代表質問・論戦・意見書 等

日本共産党札幌市議団

札幌市第4回定例議会

日本共産党 代表質問
(2010年12月02日)

坂本 恭子 議員

 私は、日本共産党を代表して、議案ならびに当面する市政の諸問題について質問いたします。

 最初は、市長の政治姿勢についてです。

 質問の第1は、環太平洋戦略的経済連携協定、TPPについてです。
 これは、例外品目なしで関税を撤廃、100%自由貿易化して、一部の輸出大企業の利益を確保するねらいで検討が進められているものです。もし実施された場合、日本の農業は壊滅的打撃を受け、農林省の試算では食料自給率が14%まで激減し、農業生産は4.1兆円、実質GDPは7.9兆円減少し、雇用は340万人減るとされています。私ども日本共産党は、日本の農業と安全な食料、関連産業と雇用確保のため、TPPには反対であります。

 1点目は、市長の基本的な考え方についてです。
 日本の食料自給率についてどうあるべきとお考えですか。食料のあり方は、その国が自主的に決めるという「食料主権」を実現すべきと思いますが、いかがか、うかがいます。市長は、政府がTPP協定交渉に参加することに反対なのか、明らかにしてください。

 2点目は、北海道と本市への影響についてです。
 北海道は、道内の影響額を2.1兆円にも上るとしています。11月9日に、北海道の農業協同組合中央会、経済連合会、消費者協会、森林組合連合会が共同記者会見を行い、「『金を出せば食料は手に入る』という時代は終わった。国民の食と命をはぐくむ農業を守るためTPPに反対」「食の安全に不安が起きる」などと強く訴えました。
 11月8日には、北海道議会で「TPP交渉への参加を行わないよう求める意見書」を全会一致で可決しています。本市議会でも、TPP協定交渉参加の中止を求める意見書案を可決すべく、会派間で協議をしています。
 市長は、農業者の声はもちろんですが、道議会の意見書、道内4団体の意見を真摯に受け止め、道都の市長として共同と連帯を表明すべきですが、どのように受け止めているのか、同じ考えなのか、明らかにしてください。
 また、本市も例外ではなく、農業は壊滅的打撃を受け、農家戸数と耕作面積の減少に、いっそう拍車がかかるのではないかと思うのですが、いかがか、ご見解をうかがいます。本市における影響額を試算すべきと思いますが、いかがか、うかがいます。

 3点目は、雇用への影響についてです。
 営農できなくなることや、食品関連企業や流通業で倒産が増えるため失業者が急増することが見込まれています。さらに、看護師など技術職の外国人労働者が流入します。労働者人口の多い本市においても、深刻な影響を受けることになると思いますが、市長は、どう対処するおつもりか、うかがいます。

 質問の第2は、10月20日、指定都市市長会が厚生労働省に提出した「社会保障制度のあり方を含めた生活保護制度の抜本的改革の提案」についてです。
 この「提案」では、保護受給者に医療費の一部自己負担をもとめるとともに、条件によっては生活保護を開始して3年〜5年後に「あらためて判断する」としており、強制的に保護を廃止することも考えられます。
 2006年10月に日本弁護士連合会は、生活保護の切り下げをやめ社会保障の充実を求める立場で「人権擁護大会宣言」を決議しました。このなかで「健康で文化的な生活を営む生存権を保障する憲法第25条、国および地方自治体には、すべての人の尊厳に値する生存を実現する責務がある」と高らかにうたっています。上田市長は、この宣言と同じ立場に立つのですか、うかがいます。市長会の「提案」は、憲法第25条に照らし問題だと思いますが、いかがか、市長の見解をうかがいます。

 質問の第3は、私どもが実施している市民要望アンケート調査の結果に関してです。
 現在、連日回答が寄せられている最中ですが、いったんの集約を行いました。
 約2千通の回答で、複数回答ですが、「いま、心配なこと、お困りのことは何ですか」という設問に対して、最も多い回答が「医療・健康」で60%、続いて「高齢者・介護」が57%、「家計・暮らし」が50%となっています。
 また、医療や介護分野での設問では、「75歳以上の医療費」の引き下げや無料化を求める回答が53%、「保険料・利用料の引き下げ」が50%、「施設を増やしてほしい」というものが42%となっています。保育・子育て分野では、「保育所の増設」をもとめるものが52%、学費と仕事の分野では「若い世代の仕事を増やしてほしい」が最も多く52%です。
 これらの市民要望に、老後の不安と、暮らし・経済の厳しさが非常に強く表われていると思いますが、市長はどのように受け止めますか、この声にどのようにこたえていくのか、お聞かせください。

