代表質問・論戦・意見書 等

日本共産党札幌市議団

札幌市第2回定例議会

日本共産党 代表質問
(2009年5月28日)

伊藤理智子 議員

 私は、日本共産党を代表して当面する市政の諸問題について質問します。

 最初に市長の政治姿勢について伺います。

 質問の第1は、消費税増税についてです。
 消費税が創設されて20年が経過しました。当時の竹下総理大臣は「高齢者福祉のために消費税が必要だ」と言っていました。ところが、当時、高齢者の医療費自己負担は、定額で1ヶ月800円であったものが、現在は、1割ないし3割負担となり、「現代の姥捨て山」とまで言われている後期高齢者医療制度までつくられました。また、介護保険もつくられましたが、保険料は払っても特別養護老人ホームに入所するには何年もかかるなど「保険あって介護無し」と言われています。年金の受給額は毎年減らされています。
 この20年間で納められた消費税の総額が213兆円になりますが、同じ期間に大企業などが納める法人税は182兆円減額になっています。国民が払った消費税が、法人税減額分の穴埋めに使われていたということです。
 今後、消費税が増税された場合、内需が冷え込み、本市経済に及ぼす影響が大きいと思いますが、いかがお考えか、うかがいます。
 また、消費税は所得の少ない人ほど負担する割合が重くなる弱い者いじめだと思いますが、市長の認識をお示しください。
 本市経済に与える影響からも、市民・中小企業に過酷な負担増を強いることからも、増税すべきではないと思いますが、いかがか、市長のお考えをお示しください。

 質問の第2は、政治とカネの問題についてです。
 小沢一郎氏が民主党代表を辞任しましたが、それで西松建設からの献金問題の幕引きにするわけにはいきません。政治資金収支報告書に虚偽記載した罪で、小沢氏の公設第1秘書が起訴されました。一方、自民党の二階俊博経済産業大臣は、多額のパーティー券を購入してもらっています。
 企業が政治家にカネを出すのは、うまみのある公共事業を受注するなどの見返りを期待してのことであり、わいろ性は否定できません。
 企業・団体献金は政治をゆがめる諸悪の根源であり、全面的に禁止すべきと思いますが、いかがか、市長の見解をお示しください。
 また、市長自身は企業・団体から献金を受け取っているのか、受け取っているのであれば、どこから、いくらもらっているのか、明らかにしてください。

 質問の第3は、核軍縮についてです。
 25日の北朝鮮による核実験については、許されない遺憾な行為であることを最初に申し上げておきます。
 4月5日、チェコのプラハで、アメリカのオバマ大統領が、核軍縮への決意をこめた演説を行いました。
 オバマ氏は「核兵器の無い世界」の実現に「核兵器を使用した唯一の核保有国として、アメリカには行動すべき道義的責任がある」と述べました。
 上田市長にうかがいます。
 まず、オバマ大統領のプラハ演説とそこに込められた核廃絶の意思について、どのように受け止めているのか、お聞かせください。
 また、市長の核兵器廃絶に向けた意思をしっかりとお示し願いたいと思います。

 質問の第4は、JR採用差別問題の判決に関してです。
 3月25日、東京高裁は、1987年の国鉄分割民営化に際し、組合差別による不当労働行為があったと判決を下しました。国による不当労働行為と裁判で断定されたのは、昨年1月の全動労訴訟判決に続き3度目となるものです。
 裁判長は「判決を機に早期解決をのぞみます」とコメントしました。
 闘いの半ばで亡くなった組合員の遺族の言葉を紹介します。「解雇されて無収入になった自分たちの生活設計や子どもたちへの影響など不安でいっぱいでした。…でも、一番つらかったのは夫だったと思います。そんな夫がある朝、自宅で意識がなくなり別れの言葉一つ無いまま逝ってしまいました。…どうか、平凡に生き真面目に働いてきた人間が仕事を取り上げられて解雇される、こんな悲しさを体験する家族はもう出さないでください。」  本人はもちろんですが、家族にまで大変な思いをさせてきた採用差別について、市長はどう考えていますか、さらに、採用差別された1047人の組合員に対する市長の思いをお聞かせください。

