私は、日本共産党を代表して、市政の重要問題について順次質問いたします。

 はじめに、市長の政治姿勢についてです。
 質問の第1は、統計不正問題と消費税増税についてです。
 厚生労働省の毎月勤労統計の不正は、雇用保険や労災保険などでのべ2,000万人、567億円もの被害を出すとともに、国の政策判断はもちろん、政府への信頼を根底から揺るがす大問題です。
 世論調査でも「政府の発表する統計を信用できない」79%、「この問題で政府の対応は不十分だ」83.1%と大多数の国民が不信と疑念を抱いています。
 厚労省が設置した特別監察委員会の報告書が、「隠蔽の意図までは認められなかった」などと述べているのは極めて問題であり、不正の究明に後ろ向きな安倍政権の隠ぺい姿勢に批判が高まっています。
 この不正は2004年から行われていましたが、とりわけ2018年1月から密かにデータの修正が行われ、これによって賃金水準が”かさ上げ”されていた問題は重大です。安倍政権は、これをアベノミクスの成果だと自慢していましたが、いまや国民を欺く統計データの偽装ではなかったのかという疑惑に発展しています。
 この不正の全容究明は、絶対にあいまいにしてはならない問題だと考えますが、いかがか市長の見解を伺います。あわせて保険の給付などで市民への影響はなかったのか伺います。
 また、この統計不正によって10月からの消費税10%への増税の前提が崩れる事態となっています。実際、賃金は増加するどころか実質賃金の伸び率は、前年同月比でほとんどマイナスだったことが明かとなりました。10月からの消費税率の引き上げは、中止すべきだと考えますがいかがか、市長の見解を伺います。
 質問の第2は、安倍政権による軍備拡大計画についてです。
 昨年12月、安倍政権が閣議決定した「防衛計画の大綱」と「中期防衛力整備計画」で、今後5年間に過去最大の27兆4,700億円もの大軍拡がすすめられようとしています。
 政府は、対日貿易赤字の解消を求めるトランプ政権いいなりにアメリカ製兵器の大量購入を決め、1機116億円のステルス戦闘機F35は、105機を追加購入し147機保有する計画で、その費用は維持費を含め6.2兆円といいます。この爆買いに、自衛隊の元幹部から「F35を100機以上も買って、いったい何をするのか」「トランプの言いなりで兵器を買うな」という声が上がるほどです。
 さらに重大なことは、他国を攻撃できる長距離巡航ミサイルの導入や護衛艦「いずも」を事実上空母化するなど、「専守防衛」を建前としてきた自衛隊を、米軍とともに「海外で戦争できる軍隊」に変質させようとしていることです。
 市長は、安倍政権による軍備拡大計画をどのようにお考えですか。また、他国への攻撃を可能とする軍備の増強は、「専守防衛」はもちろん、国際紛争を解決する手段としての武力の威嚇や行使を禁じた憲法9条に反すると考えますが、いかがか見解を伺います。
 質問の第3は、本市で働く外国人労働者についてです。
 1点目は、改定出入国管理法についてです。
 昨年末、安倍自公政権によって強行された改定出入国管理法は、多数の外国人労働者を、安価でいつでも解雇可能な労働力として受け入れようとするもので、日本経団連が早期成立を求めていたものでした。
 すでに、国際貢献を建前とした技能実習生制度で、外国人労働者が劣悪な労働条件のもとで働かされ、失踪した実習生の聞き取り調査では実に67%が最低賃金以下だったことや暴力、セクハラなどの人権侵害が引き起こされている実態も明らかとなりました。
 この法律は、技能実習生のこうした現状を放置し、しかも、そのまま使い続けることを可能にするなど多くの問題点が指摘されてきましたが、市長は、この改定出入国管理法についてどのようにお考えですか。また、本市で働く外国人労働者の実態を把握し、相談窓口などの支援策が急がれると考えますが、今後、どのように対処していくのか伺います。
 いま、本市で働く労働者の実態も深刻で、女性の53.6%が非正規雇用で、本市の事業所数で2番目に多い「宿泊業、飲食サービス業」では、実に7割が非正規となっています。こうしたもとで、安価な外国人労働者が増大していくことは、本市においても低賃金で不安定な雇用をいっそう拡大することになると思いますが、いかがか見解を伺います。
 2点目は、子どもへの日本語教育についてです。
 海外から帰国した子や外国人の児童生徒に対する日本語教育への支援は急務です。しかし、本市の日本語教育支援の予算は2018年度、対象者84人に対して150万円と20政令市で最低です。しかも、有償ボランティアでの支援しかなくその謝金も1時間当たり800円で、他都市での1時間2,000円や1回につき4,000円などと比べても極めて低いのが実態です。
 日本語が十分話せず、学校や日常生活に不安を抱える子どもたちのために、他都市の取り組みも参考にして外国人児童生徒への教育支援事業を改善すべきとだと考えますが、いかがか伺います。
 質問の第4は、市民との対話についてです。
 1点目は、誘導的なアンケートについてです。
 秋元市長就任以降、都心アクセス道路は、常に本市の「建設ありき」の姿勢で検討が進められました。
 2016年10月に行った「都心アクセス強化」のためのパネル展アンケートは、「期待する効果」、「現況についての課題」、「配慮すべきこと」という設問で、いずれも必要性を感じない市民が回答する欄がなく、どの選択肢も事業推進を前提としたものであるため、回答した場合には、推進を望まなくても「期待している」ものとして分類されました。
 日ハム新球場を真駒内公園に誘致するために2018年2月に行った新球場建設検討のアンケートも、「必要な配慮」、「期待する効果」という設問が主であり、同様のことが起こりました。
 本市は「自由記載欄を設けることにより、市民から様々なご意見を伺うことができた」などと答弁していますが、詭弁に過ぎません。設問の中心は事業推進を前提にしたもので、選択肢にマルを付けるだけの簡易な方法である一方、懸念を持つ人は狭い欄に時間をかけて文章を記入しなくてはならず高いハードルがありました。
 こうしたアンケートの設問は中立性を著しく欠いたものであり、市民の意思を、本市の思惑に誘導するものであったと考えますが、いかがか伺います。
 2点目は市民との双方向の対話についてです。
 上野幌小学校と青葉小学校の統廃合は、「適正化検討委員会」が「学校規模適正化により期待される効果」を話し合う、「統廃合ありき」のものでした。昨年2月24日の住民説明会で初めて統廃合を知った人も多く、「統廃合に反対だ」、「今からでも話し合いを要望したい」との声が多数出されました。統廃合を決めたあとに住民説明を行った本市の姿勢は、市民との話し合いをあまりにも軽視したものでした。
 また、丘珠空港関係では、「空港整備に係る基本的な考え方に変わりはない」としながら「利活用に関する検討」を行い、滑走路を300メートルもしくは500メートル延伸させた場合の図を描いて金額を示しました。このような利活用の必要性の強調は、極めて誘導的であり、住民と合意した「基本的な考え方」を反故にしようとしているとしか思えません。
 胆振東部地震で被災した清田区の1回目の地元説明会に市長が来なかったことに、住民から強い不満が出されました。最も困っている市民と直接対話する姿勢が欠けていたのです。
 市長は、この4年間の市政運営の中で、「市民との対話が不足していた」と反省点を述べていますが、自治基本条例に基づき、市長は、市民との双方向の対話の重要性について、どのように認識しておられるのか、伺います。