 質問の第4は、暮らし・福祉を守る事業の財源対策についてです。
 市民生活は切迫し、生活を守る緊急対策を必要としています。暮らし・福祉を守る事業の財源として、ます財政調整基金の残高96億8千万円の半分を取り崩す、予算より多く配分された普通交付税と臨時財政対策債を合わせた139億円のうち、まだ残っている91億円を緊急対策として活用すべきです。
 また、電柱やガス管などの道路占用料を2009年に引き下げましたが、その恩恵にあずかっているのは、北電やNTT、北ガスなどの大企業であり、引き下げた13億円を元に戻すべきです。法人市民税の超過課税を他都市並みに14.7%にすることで1億8千万円の税収増となります。
 さらに、自衛隊基地交付金は9千5百万円しかありませんが、本来の固定資産税相当額との差額1億円余を国に求めるべきであります。これらの合計で150億円以上の財源をつくりだすことができます。問題は、市民生活の厳しさに対する危機感と暮らし・福祉を最優先にする市政運営へ、思い切って転換することだと思います。
 市長は、暮らし・福祉最優先の市政運営の財源対策について、どうお考えになっているか、伺います。

 質問の第5は、公契約条例についてです。
 官製ワーキングプアが問題になっていますが、公共事業においては、最低賃金ぎりぎりではなく、労働力の再生産にふさわし賃金を保障すべきであり、地方自治体による公契約条例の制定、検討が進められています。
 本市でも、9月6日に「札幌市における公契約条例の早期制定に関する陳情」が労働組合から提出され、財政市民委員会に付託され、現在継続審議中となっております。また、市長は今年第1回定例会の本会議で、「千葉県野田市における公契約条例の運用状況と国の最低賃金法制を含む立法上の動向をいったものを注視する」旨の答弁をしています。その後、野田市では条例改正も行っています。
 あらためてうかがいますが、市長は、公契約条例の必要性について、どのように認識されているのか、うかがいます。とりわけ、経済情勢が厳しく、労働者の賃金が低い本市では、具体的な検討を早く始めるべきだと考えますが、現在、どのような検討を行っているのか、また、いつ議会に条例案を示すのか、制定の目処をお示しください。

 次は、景気・雇用対策についてです。

 質問の第1は、雇用問題についてです。
 来春卒業の新規学卒者は、9月現在、札幌圏における高校生の有効求人倍率が0.72倍、就職内定率は16.7%と非常に厳しく大卒者も深刻な就職難です。就職希望者に比べ求人数が非常に少ない問題とともに、求人があっても最低賃金ぎりぎりで、定期昇給や賞与も無く、期限付き採用のため、若者が将来に展望を持つことができません。市長は、この由々しき事態をどう捉えているのか、認識をうかがいます。介護や保育など福祉の事業は、市民要望が強い上に、雇用効果・経済効果が大きいので雇用対策としても大いに進めるべきと考えますが、いかがか。あわせて、経済界に広く働きかけをして、一人でも多くの求人をひろげるべきですが、どの様に対処なされるおつもりか伺います。
 今議会で補正予算に計上されている高卒未就職者就職応援事業についてですが、2010年3月に卒業した、本市在住の者を正規雇用した場合、80万円の助成金を支給する事業を50人と限定せず、条件のかなった法人には、すべて応じることも視野に、思いきって枠を広げるべきだと思うのですが、いかがか。この度、私どもが改善を求めていた、選挙管理委員報酬の日額化で、およそ4,000万円もの削減が見込まれていますが、これを原資にすれば、すぐにでも踏み切れるではないですか、ご決断を求めます。
 また現在、本市で臨時採用している100名の職員については、今年度末で解雇されることとなっていますが、次の安定した就職が決まるまでは、責任をもって雇用を継続すべきと考えますが、いかがか。また、市内の高卒者を正規雇用した中小業者を対象に政策入札の導入を行うべきですが、いかがか伺います。

 質問の第2は、産業振興ビジョンについてです。
 現在、策定中の産業振興ビジョンは、重要分野として、「食」「観光」「環境」「健康・福祉」をあげ、「グローバル化への対応」を打ち出していますが、求められているのは、地域経済の活性化であり、地元経済の循環と地場産業の立て直しです。地元の中小・零細業者への支援をより具体化すべきと考えますがいかがか。また、きめ細やかな支援が出来るように各区に産業振興の担当を置き、中小・零細企業の実態とニーズを把握すべきと思うのですがいかがか。地域内循環と再投資で、地域経済の活性化と中小企業を育成する観点を明確にすることが重要だと思いますが、いかがか、うかがいます。

