれまで北海道知事との連名で組織委員会に提出をしました要請書や記者会見を通じて、コロナ禍の中での大会の意義や具体の感染対策について、市民・国民に十分に説明をし、感染対策をしっかり講じた上で安全な大会の開催とするよう求めてきたところであります。
 次、2点目の競技開催による人流増加についてでありますが、組織委員会では観客数の上限や、観客の行動ルールを示したガイドラインを定めたほか、札幌市におきましても大会期間中に予定をしておりましたパブリックビューイングをすべて中止とするなど、人流抑制の観点から様々な対策を実施することとしているところであります。また、感染状況によりましては沿道応援の自粛や無観客を含めたより厳格な観客の制限についても検討すべきであると考えているところであります。
 次に、3点目の「さっぽろっこオリ・パラウィーク」の取り組みについてでありますが、様々な分野で頑張る人を応援したいという、子ども1人1人の気持ちに寄り添って進めていくことが大切であると認識をしております。
 次、4点目の競技開催に伴う医療への負荷についてでありますが、競技会場所在自治体として、大会関係者から感染が広がることがないよう、感染防止策を徹底すること、大会時の医療・検査体勢の構築にあたっては、札幌市の医療に影響を与えないこと、札幌開催における感染症対策全般について市民・道民に対して具体的に説明することなどについて、知事と連名で要請をしているところであります。
 次に、2項目目の新型コロナウイルス感染拡大への対応についてお答えをいたします。
 まず、感染拡大防止対策についてでありますが、1点目のワクチン接種について、まず、集団接種会場の設置と会場への移動手段についてでありますが、接種の加速化を図るため、これまでの3つの集団接種会場に加えて、7月17日から4か所目の会場として、つどーむを開始する予定であります。今後は、ワクチンの確保に努めつつ、より地域に密着した会場についても検討を進めてまいりたいと考えているところであります。また、集団接種会場を設置する際には、交通アクセス等の状況を踏まえて、シャトルバス等の移動手段の必要性を判断してきたところであり、つどーむ会場につきましても、コンベンションセンター同様、最寄り駅からの距離などに配慮し、地下鉄栄町駅からの移動手段を確保することを検討しているところであります。
 次に、巡回接種についてでありますが、一部に接種を実施する医療機関を確保できない高齢者施設がありますことから、それらの施設に対して医療従事者による巡回接種チームを派遣をし、接種をおこなっているところであります。高齢者施設につきましては現行の巡回接種体制で終了できる目処がついており、今後実施を予定している障がい者入所施設等の巡回接種についても現行の体制を継続をして進めてまいりたいと考えております。
 次に、2点目のPCR検査の更なる拡充、充実についてであります。
 感染拡大を防止するためには、ワクチン接種の促進と併せて、感染の疑いがある方が速やかに検査を受けられる体制が重要であると認識をしております。これまでもPCR検査センターの検査枠や検体採取をおこなう医療機関の数を増やすとともに、検体を受け入れる民間検査機関の拡充など、体制の整備を進めてきたところであります。加えて、高齢者施設など集団感染のリスクの高い施設の職員に対するスクリーニング検査を実施をしてきたところであります。次の感染拡大に向けて、先日新たなPCR検査センターを設置したところであり、今後も高齢者施設におけるスクリーニング検査の強化など、さらなる検査体制の充実を図ってまいりたいと考えております。
 次に、介護現場の課題と対策についてであります。
 まず1点目の、事業所の現状の聞き取りと介護保険制度の検証についてでありますが、介護保険制度を安定的に運営していくためには、財源の確保が極めて重要であると認識をしております。そのため、従前より、他の政令指定都市と連携をし、保険制度として運用するに足る必要十分な財政措置を講ずるよう、国に対して要望しているところであります。今後も、介護保険制度の安定的な運用を図るために、国の責任において必要な財政措置を講ずるよう、引き続き要望してまいりたいと考えております。また、介護現場の実態については、今後もこれまで同様に機会をとらえて状況把握をおこなってまいります。
 次に2点目のクラスターを防ぐ対策への支援についてであります。
 介護事業所におきましては、平時から、標準予防策の徹底が重要であり、各事業所において感染対策の上で必要な物資を確保できるよう、これまでも国や道とも連携をしながら支援をしてきたところであります。また、陽性者が発生をした際には、感染拡大を防ぎ、事業所内での新型コロナウイルス感染症の対応に支障が出ないよう、各事業所からの要望に応じて、速やかに個人防護具を提供をしてきたところであります。引き続き、介護事業所で働く方々が新型コロナウイルス感染症対応に万全な体制で臨めるよう、個人防護具の安定的かつ継続的な提供体制を維持してまいります。
 3点目の介護事業所の減収補填についてでありますが、介護事業所の減収につきましては、介護報酬上の増額改定等により、対応いただくものと認識をしており、公費によるさらなる拡充については、国において措置すべきものと考えているところであります。
 私からは以上です。