 質問の第5は、大型開発問題についてです。
 まず、創世3区計画についてです。
 かつて、本市は国際ゾーン構想を策定し、総事業費2400億円、市費800億円を投入する壮大な構想をつくりましたが、この巨大開発計画は破たんしました。
 新たな創世3区計画において、破たんした国際ゾーンのように、市が先導し莫大な市費を投入する大型開発計画があるのか、そういう方向を指向しているのか、明らかにしてください。
 また、北1西1街区に市民交流複合施設と一体に高さ150メートルにもなる超高層ビル建設計画が作られようとしていますが、この建設に投じる市費は、どの程度を想定しているのかうかがいます。
 次に、南1条通地下通路についてです。
 南1条の再開発にあたり、商業者、地権者など関係者の意向と市民世論をふまえて、明るく快適なまちづくりのために本市も役割を発揮すべきであります。しかし、地下通路建設については建設費も維持管理費も、本市が負担することになると思うのですが、費用負担の考え方および事業費のメドをお示しください。巨額の事業になることが想定されますから、慎重に検討することが必要だと思うのですが、いかがか、うかがいます。

 質問の第6は、自衛隊のソマリア沖派兵についてです。
 「海賊対処」派兵法案が、4月25日、衆議院で可決、参議院に送付されました。この法案の核心は、自衛隊に「海外対処行動」という新たな任務を与えることにあります。
 海賊船の進行を停止させるための威嚇射撃や「任務遂行のための武器使用」を認めていますが、これは、憲法で禁止された武力行使を認めるものであり、違憲だと思いますがいかがか、また、恒久的に自衛隊の海外派兵の枠組みを作ることに道を開くことになると思いますが、いかがか、市長の見解をうかがいます。
 憲法九条をもつ日本に求められているのは、自衛隊の派遣ではなく、ソマリアと周辺国の海上警察力の強化のための技術・財政援助であり、根本問題であるソマリアの内戦終結と貧困の解決のための外交努力と民生支援だと思うのですが、いかがか、うかがいます。

次に、経済・雇用対策について質問します。

 市内の負債一千万円以上の企業倒産は、昨年の6月から12月で165件で、一昨年同時期の1、6倍になっています。また、北海道中小企業団体中央会の調査は、北海道では負債一千万円以上の法的倒産企業の4,2倍の中小企業が自主廃業していると指摘しています。この試算から、市内では昨年後半だけで700近い企業が廃業に追い込まれていると推測されます。
 また、北海道労働局の発表では、この2〜3月に事業主の都合で雇用保険の資格を喪失した労働者は約9000人で、前年同月の4割も増加していますし、建設政策研究所北海道センターの調査では、季節労働者は、年収200万円未満が6割で、40代、50代の4割が国保料を払えないでいます。市内経済の活性化と雇用確保が切実に求められています。
 国土交通省の資料では、公共事業に従事する労働者は、5億円以上の規模の事業では百万円当たり10人ですが、一千万円未満の少額の事業では百万円当たり19人になり、大型工事より、小規模工事の方が雇用に波及する費用対効果が大きいと指摘しています。
 地元の中小企業を救い、雇用を増やすためには、大型開発よりも、地域で必要な生活・教育・福祉に関連した事業の方が効果的であることを示しています。
 生活・福祉・教育分野を今まで以上に重点化すべきです。

 質問の第1は、特別養護老人ホームと保育所の整備についてです。
 建設が地元業者の仕事と雇用をつくりだすとともに、建設後の施設で雇用が大きく増える点で極めて重要な施策です。
 特別養護老人ホームは、昨年12月末現在で待機者が5752人います。本市は、2006年に約7億円の補助で4ヶ所211人の拡充をしましたが、最近は年間一億円強の予算で60人弱相当の新築を補助しているにすぎません。
 また、保育所の待機児童は、今年1月には810人になっています。本市は2006年に約9億円を保育所整備に投入していましたが、今年は4億円弱の予算で250人の定員増を計画しているにすぎません。
 3年間で、特別養護老人ホーム1000床、保育所定員2000人分など、施設整備を抜本的に強化することが必要と考えますがいかがか、うかがいます。

 質問の第2は市営住宅の修繕についてです。
 市営住宅の計画修繕予算は、この十年間で八割も減少し、この数年間だけでも計画の三割を積み残し、配水管改修や外壁塗装、バルコニー改修など6、868戸分が未改修です。市民の快適な暮らしを保障することと合わせて、地元の中小業者の仕事と雇用を守るためにも、計画修繕を100%実施するよう重点化を図るべきですが、いかがか、うかがいます。

