代表質問・論戦・意見書 等

日本共産党札幌市議団

札幌市第3回定例議会・本会議

討論(10年10月29日 本会議討論)

伊藤りち子 議員

 私は、日本共産党を代表して、ただいま議題となっております議案7件中、議案第1号各会計歳入歳出決算認定の件、議案第2号 病院事業会計決算認定の件、および議案第5号 高速電車事業会計決算認定の3件に反対、残余の議案4件に賛成の立場で討論を行います。
 一般会計当初予算は、7880億円でしたが、最終予算は8723億円で、前年度より6・1%増となりました。

〈1〉各会計決算に反対する理由の第1は、過酷な差し押さえを急増させている問題です。
 委員会で、脱・国保料・保育料滞納者に対する差し押さえ問題を取上げました。税では2005年度、2,484件が、2年後には6,340件と3倍に急増しています。国保料の差し押さえは、2006年度66件から、3年後474件と7倍になっています。保育料は2008年度からあらたに差し押さえを行うようになりました。これらはいずれも1、2年を前後して差し押さえが強化されたものであり、本市の徴集強化の姿勢のあらわれです。
 特に税の場合は、今年度8000件差し押さえるという目標を設定していることが今回明らかになりました。滞納者は、税や国保料だけでなく、さまざまな多重債務に苦しんで、そこから抜け出す道を見失っていることも多く、債務者と本市職員が一緒に考え、解決の道をみいだし、生活再建に踏み出すことができるよう支援することが、行政として、本来あるべき滞納整理の姿ではないでしょうか。差し押さえ件数の目標を持って推進することは、安易に差し押さえを行うことにつながり、生活再建の道を断つことにもつながるものであり、件数目標は廃止すべきです。
 分割納付の相談などに行っても窓口で追い返される、全額持って行かなければお金を受け取らないという事例もしばしばおきています。滞納していても払う意志のある世帯には、払える金額の分割納付を認め、差し押さえの対象から外すべきです。
 また、子ども手当てや児童扶養手当が口座に入った次の瞬間、差し押さえの対象とされてきたことは問題ですが、「狙い撃ちにはしない」旨の答弁がありました。子ども手当、児童扶養手当、学資保険など、子どものための大切なお金には、市と言えども手をつけることは許さないことを強く訴えるものです。
 第2は市民負担の強化です。
 もっとも影響の大きかったのは家庭ごみ有料化です。7月1日からの有料化で、市民負担の強化が29億円、平年度ベースで37億円、4人家族で年間7400円の負担です。また、政令改定によって市営住宅家賃が値上げされました。対象世帯は6,090世帯で平均の値上げは3,897円と試算されていました。
 昨年度の本市の勤労者世帯における1ヶ月平均の可処分所得は43万2,361円で、1999年と比べると4万3,696円と9%減額となっています。市民生活が厳しくなっている中、市民負担の強化には反対です。
 第3は、大企業を優遇する使用料の引き下げです。道路等を占有している電柱や施設、地下への埋設管などの占有料が30億円から16億円へと大幅に引き下げられました。これらの恩恵に浴しているのはNTTや北電、北ガス等であり、大企業からは応分の負担を求めるべきです。
 第4は、職員定数問題です。2003年度から今年度までの7年間で定数1,756人減らし、非正規雇用である臨時職員を同じ期間で271人増やしていることは、雇用のあり方として問題です。昨年度も、定数を190人減らしていることには反対です。
 第5は、後期高齢者医療会計です。この制度は、高齢者の受診抑制を第1の目的としていること、年齢で医療差別をする制度であることなど国民の強い怒りが広がっています。これに対して本市の高齢者から不服審査請求の申し立てが39件もあります。わが党は、当初から制度の廃止を申し上げており、この決算には反対です。

〈2〉次に、議案第2号 病院事業会計決算についてですが、自主料金の見直しとして、助産料4万4,000円の値上げや新生児介添え料の負担2倍増、文書料などの上限額が引き上げられました。新設された非紹介料、紹介状を持たずに来た患者への負担や死後処置料などで、合わせて5,046万3,550円もの新たな負担が生じました。厳しい経済状況下、合計特殊出生率が全国でも最低ランクに甘んじているなかでの出産に関わる値上げは反対です。文書料は政令指定都市で最も高い料金であり、死後処置料も道内で突出して高く設定されています。このような負担強化は認められません。

〈3〉次に、議案第5号 高速電車事業会計決算についてですが、東西線のワンマン運転化に伴い、合計58名の人員が削減されました。市民の安心と安全運行からみても、常勤職員は定数を下回るほど削減し、非常勤職員に置き換えているのも問題です。