 次は、都心アクセス道路についてです。
 2016年に調査検討費が予算化されてから、わが党は、このアクセス道路については連続して議会で取り上げてきました。莫大な総事業費となる懸念があるからです。1キロ当たりの建設費が250億円を超える高架・地下構造の高規格道路ではなく、費用負担が少ない右折車線の延長や新設など、交差点改良による整備を進めるべきです。
 質問の第1は、公平公正な市民への情報提供による判断の必要性についてです。
 市長は、昨年7月の記者会見で、高架と地下構造による高規格道路の整備を前提とした上で「最小の経費で最大の効果を上げる」と述べ、新たな道路建設を容認しました。
 しかし、創成川通の混雑度は0.87。これは4段階ある混雑度の中で最低ランクです。国道36号の豊平橋付近の混雑度1.93の半分以下であることから、新たな道路建設自体が必要ありません。
 しかも、高齢者の運転免許証の早期返納、自動車を所有しない若者とカーシェアリングの急増など、今後、自動車の保有台数は確実に減少が見込まれ、自動車をめぐる状況は過去に例がないほど急激に変化しています。
 本市は、渋滞の解消・防災・医療・観光に役立ち、石狩湾新港・丘珠空港との連携強化など、アクセス道路の必要性を強調してきました。
 しかし、そのどれもが、高架・地下構造の建設を誘導しようとする傾向が強く示されたもので、巨額の費用を費やす道路建設の必要性を証明する根拠としては乏しいものだと言わざるを得ません。
 あらためて、都心アクセス道路が必要か否かの根本的な市民意見を確認するための調査が必要だと思いますが、認識を伺います。
 質問の第2は、新規の大規模開発を抑制し、国の債務を減らす本市の役割についてです。
 国は、公共事業による財政出動を経済対策・景気対策の重要な柱と位置付け、高速道路や巨大港湾、大規模再開発プロジェクトなど、いま優先すべき防災やインフラの老朽化対策より、財界の要望に応え新規・新設の大型開発事業に多額の予算を投入してきました。
 その結果、大都市圏では「国土強靭化」「都市間競争力強化」を理由に、高規格道路や空港などの大規模開発事業が相次いで復活し、本市でも総事業費1,000億円規模の都心アクセス道路の計画が進められています。
 一方、2013年度推計によると、国土交通省が所管する道路やダムなどの維持管理・更新費用には、年間3兆6千億円かかり、20年後には最大5兆5千億円(1.5倍)になる見通しです。この推計から、今後50年間の道路やダムなどの維持・更新費用の総額は、200兆円を優に超える規模になると言われています。これに水道や学校などの施設を含めると、数百兆円の維持・更新費用を要するため、今後は、新規・新設の大型開発事業に税金を費やす余裕はありません。
 財務省は、今月8日、国債などいわゆる「国の借金」が2018年12月末現在で1,100兆円と過去最高を更新したと発表しました。単純計算で国民1人当たりの借金は約885万円となり、昨年9月末から7万円増加したと報じられています。
 この現状について、東京財団政策研究所の小林慶一郎研究主幹は「日本が他の国と違っているのは、債務レベルが突出して高く、さらに、右肩上がりで増え続け、債務比率は250%に迫る。これは終戦直後のレベルを超え、世界の歴史上、先進国が平時においてGDPの200%を超える債務を負った例はない。日本の債務は、人類未踏の領域に達している」と警鐘を鳴らしています。
 深刻な国の債務比率を軽減させる大都市の責任と役割の発揮が求められています。都心アクセス道路の建設は、いっそう債務比率を高くし、国の危機的な財政状況を更に悪化させる懸念があると思いますが認識を伺います。新規の大型開発事業となるアクセス道路の建設は中止し、費用が抑えられる交差点改良による整備を優先させる決断こそ必要だと思いますが認識を伺います。

