代表質問・論戦・意見書 等

日本共産党札幌市議団

札幌市第3回定例議会

日本共産党 代表質問
(2009年10月1日)

井上ひさ子 議員

 私は日本共産党を代表して、決算ならびに市政の重要課題について、質問を行います。

 最初に市長の政治姿勢について伺います。

 質問の第1は、構造改革路線に対する市長の評価についてです。
 小泉内閣以来すすめられてきた構造改革路線は、市場原理主義に基づき、各種の経済規制を撤廃したために弱肉強食の経済となり、力のある大企業が有利になる一方、多くの中小企業が苦境に追い込まれ、個人商店も店を閉めるところが増え、地域経済が衰退しました。総選挙の翌日、自民党の麻生太郎総裁は「農業、建設業、商業、従来の支持基盤が弱くなっている。小泉改革によってこれらの方々への配慮が足りなかった」と述べ、構造改革によって地域産業が打撃を受けたことを認めています。
 製造業にも派遣労働を認めたために、労働条件の悪化と低賃金化、「派遣切り」という言葉が作られるほどです。
地方自治体に対しては、「三位一体の改革」と称して、地方交付税を削減し、地方の行政サービス後退の大きな要因となりました。
 構造改革路線は、国民に耐え難い痛みを押し付け、中小企業をつぶし、地域経済を衰退させ、地方自治体運営を圧迫するものだと思いますが、市長は、どのように評価しているのですか、ご見解をうかがいます。

 質問の第2は、総選挙の結果に対する市長の見解についてです。
 わが党は、今回の選挙結果は財界中心主義の政治が変わっていく前向きの大きな第一歩として捉え心から歓迎するものです。
アメリカではイラク戦争反対を掲げたオバマ大統領が誕生するという変化が起き、軍事偏重の政治が変わろうとしているのが世界の流れです。テロ特措法も争点の一つになりました。
今回の選挙結果は、国民が、財界中心の政治と軍事偏重の政治を変えたいと願った結果ではないかと思うのですが、この点について、市長はどのようにお考えか、お聞かせください。

 質問の第3は、民主党政権が進めようとしている政策についてです。
 生活保護の母子加算の復活、後期高齢者医療制度の廃止、温暖化ガス25%削減についての市長のご見解をお聞かせください。また、本市の温暖化対策推進計画では、2017年までに10%削減にとどめていますが、国の25%に見合うよう目標を引き上げるべきと考えますが、いかがか、うかがいます。
 また、民主党は衆議院の比例代表の議席180のうち80を削減するとしています。小選挙区は死票が多く、民意を正確に反映しない仕組みです。この選挙では、全国の小選挙区での民主党の総得票は3,348万票、得票率は47%ですが、議席は221と74%を占めました。
市長は、4割の得票で7割の議席を占める小選挙区制における民意の反映を、どのようにお考えなのか、うかがいます。

 質問の第4は、選挙戦の争点の一つにもなった地方分権に対する市長の基本的な考え方についてです。
 社会保障や教育など憲法にうたわれた国民の基本的な権利を国の責任でしっかり守ることこそ、政治の第一の役割であり、国の不当な介入は排除し、これまでの補助金で使い勝手の悪い部分はただしていきながら、教育や福祉の国庫補助・負担金の削減をしないこと、交付税の削減した分を復活させることや地方自治体の超過負担を解消することなどにより、地方財源を守ることだと思うのですが、市長の見解をうかがいます。

 質問の第5は、北海道観光事業株式会社の問題についてです。
経理担当者をはじめ、横領が繰り返し行なわれ、その額は1億3千万円を超えています。また、役員が業務と関係ない人を含めて、年間120回以上の接待をしていたなど、この会社では数え切れないほどの不正が繰り返されてきました。
本市は、この会社に17%出資している筆頭株主であり、歴代局長職が指定席として天下りしていた会社でもあります。市の責任は免れないものです。
この会社に本市の幹部が代々天下りする必要があるのでしょうか。
この会社への出資を見直す検討をすべきと思いますが、いかがか。他の出資団体についても、指定席となっている天下り全般を厳しく見直すべきではないでしょうか、市長の見解をうかがいます。

 質問の第6は、丘珠空港問題についてです。
 今年3月全日空が、丘珠空港発着の全5路線を新千歳空港に移転するとの方針を打ち出しました。37万人もの人が、都心に近く便利な空港として利用しているだけに、丘珠路線の維持を要望する声は、強いものがあります。
 さらに、9月23日、毎日新聞のサイトでは、日本航空が廃止する国内50路線のなかに、丘珠から釧路、函館便が含まれていると報道しています。
 そこで質問です。これらの問題のおおもとは、国の規制緩和路線によって、航空会社が自由に路線廃止・移転できるようになったところにあること、また、北海道が道内交通ネットワークを構築して、鉄道や航空路線を、道民の暮らしと道内産業を育成する立場で守ることが肝要であり、道都である本市としても積極的に役割を果たす必要があると思うのですが、いかがか、市長の見解をうかがいます。

次に「公表されていない待機児童」の問題についてです。

 本市は、今年7月1日の待機児童数を585人だと公表しました。しかし、実際には1,123人だったことがわかりました。
 それは、保育所の入所申し込みをして、待機させられていながらカウントされていない「公表されていない待機児童」が大量にいるからです。

 質問の第1は、議会と市民に正確な情報を伝えてこなかった問題についてです。
 「公表されていない待機児童」というのは、保育所入所申込用紙に第1希望から第3希望まで保育所を記入できる欄がありますが、このうち第1希望しか記入していない人を、子ども未来局では、特定保育所にこだわっている者だとして、待機児童としてカウントしていないのです。
 厚生労働省は待機児童数調査に当たり、2002年の4月1日調査分から報告について、定義および様式変更を行うとして、自治体に発した文書「保育所入所待機児童数調査について」で、「他に入所可能な保育所があるにもかかわらず、特定の保育所を希望し、保護者の私的な理由により待機している場合は待機児童数に含めない」で報告するように指示しています。ただし、延長保育などの条件や自宅から30分未満で通えるなどの条件を加味して考慮することを求めています。
 しかし本市では、単に第1希望しか書いていないことだけをもって、待機児童数に含めてきませんでした。
 本市議会では、各会派が、保育所が足りないことを大きな問題として繰り返し取り上げてきました。また、市民や保育関係者も保育所不足の解消をめざして運動を続けています。いずれも、待機児童の解消をかかげてきたのです。市民も議会も、2002年から国へ報告するうえでの市の言葉の定義の変更など知る由も無く、第1希望だけの記入者も含めて、保育を必要としながら保育所に入れない子どもすべてを待機児童と呼び、その解消は、保育需要を満たすことを意味しているのです。ところが、市の公表している待機児童数に匹敵するほどの「公表されず隠されてきた待機児童」がいたことは、衝撃的事実です。
 このことを、市長自身はいつから知っていたのか、まず、率直に明らかにしてください。
 保育需要全体としての待機児童数を、議会と市民に知らせず、結果として誤解を与えてきたことは重大な問題だと思いますが、この点についてどう認識をしているのか、市民と議会の前に明らかにしてください。

