代表質問・論戦・意見書 等

日本共産党札幌市議団

札幌市第1回定例議会・本会議

討論(10年3月30日 本会議討論)

村上  仁 議員

 討論に先立ちまして、グループホーム「みらいとんでん」の火災で亡くなられた方々のご冥福と、負傷された方の一日も早い回復をお祈り申し上げます。
 このような悲劇を繰り返さないために、グループホームなどの入所施設には、ただちにスプリンクラーを設置すべきことを強く求めておきます。
 ただいまから、議題となっております議案28件について、日本共産党を代表して討論を行います。
 私は、議案第1号一般会計予算、議案第5号 国民健康保険会計予算、議案第7号 後期高齢者医療会計予算、議案第17号職員定数条例改正案、議案第18号特別職の職員給与条例改正案、議案第19号市税事務所設置条例案、議案第20号 老人休養ホーム条例改正案、議案第21号 国民健康保険条例改正案に反対し、残余の議案20件に賛成いたします。
 まず、一般会計予算案についてですが、当初予算が8229億円です。異例ですが、この当初予算が提案された本定例会に新年度の補正予算約6億円も合わせて提出され、合計約8235億円の新年度予算になりました。
 当初予算を前年度と比較すると349億円の増となっていますが、政策的経費は逆に14億円減額となっています。
 厳しい行財政運営を強いられているときこそ、市民福祉の増進と市民負担の軽減を図りながら、適正な歳入の確保を心がけるべきです。
 予算案に反対する理由の第1は、保育料値上げなどの市民負担増の問題です。
 新年度の保育料の所得階層区分にD9という新階層を設け、前年度までの保育料に比べ3歳未満児で9,500円も値上げして1ヶ月6万9,000円にしようとしています。ゼロ歳と2歳の子どもがいる場合には、1ヶ月の保育料が10万3,500円にもなります。いくら所得の高い階層だと言っても、あまりにも高い保育料で、生活費を圧迫するものです。新階層に該当する保護者に、すでに子ども未来局から「あなたの世帯は値上げになる予定です」という趣旨の通知を郵送しておりますが、私どもの議員団控室に電話で「こんなことがいつ決まったのか。新政権が提案したのか。市議会は賛成するのか。子ども1人の保育料が年間11万4千円も高くなるのは納得できない」という怒りの声が寄せられています。
 さらに、市営住宅家賃の値上げと老人福祉センター入浴料の有料化を行うとしていますが、市民生活が厳しい中、これらの値上げや有料化などの市民負担増は撤回すべきであります。
 理由の第2は、人減らしです。
 本市の人口当たりの職員数は、一般行政部門において、18政令指定都市中でもっとも少なく、一番多い大阪市の54%にしかなりません。さらに、新年度は職員全体で265人削減するとしています。この4年間では760人も減らしており、財政の厳しさを人件費の切り詰めで乗り切ろうとして職員定数の削減を続けてきたために、職員の健康状態にも支障をきたし、メンタルを含め病気による長期休務者が増え続けております。これ以上の人減らしと労働強化には反対です。
 したがって、関連する議案第17号職員定数条例改正案にも反対であります。
 理由の第3は、福祉施設の指定管理者の選定の問題です。
 知的障がい者の通所施設である第二かしわ学園及びあかしあ学園への指定管理者制度を新たに導入するとしています。このような施設では、職員と通所者の良好な人間関係を構築をすることが不可欠ですが、指定管理者を公募することで、職員が全員入れ替わってしまい、通所する知的障がい者には大きな負担となるものです。昨年、精神障がい者の通所施設・こぶし館で、管理者の指定辞退が問題となりましたが、安定した運営を求められる施設においては、民営化ではなく公的責任で運営すべきです。
 歳入についてですが、市民税は個人・法人ともに減額の予算であり、現年課税分で77億2,800万円6.4%の減としています。市民生活の厳しさと、地元経済に明るさが見えない反映であり、丁寧な納税相談の体制が求められています。
 ところが、今年から、各区役所にあった税務部門を区役所から切り離し、新たに市税事務所を設置するとしていますが、その数は、現在の半分の5箇所のみであります。市民にとっては遠く不便になるうえ、福祉の手続きもあわせて行ないたい場合には、市税事務所と区役所にそれぞれ行かなくてはならなくなります。新たな事務所家賃や水道光熱費もかかるうえ、駐車場を借り上げることなどで、経費が多くかかることになります。結局、明らかなことは、職員を60人減らすために、市民が不便を強いられることであり、容認できないものです。