 次に、学童保育についてです。
 昨年11月、内閣府は学童保育に従事する職員、いわゆる指導員の配置基準について、「従うべき基準」から「参酌すべき基準」へと緩和する考えを示し、翌12月、閣議決定しました。
 「放課後児童支援員」という有資格者を原則2名以上配置するという「従うべき基準」は、子どもの命と安全、安心できる「生活の場」を保障するために必要不可欠な基準であり、これが緩和されれば学童保育の安全と質の低下は避けられません。
 子どもたちの放課後の健全育成のために必要な最低限の基準として、2名以上の指導員の配置は不可欠だと考えますが、本市のお考えはいかがか。子どもの権利条例をもつ本市として、指導員の配置基準の緩和についての見解をうかがいます。

 次は、行政運営のあり方についてです。
 自治体による様々な行政施策は、生存権や社会保障などを定めた憲法25条の理念にもとづくものであり、自治体はその増進を図ることとされています。しかし、安倍政権は、自治体の公的責任を縮小・解体する「公的サービスの産業化」を打ち出し、民間事業者の参入をすすめようとその環境整備と規制緩和を推進しています。
 質問の第1は、水道事業の公的役割についてです。
 昨年の12月国会で、改正水道法が強行成立しました。これは施設の所有権を自治体に残しながら運営権を民間に移すコンセッション方式を導入するもので、水道民営化に他なりません。
 民営化による懸念、弊害が様々指摘されていますが、例えば「企業秘密」と判断された情報は非公開とされ、料金の妥当性などを議会で十分審議できないまま値上げとなること。また、水道事業に精通した職員が減少し、業務の適切な履行をチェックする機能が低下して、万一、公設に戻す際には新たな人材育成に相当額の費用がかかるなどです。
 水道事業が民営化された国では、料金の高騰や水質の低下などが多発し、2000年から2014年までで再公営化された事例が180件35カ国にものぼっています。いま、民営化に反対する「ブルーコミュニティ」という運動がヨーロッパなどで広がっており、「安全で安価な水を得ることは基本的人権」であり「上下水道の公的所有と運営」を掲げ、昨年、ドイツではミュンヘン市をはじめ4つの都市がこれに加わり、水道の公的管理を守る態度を明確に示しました。
 生きるうえで水は不可欠であり、水道事業はそれを住民に保障するものです。安全で安価な水を供給することは、まさに生存権の保障ともいえ、そのために必要な人材の確保と技術の継承は地方自治体の重要な役割だと考えます。
 これまで本市の水道事業が果たしてきた役割や意義について、市長はどのように認識をされているのか伺います。
 質問の第2は窓口業務の公共性についてです。
 安倍政権は、証明書の発行や戸籍の届出を受け付ける市民総合窓口と、保険・国民年金、児童・高齢者・障がい福祉等に対応する福祉総合窓口を集約し、まとめて民間事業者に担わせる民間委託を推進するとしています。
 窓口業務は、それぞれの制度や仕組みを理解し、法令の趣旨に沿った専門的知識・経験を要する業務です。同時に、職員が住民の抱える問題や課題を直接知る重要な機会であり、これらを他部門と連携して解決をはかるなど重要な役割を担っています。
 この間、全国では税事務所のデータ管理を民間委託したところ、その業者が下請けにデータ管理を発注するという事例が明らかとなり、住民の家族構成や所得などの個人情報が安易に扱われている実態が判明しています。窓口業務の民営化は、住民サービスの低下や市民の個人情報の漏えいなどの懸念があります。
 高齢化の進展や、医療や介護・障がい者制度などの複雑多様化により、今後ますます窓口業務での丁寧な対応や、専門性、部局間での連携が求められていると考えますが、窓口業務の重要性についてどのようにお考えか伺います。