 質問の第2は、児童福祉法との関係です。
児童福祉法第24条は、「市町村は…児童の保育に欠けるところがある場合において、保護者から申し込みがあったときは、それらの児童を保育所において保育しなければならない」と、保育の公的責任を明確にしています。
 第1希望しか書いていなくても保育を必要としている待機児童であることに変わりは無く、本市には、保育する責任があると思うのですが、いかがか、うかがいます。

 質問の第3は、保護者が保育所を選択する要求の正当性についてです。
1997年、小泉厚生大臣は国会で児童福祉法改正案の提案で「保護者が保育所を選択する仕組みに改める」と、説明しており、保育所を選ぶことは法の主旨に照らしても正当な要求です。
入所すべき児童の兄や姉が通っている同じ保育所に入所させたいと思うのは当然です。また、居住している地域や通勤の途中にある保育所は限定されます。ですから、入れたい保育所が一つに絞られて、第2希望、第3希望は記入できないということも十分にありうることではないでしょうか。
また、今は、出産前や産休中などにほとんどの保護者が、保育所見学をして、園長などから保育所の特長、たとえば外遊び中心で自然と触れ合うことを多く取り入れているとか、異年齢集団を重視した保育をしていることや、アレルギー食・宗教食の対応など、保育内容を聞いて、「ぜひこの保育所に入れたい」という意思をもって、入所する傾向が強くなっています。それは、保護者の保育観、子育て観を高めることにもなっています。
 ところが、そういう人を待機児童数にカウントしないのは「どうしてもこの保育所に入れたい」というのは、親のワガママだから配慮する必要は無いという考えがあるからではないかと感じます。
 そこで質問ですが、保護者が、自らの子育て観にぴったり合う保育所を選ぶことは、正当で前向きな要求であると思うのですが、いかがか。今後は、第1希望しか書かれていない児童についても、隠さず待機児童数に算入すべきと思いますが、いかがか、明らかにしてください。

 質問の第4は「●公表されていない待機児童」も含めた保育計画を作るのかという問題です。
 今後の待機児童数の公表については「●隠されてきた待機児童」の人数も明らかにすべきと思いますが、いかがか、うかがいます。また、来年、子ども未来プランの改定を実施する予定ですが、その際、「公表されて来なかった待機児童」も含めて、保育需要として把握して、保育所整備計画をつくるべきですが、いかがか、うかがいます。

次に、昨年度決算についてうかがいます。

 当初の予算額は7,762億円と4年連続の緊縮型でしたが、補正予算を404億円組み、最終予算額は8,224億円となりました。最終予算額に対する執行率は、歳入94.6%、歳出は94.4%で前年度比0.2%減少しています。
法人市民税が減となり、本市の景気の厳しさがますます浮き彫りになっています。
そのようななか、景気・雇用対策や、市民の暮らしの防波堤としての市政の役割が大きく問われていたのではないでしょうか。

 質問の第1は、行財政改革プランに関わる問題についてです。
 プランでは、市民の皆さんに影響のあるものとして、2008年度に高校授業料の値上げや市営住宅の駐車場使用料の値上げ等が行われ、4億円の市民負担増となりました。
一方で、国の措置として高金利の企業債借り換えを行い、2008年度での金利相当分は、27億9,000万円になっています。昨年の第1回定例会で、このお金を市民のために使うべきと求めたことに対し、市長は「収支不足をおぎなうには十分ではない」と市民への負担は当初の予定通り行ったのですが、市民の苦しい生活実態に照らし、負担強化はすべきでなかったと思うのですが、市長は、いかがお考えか、うかがいます。
 また、財産等の有効活用として普通財産は原則売却としていますが、売り払い予定が47億7、600万円の計画に対して、実際は28億7200万円となっており、面積で150,678平米に対して101,028平米となっています。
市の思うように売れなかったというのが実態だと思うのですが、その原因は、計画が過大だったのか、販売努力の問題なのか、あるいは他の要因なのか、明らかにしてください。あわせて、土地の取得価格と売却価格には大きな隔たりがありますが、普通財産全体では、現時点での試算でどの程度になるのか、お示しください。その差損が市民へつけ回されることになると思いますが、今後改善の見通しがあるのか、うかがいます。

 質問の第2は、土地開発公社についてです。
2014年度に廃止する公社の土地を市が基金を活用して、順次買い取る計画となっていますが、買い戻しても売却先が見つからず不良債権化して市が抱え込むことになります。本議会に提案されている市有地処分でも、10億355万円で取得した小学校用地が3億8720万円で落札され、6億1,635万円の損が生じたように、過大な長期計画に基づき、土地保有を進めてきたことが、市の財政を圧迫することになると思うのですが、いかがか、うかがいます。
今後は、売却にあたって、市民の財産の価値を落とさないで、市民生活に資する活用や計画をたてていくべきと思うのですが、いかがか。具体的な対処方針をお示し下さい。 

 質問の第3は、今後の財政運営についてです。
 公債費、人件費のピークが既に過ぎたということで、あらためて、本市の財政運営の展望を市民に示すべきと考えます。すなわち公共投資の発注も、遅れている市営住宅の修繕や、特養ホーム・保育所の新設、学校耐震の前倒しや住宅リフォーム資金助成制度を創設しての需要喚起を行うべきですが、いかがか。また、医療・福祉、子育て・教育に手厚い施策を充実させる事が肝要と考えますが、どの様に対応していこうとしておられるのか、うかがいます。