町田副市長 答弁

 私からは大きな3項目目の医療提供体制について、4項目目、地域保健の充実について、5項目目、行政サービスのデジタル化について、この3項目についてお答え申し上げます。
 まず3項目目の医療提供体制についての1点目、「医療法等の一部を改正する法律」についてのご質問でございますが、地域医療構想は、医療法に基づく医療計画の一部として、今後の人口構造の変化やそれに伴う医療の在り方の変化に対応した医療提供体制の構築を目的としているところでございます。今般の新型コロナウイルスの感染拡大を受け、医療計画の記載事項に新興感染症等流行時における医療提供体制の確保に関する事項が追加されたところでございます。地域医療構想に基づく病床の移行により、急性期や回復期の病床数が変化した場合も、感染症対策に直接大きな影響が及ぶものではありませんが、札幌市としては、今回の感染拡大を通じて得られた知見も生かしながら、必要な医療提供体制の構築に努めてまいりたいと考えております。
 次、2点目の第4波の後までのコロナによる本市の死亡率についてでございますが、これまでの陽性者を年代別にみますと、札幌市は東京都などと比較して高齢者の割合が高い状況でございます。また、お亡くなりになられた方のうち、70代以上の高齢者が約9割を占めているところでございます。一般的に高齢者の方は重症化リスクが高いと言われており、さらに高齢者の多くは基礎疾患を抱えていることから、札幌市における死亡率が高い一因となっていると考えられるところでございます。次の感染拡大に向け、高齢者のワクチン接種を促進するとともに、高齢者施設における感染拡大防止策に引き続き取り組んでまいります。
 次、医療提供体制についての3点目の、医療機関との十分な連携についてのご質問でございますが、後期高齢者を対象とした集団接種会場の予約枠に急に空きが見られるようになったことから、予約枠に余裕があることをPRするとともに、前期高齢者の接種券発送の前倒しを急遽決定したことから、医療機関に対する情報提供が接種券発送の直前になったところでございます。今後とも札幌市医師会と連携し、医療機関への速やかな情報提供に努め、医療機関の協力のもと、着実にワクチン接種を進めてまいりたいと考えております。
 次に大きな4項目目、地域保健の充実についての1点目、地域保健充実のための保健所の複数化についてのご質問でございますが、現在の保健所1か所体制に関しては、専門的・技術的な拠点として、情報の集中管理をおこなうとともに、保健・医療・福祉の連携強化を図り、効率的な対応が可能となるといったメリットがあることから、保健所を複数化することは考えておりません。一方、今般の新型コロナウイルス感染症の第4波におきましては、保健所機能の強化のため、各区役所に「区新型コロナウイルス感染症対策室」を設置し、陽性患者の疫学調査や健康観察等をおこなったところでございまして、このように、今後も、非常時等におきましては、機動的な体制を構築し適正かつ柔軟に対応してまいりたいと考えております。
 次、地域保健の充実についての2点目、保健師の増員についてのご質問でございますが、保健師は、個人や世帯を支援するとともに、地域社会全体に働きかけ、健康課題の解決を図る地域保健の専門職であり、社会背景や制度の変化に伴い、その活動領域は拡大しているところでございます。特に、今般の新型コロナウイルス感染症対策におきましては、積極的疫学調査や自宅療養者への健康観察業務などに保健師の専門性を必要としたことから、今年度は、医療対策室に保健師職を大幅に増員したところでございます。今後も、複雑多岐にわたる健康課題に柔軟に対応できる人材の確保、育成に努めてまいります。
 次に大きな5項目目、行政サービスのデジタル化について、1点目、市民サービスと自治体の独自性についてのご質問でございますが、今般成立した法律では、自治体の情報システムについて、標準化基準に適合するものでなければならない旨が規定されているところでございますが、これはあくまでも事務処理をおこなう手段を標準化するものであり、札幌市が独自に実施する施策そのものに影響を及ぼすものではないと認識するところでございます。
 次に2点目、個人情報保護についてのご質問でございますが、このたび、民間分野と国等の行政機関それぞれを対象としている法律が統合された新しい個人情報保護法が成立したことにより、現在、条例で規定している地方自治体の個人情報保護制度も、法律で一律に規定されることとなったところでございます。また、この法改正により、特定の個人が識別できず、データを復元することができないように加工した非識別加工情報は、匿名加工情報という名称に変わり、そして都道府県、政令指定都市において、民間等に向けたデータの利活用の提案募集をおこなうことが義務化されたところでございます。改正法は令和5年5月までに施行されることとなっており、法改正に伴い、今後国から示される政令やガイドラインを踏まえ、引き続き札幌市における個人情報が適切に保護されるよう努めてまいります。
 私からは以上でございます。