 次は、国の震災救援制度についてです。 
 昨年9月6日に発生した北海道胆振東部地震で、本市は家屋全壊102件、半壊712件、一部損壊4,607件、避難場所は最大300ヶ所に10,297人が避難する被害となりました。
 質問の第1は、本市独自の支援策の構築についてです。 
 1995年の阪神・淡路大震災の経験から、1998年に被災者生活再建支援法ができましたが、住宅再建に対する支援額の上限は300万円、対象は全壊と大規模半壊に限定されたものであり、その結果本市で支援が認められたのは、わずか165件でした。しかもこの支援は、一部損壊は対象外のため、自力で再建が難しい市民が、今なお取り残されております。
 一部損壊の方たちが活用できる制度をつくることが必要だと思いますが、いかがか伺います。
 質問の第2は、国の支援事業の活用についてです。
 大阪北部地震で被害を受けた京都市では、国の「住宅・建築物安全ストック形成事業」を活用し、地震による一部損壊も含めた住宅の劣化、ゆがみ、ひび割れなどの補修、屋根、壁、床工事に補助を実施しています。
 国の防災・安全に関する交付金は、宅地の液状化対策も支援メニューになっています。
 本市は、国のあらゆるメニューを最大限活用し、多くの被災者が支援されるよう工夫すべきと思いますがいかがか伺います。

 次に、国民健康保険制度についてです。
 国保は、国民皆保険制度の最終的な支え手です。しかし、協会けんぽなどと比較して、低所得者の加入が多く、構成年齢が高いため医療費水準が高く、所得に占める保険料負担が重いといった課題を抱えています。「加入者の所得は低いのに保険料は一番高い」という構造的な問題の解決が求められています。
 質問の第1は、国保料を協会けんぽ並みに引き下げることについてです。
 協会けんぽなどの保険料は、収入に保険料率を掛けて算定する応能負担であるのに比べ、国保には、「所得割」のほかに、「平等割」、「均等割」があり、低所得者や、世帯員、特に子どもの数が多いほど保険料が引きあがる、逆進的な負担となります。
 全国知事会は、2014年、「協会けんぽ並み」に引き下げるには「1兆円」の公費負担増が必要という試算を示し、「国保の都道府県化」が導入された後も、医療保険間の格差解消のために定率国庫負担を引き上げることを国に要求し続けています。本市の場合、年収400万円の4人家族の国保料は約41万円なのに対し、協会けんぽでは約20万円と、倍以上の負担となっている実態です。
 市長は、「1兆円」の公費投入で国保料を協会けんぽ並みに引き下げることについて、どのようにお考えですか。また、「均等割」と「平等割」による逆進性について、どのようにお考えか、あわせてうかがいます。
 質問の第2は、子育て世帯に対する国保料軽減策についてです。
 少子化対策や子育て支援策として、子どものいる世帯の国保料の負担軽減を行う自治体が増えています。
 国民健康保険法第77条の「市町村の独自の判断で特別の理由があるものに対して、保険料を減免できる」という規定を活用し、仙台市では、所得制限なしで国保に加入するすべての子どもの「均等割」を一律「3割減額」しました。
 本市は、昨年の第4回定例会でわが党が、「子育て世帯の国保料の負担軽減を図るべき」と求めたのに対し、「難しい」と答弁しました。
 しかし、本市の合計特殊出生率は、1.16で、20政令市中最下位です。あらゆる手立てを尽くした子育て支援が求められており、市長自ら「子育て支援に力を入れる」と述べています。国保法77条の規定を活用し、子育て世帯に対して国保料軽減策を検討すべきだと思いますが、いかがか伺います。