次に、経済と雇用対策についてうかがいます。

 北海道の大型小売店販売額は、2008年には対前年比−5.6%、コンビニの販売額も今年5月から対前年比−に転じました。
 札幌圏の有効求人倍率は、0.28と非常に厳しくなっています。完全失業率は、北海道で今年4月〜6月には5.4%と悪化しています。

 質問の第1は、国の経済対策も受けた本市の対策とその効果についてです。
 本市では、1月29日に総額1,885億円の緊急経済・雇用対策事業を発表し、今年度予算では中小企業金融対策資金の融資枠の拡大や普通建設費も前年をわずかですが上回る704億円となりました。また、1定の追加補正予算で緊急雇用創出事業などを実施。さらに、第2回臨時会では266億円の経済・雇用対策を決めました。
 市長は、本市の経済・雇用状況のきびしさをどう認識しているか、うかがいます。また、これまで講じてきた対策の効果について、どのような見通しをもっているのか、うかがいます。
 国の対策として地域活性化・公共投資交付金が16億円、本市に交付されますが、一部の企業が受注し、雇用増効果もあまり期待できない事業にかなりの金額が使われます。この交付金については、地元企業・中小企業に仕事がふえる生活密着型の公共事業にあてるべきですが、いかがかうかがいます。

 質問の第2は、本市独自の経済対策についてです。
 1点目は、住宅リフォーム助成制度についてです。
 本市の住宅着工戸数は、昨年10月から連続して前年同月比マイナスが続いており、建設業の倒産が続いています。
 住宅建設の動向からみても、これまでわが党が繰り返し求めてきた住宅リフォーム助成の実施が急がれます。道内では富良野市、芦別市、沼田町などが実施しており、石狩市でもこの7月から行っています。その効果は高く評価されており、芦別市はいったん打ち切ったものを今年度再開、沼田町では1,000万円の予算を3ヶ月あまりで使い切るほど好評です。
 市長は、住宅リフォーム助成制度の有効性をどのように認識しているのですか。制度創設にふみきるべきと考えますが、いかがか、うかがいます。
  2点目は、建設業者への対策として、除雪業者への除雪費用の支払いについてうかがいます。除雪費の支払は出来高に応じて、5回に分けて支払われています。昨年のように雪が少なく出動が減ると大幅な減額になります。
いまの支払方法では業者が必要な体制を確保できなくなることもあります。業者が安心して作業員を確保し除雪事業を行えるよう、人件費について原則固定払いにするなどの見直しが必要と考えますが、いかがか、うかがいます。

 質問の第3は、雇用対策についてです。
 1点目は、来春の高卒者の就職支援についてです。
 9月16日から高校の卒業予定者の採用試験が始まりました。札幌圏の新規高卒者の求人倍率は0.50で、対前年比マイナス0.33です。このままでは、卒業しても仕事につけない学生が大勢うまれる恐れがあります。
 市長は、高校新卒者の就職のきびしさをどのように認識しておられるのか。求人先の開拓に、市長を先頭にとりくむべきですが、どのように対処するおつもりか、うかがいます。本市では、2002年から4年間、いわゆる「ワークシェアリング」として毎年200人程度の未就職者の臨時採用をおこないましたが、こうした方法も含め市が採用を増やすべきですが、いかがか、うかがいます。
 また、失業し、雇用保険が受けられない人の生活保障として国が行っている「訓練・生活支援給付金」制度を参考に、就職できない学生に対して「就業支援事業」を国と道に作るよう求めるべきですが、いかがか。
2点目は、季節労働者対策です。
 建設政策研究所北海道センターの「季節労働者調査」によると、三人に二人が年間賃金収入200万円未満という低賃金ですが、ほぼ半数の人が国保料は20万円以上にもなり、払えなく滞納し、短期証と資格証の人が多いというアンケート結果になっています。季節労働者の生の声として「特例一時金を元に戻してほしい。市・道税が高い。保険料が高くて払えず、医療費は100%自分持ちで、医者にかかれず大変です」などのきびしい実態が紹介されています。
 市が国の委託をうけて実施している通年雇用促進事業は、2007年度下半期156人、2008年度358人しか通年雇用につながっていません。国の委託事業にとどまらず、本市独自の就労促進事業が求められます。福祉除雪や交差点の除雪作業などを市の事業として実施し、季節労働者を雇用すること。河川改修など冬期就労事業を実施すべきですが、いかがかうかがいます。
 この冬にも間に合うように、特例一時金を50日に戻し、冬期雇用援護制度の復活をはかるよう国にただちに求めるべきですが、いかがか、見解をうかがいます。

次に、貧困の問題についてです。

 質問の第1は、ホームレス対策についてです。
 昨年の12月29日に本市が主催して、仕事の悩み相談室で労働相談を行い、派遣切りされた労働者を市住に入居させる支援を始めました。9月時点で、市住に入りたいという相談が135件寄せられていますが、入居できたのは47世帯だけです。
 入居条件は、派遣切りされて住んでいた社宅、寮を追い出されたという証明ができる人に限られているため、寮や社宅を追い出されてからあちこちを転々としていた労働者やホームレスは対象とされていません。
 本市においては、ホームレスを受け入れることのできるのは救護施設のみで、市内4施設で14名しか受け入れできません。このうちの3施設6名は、入所期間2週間の緊急入所です。1施設8名は、入所期間3ヶ月の就労支援入所です。
 この間、市内で5回の街頭相談活動を行っているS0Sネット北海道がアパート14部屋を確保して、派遣切りにあった人のほか、ホームレスも含めて緊急入所を行っていますが、ほとんど満室になっています。家賃は募金でまかなっていますが「もう限界だ」というのが関係者の声です。
 そこで質問ですが、派遣切りをされた労働者だけでなくホームレスも市営住宅に入居できるように枠を広げて対応すべきと考えますが、いかがか、うかがいます。
 また、本市の救護施設と同じ14室を確保して頑張っているSOSネットなどのボランティア活動が果たしている役割は非常に大きいと思いますが、市長はどのように受け止めているのか、民間団体に必要な支援を行っていくべきと考えますが、市長のご見解をうかがいます。