 したがって、これに関連する議案第19号市税事務所設置条例案にも反対です。
 行財政改革プランで、財産の有効活用として、市有地の売り払いを行なってきましたが、これまで売れやすいところから売ってきたや、不動産市況の低迷もあり、「今後はこれまで以上に厳しい」との答弁がありました。財政調整基金が48億円まで減少することもあり、委員会では、本市が歳入の確保に真剣に取り組むよう求めました。
 道内の35市中33市で、法人市民税の超過課税を14.7%で課税しているにもかかわらず、本市を含む2市だけが14.5%と低い税率にしています。大手の企業で、しかも黒字のところから徴収する税ですから、税率をあげてもなんら問題はありません。本当に財政が厳しいと言うのであれば、黒字の大手の企業に課税する法人市民税の超過課税の税率を道内の他の市なみに引き上げるべきであります。
 市内の自衛隊基地の固定資産税相当額は約2億円になるにもかかわらず、国が基地交付金として本市に交付しているのは1億円と、半分にしかならないことを指摘しました。正当な額を交付するよう、さらに国に求めるべきであります。
 次に、議案第5号 国民健康保険会計予算についてですが、保険料未納世帯は、昨年度6万4千世帯、約20%にも達しており、高すぎる国民健康保険料を軽減し、支払い可能な保険料に引き下げを図るべきです。また、資力があるのに故意に保険料を払わない悪質な滞納者を除いて、資格証明書の発行は直ちにやめるべきです。したがって、本議案には反対です。
 次に、議案第7号 後期高齢者医療会計予算についてです。4月から保険料が4.99%、3,102円も値上げすることは問題です。また、受けられる医療も年齢で差別するものであり、制度そのものを即刻廃止すべきです。したがって、本議案には反対です。
 次に、議案第18号特別職の職員給与条例改正案についてです。この条例改正案は、市選挙管理委員、区選挙管理委員、人事委員、監査委員、農業委員について、月額報酬とは別に日額報酬を加算して支給していたものを、日額加算を廃止して月額報酬のみを支給するというものです。
 まず、地方自治法第180条の5により、選挙管理委員は常勤とすることはできないことが明文規定されています。
 次に、非常勤の委員の報酬について、地方自治法第203条の2第2項で、「その勤務日数に応じてこれを支給する。ただし、条例で特別の定めをした場合はこの限りでない」としています。「勤務日数に応じて」支給すること、すなわち、月額報酬ではなく、日額で支給することが原則だということは明らかです。しかし、「ただし書き」の部分で、「条例で特別の定め」をすると月額報酬を支給することが可能だとされていますが、どういう場合に、「条例で特別の定め」をすることが認められるのかということが問題です。
 この点について、昨年1月の大津地裁判決が法の解釈を明らかにしています。
 すなわち、非常勤の委員に、「特別の定め」を適用させられるのは、「その勤務実態が常勤の職員と異ならない場合に限られる」としています。
 それでは本市選挙管理委員の勤務実態はどうかということになりますが、選挙の無いときは月に1回程度の会議で、それも20〜30分で終わることが多いということでありますから、常勤職員とはかけ離れた勤務実態であると言わざるを得ません。
 現在、被告の滋賀県が控訴し係争中でありますが、今後、滋賀県の敗訴が確定した場合には、今回の議案第18号は、法律に違反した条例になり、再び改正しなくてはならなくなります。
 地裁では選挙管理委員の月額報酬を違法とした点も踏まえ、審理中の裁判の結果次第で違法になるような条例案を議会に提出すべきでないと考えます。また、選挙管理委員の勤務実態を市民の目線で見ても、月額報酬ではなく、日額報酬制にすべきであります。したがって、この条例改正案には反対です。
 次に、議案第20号 老人休養ホーム条例改正案についてですが、これは、定山渓の「ライラック荘」を廃止し、跡地と温泉源を一体に売却しようとするものです。
 2008年度ライラック荘は、宿泊と日帰り入浴を合わせて16,632人と多数の人が利用し、老人クラブ連合会からも存続の希望が出されていました。高齢化の時代を迎え、高齢者に喜ばれている施設は、廃止ではなく充実させるべきです。したがって、本条例案には反対です。