 最後は、新さっぽろ駅周辺のまちづくりについてです。
 昨年、日ハムが本拠地を札幌市から北広島市に移転することが決まり、市民とファンからは失望の声とともに「秋元市長をはじめ、市の担当者による対応が遅れた」など、市の責任を問う厳しい意見が多数寄せられました。
 日ハムが出て行くことによる札幌ドームの経営悪化の懸念と将来にわたる市内経済の損失は計り知れません。
 結局は、市民と十分に対話をしない本市の姿勢が日ハムとの交渉過程でも露呈し、市民に失望感と市内経済に損失を与えたのです。本市の責任は、非常に重大です。
 この問題は、北広島市と隣接する厚別区の新さっぽろ駅周辺のまちづくりにも重大に関わります。
 新さっぽろ駅周辺は、札幌市中心部と江別・岩見沢方面を結ぶ国道12号や、6車線の骨格道路である南郷通・厚別中央通に囲まれ、中心にはメインストリートである厚別青葉通があります。
 この全てが北広島市に連絡する道路ですが、日ハムが本拠地を北広島市に移転することにより、医療機関や公共施設などが集中する新さっぽろ駅周辺には、車の渋滞と、それに伴う想定外の課題が出てくることが予測され、今後のまちづくりにも大きな影響を与えます。
 また、地下鉄・バス・自家用車を乗り換えJR新札幌駅やJR上野幌駅から北広島市にアクセスする市民が集中することも想定されます。しかし、現在でも駅のホームをはじめ駅舎の待合スペース等は狭く、乗降客の収容はもとより、安全に乗降できるのかが課題となります。
 野球を観戦する市民の交通の利便性と安全性を向上させる上でも、今後進められる新さっぽろ駅周辺のまちづくりは、JR北海道との連携など、本市が積極的に関与し、様々な課題を解決していく責任があると思いますが、市長の認識と対処策を伺います。

 以上で、私の質問のすべてを終わります。ご清聴ありがとうございました。

 