 質問の第3は、住宅エコリフォーム補助制度についてです。
 岩手県宮古市では、経済対策として総工事費20万円以上の市内業者による住宅リフォームに対して、一律10万円の補助を支給していますが、断熱工事など幅広い工事を対象としています。申請書はA4版用紙1枚のみで、添付書類も見積書、住宅の写真、住宅地図のコピーだけです。手続が簡単で厳しい条件の無いことが反響を呼び需要が広がっています。本市の制度は改善すべきではないでしょうか。手続が煩雑で対象工事の条件が厳しい事、業者に建設業許可登録が必要であることなどの条件を取り払う事で、飛躍的に効果があがると考えております。市長は、より利用しやすく、経済効果を上げるために、見直しの必要があるとお考えになっているのか、現在、どう検討しているのか、明らかにしてください。

 質問の第4は、小規模・零細業者対策についてです。
 コミュニティー型建設業創出事業は、地域密着型の小規模な作業を中小・零細企業が請け負い、その橋渡しを地元団体等が行う、住民にも評判の良いものです。事業仕分けの結果、「廃止を含む見直し」と判定されましたが、存続すべきです。現在の検討状況はその様になっているのか、伺います。
 また、建設業許可を持たない小さな業者が小規模な公共事業を受注できるように、小規模工事登録制度を創設し、地元零細企業に発注すべきですが、お考えを伺います。

 次は国民健康保険の問題についてです。

 質問の第1は、国民料滞納者への差し押さえについてです。
 この間、滞納世帯に対する財産調査や差し押さえ件数が急増している事を指摘してきました。2005年度の財産調査件数は5,724件で、滞納処分件数は51件でしたが、2009年度には、それぞれ、53,261件、474件と、ともに9.3倍となっています。本市では保険サービス員を全市100地区に配置し、納付相談を促す一方で、これまで3,000円、5,000円と払ってきた方に、「これでは納付期限内の完納が出来ない」からと受け取りを拒み、完納できる金額を要求するため、滞納世帯が増えるという悪循環に陥っています。少しずつでも払おうとしている世帯には親身な相談を行い、少額での分割納付にも応じるべきと考えますが、市長の認識を伺います。
 国税徴収法では、最低生活費として差し押さえ禁止額が設定されています。国保もこれに倣い、せめて生活保護基準並みの最低額は残すべきですが、これまでの本市の対応はどうなっているのか、よもや、根こそぎ口座を押さえているようなことはないのか、伺います。児童扶養手当や子ども手当、学資保険などは、本来の支給の意味合いから言って、差し押さえの対象から外すべきですがいかがお考えか、伺います。

 質問の第2は、国民健康保険料の滞納者への対応についてです。
 建築関係の方が職を失い、日々の生活にも窮する状態で国保料を払えなくなった人のケースですが、督促状が来て相談に行った時、はなから「支払うのが当り前だから何としても支払え」という厳しい対応だったので、それ以来窓口へは行けなくなり、減免制度があることも知りませんでした。その後留守の時に、保険サービス員が置いていった手紙に「不在でしたので本書を差し置きます。すでに納期限が過ぎている保険料は、至急札幌市内の金融機関か区役所保険年金課に納めてください。納められない理由のある方は、下記相談窓口までご連絡、またはご来庁してください。」「このまま滞納が続くと・被保険者証の更新に伴い、期間の短い『短期被保険者証』を交付いたします」とあり、その後に長い文章が続き、最後に「滞納処分により財産・給与等の差し押さえを行うことがあります。」と書かれていましたが、内容がよく理解できず、差し押さえの文書が来て、窓口へ相談に行った時には、「差し押さえはすでに決定したことだから」との対応でした。
 国保料が払えない世帯に対して支払うように訪問したり文書を送付したりしていますが、この時点で相談に来ない滞納者は、払える見通しがなかったり、役所の文書を理解できない人も多く、差し押さえ処分の通知が来て初めてことの重大さを認識する方が増えています。窓口の相談も「何としても払え」という態度ではなく、どうすれば、滞納を増やさないで、払っていけるのか、いくらなら払えるのか。税や他の公共料金の滞納がある場合や多重債務を抱えている場合などは、生活全般を立て直す支援が必要です。消費者センターにつないだり、生活保護申請、ハローワークの連携なども必要です。訪問や窓口の相談内容について機械的な対応をしていないのか実態調査し、改善を行うべきだと考えますが、いかがか伺います。

 質問の第3は、資格証明書の発行についてです。
 2010年10月1日時点で、本市の国民健康保険料滞納世帯は57,614世帯、短期証発行世帯が30,378世帯、資格書発行世帯は9,210世帯となっています。資格書を発行されている世帯は、具合が悪くても病院にかかることができずに、この札幌市でも命を落としてしまう痛ましい事例が報告されています。資格書の発行は、払えるのに払わない悪質滞納者に限定すべきですが、いかがか。あわせて、資格書でも緊急の場合は、短期書に切り替えられる事ができる旨、より丁寧に周知すべきですが、具体的な改善をいかが考えますか、うかがいます。