―以下、代表質問及び特別委員会で指摘した主な課題について、局別に述べてまいります。

 まず、危機管理対策室関係です。

 避難場所と備蓄倉庫が別々である問題を指摘しました。厳冬期は防寒具の届くのが遅れると負傷者や高齢者は、体力の消耗により死亡することも考えられます。体育館などの避難場所と備蓄倉庫を一致させるべきですが、そうならない場合には、全ての避難場所に、一定量の毛布、使い捨てカイロ、アルミ製緊急防寒ブランケットや発電機、暖房用ジェットヒーターなどを、備蓄品として新たに加えるべきです。


 次に、市長政策室関係です。

 市民評価、事業仕分けについてです。
 税金の無駄使いは削るべきですが、高齢者福祉や健康づくりなど、市民が充実を求めている事業は、単に効率性や経費削減を前提に仕分けすべきではありません。
 また、市民目線、市民感覚と言いながら、仕分け対象事業を選定したのは市役所です。市民や利用者から喜ばれている老人休養ホーム札幌市保養センター駒岡については廃止すべきではないことを改めて指摘しておきます。仕分け対象は、市民の立場から項目を選定することが大切です。莫大な税金を投入する北1西1街区再開発や幹部職員の天下り問題こそ仕分けすべきであり、事業仕分けの在り方全体を見直すべきことを指摘しておきます。 指定管理者における雇用問題についてです。本市の指定管理者で働く人の3分の2が低賃金の非正規雇用となっています。指定管理者制度は、4年ごとに更新されることから、労働者は4年後の自分がどうなるのか、人生設計に一切見通しが持てない仕組みであることは問題ですが、当面、正規雇用を増やすための誘導策をとって対応することをもとめておきます。


 次に、総務局関係です。

 職員のサービス残業について取り上げました。本市の行った時間外勤務に関する調査は、対象が課長職だけであり不十分です。全職員を対象とした調査を行い、サービス残業を根絶すべきです。
 また、安全衛生委員会の開催計画は、法令では月1回の開催を求めており、年12回の開催を計画すべきです。


 次に、市民まちづくり局関係です。

 北1西1街区の再開発については、大規模な再開発ビルであること、不動産市況が厳しいことから、保留床が予定通り処分できなかった場合、ビルの建設費が捻出できなくなることが懸念されます。再開発は全国的にも失敗した事例が多いことから、北1西1街区の再開発ビルは、施設全体が過大となりすぎ、売れ残った保留床を市が後始末として購入するという税金の無駄づかいとならないよう、あらためて厳しく指摘しておきます。
 高齢消費者被害防止ネットワーク事業についてです。地域や他部局とも連携しながら、1人暮らしや認知症の方など、悪質商法の被害を受けやすい高齢者への被害防止対策に取り組むげきです。


 次に、財政局関係です。

 10か所の区役所から税務部門を無くし、市税事務所を5か所設置したことで、市民の利便性が損なわれる問題を指摘しました。3月と6月の繁忙期に駐車場不足など、混乱することの無いよう、特別な手立てを検討すべきです。


 次に保健福祉局関係です。

 通院介助についてですが、病院内での「見守り」や「付き添い」が介護保険の対象になっていない問題を取りあげました。障がいのある方が病院に行った場合、待ち時間のトイレ、検査室への移動時の介助や認知症などの方は、医師から診察内容を聞く同伴介助も欠かせません。病院内の対応は病院職員が行うこととされていますが、実際には職員の手も足りず、十分な介助をすることは困難です。
 今後予定されている実態調査で、現状を把握して、保険者である本市として国に申し入れるとともに、独自基準を設けて、院内介助を介護保険で実施すべきです。
 障がい福祉についてです。点字ディスプレーは重度障がい者等の福祉の増進に資する事を目的として、日常生活用具給付等事業とされていますが、本市では、視覚・聴覚の重複障がい者のみが対象であり、視覚障がいでけでは給付されていません。視覚障がい者の日常生活と社会参加を支援するために、一日も早く給付要件を緩和することを強く求めます。


 次に、子ども未来局関係です。

 子ども・子育て新システムは、保育を市場化し、営利企業の参入を自由化するとともに、社会保障としての公的責任を失わせるものです。保育の市場化は行わないよう申し上げておきます。保育所給食の外部搬入は、行わない旨の答弁がありました。全市に徹底するよう求めておきます。
 待機児童と超過入所は5年間で3500人分の整備計画を思い切って前倒しして、2年間で整備の見通しをつけ、その時点で、まだ足りなければ整備計画を上乗せすべきことをあらためて申し上げておきます。