秋元市長 答弁

 全体で大きく7項目ご質問をいただきました。私からは、1項目目、私の政治姿勢についてのうち、1点目の統計不正問題と消費税増税について。2点目の安倍政権による軍備拡大計画について。3点目のうち、本市で働く外国人労働者についての1点目、改正出入国管理法について。そして4点目の市民との対話についてお答えをさせていただきます。その余のご質問に対してましては、担当の吉岡副市長、岸副市長、教育長からお答えをさせていただきますので、よろしくお願い申し上げます。
 まず私の政治姿勢についてお答えをいたします。
 1点目の統計不正問題と消費税増税についてであります。
 まず、統計不正問題についてでありますが、毎月勤労統計における不適切な事案は公的統計全体への不信や疑念を招いており、誠に遺憾であります。国におきましては、徹底的な原因究明と再発防止に向けた取り組みをおこなう必要があるものと考えているところであります。また、雇用保険の給付などにつきましては、本来の額より少なく支給されている市民がいると見込まれますので、引き続き国の追加給付の動向などを注視してまいります。
 次に消費税増税についてでありますが、消費税率の引き上げは国及び地方を通じた社会保障の充実・安定化に充てる財源の確保を目的として、様々な視点で議論がなされ、国政の場において決定されたものであります。札幌市におきましても、税率引き上げによる増収分を幼児教育・保育の無償化や、介護保険料の軽減拡大といった重要施策に活用することとして、平成31年度予算に反映をしているところであります。
 次に2点目の防衛力の整備と憲法9条についてであります。憲法9条は、平和主義の理念を具体化した規定であると認識をしており、国の予算についても、こうした憲法の理念を尊重しつつ、国会において審議を尽くしていただきたいと考えております。いずれにしましても、国民の安全・安心を確保するとともに、国際関係の安定に寄与するものであるということが重要であると考えているところであります。
 次に3点目、本市で働く外国人労働者についてであります。外国人労働者について、まず改正出入国管理法についての見解、及び今後の対処についてでありますが、今般の出入国管理法の改正では、人手不足が深刻化する特定の産業分野において、一定の専門性、技能を有し、即戦力となる外国人を受け入れていくために、特定技能の在留資格が創設されたところであります。制度の運用にあたりましては、新たに出入国在留管理庁が設置され、受け入れ機関に対する調査などを通じて、適切な管理が徹底されるものと認識をしております。こうした新たな在留資格の創設・運用により、札幌市においても外国人の雇用が進むことが想定されますことから、国籍や文化の違いを超えて、誰もが安全・安心に暮らすことができる共生社会の実現を目指す取り組みが、今後ますます重要になるものと考えており、そうした観点から、まずは外国人が抱える日常生活や仕事上の不便や不安などの実状を把握し、国や北海道、関係団体等と連携をしながら、暮らしを支援する総合的な相談窓口の設置に向けた検討を進めていく必要があるものと考えております。
 次に、低賃金で不安定な雇用の拡大への見解ということでありますが、改正出入国管理法は、生産性向上などの取り組みをおこなってもなお人材を確保することが困難な特定の業種に、適正な賃金などの労働条件のもと、外国人を受け入れていく仕組みを構築するものでありますことから、このことが直ちに不安定な雇用の拡大につながるものではないと認識をしております。
 次に4点目、市民との対話についてであります。まず誘導的なアンケートについてということでありますが、都心アクセス道路及び真駒内公園における新球場建設に関するアンケート調査は、これらの取り組みに対する札幌市の対応を決めていく際の参考とする目的で、その時点で提示できる内容をもとに、市民の皆様に真摯に意向をうかがったものであり、このことにより様々なご意見をいただくことができたと認識しております。
 次に、市民との双方向の対話についてでありますが、自治基本条例には市長の役割として、広く市民の声を聴くよう努めるとともに、まちづくりについての考えを市民に明らかにすること、とあり、私自身極めて重要なことであると認識しているところであります。今後とも、更に必要な情報を速やかにかつわかりやすく市民に提供することとし、可能な限り市民との対話の機会の創出に努めてまいりたいと考えております。
 私からは以上です。

吉岡副市長 答弁

 私からは4項目についてお答えいたします。
 最初に2項目目、都心アクセス道路についてであります。
 1点目の、公平公正な市民への情報提供による判断の必要性についてでありますが、市民意見を確認する調査としては、国が計画段階評価においてアンケート調査等を実施しており、現在はそれらの結果を踏まえた検討が進められているところでございます。札幌市といたしましては、これまでも市民の皆様に検討の進捗に応じて、丁寧な情報提供や対話に努めてきたところでありまして、今後も引き続き取り組んでまいります。
 2点目の、新規の大規模開発を抑制し、国の債務を減らす本市の役割についてであります。札幌市としても健全な財政運営は重要であると認識しているところでございます。国が道路事業を新規採択する場合には、事業費を元にした費用対効果分析などの総合的な評価をおこなった上で、必要と認められる事業について予算化する仕組みとなっておりまして、現在は計画段階評価において、交差点改良案を含む4つの構造案を比較、評価をおこなっている段階でありますことから、地域の課題や達成すべき目標、地域の意見等を踏まえ、様々な角度から検討が進められていると認識しております。
 次に、4項目目、行政運営のあり方についての1点目。水道事業の公的役割についてであります。水道事業の役割は、市民の健康を保持・増進すること、市民の生活や都市の経済活動を支えること、また消防用水として市民の生命・財産を守ること等であると認識しており、札幌市におきましても昭和12年の水道創設以来、時代の要請に応えながら、安全で良質な水道水を安定的に供給し、住民福祉の向上や都市の発展に寄与してきたものと考えているところでございます。
 2点目の窓口業務の公共性についてであります。窓口業務は市民と行政の接点として、重要な行政サービスの1つと認識しており、人口減少、超高齢化社会が深刻化していく中、行政運営全般における公務能率と市民の利便性の向上が求められていることから、窓口業務においても、そのあり方や手法を検討することで、さらなる市民サービスの質の向上に努めてまいります。
 次に、5項目目。国の震災救援制度についてであります。
 1点目の本市独自の支援策の構築についてでありますが、札幌市では一部損壊の方に対しても義援金を配分するとともに、宅地復旧費用の補助制度を提供しているところであり、引き続き被災者の生活支援にしっかりと取り組んでまいります。
 2点目の、国の支援事業の活用についてであります。札幌市においても国の耐震化等の補助事業である、住宅建築物安全ストック形成事業を活用し、外壁などの一部損壊部分の復旧のうち、耐震性の向上に資する工事につきましては対象としているところでございます。また、清田区里塚地区の復旧工事におきましても、国の防災安全交付金事業を活用し実施するものでありまして、今後とも国の支援制度の情報収集に努め、最大限活用してまいります。
 次に、7項目目、新さっぽろ駅周辺のまちづくりについてであります。新さっぽろ駅周辺におきましては、地域交流拠点としての多様な機能集積を図るとともに、充実した交通結節機能を生かして、江別市や北広島市などの後背圏の生活を支える拠点としてのまちづくりを進めているところでございます。今後、新さっぽろ駅周辺のまちづくりが進む中、交通の円滑化など様々な課題に対しては、市民の利便性や安全・安心を確保する必要があるという認識のもと、JR北海道などの関係機関と連携し、それぞれの状況に応じた施策を講じてまいりたいと考えているところでございます。
 私からは以上でございます。