 質問の第4は、国保料の引き下げについてです。
 本市の国保会計の累積赤字は、2009年度の一般会計からの赤字解消繰入がなくなりました。本市は、「低所得者の多い国保世帯の負担に配慮し、一般会計繰入金を含む財源確保に最大限努め一世帯平均保険料を据え置くこととした」としていますが、国保加入世帯の年収は年々下がり、本市の平均所得は2010年度、98万3,000円にまで下がっています。平均保険料を据え置いても、実質的な値上がりの状況で、払いたくても払えないのが実態です。このような重い負担が市民のくらしを圧迫している実態について、市長はどのように受け止めているのか、国保料が高すぎるとはお考えにならないのか、国に改善を求めていくとこは勿論ですが、本市独自策で、さらに国保料を一世帯当たり1万円引き下げるべきだと思いますが、市長のお考えを伺います。

 次は、介護保険と高齢者の住み続けられるまちづくりについてです。

 質問の第1は、施設の不足についてです。
 本市の65歳以上の高齢者世帯は約21万世帯で全体の25%を占め、そのうち60%を単身・夫婦世帯が占めています。2015年には市民の4人に1人が高齢者になることから各種介護施設の充実とサービス基盤の整備が質・量ともに急がれています。
 1点目は、特養ホーム待機者の解消についてです。
 本市の待機者は、6千人を超え、そのうち要介護4と5の重介護の方が2千人、在宅待機の方が約2千人と緊急事態です。ところが2009年から3年間で10か所443人分の整備計画は全く不十分です。現実に特養に入るのを心待ちにしながら入所できずに亡くなる方が後を絶ちません。特養の待機者を解消する考えがあるのか、今後、どういうペースで取り組むのか、うかがいます。
 2点目は、地域密着型サービスの充実についてです。
 住み慣れた地域で老後の生活を続けるためには、小規模多機能型居宅介護や認知症高齢者グループホームなどの地域密着型サービスの整備と役割が重要となります。現在、10区の行政区を日常生活圏域と設定して整備していますが、今後は中学校区を圏域とした整備を目指すべきと思いますが、いかがか、うかがいます。
 負担が重い介護保険料とサービス利用料、ホテルコストの導入など、所得の低い高齢者が介護サービスを利用できない実態になっています。グループホーム入所者の負担は、平均的でも13万円前後であり、年金でまかなえるものではありません。本市として所得の低い高齢者に対して、独自の軽減策を講ずるべきですが、いかがか、うかがいます。
 3点目は、療養病床削減の影響と施設建設への財政支援についてです。
 4月、厚生労働省が行った調査では、「療養病床を無くしたら受け入れ先が無い」などの理由から「老人保健施設や特養ホームへの転換予定は未定である」とする病院が61%にも上っていることが明らかとなりました。
 介護型療養病床を廃止すると、入院患者がどの施設にも入所できなくなることが懸念されるため、存続させるべきと思いますが、いかがか、見解をお示しください。
 また、特養ホーム等の基盤整備を進めると、介護保険料の値上げにつながるという仕組み自体が問題です。必要な施設を整備しても保険料に連動しない財政支援を国に強く求めるべきだと思いますが、いかがか、うかがいます。

 質問の第2は、高齢化に対応したまちづくりについてです。
 本市の2008年の空き家数は、13万6千戸で空き家率は13%です。特に1970年代など、同じ時期に戸建住宅が集中して建てられた地域では、住民の高齢化と住宅の老朽化が一斉に起こり、雪かきや家屋の維持管理もできなくなり、町内会役員の担い手もいません。また、少子化で児童生徒数も減少し、学校は統廃合され、地域の商店も無くなることで、車の運転ができなくなれば買物や通院もできないという状況です。
 まち全体の高齢化が著しい住宅地で、売りに出された家屋や土地を住宅地で有効活用した認知症高齢者グループホームや小規模多機能型居宅介護施設などの建設を進めるなど、地域密着型サービスの整備を進めるべきと思いますが、ご見解と今後の対策についてうかがいます。

