代表質問・論戦・意見書 等

日本共産党札幌市議団

札幌市第4回定例議会

再質問
(2010年12月2日)

坂本 恭子 議員

坂本議員 再質問

 生活保護、それから、国民健康保険のことについて再質問したいと思います。
 上田市長、生活保護については、憲法25条の理念を踏まえた制度だというご見解を示していただきました。その上に立って、今回、指定都市市長会で出した提案については、現状に対応できていないことから再構築をしなければならないということのご認識がありましたけれども、市長として、憲法25条に、このたびの提案というものが合致をしているというふうにお考えなのかどうかということを私は改めて伺いたいと思います。
 この中に、医療費の自己負担の問題、それから、生活保護も、就労支援をしながら、その後、3年から5年後にはまた再申請、改めて判断をする、廃止も含めてというようなことが提案の中で言われているわけです。これで、本当に憲法25条の理念というものを生活保護制度が継承していくことができるのかどうなのか、そのところのご見解を改めて伺いたい。
 私は、やはり、医療費などというもので、今定められている最低生活費、これからさらに医療費を支払わなければならないということであれは、今決めている憲法25条の生活水準、それ自体が低いものになっていかざるを得ないのだろうというふうに思いますので、この点も踏まえてご答弁をいただきたいと思います。
 さらに、国保の問題についてですけれども、実態を把握しながら、資力に合わせながら、分割納付、それから差し押さえについても行っているのだというお話もありました。
 そこでまず、2点申し上げておきたいことがございます。
 学資保険についてですけれども、これは、差し押さえの禁止対象にはなっていないという副市長からの答弁もございました。貯蓄性の高いものという見方もできるのかもしれませんが、現に、これは本人の解約の承諾を得て差し押さえの対象になっているというのが今の実態だと思います。子どものためにこつこつとお金をためている、入学のときに、何かのときに、この学資保険の給付金が出ることによって子どもたちの教育にかかるものを蓄えているというようなことですから、私は、やはり学資保険というのは、差し押さえ禁止対象ではありませんが、このことも含めて大いに議論をしていかなければならないと思うのだけれども、せめて、学資保険については、私は差し押さえの対象にすべきではないということを改めて申し上げておきたいと思います。
 それから、子ども手当てと児童扶養手当についても、ほとんど残高の残っていない口座については差し押さえをしないようにしている、現実にはそういう指導をしているということがありましたけれども、実際には、これも学資保険と似たようなもので、例えば、来年、うちの子が進学するのですということになったときに、今ある子ども手当あるいは児童扶養手当というのは、その口座にためて置いているはずなのですよね。生活が厳しい、だから、その手当には今手をつけないで、次の入学のときに、来年の春に、あるいは再来年に、そのとき、子どもの何かのために、制服を買ってあげる、学用品を買ってあげる、そのために手をつけないで置いておこう、こういうお金も、口座から出し入れされていないということが確認されると、それは資産として差し押さえの対象に今はなるわけですよ。これ自体がおかしいということを私たちは言っているわけです。答弁の冒頭でも言っていましたけれども、口座に入ってしまえば、それは差し押さえの対象になるのだというところについては、私は、実態を丁寧に見て、これはやらないように、これを改めて各保険年金課に対して指導していただくように求めておきたいと思います。
 それから、2点質問いたしますけれども、差し押さえについて、生活を損なうことのないように行っているというご答弁がありました。質問で申し上げましたけれども、税の差し押さえの場合には、国税徴収法というものがあって、最低生活額、1人10万円、それから、扶養世帯は1人当たり4万5,000円というお金を残さなければならないということになっているのだけれども、国保の場合には、この最低額が明記されたものがないのですね。なので、国保も、国税徴収法に倣って、最低生活額、最低生活費を残すべきだということを言っているわけですから、私は、これは、改めて基準を明確にしていただきたいというふうに思います。そのお考えがあるのか、どうなのか、伺いたいとおもいます。
 それから、滞納世帯への対応について、これも、生活状況を把握したり、必要であれば生活保護につなぐケースもあるというようなお話がありました。しかし、実態は、そういう話はほとんど聞いたことがありません。本当に、差し押さえをするぞということばかりが先行しているという実態があると思うわけです。保険サービス員のことも触れましたけれども、例えば、税の滞納はないですか、住宅の家賃を滞っていませんか、あるいは、何かほかに生活のために借金をしているようなことはないですかと、国保のお金を払う以前に、もっと困っていることはないのかということをきちんと把握していく必要があると思うのですよ。ですから、それが生活保護の申請だったり、あるいは、仕事ができるという状況であればハローワークとの連携だったり、いろいろなことがあるわけです。
 今、自殺対策の中で、ゲートキーパーというものが大変重要だということは多くの皆さんの認識になっていると思いますけれども、この国保の徴収員、職員もそうですし、保険サービス員も、ゲートキーパーと同じような位置づけを持ってやっていく必要が私はあると思うのですよ。生活全般を立て直していく、そういう役割を担わせていくことが重要だと思うのだけれども、現状、こういうことがきめ細かくやられているという認識に立ちますか。それをお聞かせいただきたい。あるいは、これからやる気があるのかどうか、その点についてお聞かせいただきたい。2点質問いたします。