 質問の第3は、橋梁の点検、補修です。
 一昨年アメリカで築40年の橋が突然崩壊し50台の車が巻き込まれ13人が死亡しましたが、日本でも長野県や岐阜県で築25年、26年の橋が突然崩壊した事例が起きています。
 本市が管理する橋梁は1240あり、「橋梁長寿命化修繕計画」の策定に入っていると聞いています。
 1240の橋梁のうち約50%の点検を終え、247の橋梁については今年度中に長寿命化修繕計画を策定して国に提出するとともに、その事業費を見て、他の橋梁についての保全計画を更にすすめるとしています。
 この事業の促進に力を注ぐべきと考えます。市民の安全と合わせて地元企業の仕事と雇用を増やしていく大きな効果を期待できると思いますが、1240橋すべての点検と必要な補修をいつまでに行なうのか、うかがいます。

次は、介護保険についてです。

 介護報酬は2003年度の改定で2.3%、2006年度の改定で2.4%引き下げられ、今年度の改定で初めて3%引き上げとなりました。しかし、それ以前のマイナス改定により、特別養護老人ホームの多床室では、施設サービス費が平均で12%もダウンするなど、3%引き上げても、介護保険スタート時の水準に遠く及ばないのが実態です。
 また、「要介護5」の支給限度額は月額約36万円ですが、1日1時間の訪問介護を朝昼夕の3回3時間、1ヶ月間毎日利用すると、ほぼこの金額に達してしまうため、この他の介護保険サービスを受けることができません。

 質問の第1は、支給限度額についてです。
 介護報酬が引き上げられると、それに伴って介護サービスの単価も上がることになりますが、受けるサービスの総量を定めている支給限度額が上げられてないため、今まで利用していたサービスを削らざるを得ない事態が起きています。このためにサービスを縮小した市民が何人いて、どういう影響を受けているのか、今後どう対処されるおつもりなのか、うかがいます。
 また、市民が必要なサービスを削減しなければならない事態はあってはならないと思いますが、いかがか。このような利用抑制が起こらないよう支給限度額の引き上げを国に求めるべきと思いますがいかがか、うかがいます。

 質問の第2は、ショートステイについてです。
 懸命に老老介護や家族介護をしている介護者自身が体調不良や病気になることが頻発していますが、そういう場合でも、緊急ショートステイを利用できない実態があります。
 ショートステイの利用を希望する家族の中には、申し込んでも、必要なときに利用できないため、申し込み自体あきらめている方がいます。
ショートステイ利用者、施設の現状をどのように把握しているのか、ショートステイのベッドを増やし、介護者の負担軽減を積極的に図るべきと思いますが、いかがか、うかがいます。

 質問の第3は、小規模事業所での経営困難の問題です。
 介護事業所の職員が資格を有することによって報酬が加算されていく仕組みの改定により、介護福祉士を確保できなければ、介護事業所の経営に支障をきたす事態となっています。
 大規模事業所に有利になる報酬の仕組みとなっているため、小規模事業所では経営できなくなって閉所に追い込まれるところが続出しています。
 介護報酬の改定後、閉所となった市内の事業所が何箇所あるのか、うかがいます。特に厳しい経営を余儀なくされている小規模事業所に対し、本市として実態調査と支援をすべきと思いますが、どのような対策を検討されているのか、うかがいます。

 質問の第4は、介護給付費準備基金の積極的な活用についてです。
 昨年、第3回定例会わが党の代表質問でも介護給付費準備基金を活用し、保険料の軽減すべきことを求めました。
 介護給付費準備基金については、そもそも介護保険料から生み出されたものであり、市民がサービスを受けやすくするために使われるべきです。
 65歳以上の第1号被保険者の介護保険料は、各保険者、すなわち市町村が3年ごとに策定する介護保険事業計画において決定されるわけですから、50億円近い基金はすべて活用して保険料の軽減とサービスの充実をはかるべきと思いますが、いかがか、うかがいます。
 また、利用料が高く必要なサービスが利用できず、老老介護や家族介護で頑張っている市民に対し、支援金給付など実施すべきと思いますが、いかがか、うかがいます。

次に、無届有料老人ホームについてです。

 3月19日、群馬県渋川市の高齢者入居施設「静養ホームたまゆら」で火災が発生し、入居者10人が死亡するという痛ましい事件が発生しました。
 北海道の実態調査の結果、道内166施設のうち有料老人ホームに該当するにもかかわらず、無届の施設が本市をふくめ17か所あり、防火設備の未設置、防火管理者も決めていない施設が13か所あることが明らかとなりました。
 本市としても、ただちに、消防設備の点検とともに、入居者に対する処遇について、また、劣悪な住居環境にもかかわらず、不当に高額な家賃を徴収していないかなど、消防・保健福祉・建設など各局と情報交換・連携を強化して調査し、不適切な場合には強力に指導、改善すべきと思いますが、今後の対処方針を明らかにしてください。
 また、介護保険法の改悪で施設の食費と居住費が自己負担となり、個室の入所者負担が重いため介護施設に入れず、低所得の高齢者ほど、無届の施設に行かざるを得ない実態を市長はどのように認識されているのか、見解をうかがいます。
 さらに、問題の背景には、特別養護老人ホームの慢性的な不足があると思いますが、いかがか、うかがいます。