 質問の第2は、市立高校授業料についてです。
 第2回定例会のわが党の代表質問で「札幌市高等学校授業料等に関する条例」の第3条第3項、「校長は滞納が2月以上に及ぶ者には退学の処分をすることができる」は削除すべきと求めましたが、教育長は「受益者負担の趣旨を明確にするもの」と条例改正はしない旨の答弁をしました。
 本来、高校教育とは、学生が人類の英知を学び、技術を身につけて社会に生かすためのもので、社会全体の安定と発展につながります。世界ではこうした考え方に立って高校と大学を無償化し、奨学金は給付制とする流れが主流になっています。
 高校と大学の学費を段階的に無償化することを定めた国際人権規約のA規約第13条を保留している国は160カ国中、日本とマダガスカルの2カ国だけとなっています。日本の学費は世界で一番高額です。
 貧困と格差の拡大の中で、学費が高すぎるために毎日深夜までアルバイトをして体を壊す学生や、学校を去らざるを得ない若者が増えています。また、私立高校の例ですが、修学旅行に行かない生徒が二十数名いましたが、その半数が経済的理由で修学旅行をあきらめているのです。
 憲法第26条ですべての国民に「ひとしく教育を受ける権利」を保障し、教育基本法では、経済的地位による教育上の差別を禁止しています。本市の子どもの権利条例第8条第4項では、「障がい、民族、国籍、性別、その他の子ども又はその家族の状況を理由としたあらゆる差別及び、不当な不利益を受けないことを謳っています。
 高校の進学率は2006年度には97.7%とほとんどの子どもたちが高校へ進学しており、この点でも受益者負担という考え方はなじまないものです。
 今回の総選挙で、高校授業料の無償化や減免などについて、主要政党すべてが公約しました。高校の授業料無償化は国民の強い願いであり、実現に向けて具体的な検討が始まっています。
 本来、経済的な理由で授業料が払えない子どもたちを支えていくことが、本市として取り組むべき仕事だと考えますがいかがか、うかがいます。経済的な理由で高校を辞めざるを得ない子どもを、本市から一人も出さないことを市長が高らかに宣言すべきだと考えますが、その考えがあるのか明らかにしてください。また、滞納を理由に高校を退学させるという条文を削除する条例改正をすべきと考えますが、いかがか、うかがいます。

次に、ごみ問題について質問します。

 この7月から家庭ごみの有料化と分別・収集体制の変更が始まり、減量とリサイクルをすすめる市の責任は、益々重要になっています。

 質問の第1は、ごみ減量についてです。
 本年4月から8月までの家庭ごみの総量は22万トンで、昨年同時期の20万4千トンに比べて約8%増えています。昨年度の家庭からの廃棄ごみは46万7千トンでしたが「スリムシティさっぽろ計画」では、2010年までに家庭からの廃棄ごみを34万8,600トンにするとしています。それが実行できるのか、見通しをお示しください。

 質問の第2は、リサイクルの取り組みについてです。
 「スリムシティさっぽろ計画」では、リサイクル目標について、「市が処理するごみのリサイクル率を2004年度の16%に対し、2010年度までに25%以上に引き上げる」「リサイクル量は21万5,300トンにする」としています。
 ところが、市のごみリサイクル量は、2003年の15万9千トン以降、毎年減少し、昨年は13万9千トンになっています。
 「雑紙はごみの混入率が高すぎて、製紙原料に使えない」などの問題も表面化してきました。
リサイクル率25%、リサイクル量21万5,300トンについて、どのような見通しを持ち、対策をこうじているのか明らかにして下さい。
 また、生ごみのリサイクルは、モデル事業のパートナーシップ事業に現在740世帯が参加していますが、全市で本格的に実施するために、どのような計画を検討しているか具体的にお示し下さい。

 質問の第3は、市民からの要望についてです。
 わが党は、8月7日に市民から寄せられている改善要望について上田市長に申し入れました。特に多い要望について2点質問します。
 1点目は、不適正排出されたごみの処理についてです。
 その日の収集に該当しないごみは、X印シールを付けてステーションに置いてゆきます。市は、「X印のごみは、ごみパト隊が処理する」と言いますが、ごみパト隊はその日には持ってゆきません。生ごみを置いて行かれるとカラスが来てひどい状態になるので、耐えかねた近くの住民が処理しているのが実態です。
 地域住民に負担をかけないように対策を講じるべきではありませんか。市長のお考えを伺います。
 2点目は、ごみカレンダーについてです  最近発表された調査では、「ごみの収集曜日や頻度を詳しく知っている」人は29%で、いずれにしても市民にとって「ごみカレンダー」は欠かせないものであり、これを頼りに、排出をおこなっています。高齢者も含め、見やすいものにすることが、分別・適正排出を促進します。わが党は、先の申し入れでも、今のごみカレンダーを、ごみの減量・リサイクルの啓発をすることを兼ねた「月めくりカレンダー」に改めるよう提案しましたが、市長のお考えを伺います。

次に、国民健康保険の問題について伺います。

 質問の第1は、国保料を払えない人から保険証を取り上げている問題についてです。
 国保加入者の状況は、年金生活者や非正規雇用の若者の加入が増えるなど、低所得の傾向が顕著です。一般の加入世帯の平均所得は1991年280万円だったのですが、2008年には104万円まで低下しており、高い保険料の支払いが困難になっています。   本市の資格証明書の交付状況は、3月末時点で1万1,668世帯にもなっています。保険料が高い大きな原因は、医療費の増加とともに国が国庫負担率を引き下げたことが大きく影響していると思いますが、いかがか、また、国に国庫負担を増額するよう求めるべきですが、いかが対処されるのか、うかがいます。さらに、本市においても、高い保険料の引き下げを行ない、保険料を納めることができるのに故意に払わない悪質滞納者以外の資格証明書の発行は止めるべきと思いますが、いかがか、うかがいます。

 質問の第2は、医療費の削減と受診抑制についてです。
 昨年度の療養給付費は、1064億円と予算比でマイナス3%にもなっています。札幌市医師会会長は「『お金が足りないため医療機関を受診できない』この状況には悲しみと怒りを感じます」として外来一部負担金の軽減を提案しています。本市国民健康保険会計の累積赤字は、2005年度の101億円から、昨年度は16億円へと激減しています。
 市長は、医師会長の提言をどう受け止めていますか、また国保会計の急激な赤字の縮小と療養給付費の減少は、市民の受診抑制の結果だと思うのですが、どのようにお考えかうかがいます。

