代表質問・論戦・意見書 等

日本共産党札幌市議団

札幌市第1回定例議会・本会議

討論(11年03月09日 本会議討論)

村上ひとし 議員

 私は、日本共産党を代表して、ただいま議題となっております議案27件と修正案について、議案第1号とその修正案、第5号、第6号、第8号、第10号、第16号および第19号に反対し、残余の議案20件に賛成の立場から討論を行います。
 内容に入る前に、本市職員による収賄および入札妨害事件について一言申し上げます。今回の事件は、岩田地崎建設の2年間の指名停止処分という重大事態に進展いたしました。万全の再発防止策をとるとともに、岩田地崎建設の2次下請けは2,200社と言われておりますが、中小業者の営業を守るために、特養ホームや保育所の建設など、直接発注できる生活密着型の仕事を、今まで以上に進めていくべきであります。
 議案についてですが、反対するものの理由を明らかにいたします。

 まず、議案第1号一般会計予算に反対する理由は、職員定数の大幅削減です。
土木管理員の見直し、公立幼稚園の廃止など236人削減し、他の分野に159人増やし、差し引き77人の定数減としています。「忙しすぎる」という声が上がっている子ども未来局の子どもの権利推進課や子育て支援課、税務事務所開設の影響で、繁忙期には夜間や休日出勤しても間に合わないほど多忙な会計室出納(すいとう)課の増員は見送られています。理事者は定数の「スクラップ・アンド・ビルド」と言いますが、全体の職員数を減らすことを前提にして、部署によって増減させてきたのであります。
 本市一般行政部門の職員は、政令指定都市中、最小です。度を越した多忙さと、職場コミュニケーションが取れなくなってきており、職員の健康にも悪い影響を与えています。休務休職者の増加、とりわけ精神疾患が増えていることを重く受け止め、職員が明るく元気に働ける職場づくりをすすめることが、市民サービスの向上だと位置づけて、職員削減路線を転換すべきであります。
 関連する議案第16号職員定数条例改正案にも反対します。
 ここで、新年度の予算全体像について述べておきます。
 一般会計予算は8464億円、対前年度235億円、2.9%増となっています。
 わが党は一貫して、福祉と暮らしを市政の重点にするよう求めてきました。具体的には、小規模多機能の居宅介護サービスや特別養護老人ホームなど介護サービスの強化、保育所3,500人分増設の前倒しと、目標引き上げ、国保料の一世帯あたり年間一万円引き下げなどです。
 これらの福祉と暮らしの事業を市政の中心課題に位置づけるべきであります。
 経済雇用対策についてですが、私ども市議団は「福祉の経済対策」を提唱しています。
 定員90人の保育所を、25箇所増設した場合、市の持ち出しが4億円で、50億円の建設の仕事を、地元業者に出すことができます。また、500人の雇用効果が期待できます。
 80人規模の特別養護老人ホームを12箇所増設した場合、市の持ち出しが19億8千万円で、108億円の建設の仕事を、地元業者に出すことができます。また、870人の雇用効果が期待できます。
 市民が求める福祉の事業を行うことで、市内の中小業者に直接仕事を出し、雇用効果も大きいものです。「福祉の経済対策」にいっそう配慮することが必要であると申し上げておきます。
 修正案についてですが、子ども手当の財源は全額国庫負担とすべきですが、国会においてそれを決めたのちに、本市が対応した予算措置をするのが妥当であり、反対します。

 次に、議案第8号基金会計についてです。
 本市22の基金残高の合計が、新年度末に2,666億円になる予算となっています。財政調整基金は80億円、街づくり推進基金は232億円になる予算ですが、これらの基金は貴重な財源として、かつてなく厳しくなっている市民生活を支えるために、適切な取り崩しと活用を図るべきであります。
 本市基金条例第2条で、各基金の使用目的が定められています。霊園基金は、霊園の草刈りなどに使用されていますが、27億円も積み立てられています。新たな地下鉄建設の計画は無いのに、建設のための地下高速鉄道基金9億円を毎年繰り越しています。これらをはじめ、22の基金の3割を取り崩すだけで800億円の財源を生み出すことが出来ます。
 これまでの基金活用方法に拘束されることなく、必要であれば条例改正を行って、市民福祉の財源として、大胆に見直して活用すべきという観点から、この予算に反対します。