 次は、議案第21号 国民健康保険条例の一部を改正する条例案についてです。国民健康保険料の算定基礎の規定を変更し、上場株式等の譲渡益・配当に対する税率を20%から10%に引き下げることを2年間延長し、金融資産を持つ富裕層への優遇をひろげることになるものです。したがって、この条例案には賛成できません。
 次に、歳出についてですが、代表質問ならびに本委員会で指摘したことについて、局別に述べてまいります。
 まず、総務局についてです。
 本庁舎に設置を進めているLED照明はチラつきがあり、体調不良を訴える人も発生しました。LED照明は、製造基準も無く、普及していないものですが、それをテストせずに設置したために、結局、設置工事をやり直し、税金のムダ使いになったことは問題です。
 市民まちづくり局についてです。
 北1西1街区の再開発ビルに関して質問しました。昨年3月に国際ゾーン構想をほうふつとさせる巨大ビルの絵が示されましたが、委員会では、事業計画が白紙に戻ったという答弁でしたので、あえて反対しないこととしますが、今後の事業化にあたっては、保留床が売れ残り赤字となる大型開発としないこと、車の流入を抑制させることと環境配慮を明確に打ち出すことを求めておきます。
 消費者センターの電話回線を増やすこと、相談コーナーのプライバシー対策を求めました。また、高齢者の被害が増えていることから、地域包括支援センターなど地域福祉と消費者相談の連携、協力体制の構築を強めることを求めておきます。
 アイヌ民族についてです。本市アイヌ施策推進検討委員会の報告書に基づき、公募市民等からなる協議機関を設置して、アイヌ民族の誇りが尊重されるまちづくりを進めるとのことですが、市街地に相談、交流施設を設置することを求めておきます。
 保健福祉局についてです。
 介護保険について質問しました。福祉用具購入費、及び住宅改修費の費用負担が1割負担となる受領委任払い制度を一日も早く導入すべきことを改めて強調するものです。
 また、本市の介護保険の利用限度額に対する平均利用率が40%と全国平均より低く、所得の低い人が利用料の支払いができないために、必要な介護サービスが受けられない事態を一刻も早く改善すべきです。
 昨年12月の待機者数が6,040人、特に、介護度の高い要介護度4と5の方が約2,000人いるのに、予算では、定員をわずか138人しか増やさないとしており、これでは全く不十分であるといわざるを得ません。
 総合支援資金についてですが、申込件数が増えているなか、貸付を受けるまで、約3か月もかかるのは問題です。相談員の充実と道との連携、本市独自の「つなぎ資金」を創設するなど、生活困窮者への迅速な対応を求めておきます。
 また、昨年12月から国の補助金を活用し、ビジネスホテルを借りて実施してきた緊急一時宿泊事業は、4月末まで延長するとのことでした。しかし、市内の雇用情勢は、改善したとは言えないため、5月以降も延長すべきであります。
 自殺予防対策については、地域での取り組みのほか、本市の職員へのメンタルヘルスへの対策と併せ、取り組みをすすめることが重要です。本市が地域や民間企業に対し、先進的役割を発揮することを求めるものです。
 子ども未来局についてです。
 子ども未来プラン後期計画において、5年間で3500人分の保育所の定員増をはかるとしております。しかし、今年1月1日現在の待機児童数は2006人、超過入所児童数は2076人となっており、この合計、すなわち定員を増やさなければならない数は4082人と、すでに5年間の目標の3500人では足りない事態となっております。まず、3500人分の定員増をただちにやりあげ、さらに目標を上乗せすべきです。
 学童保育についてですが、4年生以上も事業の対象にすること、年度途中で10人を割り込んでも年度末まで奨励金を続けることを求めてきました。ただちに実施するようあらためて求めておきます。
 環境局についてです。
 2007年策定の本市温暖化対策推進計画で、二酸化炭素の排出量を「2010年に1990年よりも6%削減する」としています。しかし、2006年時点で逆に10.5%も増やしていることは問題です。抜本的に取り組みを強めるよう求めておきます。
 集団資源回収の業者に対する奨励金についてですが、古新聞には1キロにつき1円出されていたものを、ゼロにすることについて、業者から反発の声が上がっています。理解を得られるように見直すことをもとめるものです。また文字が小さくて不評の「ごみカレンダー」についてですが、少し字が大きくしたとのことですが、さらに、見やすい月めくりカレンダーすることを求めておきます。