 質問の第3は、一部負担金減免制度の活用についてです。
 国保法第44条では、保険者は特別の理由がある被保険者に対し医療費の一部負担金を猶予または減免できると定めています。本市の減免件数は、2006年度55世帯、2007年度19世帯、2008年度9世帯です。生活が厳しい世帯は生活保護を受けるよう手立てをとる一方で、入院時等、支援があれば何とか頑張れる世帯については、一部負担金減免制度の周知、徹底をし、窓口負担が心配で医療機関にかかれない人を救済するための制度として積極的に活用を広げていくべきと考えますがどの様に対処されるのか伺います。

 質問の第4は、特定健診の受診率向上についてです。
 国は2012年度末までに、特定健診の受診率は65%、保健指導の実施率は45%などと、それぞれ達成目標を定めており、達成状況によっては市町村に財政的なペナルティーを課すとしています。
 本市特定健診受診率は、2008年度目標35%に対し、8月時点で15.7%にとどまっています。今後2012年度までに、国の計画目標65%を達成するためには、残り4年で約49%、1年ごとに12%以上の受診率向上が必要になりますが、なぜ受診率が低いのか、どのように計画目標を達成するおつもりなのか、具体的にお示しください。
 また、日曜日に健診を実施する病院へ積極的に補助を行い、受診率を向上させるべきだと思いますが、いかがか、うかがいます。さらに、特定健診を受益者負担の観点で捉えることで、計画目標を達成できず、結果的に市民の健康破壊につながると思います。この際、特定健診は無料化して計画目標の達成と市民の健康を守るべきと思いますが、いかがか、うかがいます。

次に、介護保険の問題について質問します。

 質問の第1は、新認定基準についてです。
 今年4月から要介護認定の新基準の大幅見直しをしましたが、本市においては、従前の要介護度より軽度の判定が出た人が1,885人中630人で33,4%にもなり、現場は大混乱しました。10月1日から新たな方法によって要介護認定を行うことになりますが、今回の見直しについて、事前の検証や周知内容が徹底されているのかどうか、現場に十分な情報が伝わっているのか、どの様に対処されているのか対応策について伺います。

 質問の第2は、特養ホームの増設についてです。
 特養ホームの待機者は、今年6月で、5,930人もなっています。待機者が増え続ける現状をどう考えておられるのか、うかがいます。また、特別養護老人ホームの整備は、2011年までに443人の定員を増やすとしていますが、それでは不十分であり、同年までに1,000人分増やすべきと思いますが、いかがか、うかがいます。
 また、特養ユニット型、個室を希望する人も多いのですが、利用料金が高く、低所得者はなかなか入れません。ユニット型と同時に多床室の建設も国に積極的に働きかけるべきと思いますが、いかがか見解をうかがいます。

最後に、医療の課題についてです。

 質問の第1は、新型インフルエンザ対策についてです。
 9月16日、厚生労働省は、学校や医療・福祉施設などでの集団感染の発生件数が、前の週に比べ約1.4倍に上り、臨時休校や休業を実施した施設は2.4倍になったと発表。その翌日には横浜市で12歳の男児、21日には滋賀県で7歳の男児が死亡しました。
 1点目は、医療供給体制についてです。
 新型インフルエンザ対策で重要とされているのが、重症化する可能性の強い心臓病や腎臓病など基礎疾患を持った人への感染防止対策です。
 そこで本市では、重症化する患者を何人と想定し、集中治療室や人工呼吸器をどのように確保するのか、具体的に明らかにしてください。また、市立病院が積極的に医療供給体制上の役割と責任を果たすべきだと思いますが、いかがか、うかがいます。
 2点目は、市民への情報提供と自宅待機対策についてです。
 今シーズンは、新型と季節型の二種類のワクチンが供給されることで、市民には混乱もあります。市民と医療機関への混乱を避けるためには、ワクチン接種のあり方、優先順位や接種計画についての情報を市民に徹底すべきですが、どのような対応を考えているのか、うかがいます。
 また、病院や教育・福祉施設等の職員が新型インフルエンザに罹患した場合、子どもや高齢者、病気を持っている人に感染を急激に広げる可能性があるため、直ちに出勤停止させるなど、特別に慎重な対処が求められています。
 それらの職員が新型インフルエンザ患者との接触があった場合など、感染が疑われる段階では有給休暇による自宅待機が多いと考えられます。しかし、有給休暇が残っていない場合には、単なる欠勤扱いで減給の対象となってしまうため、職場管理者が自宅待機を命じられない場合があると思います。
 感染が疑われる場合には、減給など処分の対象とせずに自宅待機を命じる方策が必要になると思いますが、いかがか、本市から感染防止のための特別休暇制度を設けるよう企業や事業所に働きかけるべきと思いますが、いかがか、対処方針をうかがいます。
 3点目は、医療機関への支援策についてです。
 医療機関独自の感染防止対策には限界があります。各医療機関での感染防止対策に要する検査・衛生材料の確保、施設改修などの費用について積極的に補助を行うことで、市内の医療供給体制を充実させる必要性があると思いますが、どのような支援策をとるのか、具体的にお示しください。   4点目は、本市の緊急措置についてです。
 新型インフルエンザの感染拡大を防ぐには、誰もが病院を受診できなければなりません。
 5月に出された厚生労働省の通達では、発熱外来を受診した場合のみ、資格証明書世帯でも原則3割で受診できるとしていました。しかし、発熱外来は7月で廃止され、一般の医療機関を受診することに変わったため、資格証明書世帯の受診抑制が懸念されています。
 北見市などでは、10月から短期保険証の緊急交付を決めました。本市でも全ての資格証明書世帯に対して、直ちに保険証を発行し、受診の機会を保障すべきと思いますが、いかがか、うかがいます。
 また、無保険者やホームレスなどの生活困窮者への受診の手立てを講ずるべきですが、どのような検討をしているのか、具体的な対策について、うかがいます。
 さらに、ワクチンの接種を希望する市民が経済的な理由で接種できなければ、感染防止対策上も問題です。自己負担となる接種料の負担軽減を国に強く求めると同時に、本市として、優先接種対象者へのワクチンと重症肺炎の予防に効果が期待できる肺炎球菌ワクチンの接種に対して感染防止対策上、早急に公費助成を始めるべきだと思いますが、いかがか、うかがいます。