 次に、議案第5号国民健康保険会計予算についてです。
本市の国保加入者の平均所得は、1992年度279万5千円でしたが、2010年度98万3千円まで落ち込んでいます。年々加入者の平均所得が下がり続けているなかで、同じ平均保険料にしているということは、実質的な値上げと同じです。つまり、ある加入者の所得が毎年同じ金額で続く場合、その人の保険料は年々上がっていくことになるからです。所得が200万円の4人世帯の国保料は、33万1,590円と、所得に占める割合は16.5%にもなるものです。
 本市の国保料は、協会けんぽや本市共済組合のおよそ2倍です。年金も下がり、仕事はアルバイトしかないという貧困化が進むなか、食べていくだけでもやっとですから、生活費の中から国保料に回すことができなくなります。滞納世帯が7万以上、4人に1人が払えなくなっていることは、加入者の問題ではなく、国保料の設定が高すぎるということです。一世帯平均年間1万円引き下げるべきです。
 滞納が続くと保険証を取り上げられ、資格証明書が交付されていますが、12月1日現在で、11,378件にも上っています。病院の窓口で10割全額を負担しなければならないため、資格証明書での受診は、保険証をもっている場合の約80分の1であり、受診抑制が極めて深刻です。資格書の交付は、納付相談をしたうえで、資力がありながら払わない悪質滞納者だと明らかになった場合に限定し、それ以外は保険証を交付することを基本とすべきです。

 議案第6号後期高齢者医療会計予算は、75歳という年齢で受けられる医療を差別する制度であり認められません。

 次に、議案第19号病院事業の設置等に関する条例改正案についてです。
 これは、市立札幌病院の病床数を810床から764床に削減して、6床室を4床室に改造することで差額ベッド料を1日あたり2,100円徴収しようとするものです。
 市立札幌病院は、市民が誰でも安心して医療を受けられるよう、患者負担を低く抑えて、信頼される医療機関としての役割を担っており、患者の負担になる差額ベッドは抑制することを基本にすべきです。現在、北海道内のすべての病院で、差額ベッド料を徴収しているのは個室または2床室だけというなかで、市立札幌病院が差額ベッドを4床室に広げていく先鞭を付けるのは不適切であり、反対します。

 議案第10号病院事業会計には、その徴収額が計上されているため反対です。
 一般会計の歳出について、代表質問と委員会で指摘したことを含め、局別に問題点や今後の課題を述べてまいります。
 市長政策室関係では、指定管理者における雇用問題を取り上げました。
 本市の指定管理者導入率は、指定都市中トップの80%であり、そこでのパート・アルバイトなどが65%になり、不安定雇用の温床になっており低賃金が横行していることを指摘しました。最低賃金に抑えられている人が多いのではないかと質問しましたが、把握していないとのことでしたので、賃金と雇用形態についてただちに調査することが必要であります。

 市民まちづくり局関係です。
 札樽道、北インターチェンジと都心部を直結させる自動車専用のアクセス道路の問題を取り上げました。
 問題の道路の長さは4.5キロメートル程度になると思います。そこを時速80キロメートルで走ると、所要時間は3分20秒になります。一方、現在の創成川通を時速40キロメートルで走ったとすると、所要時間は6分45秒になります。これらの仮定に立てば、アクセス道路の時間短縮効果は、3分25秒です。建設費は、数百億円と言われています。そうだとすると、1分短縮するのに百億円ということになります。1分、百億円は高すぎるので、やめるべきであります。

 バスネットワークの問題も取り上げました。
 国の規制緩和により、バス事業者が、バス路線の廃止を決められるようになりましたが、本市直営のバス事業がなくなったために、問題が非常に複雑になっています。すなわち、市民の足である公共交通を守る責任が本市にありながら、実際の運行を担い、路線の存続・廃止の判断と権限はバス事業者にあるという矛盾です。この根本問題がある限り、バス路線問題は起こり続けると思われます。赤字路線に対する本市の関与を抜本的に強化し、本市の事業として市民の足を守る方策を検討することを求めておきます。

 次に保健福祉局についてです。
 特別養護老人ホームの待機者は、現在6106人いることを指摘しました。特別養護老人ホームに申し込む高齢者は、5年後、10年後に入所しようと思って申し込むのではありません。すでに介護認定を受けている人がケアマネージャーから特養に入った方がいいと言われ、住み慣れた家を離れる決意をして申し込んでいるのです。今回の代表質問で副市長は、「これまで以上の整備が必要と考えている」と答弁していますから、待機者を解消する具体的な整備計画をしっかりと示し、本当にやる気があるという姿勢を市民の前に明らかにすべきです。待機者を解消していく上で、在宅介護の充実やグループホームの整備など多彩な高齢者住宅のあり方を含めた総合的な高齢者対策に取り組むことを強く求めます。

 介護保険の保険料滞納者に過酷な給付制限を科していることは問題です。すなわち、1年以上1年半未満の滞納者は、国保の資格証明書と同じような取り扱いになる償還払いで、いったん10割全額を払わせ、後日9割を返還しています。1年半から2年未満の場合、10割全額払わせ、返還するはずの9割は本人に返さず、保険料滞納分に充当しています。2年以上の場合は、1割の自己負担を3倍の3割に引き上げています。昨年3月現在、本市において、これらの処分を科している例が147件になっていますが、負担が大変な高額になるため、必要な介護サービスも受けられない重大な人権問題であります。給付制限はただちにやめるべきであります。