 次に児童相談所についてです。

 児童福祉司が受け持つ虐待の相談件数は、1人当たり19件で5年前の2倍になり、施設入所や里親への委託など、困難なケースも増えているため、増員を求めるものです。また、親の孤立を防ぎ一時保護に至らないうちに相談を受けることができるよう積極的な地域連携に取り組むことが求められています。児童相談所の機能は抜本的に強化すべきと申し上げておきます。


 次に、環境局関係です。

 本市の二酸化炭素排出削減目標の達成のためには、2020年までに2007年の排出量の42%、507万トンを削減しなくてはなりません。削減目標を達成するために、市営住宅の建て替えや、東雁来第二土地区画整理事業や民間のマンション建築など、一定規模の宅地造成に際して、住宅が共同利用する、中規模のコージェネレーションの導入や公共交通の利用拡大など、全庁、全市をあげて二酸化炭素削減のとりくみを進めるべきです。削減目標を達成するためには、確実な実行計画をつくり、毎年、削減状況を検証しながら着実に進めるべきです。
 建物を解体する際に、スレートとして屋根や壁の材料に使われたアスベストが建設廃材に混入したまま、砕石としてリサイクルされた問題が起きました。本市でも、再生砕石を路盤材、下水道管や公園遊具の土台等に使用されており、アスベストの混入の可能性があるため、再生砕石と関連事業者の健康について調査することを求めるものです。


 次に、経済局関係です。

 コミュニティー型建設業創出事業は廃止をふくむ見直し、地域商業魅力アップ事業については、見直しとなっていますが、地域の核となる商店街や厳しい経済状況下で疲弊している中小零細建設業を支援すべきです。当事者の声を尊重し、事業存続に向けて尽力すべきと申し上げておきます。


 次に、観光文化局関係です。

 中島体育センター・宮の沢屋内競技場は、市民に親しまれ、利用者も多い施設です。学生から高齢者まで幅広い世代が利用しており、健康増進やスポーツ振興にも大きく貢献しています。委員会で、存続したい旨の答弁がありましたが、利用者の声も聞かず、機械的に効率化のみを優先して廃止すべきではありません。
 市民交流複合施設ホールについてです。再開発事業のなかで進められていることから、具体的な構想が明らかでありません。現在もホール部分等の総事業費が示せずにいますが、今後の検討においては十分に市民意見を反映させ、華美で過大なものにならないよう慎重に進めることを求めます。


 次に都市局関係です。

 市営住宅の住み替えについてですが、遅々として進んでいない実態を質しました。5階建てに長く住んでいる高齢者で、病院に行く妻をおんぶしたところ、肋骨を折ってしまったという話をうかがいました。階段の上り下りが大変なので買い物の回数を減らしている方もたくさんいます。高齢者にとって住み替えは命に関わる待ったなしの大問題であり、早急に手だてを講じることを改めて指摘しておきます。
 また、応募倍率が常に高倍率で推移している状況から市営住宅の新設と民間住宅の家賃補助導入を強く求めるものです。


 最後に、教育委員会関係です。

 教員の勤務実態と健康破壊の関係について質しました。教員の時間外勤務が著しく多く、昼休みも休めないなど、長時間、緊張感が続くことが健康破壊の重大な要因であることを指摘しました。教員の負担軽減を図るために、報告書類作成の軽減や教員の支援として小学校での学びのサポーター活用時間を増やすべきです。
 また、教員の負担軽減にもなり、どの子にも目が行き届く30人学級を実施すべきです。
 子どもの貧困に関わり奨学金制度と就学援助制度の充実を求めました。希望しても1,000人以上が市の奨学金を受けられないのは問題です。貧困が広がる中、意欲があっても学べない子どもを無くすために、奨学金制度枠は緊急に拡大すべきです。
 また、生活に困窮していると思われる場合には、就学援助制度の利用を積極的に促すべきですが、4月に申し込んでも、支給が6月末では遅すぎます。事務作業の問題とのことですから、体制をとって支給を早めるべきです。
 メガネは援助対象外ですが、本市独自の判断で導入できるものであり、子どもが黒板の文字が見えないまま授業を受けることが無いよう学習権を保障する観点から就学援助の対象とすべきことをあらためて強く求めておきます。本市では、全小学校でスキー授業を実施している一方で、中学校では、30%の実施率にとどまっている問題を指摘しました。全中学校での実施を求めるとともに、スキーリサイクル事業など、用具への費用負担を軽減する配慮を拡大することを求めておきます。



 以上で私の討論を終わります。