 質問の第2は、乳幼児の細菌性髄膜炎への対策についてです。
 乳幼児の細菌性髄膜炎は、急速に症状が悪化し、重い後遺症や死亡することもある病気であることから、早い段階での治療が重要になります。世界保健機関はインフルエンザ菌b型ワクチンの定期予防接種を推奨する声明を1998年に発表していました。
 昨年12月、日本でもようやくワクチンが認可され接種が開始されました。しかし、4回接種で約3万円の全額自費負担のため接種率が上がっていないのが実態です。
 苫小牧市長は「防げる病気で命を失わないことは、子どもの権利」としてとらえ、来年4月からヒブワクチンの接種に助成制度の新設を決断しました。
 そこで、本市おいて、接種率はいつまでに何%まで上げるのか、接種率向上のために具体的にどのように取り組むおつもりか、お聞かせください。また、本市においても、早急にヒブワクチン接種に補助制度を設けるべきと考えますが、いかがか、うかがいます。

 以上で、私の質問のすべてを終わります。ご清聴ありがとうございました。


代表質問への市長などの答弁


上田文雄市長

 私からは、市長の政治姿勢、公表されていない待機児童、昨年度決算についてお答えし、残余は副市長と教育長からお答えします。
 最初に、私の政治姿勢についてお答えいたします。
 1点目の構造改革路線に対する評価でありますが、現在の世界的な金融危機に端を発した急激な景気の悪化の中で、様々な制度改革などにより、日本の経済・雇用情勢が厳しさを増し、その結果、多くの雇用問題、ひいては格差社会や地域間格差が創出されたことにつきましては、憂慮すべきことであると認識しております。
 2点目の今回の総選挙の結果に対する見解についてお答えいたします。
 今回の選挙結果は、有権者の方々が、各政党のマニフェストなどに基づき、それぞれの政党や候補者の政策を真剣に考えて判断した結果であり、政治の変化を求める国民の声を反映したものであると考えております。
 3点目の民主党政権の政策についてお答えいたします。
 ご質問にありました民主党の政策につきましては、いずれも国民から信任を得ているものと認識しております。
 特に温暖化にかかる政策につきましては、地球温暖化対策を強力に進める姿勢を示すものとして高く評価しているところであり、札幌市においても、「環境首都・札幌」にふさわしい新たな削減目標を掲げて取り組んでまいりたいと考えております。
 一方、これらの政策につきましては、地方への影響も想定されますので、国に対し、具体的な制度設計にあたっては、地方の負担増が伴わないようにするとともに、十分な財源措置を求めていくことが必要であると考えております。
 また、小選挙区制の民意の反映についてでありますが、選挙制度は民主主義の根幹に関わるものでありますことから、国権の最高機関である国会の場で、どういった制度が国民にとって望ましいか、しっかりとご議論いただくことが重要であると考えております。
 4点目の地方分権についてお答えいたします。
 真の地方分権を実現していくためには、地方の自主性や自由度を高めていくとともに、政策実施に必要となる財源の確保が不可欠であります。
 このため、新政権に対しても、必要な地方交付税の確保や国庫補助負担金の改革など、分権型社会にふさわしい財政制度の確立を引き続き求めてまいります。
 5点目の北海道観光事業株式会社の問題についてお答えいたします。
 一つ目の、出資の見直しについてであります。テレビ塔は長年にわたり、市民に親しまれている観光のシンボルであり、まちづくりを進める上でも重要な存在であることから、出資を継続してまいりたいと考えております。
 二つ目の、出資団体への再就職の見直しについてでありますが、これまでの一連の出資団体改革プランにおいて、札幌市が主体的に設立した出資団体につきましては、一定の人的関与が必要であると判断したところでありますが、今後も、適正な運用に努めてまいりたいと考えております。
 6点目の丘珠空港問題についてお答えいたします。
 航空業界がますます厳しさを増すなか、札幌市としては、全道の航空交通網を所管する北海道が主体となって、道内航空路線を如何に維持・存続させ得るのか、具体策の検討を早期に進めるべきであると考えており、北海道に対して道内航空網の将来像について示していただくよう、申し入れているところであります。
 丘珠空港が担っているビジネス及び生活路線としての役割は極めて重要であり、同路線の存続に向けて、北海道の検討状況も見ながら、引き続きANAによる路線維持を粘り強く働きかけていきたいと考えております。

次に、「公表されていない待機児童」の問題についてお答えいたします。

 1点目の情報を伝えてこなかった問題についてであります。
 厚生労働省は平成14年4月から待機児童の定義を変更しましたが、私自身、このことを含め具体的な内容は承知していなかったこともあり、重要なご指摘と受け止めております。
 札幌市としては、厚生労働省の全国統一の定義に従って対応してきたところでありますが、今後は、第1希望しか記入しておらず入所を待っている方の人数についても、併せてお示ししたいと考えます。
 次に、2点目から4点目までを一括してお答えいたします。
 第1希望のみの方を含めて、保育に欠ける全ての方々に対して、自治体が保育責任を有しており、以前から、第1希望のみの方々も、空きがあれば保育所をご利用いただいているところであります。
 私は、保育を必要とする全ての方に保育を提供したいという気持ちでおりますが、現実には様々な困難な課題がありますので、可能な限り努力をして行きたいと考えております。
 「さっぽろ子ども未来プラン後期計画」の保育所整備計画につきましては、第1希望のみの方々を含めた、就学前児童を持つ保育者を対象にアンケート調査を行い、保育需要を推計し、これを参考に保育所整備計画を立てることとしておりますので、ご理解をお願いいたします。

次に、昨年度決算についてのご質問にお答えいたします。

 1点目の行財政改革プランについてであります。
 まず、高校授業料などの見直しの妥当性についてでありますが、使用料などの受益者負担につきましては、サービス提供のコストと料金のバランスや、国又は北海道との均衡などを勘案し、適正な負担とすることを基本としておりますので、ご理解を頂きたいと思います。
 次に、普通財産の売却についてでありますが、不動産売払収入の低迷につきましては、昨今の不動産市況の悪化に伴う地価の下落、入札不調等が原因と考えております。
 また、一般会計と特別会計における普通財産の評価額は、約640億円であり、その取得価格につきましては、市町村合併など様々な経緯があるため、全てを把握することは困難ですが、このうち売却可能な土地について調査したところ、評価額の概ね2倍の状況となっております。今後も必要な土地は確保しつつ、活用の見込みのない土地は、行財政改革プランに基づき売却を進めてまいります。
 2点目の土地開発公社についてでありますが、土地開発公社が保有する土地は、札幌市の事業の必要性に応じて取得したものであることから、土地開発公社の廃止までに、計画的に買戻しを行うものであります。なお、事業化が見込まれない土地につきましては、その使用状況にも配慮しつつ、基本的には売却を進めてまいります。
 3点目の今後の財政運営についてでありますが、公共投資につきましては、これまでも市民に身近な施設の整備や修繕などに積極的に取り組んできたところであり、今後とも、市内中小企業の受注機会の確保に配慮してまいりたいと考えております。
 また、福祉や子育て・教育、環境などの分野につきましては、国の施策とも連携を図りながら、積極的に施策を展開してまいりたいと考えております。