 生活保護制度についてですが、指定都市市長会は2010年、国に対して3年から5年ごとの更新制導入、医療費の一部自己負担導入の改悪を提案しました。これは、生活保護を必要とする人を排除する弱者切り捨ての制度改悪であり、憲法第25条の理念を根底から覆すものであり、改悪は行うべきではありません。さらに、生活保護申請書類が煩雑であることを指摘しました。見直し、改善をおこなうよう求めます。

 乳幼児健診についてですが、今後のあり方について内部での検討が進んでいますが、検討段階で十分に情報を提供し、現場で働く労働者の意見や市民意見、議会の意見についてもしっかりと受け止め、民間委託ありきで進めるべきではないということを強く指摘しておきます。

 子ども未来局関係では、保育所問題を取り上げました。
 私どもは、待機児童対策を議会で毎回求めてまいりました。5年間で3500人分の増設計画ができましたが、前倒しで整備することを要求し、2012年度にやりあげて、目標をさらに引き上げ5,000人分の整備を進めるべきであります。また、子ども子育て新システムの問題ですが、保育を社会保障から、市場原理にゆだねる商品に変質させるものです。保育を時間で切り売りする、保護者と保育所との直接契約で公的責任をなくする、営利企業の参入により安上がり保育のおそれがあるなどの問題です。関係者から、いっせいに反対の声があがっており、本市としても反対を表明すべきであります。

 環境局関係では、生ごみリサイクルについてただしました。
 燃やせるごみに含まれている生ごみは、118,138トン、割合で46%にもなるもので、今後のごみ減量の中心課題です。リサイクルのモデル事業として、748世帯から60トン収集しています。協力率の高い地域では、76%にもなっているので、本市全体で76%の協力を得られることを目指すべきですが、理事者は、生ごみ減量の目標はもっていないとのことでした。意欲をもって、目標を掲げ、推進することが求められていることを申し上げるものであります。

 次に経済局についてです。
 2010年3月に高校を卒業した未就職者を正規雇用した場合に企業に直接補助金を支給する未就職者就職支援事業についてです。1人当たり80万円で50人の応募という内容で、対象の50人を超えた場合、補正予算をつけるべきであること、また、助成制度は続けていくべきだということを強く求めます。就職内定率が厳しい中で、市として就職につながる情報提供を積極的に行うべきだということを指摘しておきます。

 コミュニティ型建設業についてです。事業仕分けで廃止とされましたが見直しで存続することになりました。しかし、市は、今後、責任を負わず、業者に任せて自立をはかるとしています。本市がかかわっている事業だからこそ市民が安心してリフォームなどを行うことができる事業となっていることから、コミュニティ型建設業は引き続き本市として継続していくべきだということを改めて指摘しておきます。

 次に都市局についてです。
 市営住宅の計画修繕について、年間予算が減らされていることを指摘し、積み残しの計画修繕は速やかに実施すべきと求めました。
 市営住宅の住み替えについては、現在の住み替え登録申請に対して09年度13.4%とほとんど進んでいません。住み替えを希望している世帯、入居者について実態調査を行い、現状を把握したうえで早急に対策を講じるべきです。
 住宅エコリフォーム補助制度についてです。2010年度の実績は45件、1011万円で総工事費は2億6千4百万円余りでした。新年度は、対象住宅を賃貸住宅にも拡大する、バリアフリー改修における年齢制限の撤廃、添付資料の簡素化など改善を行ったものの、依然として「居室の窓すべての断熱改修を行うことが必須」など制限が多く、改善が必要です。新年度の予算は1520万円と前年度と同じです。秋田県では21億円の予算に対して512億円の経済波及効果が上がっています。本市の住宅エコリフォーム補助制度は、全てのリフォームを対象にし、業者についても建設業登録の条件を解除し、予算を上乗せすべきです。

 次に交通局についてです。
 地下鉄ホームの可動柵の設置についてですが、視覚障害者の3人に1人が地下鉄ホームに転落しそうになった経験を持っています。視覚障害者からは、可動柵のない路線での転落事故が心配であり、一日も早く安全な可動柵を設置してほしいとの要望が寄せられています。市民の命と安全を守るために地下鉄ホームでの安全対策の充実と2018年度設置予定の東豊線の可動柵は、前倒しを行って整備するよう強く求めます。

 教育委員会では、子どもの貧困問題について質問しました。
 奨学金を希望する生徒・学生が急増しており、学ぶ権利の保障として、人数枠の拡大を図るべきであります。また、就学援助についてですが、国があらたに認めたクラブ活動費、生徒会費、PTA会費を加えるとともに、眼鏡の支給を行うべきであります。委員会で、「学習に支障をきたす」ものについては、福祉に限定せず、教育としても対応すべきであることを議論しました。教育委員会は、前向きに検討すべきであります。
 以上で、私の討論を終わります。