次に、障害者交通費助成制度についてです。

 昨年2月、福祉乗車証の廃止など、障がい者交通費助成制度を7億円縮小する見直し案が示されましたが、障がい者団体や市民から猛反対の声があがり、わが党も昨年第2回定例会の代表質問で「負担の限界を超える。白紙撤回すべき」などと繰り返し求めてきました。
 市民意見交換会で示された方向性としては、現行の事業規模を維持するとしたものの、身体・知的のウィズユーカードの助成額の減額、定期券助成の廃止などが含まれていると聞いています。
 関係者の声をよく聞きながら、障がい者の外出機会の確保と社会参加をいっそう進めるものとすべきですが、意見交換会で出された当事者と関係者の意見をどのように受け止め、対応されるおつもりか、とくに定期券助成については、利用者にとって影響が大きいと思いますので、他の方法による助成も含め検討すべきと思いますが、いかがか、うかがいます。

次に、特定健診についてです。

 国は2012年度末までに、特定健診の受診率は65%、保健指導の実施率は45%、メタボリック症候群の該当者と予備軍の減少率は10%などと、それぞれ達成目標を定めており、達成状況によっては市町村に財政的なペナルティーを設けるとしています。
 質問の第1は、本市の受診率についてです。
 病気を予防する観点から、健診の受診率を上げるのは重要ですが、昨年度末の受診率は何%になったのか明らかにしてください。
受診率が上がらない理由をどのように分析されているのか、今後の受診率向上策と2012年度までの見通しと合せて、うかがいます。

 質問の第2は、費用負担についてです。
 共同通信社の調査によると、さいたま、大阪、北九州など12市では、基本健診が以前から無料であったことを踏まえ、特定健診も引き続き無料。宇都宮、名古屋、長崎各市では、新たに無料化しています。
 特定健診の受診率を向上させ、市民の健康を守るためには、特定健診の費用を無料化すべきと思いますが、いかがか。

次に、新型インフルエンザ対策についてです。

 5月16日に神戸で初めて新型の国内感染者が確認され瞬く間に感染が広がりました。
 本市においては、よさこいソーラン祭りや、中学生の修学旅行シーズンもあり、厳重な注意と速やかな対応が求められています。
 本市の発熱相談センターは保健所で24時間対応し、各区保健センターで午前9時から午後5時まで受け付けています。まず、相談体制についてですが、担当者の増員、区保健センターの相談時間の延長が必要になると思いますが、そのような対応を考えているのか、うかがいます。
 また、入院患者の受け入れ体制についてですが、市立病院の感染症病棟は1種が2床、2種が6床しかありません。感染者が広がった場合の増床の対応ついてうかがいます。感染者で外来受診が必要な場合は、できるだけ早期に受診することが大切です。無保険者が費用の心配なく受診できる特別対策をとること、低所得者に対する負担軽減策などが求められていると思いますが、具体的にどう対応するのかうかがいます。また、国保の資格証明書世帯であっても発熱外来は3割負担で受診できることになりましたが、当事者には知らされていません。どう周知するのかうかがいます。

次に、学ぶ権利と学費の問題について質問します。

 派遣切りなどの雇用破壊や国内外の経済危機の中で、札幌市立高校の授業料滞納者は、2005年18人でしたが、2007年には58人へと急増しています。

 質問の第1は、本市全体の高校生の実態を把握することについてです。
 市内の高校は、札幌市立が9校に対し、道立が28校、私立が20校となっていますが、札幌市立以外の、授業料の滞納状況や中途退学状況、授業料の減免や奨学金などを希望する高校生がどれくらい増えると見込んでいるのかなど、本市全体の高校生の実態を具体的に把握するべきと考えますがいかがか伺います。