 質問の第3は、市営住宅の住み替えの促進などについてです。
 2009年度、全市の高齢化率19%に対し、市営住宅入居者では28%となっており、築年数の経過した市営住宅における高齢化対策、バリアフリー化は差し迫った課題です。ところが、エレベーターの設置されていない市営住宅が2万戸あります。高齢化で階段の上り下りが困難になると、引きこもりがちになることから、介護サービスの必要性も急速に高まります。
 エレベーターの無い5階建ての市営住宅は、利用者の送迎が困難なため、デイサービス等を提供する介護事業者からも敬遠されています。また、認知症の高齢者は、生活地域が変化することで症状が悪化することもあり、住み替えの申し込みができない方も増えています。特に医療や介護を受ける必要性が高いのに、階段の上り下りができない高齢者への対応は待った無しの課題です。緊急的な住み替え対策と計画的な1階への住み替えの二本立ての対策が必要だと考えます。
 緊急対策としては、住み替え専用の新たな市営住宅を建設すべきだと思いますが、いかがか、うかがいます。
 計画的対策としては、既存住宅の1階が空室となった場合、入居者募集を行わず、住み替え用としてはいかがか。さらに、建て替え計画を前倒しして、余剰地に福祉施設や住み替え用住宅を建設するなど、地域密着型の福祉サービスと一体となった市営住宅のあり方を検討すべきと思いますが、どのようなお考えをお持ちなのか、うかがいます。

 質問の第4は、訪問介護サービスを利用した院内介助についてです。
 自力で通院することが困難な場合には、通院介助サービスを利用します。病院内では、病院職員が介助することになっていますが、対応困難な場合は、利用者や事業者が自費負担で訪問介護サービスを利用している実態があります。厚生労働省は、「院内介助であることをもって、一概に算定しないことのないよう」徹底する旨の事務連絡をしています。訪問介護サービスで算定可能な院内介助については、この事務連絡の趣旨を徹底し、事業者に十分周知し、自費負担を減らすべきですが、どのように対応するおつもりなのか、うかがいます。

 次に、子どもにかかわる問題について質問します。

 保育所の待機児童解消についてです。
 私どもは、待機児童が増え続けている問題について、繰り返し取り上げて、その解消を訴えてまいりました。ようやく本市は、今年度から5年間で3,500名の保育所の整備をすすめる計画をたてました。しかし、待機児童は10月1日で2,142人にものぼり、増加の一途をたどっています。当初予算で820人の整備計画でしたが、見通しはいかがか、上回って整備されるのか伺います。
 また私どもは、一刻も早く、前倒しで増設すべきと求めておりますが、来年度も1,000人以上の整備を行い、3年間で計画を達成すべきと考えますが、市長はどう取り組むのか、うかがいます。

 最後に、札幌版事業仕分けについてです。

 本市における行政評価は今年、事業仕分けで89事業中74事業が、不要又は見直しと判定されました。この結果に対し、「市民意見募集」に83.8%の市民が、納得できないと反対の意思を表明しています。
 老人クラブ活動費補助金が見直し、保養センター駒岡は廃止などとされまいしたが、老人クラブや施設利用者など当事者から反対する陳情が出されています。
 結果的に、市民の中に分断と対立をつくりだしたことになると思うのですが、いかがか、まず伺います。

 質問の第2は、今年から実施に必然性があったのかどうか、という点です。
 2009年度一般会計決算は、歳入規模が7.1%増となり、福祉施策等を大いに進めることが出来る状況になってきた、と思うのですが、いかがか、市長の認識を伺います。

 質問の第3は、市側だけで仕分けの対象を独占的に選定している点です。行政のムダを予算の使われ方も含めて市民目線で見直すには、選定階段から市民を参加させるのが当然だと思いますが、いかがか伺います。
 質問の第4は、仕分けの方法についてです。
 市がつくった見直し・廃止誘導型の「論点シート」や「仕分け評価シート」の審査ばかりで次々と処理されており、視察して実態を確認するとか、利用者から聞き取りなどが、いっさい封じられています。こうした十分な情報を提供せず判定させる≠竄阨では、適正な判定は期待できません。ただちに改善すべきだと思うのですが、いかがか、見解を伺います。

 質問の第5に、結果として市民の賛成も得られず、市民の中に分断さえ持ち込むなど、様々な問題をはらむ札幌版事業仕分けについては、自らを仕分けの対象にすることも含め、あり方そのものの抜本的な見直しが急務と考えますが、その意思がおありかどうか、端的に伺います。
 以上で、私の質問の全てを終わります。ご静聴ありがとうございました。


代表質問への市長などの答弁

上田文雄市長

 大変厳しいご質問をいただきまして、私からは、6点の中の政治姿勢についてと景気・雇用対策、それから、ただいまの事業仕分けについてお答えをさせていただきます。その余は、生島副市長から答弁をさせていただきます。