岸副市長 答弁

 私からは、ご質問の中の3項目目、学童保育について。6項目目、国民健康保険制度についての2項目についてお答えをさせていただきます。
 まず3項目目、学童保育についてであります。放課後児童健全育成事業に従事する職員の配置基準につきましては、年齢や発達状況の異なる子ども達を、同時にかつ継続的に育成・支援する必要があること、また、複数の場所でそれぞれに活動する場があること等の理由から設けられたものと認識をしております。今回、国としては地域の実状等を踏まえた柔軟な対応を可能とするため、基準の参酌化を図るものでありますが、札幌市といたしましては、この基準を最低基準と位置づけ、常にこれを向上させるよう努めていることや、利用児童数の実態からもあえてこれを緩和する必要はないものと考えているところであります。
 次に6項目目、国民健康保険制度についてであります。
 1点目の国保料を協会けんぽ並みに下げることについてでありますが、国民健康保険料につきましては、他の健康保険と比較して決して安くはなく、加入者の負担感には強いものがあると認識をしております。札幌市では加入者の負担軽減のために、国の財源措置のさらなる拡充が必要と考えており、今後も引き続き国にしっかり訴えてまいります。また、均等割と平等割につきましては、受益に応じた負担として法令により定められておりますが、低所得者に対しましては、収入や加入者数に応じてこれらを減額する措置が講じられており、国において一定の配慮がなされているものと認識をしております。
 2点目の、子育て世帯に対する国保料軽減策についてでありますが、仙台市では減額にかかる財源を一般会計からの繰入ではなく、加入者全体の保険料で賄っておりますが、札幌市におきましては、加入者の負担感が強い中で、更に保険料負担を増やすことになるため、同様の措置をとることは難しいと考えております。なお、子育て世帯に対する保険料の負担軽減につきましては、子どもにかかる均等割保険料を軽減する制度を創設するよう、国に対して要望をしており、今後も引き続き要望してまいります。
 私からは以上でございます。

長谷川教育長 答弁

 私から1項目目の、市長の政治姿勢についての3点目。本市で働く外国人労働者についての2点目、子どもへの日本語教育についてお答えをいたします。
 日本語支援を必要とする児童・生徒に対しましては、これまでも教育センターでおこなっている日本語教室での個別指導に加えまして、各学校でボランティアが支援をおこなうなど、安心して学校生活を送ることができるよう取り組みを進めてきたところでございます。今後は、1人1人に応じたきめ細かな指導計画を作成するなど、各学校においてより丁寧な指導をおこなうことができるよう、教育支援事業の充実に努めてまいります。
 私からは以上でございます。

村上ひとし議員 再質問

 2点、再質問させていただきます。1点目は都心アクセス道路について、2点目は新さっぽろ駅周辺のまちづくりについて、質問をさせていただきます。
 1点目のアクセス道路についてでありますけれども、今後整備形態などについては、国の計画段階評価や国の実施しているアンケート調査の結果も含めて、地域の課題や意見を踏まえて検討するというようなお答えがございました。具体的にどのような手法を想定しているのか。これが1点目の再質問です。
 それから2点目は、新さっぽろ駅周辺のまちづくりであります。日ハムの北広島市への移転に伴い、交通の円滑化など、発生する課題に対して、それぞれの状況に応じた施策を講じるというご答弁でありましたが、現段階で、そして将来的にどのようなことが課題であると認識されているのか、再質問をいたします。