 質問の第2は授業料を滞納している生徒の学ぶ権利についてです。
 憲法第26条では、国民に「ひとしく教育を受ける権利」を保障しています。「子どもの権利条例」第10条では、子どもが豊かに育つために保障されなくてはならない権利の第1番目に、学ぶことをあげています。
 ところが、「札幌市高等学校授業料等に関する条例」の第3条第3項には「校長は、授業料徴収期限後の滞納が10日以上に及ぶ者には出席停止、2月以上に及ぶ者には退学の処分をすることができる」と、授業料の滞納だけを理由に学ぶ権利の制限をできるとしています。授業料の滞納は、親の解雇や倒産、賃金カットなどが原因であることが多くなっています。貧しい家庭の子どもにも、学ぶ機会は保障されるべきであり、授業料の滞納など経済的な理由で、学ぶ権利を制限することは許されないと思いますが、いかがか。札幌市立の学校においては、親の経済的な事情で、子どもの意に反して退学させる事がないことを、市民の前に明らかにしてください。また、「高校授業料条例」第3条第3項は改正すべきと思いますが、いかがか、うかがいます。

 質問の第3は、減免制度の拡充についてです。
 市立高校の減免制度を受けた生徒は、2008年度746人でしたが、不承認となった生徒が71人いました。授業料減免制度を利用したいができなかったという例が増えています。対象となる保護者の年間総収入の基準枠を4人世帯で年収500万円以下まで拡充するなど、改善を検討すべきと考えますがいかがか伺います。

次に、児童相談所の体制強化について質問します。

 本市の児童虐待件数は、2008年は621件で、1990年と比較すると6.5倍になっています。

 質問の第1は児童福祉司など児童相談所の職員の体制強化についてです。
 2008年度における児童福祉司の1人当たりの相談件数は185.6件で、平均超勤時間数が130時間にもなっています。保護者からの相談は仕事が終わった午後5時を過ぎてから行うことが多く、夜の9時10時まで対応せざるを得ない状況も多くなっていると聞いています。
 市長は、現場の児童福祉司の勤務実態についてどのように認識し、今後、どうやって改善していこうとしているのか、さらなる体制を充実、強化するために具体的な改善策を示すべきと考えますがいかがか伺います。

 質問の第2は、児童相談所の体制整備についてです。
 児童相談所では、保護者への支援についても取り組んでいますが、子どもを保護された保護者は、児童相談所に「子どもを取られたという」意識が強く、信頼関係を築いて話し合いをすることが難しい状況もあります。児童相談所では、子どもを保護する体制と相談する体制は担当を分けてとりくんではいますが、さらに、改善計画については児童虐待を専門的に研究している方などのアドバイスを受けながら、一時保護所の増員や児童相談所の機能と体制の強化を図るべきと考えますがいかがか伺います。

最後に、家庭ごみの有料化に伴う問題点についてです。

 1点目は、市民に広がる不安と混乱についてです。
 家庭ごみの有料化が7月1日から実施されることになっていますが、この間、地域での説明会に参加した市民からは、市の説明に対して「新しいごみの分別ルールがわかりづらい」「ごみカレンダーが複雑」などの声が出され、ルールをきちんと理解できずに不適正排出となってしまうケースのあることへの不安が広がっています。
 すでに、駆け込み排出で、バツ印のついたゴミ袋がいたる所で目につき、燃やせないごみの排出量は、前年同時期の1.5倍に増加しており「狭い歩道に設置されているステーションなどでは車道にまでごみが散乱する」などの問題もあります。
 また、家電製品にリサイクル料金が課せられるようになった時、不法投棄が急増しましたが、現在の経済状況下での有料化という負担増は、新たな不法投棄を招くという懸念も多くの町内会などから出されています。   そこで伺います。市内35,000カ所のごみステーションでは、町内会を中心に、自主的な取り組みを行ない、環境美化を進めていますが、新たなルールを徹底するためにどの様に市として対応・援助していくおつもりか。ごみパト隊はあくまでも、排出ルールを市民に普及・啓発するためのものであり、住民間の相互監視を助長するような事はあってはならないと思うのですが、いかがか。また、市の職員はもとより、町内会に対して、早朝のごみ出し時間にステーションへの立ち会い協力を要請しているとのことですが、市民に過剰な負担を負わせるべきではありません。時間をかけ、丁寧に市民にルールの説明や対話を徹底し、市民の力を借りて、本来の目的である、再資源化や減量化を行う事が肝要と考えますが、いかがか。
 説明会での市民意見や民間のアンケート調査結果からも有料化後のごみ分別方法などの理解が得られていません。7月からの有料化は、この際、延期すべきと考えますが、いかがか伺います。