吉岡副市長 答弁

 私からは8項目目、南区の諸課題についてお答えをいたします。
 最初に、定山渓地区についてであります。
 定山渓は、北海道を代表する温泉地であり、コロナ以前には毎年100万人を超える宿泊客を迎え、本市の経済振興に大きく寄与してきたものと認識しております。札幌市では、「定山渓観光魅力アップ構想」に基づきまして、宿泊施設の整備やイベントの事業者の取り組みを支援してきたほか、コロナ禍においては落ち込んだ宿泊需要の回復などに迅速に対応してきたところでございます。今後は、都市型スノーリゾートシティの推進により、国内外からより多くの観光客が訪れることが期待できますことから、国の事業も活用しつつ、経済を牽引するような観光拠点の形成を官民協働で進めてまいります。
 次に、真駒内地区のまちづくりについてであります。
 最初に住まいの機能についてであります。真駒内駅前地区におきましては、真駒内地区はもとより南区の拠点として先導的に再生を図ることを目的に、まちづくり計画の検討を進めているところでございます。この計画では、駅前の市有地や道警宿舎用地を対象とした地区において土地利用転換を図ることとしており、まずは、駅前地区を再整備することにより、真駒内地区の魅力の核づくりを優先して進めていきたいと考えているところでございます。
 2点目の既存商業施設との連携・活用化についてであります。真駒内駅前地区のまちづくりを進めていく上では、既存の商業施設も含めた駅前通全体の賑わいの創出が重要であると認識しております。今回のまちづくり計画におきましては、訪れた方々を真駒内駅や新たな交通広場から駅前通へ誘引するとともに、既存の商業施設を含めた回遊性を高める動線の構築等について検討しているところでございます。
 3点目の交通広場の機能についてであります。乗り継ぎ環境の改善は、対応すべき課題であると認識しており、天候の影響を受けない快適なバス待ち環境の実現に向けて検討しているところでございます。また、真駒内駅周辺には一般の送迎車両のための乗降スペースがなく、路上での駐停車が多いことが課題となっておりますことから、専用の乗降スペースの設置について検討しているところでございます。
 私からは以上でございます。

石川副市長 答弁

 私からは大きな7項目目、市内経済についてご答弁を申し上げます。
 まず1点目の事業者への固定費補助と地方創生臨時交付金の積み増しについて、及び2点目の事業者の二重債務問題につきましては関連いたしますので一括でご答弁を申し上げます。
 これまでも、札幌商工会議所等の経済団体の意見を丁寧に伺うなど、市内経済の実態の把握に努め、産業振興施策を進めてきたところでございます。新型コロナウイルス感染症の影響を受ける事業者に対する固定費の補助につきましては、国の役割により実施すべきものと認識をいたしております。また事業者の債務につきましては、新型コロナウイルス感染症の長期化により、中小企業の借入額が増加していることは承知をしておりまして、地域経済の回復のためには、こうした事業者への支援は重要であると考えております。このことから、札幌市といたしましては、国に対して固定費補助や返済猶予等の支援を要望してきたほか、先日、経済対策を実施するための臨時交付金の増額等につきましては、改めて強く求めたところでございます。
 続きまして3点目の駅商業施設の雇用についてであります。
 従業員の方々の雇用維持につきましては、一義的には雇用主であるテナント等の事業者が対応すべきものでありますけれども、駅商業施設の休業期間は長期に及びますことから、雇用への影響が懸念されるところであります。札幌市といたしましては、今後の動向を注視してまいりますとともに、離職者への対応につきましては、相談窓口の設置などを含め、ハローワーク等の関係機関と協議しながら検討してまいりたいと考えております。
 私からは以上であります。