中田博幸副市長

次に、貧困の問題についてお答えいたします。

 1点目のホームレス対策についてであります。
 まず、ホームレスの市営住宅入居についてでありますが、現在、札幌市が実施しております離職退去者に対する市営住宅の提供は、昨年末の国土交通省からの通知に基づき、離職退去者に一時的に居住の場を提供するため、市営住宅の目的外使用として認めているものであります。
 このように国土交通省の通知では、あくまでも離職退去者が条件となっておりますので、ホームレスの方も入居できるように枠を広げて対応することは、現時点では難しいものと考えております。
 次に、民間団体への支援についてでありますが、民間のホームレス支援団体はその活動を通じてホームレスの事情をよく把握していることから、ホームレスの自立を促すために、これら団体との連携は不可欠なものであると考えております。
 また、これら支援団体の活動内容は多様であることから、団体の方々のご意見も伺いながら、支援のあり方を検討してまいりたいと考えております。

次に、ごみ問題についてお答えいたします。

 まず、1点目のごみ減量と2点目のリサイクルの取組のうち、見通しと対策につきましては関連することから、合わせてお答えいたします。
 ごみ減量・リサイクルを目指した「新ごみルール」の実施により、廃棄ごみ量は大幅に減少し、資源物のリサイクル量は増加しております。
 今後ともこの成果を継続していくことにより、計画目標につきましては達成可能であると考えております。
 次に、2点目のリサイクルの取組のうち、生ごみリサイクルにつきましては、現在行っているパートナーシップ事業の状況についての検証などを踏まえ、今後のあり方について検討を進めてまいりたいと考えております。
 次に、3点目の市民からの要望についてであります。
 まず、不適正排出されたごみの処理についてであります。
 不適正排出されたごみは、排出者に間違いであることを知らせるため一定期間残置することとしております。それらが多く見られるステーションについては重点的にパトロールや個別指導を行うほか、地域の皆さまと力を合わせて普及啓発を行うなど、不適正排出の防止を図ってまいりたいと考えております。
 次に、家庭ごみ収集日カレンダーについてでありますが、市民の方々から寄せられている要望等を踏まえ、より分かりやすいカレンダーとなるよう検討してまいりたいと考えております。


生島典明副市長

次に、経済と雇用対策についてお答えいたします。

 1点目の札幌市の経済・雇用状況及びこれまでの対策の効果でありますが、札幌市の経済・雇用状況は、個人消費の動向や直近の有効求人倍率を見ましても、依然として極めて厳しい状況にあると認識しております。
 札幌市としましては、昨年12月より、補正予算の編成も含め、間断なく経済・雇用対策を実施してきたと考えておりますが、今後も、機動的に対策を講じてまいりたいと考えております。
 次に、地域活性化・公共投資臨時交付金についてでありますが、これは、国の補正予算に係る公共事業などを地方が行う場合に、地方負担のおよそ9割を、21年度に限って国から交付を受けるものであります。
 この交付金による事業につきましても、他の事業と同様に、市内中小企業の受注機会の確保に配慮して進めてまいりたいと考えております。

次に、2点目の札幌市独自の経済対策についてであります。

 まず、住宅リフォーム助成制度の有効性につきましては、住宅改修の需要を喚起するとともに、関連業種の受注増を促すという一定の経済波及効果があるものと認識しており、その制度化に関しましては、他の自治体における実施状況や、本市議会での議論も踏まえて対処していく必要があると考えております。
 次に、除雪業者への除雪費用の支払いについてであります。
 除雪業務につきましては、出来高に応じて支払いをすることが基本でありますが、札幌市では「最低保障額」を設定し、必要な経費を割り込まないよう対応しており、平成20年度に引き上げを図ったところであります。
 今後とも、より実態に即するよう改善を図ってまいりたいと考えております。
 次に、3点目の雇用対策についてお答えいたします。
 まず、来春の高卒者の就職支援についてですが、求人数が前年度に比べて大幅に落ち込んでおり、大変憂慮しております。今後、ハローワークなどと連携して、経済団体に対する要人要請や合同企業面接会などを通じて就職を支援してまいります。
 札幌市における採用につきましては、現在「札幌市版ワークシェアリング」を実施しておりますが、今後の雇用情勢を勘案しながら、引き続き検討してまいります。
 また、未就職者に対する「就業支援事業」につきましては、ご指摘の制度について、現在、見直しの動きもあることから、まずは、その動向を注視してまいりたいと考えております。
 次に、季節労働者対策についてですが、今後とも「通年雇用促進支援事業」の取組を進めるとともに、冬期就労事業の実施可能性についても研究してまいります。また、雇用保険特例一時金につきましては、これまでも国に対して、給付日数を40日とする暫定措置の維持存続について要望しているところであり、今後とも、その実現に向けて取り組んでまいりたいと考えております。