 まず、私の政治姿勢についてでございます。

 1点目の環太平洋戦略的経済パートナーシップ、いわゆるTPPにつきまして、関連致しますので、一括してお答えをさせていただきます。
 TPPにつきましては、貿易の自由化という世界的流れをとらえたものだと考えて居りますが、食料の安定的な供給、そして、食料自給率の向上といった観点からも、我が国の農業に対して深刻な影響が生じないように慎重に議論を進めていく必要がある、このように考えております。
 北海道の試算を見ますと、TPPへの参加に伴う北海道の基幹産業であります農業、食産業への影響は極めて大きいところであります。現時点で札幌市への具体的な影響額といったものについての試算は非常に困難ではありますけれども、第1次産業やその関連産業に加えまして、道内の景気低迷ということによります第3次産業への影響など、札幌市の経済、雇用に対する影響というものも少なからず生ずるのではないか、こんなふうに考えております。
 札幌市といたしましては、道内の関係機関と歩調を合わせる形で、北海道市長会を通じて、道民合意がないままTPPへの参加を行わないように国に対して要請しているところでありまして、引き続き、国の動向を注視し、関係機関とも連携しながら対応してまいりたい、このように考えております。

 次に、2点目の生活保護制度の抜本的改革の提案についてでございます。
 生活保護制度は、ご指摘のとおり、憲法第25条の理念を踏まえまして、生活保護法に基づき、国及び地方公共団体で運用しているところでございます。しかしながら、現行の制度は、高齢化だとか、あるいは就業形態などの社会的、経済的な情勢の変化に対応できていないという指摘がございまして、働くことが可能な方に対する集中的な就労支援など、市民から信頼される適正な制度運用といったものを骨子とした生活保護制度の再構築について、政令指定都市の市長会としての提案をしたものでございます。

 3点目の市民の声を踏まえた市政運営についてでございます。
 景気の先行きの不透明感だとか厳しい雇用情勢など、市民生活を取り巻く環境というのは非常に厳しい状況にあるとともに、これまでに経験したことがない超高齢社会の到来を迎えまして、市民の多くの皆様方が将来への不安といったものを抱いておられるもの、このように私も認識をしているところであります。市民の皆さんが抱える生活の不安感を払拭するために、これまで同様に、高齢者、障がい者福祉を初めとし、子育て支援だとか、あるいは経済・雇用対策など、市民生活に直結した分野について今後も計画的かつ積極的に取り組んでまいりたいというふうに考えております。
 その一方で、私は、市民の力、市民の英知を結集することによって、未来を切り開いていくことができるというふうに確信をいたしております。団塊の世代が退職をし、地域に戻ってきている今こそ、それぞれの職場で培った豊富な経験というものが地域での課題の解決に生かされるもの、このように考えております。今後も、引き続きまして、市民とともに考え、そしてともに悩み、ともに行動しながら、市民だれもが幸せを感じ、元気に活動できるということを目指しまして、全力で取り組んでまいりたいと考えているところでございます。

 4点目の市民生活を守る事業の財源対策についてでありますが、税収の伸び悩みだとか社会保障に係る費用の増大など、厳しい財政状況が続いている中にあっても、長らく低迷する経済、雇用や市民生活にかかわる喫緊の課題にはしっかりと対応していくことが肝要だと考えております。このたびの議会でも補正予算をご提案申し上げているところでありますが、今後とも、経済情勢などを見きわめつつ、歳入歳出両面で一層の工夫を行うことによって所要の財源を確保して必要な対策を講じてまいりたい、このように考えているところでございます。

 次に、5点目の公契約条例についてでありますが、さきの第3回定例市議会の代表質問でも答弁をさせていただきましたとおり、賃金など労働者の適正な労働条件の確保については、札幌市といたしましても重要な課題である、このように認識しているところでございます。現在、野田市などの状況につて調査をしておりますが、実効性の確保、ここが一番問題であります。実効性の確保という観点からの課題の整理を進めているところでございまして、条例制定に向けまして引き続き検討してまいりたい、このように考えているところでございます。

 2項目めの景気・雇用対策についてお答えをいたします。

 1点目の雇用問題についてでありますが、まず、来春卒業の新規学卒者の雇用情勢についてでありますけれども、雇用環境は依然として厳しく、大変憂慮すべきものと考えております。
 次に、福祉分野の事業の推進についてでありますが、介護・保育サービスの需要を踏まえまして、経済、雇用にとって効果的な事業の実施を行ってまいりたいと考えているところであります。
 次に、経済界に対する働きかけでございますが、ことし8月に各企業に対して文書による要請を行ったほかに、年内にも札幌市内の業界団体に対しまして三つのハローワーク所長との連名での要請を行おうとしているところであります。
 次に、高卒未就職者就職応援事業の拡大についてでありますが、議会のご承認をいただいた後に事業を実施することになりますけれども、その実施状況を見て検討してまいりたいと考えております。
 次に、新規高卒臨時的任用職員の雇用の継続についてでございますが、これまでも研修やカウンセリングなどの支援を続けてきたところでありますけれども、今後は、合同企業説明会を行うなど、雇用期間内での就職に向けて最大限努めてまいりたいと考えております。
 次に、政策入札の導入についてでありますが、客観的な基準づくりなど難しい課題がありますけれども、企業に採用意欲を喚起する施策も重要でございまして、幅広く検討してまいりたいと考えております。