檜田教育長 答弁

 私からは大きな6項目目、学校規模適正化についてお答えをいたします。
 まず初めに、感染対策上の現状の教室面積についてでございますけれども、各学校におきましては、国のマニュアルに従い、教室内の児童生徒の間隔を最低1メートル確保するよう座席の配置を工夫しているところでございます。これに加え、すべての学級において、こまめな換気やマスク着用など感染症対策の徹底に努めているところでございます。
 次に、社会情勢の変化についてでございますけれども、このたびの国による学級編制の標準の引き下げは、子どもたちの豊かな学びの実現に向けて、きめ細かな指導体制を整備するために実施されたものと認識をしております。これらの趣旨や社会情勢の変化を踏まえつつ、これからも子ども達にとってよりよい教育環境を整えるため、学校規模の適正化に努めてまいりたいというふうに考えております。
 以上でございます。

千葉議員 再質問

 ただ今の答弁を伺いまして、再質問させていただきます。
 質問に入る前に、ただ今の学校規模適正化についてのご答弁なんですけれども、一言申し上げたいと思います。社会情勢の変化について、私がお聞きしたのは、市民のニーズも大きく変わり、大きな社会情勢の変化が起こったかどうか。変化が起こっている、いない、どうお考えか、その認識をお聞きしたものです。それに対し、社会情勢の変化を踏まえつつ適正化に努めていきたいというご答弁では、質問の答えとは言えないと申し上げておきます。
 それでは南区の諸課題について2点再質問させていただきます。
 1点目は、定山渓地区についてです。国の補助事業である「既存観光拠点の再生・高付加価値化推進事業」についてですが、この中には定山渓地区で以前から課題でありました、景観への取り組みも新たに進められると伺っており、定山渓の更なる観光魅力アップと集客を期待するところです。国に提出した本市の計画書の概要、補助対象メニューなど、今後定山渓地区で予定されている事業計画について、具体的にお示しください。
 2点目は、真駒内地区まちづくりの住まいの機能についてです。札幌市内でも特に南区は人口の減少が進んでおり、今後年少人口や生産年齢人口が著しく減少し、2035年時点では、高齢化率が約45%と、全市平均を10ポイント近く上回り、ほぼ2人に1人が高齢者となる見込みであると言われています。交通の利便性がいい真駒内地区においても同様で、地域の高齢化や人口減少というものは課題です。まちづくり計画について、まずは駅前を優先して取り組むとのお考えはわかりますけれども、南区の課題というのは待ったなしだと考えます。真駒内地区の団地群は老朽化が進んでいると先ほど申し上げましたが、道営住宅では既にA・B・D団地の15棟184戸が解体撤去となりました。本市は道警宿舎跡地について、まちづくり計画を進めるために取得する予定としております。同様に道営住宅跡地の活用についても、道と意見交換の場を作り、検討を始めるべきではないかと考えますがいかがか、お伺いします。

吉岡副市長 答弁

 定山渓地区と真駒内地区につきまして、再質問をいただきました。
 最初に定山渓地区についてでありますけれども、国の事業、「既存観光拠点の再生・高付加価値化推進事業」、これを活用するにあたって具体的にどのような内容で計画しているのかというお尋ねでございます。この国の事業でございますけれども、新型コロナウイルス感染症拡大の影響によりまして、非常に危機的な影響を受けております観光拠点、これが再生できるように事業者が所有する施設改修や、廃屋の撤去等の取り組みについて、国が支援するというものでございます。定山渓地区は、各種施設の老朽化が進んでおりまして、温泉地としての景観が損なわれている箇所も見受けられるところでありまして、また、旅行業の変化を踏まえたニーズへの対応が求められているということでございます。そういったことから、この度、この事業を活用すべく、計画書を官公庁に提出して採択をいただいたところでございますけれども、その具体的な内容といたしましては、札幌市が推進する都市型スノーリゾートシティの活動拠点となる、滞在型の温泉を目指すとしておりまして、廃屋の撤去をして跡地を観光地、観光目的利用の地として利用すること。また個人旅行に対応できる高付加価値の客室への改修といった、このようなことを実施してまいりたいと考えているところでございます。
 次に、真駒内地区のまちづくりについてであります。道営住宅跡地の活用を進めるために道としっかりと検討、意見交換の場を持ってほしいという再質問でございます。真駒内駅前地区のまちづくりを検討する委員会には、北海道の住宅課にもご参加いただいておりますことから、道営住宅跡地の活用、北海道もいろいろお考えがあるものと思います。今後も様々な観点から然るべき活用の方法について、必要な情報交換をしっかりとしてまいりたいと考えております。
 以上でございます。