上田市長 答弁

 生活保護制度の抜本的改革の提言ということで、政令市の市長会で提案をさせていただいているところであります。これが憲法25条に抵触しないか、趣旨に反しないかというご質問でございますが、当然のことながら、25条の趣旨をより正確に実現するために提案をさせていただいているというのが私どもの考え方でございます。
 生活保護法というのができまして、既に60年という時間が経過をしております。その中で、当初のころの朝日訴訟等が提起をされた当時と、いささか、運用実態あるいは保護の基準像というもについて相当乖離が出てきたのではないかというふうな考え方が一つございます。そしてまた、大都市に生活保護受給者というのが集中するというのも、これまた一つ、現実としてございます。
 その中にあって、本当に、もちろん就労不可能な方々に対して生活保障をするというのは当然のことであります。しかし、働けるのにかかわらず、働く意欲を失っておられるような方々に対してしっかりとした就労支援をしていく、こういうふうなことが今の生活保護法の中ではないわけでございます。そういう意味で、社会参加をしていただく、そして、社会との関係をしっかり結びながら、みずからも生きがいを持って、そしてまた、社会的な活動をしたい、経済的にも、あるいは社会的にも参加をしていただけるような、そんな就労支援、ご指導といったものをさせていただけるような制度に改めていかなければ、少しモラルハザードが起きたり、あるいは、保護を受けておられない皆さん方から、非常にこの制度に対する懐疑的な見方をされるというようなことで、生活保護はそのものに対する不信感ということになっては非常に問題があるというふうに我々は考えるわけでございます。
 そのような意味において、私どもは、生活保護制度といったものの生活保障という、生活を保障していこうというその理念をしっかり実現しながら、よりそれが社会に受け入れられる、そういうものになり得るための、そういう改革をしていく必要があるのではないか、こんなふうに考えた上で提案をさせていただいたところであります。
 医療費についても、今、札幌市の当初予算では生活保護費は1,100億円ぐらいになっていると思いますが、その約半分が医療費でございます。そういう現状にもあって、もちろん必要な医療はしなければなりません。しかし、医療側、医療を受ける側、それぞれが緊張感を持ってと言ったらおかしいですが、適切な医療が受けられるような、そんなきっかけになるということを理念として持っているところでありますし、提言も、その意味では、一部負担をしていただくためには、最低生活を保障するという仕組みをつくるということはしっかり提言の中に盛り込まれているわけでありますので、そういう意味合いも含めてご議論をいただければありがたい、このように考えているところでございます。

生島副市長 答弁

 2点、再質問をいただきました。
 まず、1点目の差し押さえの際の最低生活基準の設定ということでございますけれども、国民健康保険料の徴収は、国税徴収法の例に倣うことというふうに法令で決まっておりますので、ですから、国税徴収法の例に基づいて実施をしておるところでございます。
 それと、2点目の滞納者への対応の関係でございますけれども、私は、一番大切なのは、やはり、滞納者の方がどういう生活をしておられるのか、その状況を十分にお聞きして親身になって対応するということが一番大切かなというふうに思っておりまして、職員はそのような気持ちで対応しているものと考えております。

坂本議員

 国保についてですが、国税徴収法の例に倣うということになっているということですけれども、現場では、基準を明確にした通知なり文書というものが出ていないということは確認をしております。それが末端まできちんと伝わっているのかどうなのか、運用がされているのかどうなのかというところがやはり問題なわけです。そういう意味では、今、副市長は例に倣うということで今までやってきているということですから、これについては、漏れのないように、きちんと対応できるように、私は明文化すべきだというふうに思います。指導のあり方、対応方を改めていただきたいというふうに思います。
 それから、生活保護の問題についてですけれども、確かに、大都市での生活保護受給者はふえております。特に、この提案を出してきた座長ですか、幹事都市であった大阪市は50パーミルを越えているわけです。札幌市だって2番目で30パーミルを越えているわけだから、これは、大都市により顕著に硬直化があらわれているということは市長の立場では言えると思います。
 しかし、より正確に憲法25条の理念を実現するために今度の提案をしたというふうに市長はおっしゃった。これは、最後の方で、最低生活額をいくらにするのかということも含めて、全体的に議論されていかなければならない問題だというふうにおっしゃったと思うのだけれども、結局、社会保障制度全般を見直していく中で、生活保護のあり方、制度を再構築していくというのが考え方ですよね。そうなると、国のそのものの社会保障制度、これが変革されていかない限り、各都市での生活保護の今の仕組みというのは変わっていかないということですね。
 そういう中で、モラルハザードという言葉を取り上げて、不適切だということを取り上げて、これがどうも市民の中で理解が得られないのだということを口実に、今、生活保護を受けなければならない、そういう立場にいらっしゃる方を排除していく、そういう思考に私はつながっていくのではないか、あるいは、そういう危険性があるのではないかというふうに思うものですから、改めてこの点を強調しておきたいと思います。
 いずれにせよ、これは、指定都市市長会の提案であって、議会では全く議論されていない中身でございます。私どもは、議会でも立場をそれぞれ異にすると思いますので、これから議会の中でも大いに議論をしながら、市長にも見解を求めていきたいというふうに思います。
 以上で終わります。(拍手)