 2点目の産業振興ビジョンに関する質問に一括してお答えをさせていただきます。
 地域経済の活性化のためには、道内循環の拡大といったこと、あるいは、零細企業を含みます中小企業の育成は極めて重要でありますことから、ビジョンにその趣旨を明確に示しているところでございます。また、企業のニーズ把握がますます重要になると考えておりまして、区役所からの情報収集や職員と企業との意見交換を行いまして、課題を把握の上、政策の立案につなげてまいりたい、このように考えております。

 3点目の住宅エコリフォーム補助制度につきましては、平成23年度に向けまして、手続の簡素化や補助要件の緩和など制度の見直しを行ってまいりたい、ご指摘のとおり、そのようにやってまいりたいと考えているところでございます。

 4点目の小規模零細事業者対策についてでございます。
 まず、コミュニティ型建設業創出事業につきましては、市民評価の結果を受けまして、外部識者等で構成されます委員会において検討をいただいたところでありますが、建設業支援策としての必要性が高いとの意見が出されております。これらの意見を踏まえまして、現在見直しを進めているところであります。
 次に、建設業許可を持たない事業者の方につきましては、従来から入札参加資格者名簿の一般サービス業に登録できる制度となっておりまして、今後もその活用を図ってまいりたい、このように考えております。

 次に、6項目めの市民評価について、それぞれの質問は関連がございますので、まとめてお答えをさせていただきます。

 私は、行政サービスの多様化や少子高齢化の一層の進展などの時代の変化を踏まえまして、市政運営においては、事業の選択と集中ということを見据えた行財政改革に不断に取り組んでいかなければならない、このように考えているところでございます。今回の市民評価はその一環として実施したものでございまして、時代の変化の中で行政が行うべき必要性が薄れてはいないか、あるいは、担い手やその手法といったものを見直す必要はないのか、そういったことを市民的な視点で評価、議論をしていただいた、そういうものでございます。この取り組みによりまして、大変多くの市民の皆さん方に市政に関心を持っていただきまして、さまざまなご意見をいただいたことは、まさに市民自治のさらなる進展、前進であったというふうに私は実感をしているところでございます。
 そのような意味において、さまざまな意見が出るということにつきましては、分断と対立という言葉、あるいは、昨日は小嶋議員からも無用な市民間の混乱というふうなご指摘がございましたけれども、まさにそのような問題を市民自身がしっかりと議論する場を提供するという意味合いにおいて、市民自治というものを私は逃げることなく市民とともに考えていきたい、このような考え方に立っているものでございます。
 次に、市民評価の手法に関してでございますが、まずは、市民参加をさらに進めることに重点を置きながら検討していくことになりますが、対象事業の選定方法や、仕分け人の方々に事業内容を理解していただく方法など、今後検討していかなければならない課題もあることはご指摘のとおりでありますし、私もそのように認識をしているところでございますので、新年度の市民評価に向けましては、これらを念頭に幅広く検討してまいりたいと考えているところでございます。
 私からは、以上でございます。


副市長 生島典明

 私から、3項目につきましてお答えを申し上げます。

 まず、国民健康保険の問題についてです。

 1点目の国保料滞納者への差し押さえについてでありますが、まず、分割での保険料の納付相談におきましては、世帯の生活状況を十分把握した上で、納付資力に応じた対応を行っているところでございます。
 次に、差し押さえの金額についてでありますが、差し押さえを実施することによって最低限の生活を損なうことのないよう適切に実施しております。
 次に、差し押さえの対象除外であります。
 児童扶養手当や子供手当の受給権については、法令で差し押さえを禁止されておりますが、それらの手当が口座に振り込まれ、一般財産となった段階では、差し押さえが禁止されているものではありません。
 しかしながら、ほとんど残高のない口座に振り込まれたそれらの手当を差し押さえするようなことはございません。
 また、学資保険については、差し押さえ禁止財産となっておりませんが、滞納世帯の個々の事情やその他の納付資力を把握した上で判断しております。

 2点目の滞納者への対応についてでありますが、相談に当たりましては、滞納者から生活状況などを十分聞き取るとともに、必要に応じて生活保護の相談へつなぐなど、きめ細かな対応を行ってきており、今後も個々の滞納者の状況に応じ、適切な対応に努めてまいりたいと考えております。

