代表質問・論戦・意見書 等

日本共産党札幌市議団

札幌市第4回定例議会・本会議

討論(10年12月09日 本会議討論)

井上ひさ子 議員

 私は日本共産党を代表して、ただいま議題とされております議案第2号一般会計補正予算案第5号、議案第17号市民情報センター条例を廃止する条例案に反対し、残余の議案15件に賛成。陳情第1277号子宮頸がん予防ワクチン接種への札幌市の公費助成を求める陳情と、第1288号子宮頸がん予防ワクチン接種に対する公費助成を求める陳情の2件に賛成する立場から討論を行います。

 まず、議案第2号一般会計補正予算についてですが、来年の2月、3月に保育ママ事業をモデル実施する予算927万5千円が計上されています。
 10月には待機児童が2,143人にもなっており、待機児童の解消はまったなしの緊急事態となっております。そのために、様々な方法が検討されるのは、ニーズの多様化に照らしても、認めるべきと考えます。ですから、私どもは、保育ママ制度について、頭から否定するつもりはありません。しかし、今回の実施内容を吟味すると2つの問題点があります。

 その第1は、まったくの保育未経験者でも保育ママをできる制度となっているために、保育の質が担保されない問題です。
 保育ママが対象とする3歳未満の乳幼児の保育においては、万一事故が起きると生命の問題に直結するだけに、特別の注意が必要です。昨年12月に厚生労働省が発表した「保育施設における死亡事例について」で2004年から2009年の保育施設での死亡事例をまとめていますが、年齢別でみると、3歳以上が11例であるのに対し、3歳未満が41例と圧倒的に多くなっています。本市では、有資格者であることを保育ママの条件にしていますが、乳児保育の経験は無視できない要件です。
 保育所は、子どもが成長する場であるのと同時に、保護者も保育士も共に育ち合う場です。学校を出たばかりの保育士が、保育所で乳児の保育をするのも、大変なことです。しかし、保育所では先輩保育士に相談し指導を受け援助してもらい、集団の中で保育士が成長していくのです。
 今回の保育ママ制度では、補助者や巡回指導があるにしても、乳児を含めて5人もの3歳未満児の保育を行うためには、なお保育経験を条件にすることで、保育の質を確保すべきであります。

 問題点の第2は、保育ママが直接保育料を徴収することです。
 認可保育所の場合、保育をするためのお金である保育所運営費は、市が責任をもって交付しています。保育料は、市が決めて、保護者に請求しています。
 ところが、保育ママの場合は仕組みが違います。市が保育ママに交付する保育所運営費に当たる委託料ですが、保育料相当分が差し引かれた金額となっています。そして、保育ママが保護者から直接保育料を徴収して、市からの委託料と合わせて保育に必要な金額が確保されるという仕組みになっています。
 認可保育所でも、様々な事情で保育料を滞納している場合がありますが、それが、保護者と保育所の関係、あるいは児童と保育所との関係に影響を与えることはありません。
 ところが、今回の保育ママ制度の場合には、保育料の滞納は、保育ママの収入源に直結し、保育に支障をきたすことになります。そうすると、保育を受けることをやめざるを得ないことになるのではないでしょうか。いまの経済状況では、突然の解雇や倒産、賃金カットなど、緊急事態がいつ起こるかわかりません。経済的に逼迫したときに、保育が家庭を支えるのではなく、保育を受けられなくなる可能性が出てきます。
 保育に欠ける児童であっても、お金がなくなると、保育サービスを受けられないというのでは、憲法第25条で規定された社会保障とは言えず、金で買うサービスということになり、それは市場の商品と同じです。社会保障としての保育を守るという点で、保育ママが直接保育料を徴収するやり方は問題です。

 次に、議案第17号市民情報センター条例を廃止する条例案についてです。
 この施設は、昨年度利用者が増え、2万9647人もの人が利用しているものです。これは、行政評価委員会から「廃止も含めて見直し」と指摘されたことが、新聞に報道されたためと考えられますが、これまでのPR不足もあり、施設利用を市民に呼びかければ、利用者が増えるものと考えられます。利用者から「近隣の住民のために公共施設で自由にパソコンを利用できる」代替え施設を求められたことに対して、本市は、公共施設に加え「民間のネットカフェなどをご利用いただきたい」と答えていますが、青少年がパソコンを利用しても安心していられるという点で、ネットカフェとは違います。市民利用が多く、かつ増えている実態から、残すべきであります。

 次に、陳情1277号および1288号についてです。これらの陳情は、女性の命と健康を守るために、子宮頸がんワクチン接種の公費助成をもとめているものですが、同様の趣旨で今年第1回定例会で全議員提出による意見書が可決されています。
 子宮頸がんは、日本の20歳代の女性では乳がんを抜いて発症率が一番高く、年間15,000人以上が発症し、約3,500人の方が亡くなっていますが、ワクチンでほぼ100%予防できるものです。しかし、3回の接種で4万円から6万円の全額が自己負担となっており、公費助成が待ち望まれています。この願いに答える立場で、陳情2件に賛成し、私の討論を終わります。御清聴ありがとうございました。