次に国民健康保険の問題についてお答えします。

 1点目の資格証明書の交付についてであります。
 まず、国庫負担の減少に関する認識と増額の要望についてでありますが、過去の国庫負担の減少については、制度改正により被用者保険からの拠出金等、別の財源に置き換えられてきたためと認識しております。
 しかし、札幌市の場合、一般会計から多額の繰入を行い、保険料の抑制を図るなど財政運営に苦慮していることから、国に対し、財政基盤の支援を要望し続けているところであります。
 次に、悪質滞納者以外の資格証明書の発行の停止についてであります。
 資格証明書は法令に定める特別な事情がないにもかかわらず、1年以上滞納を続けている世帯に対し交付することとされており、その交付にあたりましては、個々の生活状況等を十分に考慮し、適切に対応しているところであります。
 2点目の療養給付費の減少と医療機関への受診についてであります。
 まず札幌市医師会長の提言については、市民に身近な場所で、地域医療を担われている立場から、制度全般に対して発せられたご意見と認識しており、国の低所得者政策や医療制度改革の検討において十分生かされるべきと考えます。
 また、平成20年度決算の療養給付費の減は、加入者数並びに一人あたり医療費が予算見積よりも少なかったためであり、その理由として医療制度改革の影響を予測しきれなかったことが大きな要因であると認識しております。
 3点目の一部負担金減免制度の活用についてであります。
 一部負担金減免につきましては、従来からパンフレットなどによって制度の周知を図っており、加入者から相談があった場合は、個々の事情に応じ、今後も適切に対応してまいりたいと考えております。
 4点目の特定健診の受診率向上についてであります。
 ご質問は4点に分かれておりますが、関連がありますので、一括してお答えいたします。
 今年度の受診率向上対策としましては、新たに電話による個別の受診勧奨を始めるなどPR活動の強化を図っているところです。
 その一方、20年度の未受診者などに対するアンケート調査を実施し、その結果、「受診忘れ」あるいは「理解不足」が受診率低迷の主な原因であることが分ってまいりました。
 今後は、アンケートに寄せられた意見や要望などを踏まえ、さらに受診勧奨を強化していくとともに、日曜日の健診実施の効果や費用負担のあり方についても検討を行い、受診率向上対策の充実・強化を図りながら、計画目標を達成できるよう努めてまいりたいと考えております。

次に、介護保険の問題についてお答えいたします。

 1点目のこの10月から適用される新認定基準についてでありますが、国では、その実施に当たって、認定調査員等を対象とする研修会を開催するほか、研修用DVDの配布やインターネットによる研修内容の配信など行っております。
 札幌市におきましても、認定調査に携わる職員等に対する職場研修の実施や介護事業所への通知、利用者用リーフレットの作成、配布など、その周知を図ってきておりますが、引き続き、関係機関の協力を得ながら、新基準の理解と適切な運用に努めてまいりたいと考えております。
 次に、2点目の特別養護老人ホームの増設についてであります。
 待機者の増加については、高齢者福祉施策を進める上で、重要な課題であると認識しており、その解消に向け、高齢者保健福祉計画に基づく施設整備を進めているところでありますが、計画数を超える増設につきましては、介護保険料に及ぼす影響や待機者の動向、計画の進捗状況などを見極めながら検討してまいりたいと考えております。
 また、大規模施設を新設する場合、ユニット型と多床室の併設は、現在の国の設置基準では認められておりませんが、入所者の多様なニーズに対応するため、これらの併設が可能となるよう引き続き国に働きかけてまいりたいと考えております。

次に、医療の課題についてお答えします。

 1点目の新型インフルエンザ対策についてですが、一つ目は、医療供給体制の確保についてであります。
 重症化する患者につきましては、国の流行シナリオを基に札幌市では500人程度と想定しているところでありますが、医師会と協力して、人工呼吸器などが必要な重症患者を受け入れる医療体制を確保することとしており、市立札幌病院もこの体制の中で、応分の役割と責任を果たしてまいりたいと考えております。
 二つ目は、市民への情報提供と自宅待機対策についてであります。
 新型インフルエンザワクチンの接種につきましては、優先順位が高い方々への正確な情報提供及び接種体制の確立が不可欠と考えております。
 このため、医師会などと連携して接種体制を整備し、予防接種を実施する医療機関を始め、乳幼児施設及び高齢者施設などを通じて、計画的に接種を受けるよう働きかけてまいりたいと考えております。
 また、感染が疑われる濃厚接触者に対しましては、国の運用指針では、感染拡大防止行動の理解と協力を求めることとされており、自宅待機を命じることは想定していないことから、企業などに特別休暇制度の導入を求めることは困難であるものと考えております。
 三つ目の医療機関への支援策についてであります。
 現在、国及び北海道において、感染症患者の入院病床及び院内感染防止のための設備整備に対して、新たな補助制度の導入手続きを進めているところであり、この活用を図ってまいりたいと考えております。
 四つ目の札幌市の緊急対策についてであります。
 まず、資格証明書交付世帯に対する保険証の緊急交付等についてであります。
 現時点における国の新型インフルエンザへの対応は、基本的には季節性インフルエンザによる受診と同じ考え方に立つものです。
 札幌市においても、同様に考えておりますが、もし、医療機関への支払いが困難であれば、各区役所の窓口への来庁あるいは電話により相談をいただくことにより、一旦、短期証を交付するなど、状況に応じて柔軟に対応してまいりたいと考えております。
 また、無保険者や生活困窮者への対策についてですが、これらの方々の状況に応じて、国保への加入や生活保護の適用など、適切な対応をしているところであります。
 新型インフルエンザの接種費用の公費助成につきましては、まずは国において検討されております低所得者への補助制度の動向を注視してまいりたいと考えております。
 次に、肺炎球菌ワクチンの接種費用の公費助成についてでありますが、任意の予防接種における優先順位を考慮しつつ、他都市の動向も注視してまいりたいと考えております。
 2点目の乳幼児の細菌性髄膜炎への対応についてであります。
 接種率及びその向上につきましては、現在、ワクチンの確保が困難な状況であり、まずは供給量の確保に向けてメーカーに働きかけているところであります。
 また、先ほど公明党三浦議員のご質問にもお答えいたしましたが、接種費用の補助制度の導入については、ワクチンの供給量及び接種体制への影響などを総合的に勘案し、検討を進めてまいりたいと考えております。


北原敬文副市長

 貧困の問題についての2点目、市立高校授業料についてお答えします。
 教育委員会といたしましては、これまでも、経済的な理由によって学業を途中で断念し、退学せざるを得ない生徒を出さないようにするため、授業料の減免をはじめ、返済義務のない札幌市奨学金の受給者数拡充などの支援を行ってきたところであり、引き続き、こうした観点に立って取組を進めてまいりたいと考えております。
 また、ご指摘の条例においては、本年の第2回定例市議会でもお答えしたとおり、特別の事情がある者に対する授業料の減免制度も定めており、個々の生徒の実情を勘案しながらきめ細かに対応することが示されていることから、特に条例改正を要するものとは考えておりません。
(なお、現在、国においては、高校における授業料の存在を前提に、公立高校においては実質的な無償化を図る検討が行われておりますことから、その動向も見極めてまいりたいと考えております。