 3点目の資格証明書の交付であります。
 まず、資格証明書は、法令により、特別の事情があると認められる場合を除き、1年以上滞納を続けた世帯に対し、交付することとなっております。
 次に、短期証への切りかえの周知についてでありますが、資格証明書を交付する際にお渡しする文書などに掲載しておりますが、今年度の保険証の一斉更新では、これに同封する国保のしおりにも新たに掲載するなど、周知に努めているところであります。

 4点目の国保料の引き下げについてであります。
 国保加入者の医療費が、高齢化などに伴い、毎年増加している中、札幌市では、低所得者が多く加入していることや、所得低下による負担増に配慮して、一般会計から多額の繰り入れを行い、最大限、保険料の軽減と抑制に努めているところであり、これ以上の保険料の引き下げは困難と考えております。

 次に、介護保険と高齢者の住み続けられるまちづくりについてであります。

 まず、1点目の施設の不足についてであります。
 1つ目の特別養護老人ホームの待機者の解消についてですが、現計画における整備に加えて、既存施設の増床なども予定しております。今後は、特別養護老人ホームについてこれまで以上の整備が必要と考えており、介護保険料に与える影響などを踏まえつつ、その整備について検討してまいりたいと考えております。

 2つ目の地域密着型サービスの充実について、まず、日常生活圏域の見直しについてであります。
 札幌市におけるグループホームや小規模多機能型居宅介護事業所等の地域密着型サービスは、政令指定都市の中でも比較的高い整備水準にあると言えますが、次期介護保険事業計画の策定に当たっては、その充実とあわせて、より地域に密着した介護サービスを提供できるよう、日常生活圏の見直しについても検討してまいりたいと考えております。
 次に、所得の低い高齢者に対する軽減策についてであります。
 札幌市独自のグループホーム利用料等の軽減策につきましては、これに係る新たな財源を確保する必要があり、市の財政状況を考慮いたしますと困難であることこから、国に対し、軽減策を引き続き要望してまいります。

 3つ目の介護療養病床削減の影響と施設整備に伴う財政支援について、介護療養病床の廃止に対する見解についてであります。
 介護療養病床につきましては、国において今後の方針が示されておりませんが、施設利用者の不安や事業者の混乱を招かぬよう、早期にその方針を提示すべきものと考えております。
 次に、施設整備に伴う保険料の増額抑制のための新たな財政支援を国に求めることにつきましては、これまでも保険料負担軽減に係る財政措置を要望しているところであり、この中で引き続き要望してまいりたいと考えております。
 次に、2点目の高齢化に対応したまちづくりについてお答えをいたします。
 札幌市では、高齢者が住みなれた地域での生活が続けられるように、地域密着型サービスの整備を進めております。認知症高齢者グループホームにつきましては、地域の高齢者の状況等を踏まえ、要介護認定者が多く、かつ、グループホームが未設置の地域を優先して整備しているところであり、今後も、地域の状況を勘案し、地域密着型サービスの充実を図ってまいりたいと考えております。
 次に、3点目の市営住宅の住みかえの促進などについてお答えをいたします。
 まず、住みかえ専用の市営住宅の建設についてでありますが、既存の高齢入居者への配慮はある程度必要としても、それのみに着目して専用の住みかえ住宅を緊急的に建設することは困難であり、また、空室となった1階への住みかえについても、新たに市営住宅への入居を希望する高齢者も多いことから、そのすべてを既存の高齢者入居者の住みかえ用に限定することは難しいと考えております。
 しかしながら、高齢者のみでなく、住みかえにはさまざまなニーズがありますので、これらにより適切に対応していけるよう、現行制度の見直しを検討してまいりたいと考えております。
 次に、福祉サービスと一体となった市営住宅のあり方についてでありますが、今後の建てかえ計画につきましては、平成23年度に予定している市営住宅ストック総合活用計画の見直しの中で整理することとしており、また、建てかえにより生まれる余剰地を活用した医療や介護など、サービス拠点の整備につきましても引き続き取り組んでまいりたいと考えております。

 次に、4点目の訪問介護サービスを利用した院内介助についてであります。
 院内介助につきましては、厚生労働省による通知や北海道の見解が事業者に十分理解されるよう、今後も、引き続き、ケアマネジャーの研修会や、北海道による事業者に対する集団指導を通してその周知に努めてまいりたいと考えております。

 次に、子どもに係る問題についてお答えをいたします。

 保育所の待機児童の解消につきましては、今年度の当初企画で820人の定員増でしたが、事業者の自主整備等を含めますと、総数として当初企画を上回る1,000人程度の定数増となる見込みであります。また、来年度につきましても、急増する保育需要に柔軟に対応しながら、先日公表されました国の待機児童解消先取りプロジェクトを活用するなど、積極的に保育所整備を進めてまいりたいと考えております。
 以上であります。