 2点目は、減免制度の拡充についてです。
 依然として本市の経済状況は厳しいものになっています。増税や各種保険料の負担で市民生活も大変です。説明会でも「10リットルあたり20円の負担は重すぎる」との声が出されています。
 子育て支援として2歳未満児を、高齢者等の支援として介護保険の紙おむつサービス利用者を対象に、それぞれ無料で一定枚数のゴミ袋を支給することとしていますが、若い子育て家庭や高齢者や障がい者については、経済的負担が大きく、年齢や基準を限定せず、紙おむつを必要とする全ての家庭を対象とすべきですが、いかがか。
 また生活支援として、生活保護世帯は今年度中に限り無料支給を行うことになりますが、4月から母子加算も廃止となり、より厳しい生活実態となっています。今年度限りではなく、減免の延長をすべきと思うのですが、市長はいかがお考えになりますか、伺います。

 以上で、私の質問のすべてを終わります。ご清聴ありがとうございました。


代表質問への市長などの答弁

上田文雄市長

私から、政治姿勢と経済・雇用対策についてお答えします。

 1点目の消費税に係るご質問についてでございますが、消費税のあり方につきましては、税制の抜本的な改革の中で、持続可能な社会保障制度の構築などに必要な財源の確保や、低所得者層への配慮、また市民生活や経済に与える影響なども含めて様々な観点から、国政の場において、幅広く議論されていくべきものと考えていおります。
 次に、2点目の政治とカネの問題についてお答えいたします。
 企業・団体献金についての私の見解ですが、まずは、現在の法律や制度を厳正に運用すべきと考えます。そして、政治とお金の透明性の確保という観点からは、さらに望ましいあり方について、引き続き、国政の場で議論されるべきものと考えております。
 また、私自身についてですが、企業及び団体からの献金は一切受け取っておりません。
 次に、3点目の核軍縮に対する基本姿勢についてであります。
 私は、オバマ米大統領のプラハでの演説については、唯一の核使用国としての道議的責任や「核兵器のない世界」を目指すことを宣言した画期的なものであり、核兵器廃絶平和都市宣言を行っている札幌市の市長として、また、唯一の被爆国の日本国民の1人として、感動を持って受け止めております。
 札幌市といたしましては、昨年より8月を平和月間とし、様々な機会を通じて市民が平和について考える機会を提供しているところであります。また、世界に向けては、今後も、「平和市長会議」「日本非核宣言自治体協議会」の加盟都市とともに、世界平和の実現を目指した、国際社会における核兵器廃絶への機運がさらに高まるよう努めてまいりたいと考えております。
 4点目のJR不採用訴訟に対する認識についてでありますが、現在、係争中でもあり私見は差し控えたいと存じますが、長い間訴え続けている旧国鉄組合員の方とそのご家族のご苦労を考えますと、早期に解決されることを望んでおります。
 次に、5点目の大型開発についてであります。
 まず、創世1.1.1区についてでありますが、まちづくりの基本的な考え方といたしまして、関係する地権者が、まちづくりの方向性を共有しながら、協働して進めていくこととしておりますことから、札幌市が先導し、単独で多額の市費を投入するという意味での大型開発は、ないものと考えております。
 また、北1条西1街区の再開発ビルについてでありますが、今後、7月中に設立を目指しております、再開発準備組合が、具体的な検討を進めることとしており、事業費につきましても、その中で明らかになってくるものであります。
 次に、南1条通地下通路についてであります。
 札幌市では、大通地区再生を図るため、今年度から、地元の皆さんとも議論を深めながら、南1条地区まちづくり計画の策定に取り組んでいるところであります。
 地下歩行空間につきましては、この計画策定の中で、沿道ビルの建替えや再開発も視野に入れながら、事業手法や財源などについて検討を進め、事業化の判断をしてまいりたいと考えております。
 最後に、6点目の自衛隊のソマリア沖派遣についてお答えいたします。
 いわゆる海賊対処法案につきましては、現在、国会で審議されているところでありますが、従来の憲法の解釈上、可能なのかどうか、十分な議論が尽くされるべきと考えております。
 また、ソマリアに対して、どのような手段や方法を用いて対処するかにつきましては、国の専権事項に関わることと認識しております。