吉岡副市長 答弁

 2点について再質問をいただきました。
 最初に都心アクセス道路についての、地域の課題や地域の意見を踏まえての検討をする時に、具体的にどのような手法で把握をしていくのかというご質問でございます。ご質問、あるいは私どもからお答えさせていただいたところでありますけれども、札幌市としても国のほうでも平成30年、昨年の10月から11月にかけまして、札幌市を含む自治体や商業、運輸等の関係団体へのヒアリングをおこないますとともに、地域住民への無作為抽出による郵送アンケートなどを実施したところでございます。平成30年11月から12月にかけて、札幌駅地下街や、北区、東区の区民センターなどにおきまして、職員が常駐するパネル型のパネル展、対話型のパネル展をオープンハウスと称して開催し、直接対話により市民の皆様のご意見を伺ったところでございます。これまで札幌市に寄せられました意見等につきましては、把握したものすべてを提供、情報共有をしているところでございます。今後も引き続き同様に検討の進捗に応じまして、市民の皆様への丁寧な情報提供や対話に努めてまいりたいと考えているところでございます。
 次に、新さっぽろ駅周辺のまちづくりにつきまして、交通の円滑化に関する現時点での課題、そして将来的な課題をどう考えているのかというご質問でございます。現状の新さっぽろ駅周辺のまちづくりにおきましては、周辺道路への影響を最小限に抑えるよう、交通解析を実施いたしまして、駐車場の規模や出入り口の配置などを事業者と調整し、交通の円滑化を図っているところでございます。将来的に周辺自治体を含めました後背圏の交通需要の変化などが生じた場合は、新たな課題が発生する可能性もあるかと思いますけれども、現時点におきまして具体的な想定は困難となっておりますので、今後そういった事象に対応して考えてまいりたいと考えているところでございます。
 私からは以上でございます。

村上ひとし議員 再々質問

 吉岡副市長、この間、市が実施されましたアンケート調査や、国の5万人アンケート調査ですが、いずれも誘導的なアンケートの内容だと思っています。基本的にどの項目に○をしても、事業の推進への期待にカウントされる。そもそも、賛否を問う項目がないのですよ。ですからどこに○をしようとしても、たとえしたとしても、ここで事業の進捗の期待にカウントされてしまう。
 交差点改良の評価は、その中でも著しく後景に追いやられています。しかし右折ラインの設置など、交差点改良は工事による通行止め、周辺環境への影響も少なく、交通事故の減少など即効性が期待できます。しかも事業費は安いということであります。他の整備形態同様に、交差点改良の効果も踏み込んで、公平公正に市民に情報提供し、そのもとで改めて市民の賛否を問うべきです。先ほど副市長は、今後も同様、情報提供と対話に努めるとおっしゃいましたので、この点はしっかり取り組んでいただきたいと思います。莫大な事業費となる高規格道路の建設に、意図的に市民を誘導することはあってはならないということを申し上げておきます。
 2点目の新さっぽろ駅周辺のまちづくりについてであります。車で札幌市内から北広島市に向かう場合の走行経路が想定されます。先ほど、吉岡副市長は新たな課題を今の段階で想定するのは難しいというようなお答えがありましたけれども、どの道路や交差点などが混雑するのか、予測可能な場所もあるわけです。ですから、現時点での交通量調査などは早期に実施し、市として可能な対策を講ずるべきだと思います。
 最後に市長にお伺いをいたします。日ハムが出ていくことによる、札幌ドームの経営が悪化し、新たな市民負担が増えることへの懸念、将来に亘る市内経済の損失、そして観戦しづらくなったということになれば、市民にとっては二重三重の負担になるわけです。北広島で野球を観戦しようとする市民やファンが、できるだけ観戦しやすいように、市長が率先しあらゆる努力と工夫をすべきだと思いますが、市長にご自身のご見解をお伺いして、私の質問を終了いたします。

秋元市長 答弁

 新たな北広島での球場。これは今、検討されているわけでありますけれども、交通手段についてもどのように進めてくるのか、その全容というのがまだ明らかになってございません。現時点で、例えばJRその他の公共交通機関をどの程度現実的に、またいつから説明していけるのか、こういった詳細が明らかでありませんので、それに対して私どもがなんらかの形で検討して議論を進めていくという状況にはないと、このように考えています。いずれにしましても、周辺の方々、それから市民の方も含めてでありますけれども、より観戦しやすい、あるいは様々なボールパークというものを楽しんでいただける環境づくりということは、これは札幌市にとっても必要なことだろうと考えます。そういう意味で、様々な計画、具体化していく過程の中で様々な検討をしていまいりたい。このように考えています。