 次に、経済局についてです。
 中小企業振興条例についてですが、業者の実態把握や意見を聞く職員体制の充実や幅広い業者・団体との懇談会を開催するなど、製品の開発や販売ルートの開拓、及び後継者の育成など、総合的な振興策を進めるよう求めるものです。
 季節労働者対策として、通年雇用化の推進はもちろんですが、今行っている実態調査の継続と更なる本格的な調査の実施をすべきです。
 また、交差点の氷割や除排雪、春先の道路清掃など、市の事業に季節労働者を積極的に結びつける対策の推進を急ぐべきだと改めて強く求めておきます。
 次に、観光文化局についてです。
 雪まつりのウインタースポーツについては、現在、中島公園で行われている歩くスキーや地域の取り組みを生かしながら、市民や観光客が気軽にウインタースポーツを体験できるサポート体制と施設の充実を図るべきと申し上げておきます。
 次に、建設局についてです。
 除雪業者への支払いは出来高払いのため、今年の契約額に対する支払い見込み額は4億4千万円も減少しており業者の経営は深刻です。除雪業者への支払いは、人件費だけでも固定化すべきと求めました。
 また、通学路に指定されていない生活道路についても、危険な場所や地域住民の要望がある場合については、児童の安全確保のため、排雪すべきことを求めておきます。
 全国各地で観測史上に無い集中豪雨による被害が発生していることから、主に都心部の浸水対策として、大規模施設や駐車場に対する雨水流出抑制の徹底、及び雨水浸透ますの設置には、本市独自の助成制度を創設するなど、計画的整備を求めるものです。
 次に、都市局についてです。
 住宅エコリフォーム補助制度についてですが、予算規模が1,500万円で件数30件では、本市の意欲が感じられません。申込件数が予算を超えた場合には、抽選ではなく、補正予算を組んで経済の活性化を図るべきです。
 市営住宅の問題についてです。本来実施すべき計画修繕が行われず、毎年、積み残しが増えているのは問題です。
 入居者も待ち望んでおり、市内の経済波及効果も期待されることから、積み残しを解消するよう積極的に計画修繕に取り組むべきことを改めて強調しておきます。
 新たな市営住宅の建設については、自治体の裁量で建設できるように変わったということでした。相変わらず応募倍率は高く推移しており、今後、計画を策定する中で、新たな市営住宅の建設を検討すべきであります。
 自殺予防対策の観点から、高層市営住宅からの転落防止対策について質問しました。本市の自殺予防対策では、高層建築物への対策が求められており、本市から自治会などに転落防止対策の必要性を積極的に働きかけ、早急に対策を講ずることを求めておきます。
 次に、交通局についてです。
 地下鉄の安全対策として東西線に可動式ホーム柵が設置され、投身事故やホームへの転落事故など、生命にかかわる事故が解消されました。南北線・東豊線への設置は、前倒しするよう求めておきます。
 次に、病院局です。
 市立札幌病院職員の看護助手には、正職員と委託職員がいます。厚生労働省の通知では、「発注者が委託職員に対して業務に関する指示をすることは、偽装請負となる」としていることから、感染防止対策上、正職員と委託職員との意思疎通や連携上の問題を指摘しました。    全ての病院職員が情報の共有と迅速な連携、臨機応変に対応することで、感染を防がなければなりません。感染防止対策と患者サービスの充実のため、委託業務から直接雇用に切り替えるべきであります。
 消防局についてです。
 救急隊が、病院に搬送患者の受け入れ要請をしても断られることがあり、この3年間で、7箇所以上の要請を行なったことが24回あったことが明らかになりました。北海道が12月に設置した協議会が十分な機能を発揮できるよう本市が積極的な役割を果たすよう求めるものです。
 最後に、教育委員会についてです。
 教員の精神疾患による休職の多さを指摘しましたが、時間外勤務を減らすなど過重負担の軽減が必要です。
 また、学校図書館の無い学校の解消を求めてきましたが、来年度には全校に図書館が整備される見通しが示されました。蔵書の充実ともに、専任司書の配置を求めるものです。
 中学校のスキー授業の実施校を増やす方向が明確になりましたが、スポーツ団体の協力を仰ぐとともに、保護者や教員の負担軽減に努めるよう求めておきます。
 以上で私の討論を終わります。