次に、経済・雇用対策についてお答えいたします。

 1点目の特別養護老人ホームと保育所の整備についてであります。
 まず、特別養護老人ホームにつきましては、これまで計画的に整備を進めておりますが、今後3年間で、地域密着型7施設に加え、定員80人規模の広域型施設についても3か所の新設を行い、443人の定員増を予定しております。
 今後も利用者の状況に応じた施設サービスの基盤整備に努めてまいりたいと考えております。
 次に、保育所の整備につきましては、第2次札幌新まちづくり計画に基づき、平成19年度から平成23年度までの4年間で定員を1,020人増やすこととしております。
 これまで計画を前倒しして整備をしてきたところであり、今後も、待機児童解消を目指して積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、2点目の市営住宅の修繕についてでありますが、市営住宅を計画的に修繕していくことは、全市的に取り組んでおります市有施設の長寿命化の観点からも重要であると考えております。
 財政状況が厳しさを増す中、現在の基準に基づいて計画修繕のための費用を確保していくことは、大変難しい状況にありますが、できるだけ入居者に不安や不便を与えないよう、今後とも修繕項目や優先度の判定を適切に行いながら、必要な修繕を効果的に実施してまいりたいと考えております。
 次に、3点目の橋梁の点検、補修についてでありますが、現段階で未点検の608橋については、3年を目処に点検を終えたいと考えております。
 また、橋梁の補修については、延命化を図っていくために、将来にわたり継続的に維持・補修を行っていく必要があります。
 今年度策定する「橋梁長寿命化修繕計画」において、まずは緊急輸送路などの重要路線上にある247橋について、点検結果を踏まえ、修繕内容や実施時期等を定めることとしており、残る橋梁については、この実施状況を見ながら対応してまいりたいと考えております。



中田博幸副市長

次に、家庭ごみ有料化に伴う問題についてお答えいたします。

 1点目の、新たなルールの徹底についてであります。
 まず、ルールを徹底するための対応についてですが、これまで約1,800回の説明会を開催しており、今後も、テレビをはじめ各種メディアによるPRやごみ分けガイドの全世帯配布など、事前周知を十分に行ってまいります。
 また、ごみパト隊は、普及啓発や不適正排出に対する指導を行い、地域でのごみステーション美化の取組を支援してまいります。
 したがいまして、住民間の相互監視を助長するものとは考えておりません。
 次に、丁寧な市民への説明についてであります。
 ごみの減量・リサイクルを進めていくうえで市民と協働して取り組むことが重要であると考えており、昨年11月から市内各地域で説明会を行ってきておりますし、これからも十分な説明に努め、周知を図ってまいります。
 したがいまして、有料化は予定通り7月から実施してまいりたいと考えおります。
 2点目の減免制度の拡充について、2点のご質問でありますが、関連しますので、併せてお答えいたします。
 札幌市の家庭ごみ有料化は、全ての市民に、ごみ排出量に応じて処理手数料を負担していただくとを原則としておりますが、例外的措置として、子育て支援、介護支援及び生活保護世帯への負担の急変緩和という3つの観点から、一定の対象世帯や期間を定めて減免を行うこととしたところであります。
 それぞれの減免の観点から、現在定めている基準は適当なものであると考えております。


生島典明副市長

次に介護保険についてお答えいたします。

 1点目の支給限度額についてであります。
 介護サービスにつきましては、利用者によって、利用の内容や形態等が異なっており、今回の介護報酬の改定が要介護者のサービス利用にどのような影響を与えているのか、その実態の把握は困難であります。
 しかしながら、支援限度額を超えるサービスを利用している方も想定されますので、その負担の軽減を図るよう、国に対して引き続き要望してまいりたいと考えております。
 次に、2点目のショートステイについてであります。
 利用者及び施設の現状につきましては、一昨年実施した事業者調査等では単純に受入ベッド数を数えてみると不足している状況にはありませんが、利用者の個々の希望にも配慮したより利用しやすい環境の整備については今後の課題であると考えております。
 次に、3点目の小規模事業所での経営困難の問題についてであります。
 介護報酬が改定されたこの4月以降、休止あるいは廃止となった市内の事業所は合計4件であり、その理由は利用者の減少などとなっております。
 また、介護報酬の改定に伴う介護事業所の経営実態への効果について、今年秋に国で調査・検証すると聞いておりますので、その調査結果を踏まえて、必要な対応をしてまいりたいと考えております。
 次に、4点目の介護給付費準備基金の積極的な活用についてであります。
 介護給付費準備基金は介護給付費が計画値を大きく上回る場合などに備える重要な財源でありますが、今回の保険料改定に際しては約21億円を取り崩し、保険料の負担軽減を図ったところであります。
 基金を用いた札幌市独自の介護サービスや支援金につきましては、増加を続けるサービス需要を考慮した場合、介護保険制度の安定的運用の観点から困難であると考えております。

次に、無届有料老人ホームについてお答えいたします。

 1点目の今後の対処方針についてであります。
 市内の無届有料老人ホームにつきましては、先月、49施設に対して、所管である北海道が処遇面について、札幌市消防局が防火安全の観点からそれぞれ調査し、届出をしていなかった2施設に対し北海道が届出を行うよう指導をしたところであります。
 また、今後このような無届施設につきましては、関係部局で情報の把握に努め、北海道へ情報提供を行うなど、札幌市としても適切な届出、運営が行われるよう協力してまいりたいと考えております。
 2点目の実態の認識についてであります。
 特別養護老人ホームなど、介護施設の入所費用は所得に応じたものとなっているほか、減免措置を設けるなど、低所得者の方に配慮されておりますが、入所を希望されている方の実態についても十分認識しておりますので、特別養護老人ホームの整備につきましては、今後も計画的に進めてまいりたいと考えております。

次に、障がい者交通費助成制度についてお答えいたします。

 市民の意見交換会や関係団体からいただいている意見としては、定期券の助成が廃止されると、作業所に通所している方については、通所の回数を制限せざるを得ないことになるとのご意見も頂戴しておりますので、通所に対する支援につきましては、別途検討してまいりたいと考えております。

次に、特定健診についてお答えします。

 1点目の札幌市の受診率についてであります。
 平成20年度末の数値はまだ確定しておりませんが、3月受診分の一部を含んだ現時点での受診率は、目標35%に対し、14.6%となっております。
 受診率が上がらない理由については、今後、アンケート調査や受診データから早急に分析を進めるとともに、対象となる方の意識や要望を把握しながら、個別の受診勧奨やPRの強化などの受診率向上対策を推進し、平成24年度までの計画目標を達成できるよう努めてまいりたいと考えております。
 次に、2点目の費用負担についてでありますが、札幌市は、受益者負担の観点から、過去のすこやか健診と同額に設定するとともに、住民税非課税世帯の場合は、負担に配慮し、無料としているところです。
 なお、費用負担と受診率との関係についても、アンケートの調査結果や他都市の状況などから分析を進めていきたいと考えております。

次に、新型インフルエンザ対策についてお答えします。

 1点目の相談体制についてでありますが、今のところ保健所全体で協力体制を構築し対応しております。今後は、相談が集中している保健所に、区保健センターから職員の応援を求め、体制の強化を図ることとしております。
 2点目の入院患者の受け入れ体制についてでありますが、市立札幌病院が満床になった場合には、結核病床を有する医療機関などで入院対応することとなり、さらに患者が増加した場合には、他の一般病床の利用も検討しているところであります。
 3点目の外来受診の周知等についてであります。
 まず、無保険者が発熱外来を受診した場合、国保に加入すべき方であれば遡って保険を適用するよう、柔軟に対応することとしております。
 また、低所得者の負担軽減については、医療費一部負担金の減免制度の適用などにより、適切に対応してまいりたいと考えております。
 資格証明書世帯への周知については、ホームページへの掲載や発熱相談センターへ相談があった際に説明を行うこととしておりますが、報道機関へ情報提供するなど、状況の変化に対応した周知を心がけてまいります。

学ぶ権利と学費の問題についてお答えいたします。

 まず、1点目の札幌市全体の高校生の実態把握についてであります。
 道立および私立の高校生の実態把握については、これらを所管している北海道や北海道教育委員会において、まずは行われるべきと考えておりますが、札幌市としても、札幌市奨学金を必要とする生徒について、一定の実態把握をしているところでございます。
 次に、2点目の授業料を滞納している生徒の学ぶ権利と、3点目の減免制度の拡充については、関連がありますので併せてお答えいたします。
 授業料滞納者に対する措置を定めた規定は、受益者負担の趣旨を明確にするものであり、条例改正を要するものとは考えておりませんが、実際の運用では、授業料減免制度の活用を含め、経済的な事情など個々の生徒の状況を勘案しながら対応しているところです。
 減免基準については、道立高校との均衡を考慮し、その基準を準用していることから、直ちに札幌市独自の基準を設けることは考えておりませんが、減免制度の一層の周知を図るとともに、引き続き札幌市奨学金の採用者数の拡充に努めてまいりたいと考えております。

次に、児童相談所の体制強化についてですが、1点目の職員体制と2点目の体制整備について併せてお答えいたします。

 児童相談所におきましては、児童虐待など、相談件数が年々増加しており、対応する職員も相談者の都合に合わせて相談を行っているほか、個々の相談内容も複雑化し、その解決には多くの面談回数を要しているという実態にあると認識しております。
 このような状況から、児童福祉司を適宜増員してきており、今年度は、児童福祉司など4名を増員し、職員体制の整備を図ったところです。
 また、一時保護所につきましては、定員を超過することもあることから、専門家の意見を聴きながら、定員増に向けた検討が必要であると考えております。
 今後とも、適切に児童相談所の体制強化に取り組み、相談、判定、一時保護など、専門機関としての機能が十分発揮できるよう努めてまいります。