代表質問・論戦・意見書 等

日本共産党札幌市議団

札幌市第2回定例議会

日本共産党 代表質問
(2011年6月)

宮川 潤 議員

 私は日本共産党を代表して議案ならびに当面する市政の重要問題について質問いたします。

 質問に先立って、東日本大震災で亡くなられた方々のご冥福をお祈りし、被災された方々には心からお見舞い申し上げます。一刻も早い復興のために、わが党も力を尽くす所存であります。

 最初の質問は、市長の政治姿勢についてです。

 質問の第1は、原発からの撤退についてです。
 福島第一発電所の事故は、原発の危険性を国民の前に事実をもって明らかにしました。世論調査で原発の縮減、廃止を求める声が半数を超えるなど世論の大きな変化が起こっています。世界では、期限をきめた廃止、再開凍結の動きが始まっています。
 わが党は安全性の保障がない「未完成の技術」のままで原子力発電の道に踏みだすことには最初からきっぱり反対してきました。
 市長の安全性と核廃棄物についての見解を明らかにしてください。
 また、自然エネルギーの開発、低エネルギー社会へ転換を図るべきだと思いますが、市長の見解を伺います。
 昨年、経済産業省は、泊原発のプルサーマル化を許可し、今年5月、北電はプルトニウム・ウラン混合酸化物、MOX燃料検査を申請しました。道民・市民にとって、新たな危険な局面を迎えています。
 市長は、プルサーマルの危険性について、どう評価しているのか、泊原発から70キロメートルしか離れていないことも踏まえ、市民を守る立場で、プルサーマル化反対を明らかにし、関係機関に訴えるべきではありませんか、うかがいます。

 質問の第2は、消費税の増税についてです。
 政府は、税と社会保障の一体改革と称して社会保障の削減と消費税増税を行おうとしています。消費税増税は、内需が冷えこみ経済に与える影響が大きいと思いますがいかがか伺います。
 市民、中小企業、被災者にも過酷な負担増を強いるものであり、増税すべきでないと思いますがいかがか、市長の見解をお示し下さい。

 質問の第3は、補正予算案についてです。
 5月24日の内閣府の月例経済報告では、景気は東日本震災の影響により、このところ弱い動きになっている。また、失業率が高水準になるなど依然として厳しい状況にあると報告しております。
 働く人の賃金も、高齢者の年金も、下がり続け、非正規労働者は、たちまち解雇される状況です。
 補正予算の編成については、経済状況に対応し、市民生活を底上げし、安心感を与える予算としなければなりません。
 ところが、市長の所信表明において、市民を貧困から守る視点が欠落していたことは、看過できない問題です。補正予算においても、貧困対策としての施策が不十分であります。
 市長は、貧困対策の重要性についてどう認識され、今年度の施策として、どう実行しようとされているのか、うかがいます。

 質問の第4は、路面電車の延伸についてです。
 昨年度、「都心まちづくりフォーラム」や「路面電車の活用を考える市民会議」などを開催し、市民の理解が広がっています。延長を求める要望書や、1万3000名を超える署名も提出されました。
 そして、「札幌市路面電車活用方針」は、JR札幌駅・桑園駅・苗穂駅周辺という三つのエリアを柱として、具体的な検討段階にはいることとなりました。
 「すすきの駅」と「南1条西4丁目」の電停を結ぶ新線を建設する段取りについて、具体的にお示しください。また、JR札幌駅、苗穂駅方面、桑園駅方面への延長についても、実現までの大まかな目標年次をどのように考えておられるのか、明らかにしてください。
 地球温暖化にストップをかけるためにも高齢社会に対するためにも、車中心社会から抜け出し、公共交通を充実させた札幌のまちづくりが急がれます。とりわけ、建設コストも低く抑えられる市電は時代の要請にこたえる乗り物です。
 市民の中には、路線を延長しても、沿線の住民しか利用できないという意見もありますが、本市の中央集中の都市構造、交通体系もあり、JRや地下鉄を乗り継いで利用されることが考えられます。この点についての市長の見解をうかがいます。また、将来、郊外部や環状型交通での市電の新たな展開にも道を開くものと考えます。地下鉄を補完する公共交通として、どう配置するのか、市長のビジョンをお示しください。
 さらに、赤字を心配する市民の懸念を払拭する上でも、市電の新線建設などにあたって、国や自治体からの公的補助を拡大する新たな財政システムの確立は急務と考えます。市長は、その先頭に立つ決意をお持ちか、うかがいます。


 次に防災の強化について質問します。

 3月11日におこった東日本大震災では、地震と津波による甚大な被害が広がりました。15日現在、死者1万5千434人、行方不明者は7千742人なっており、避難と転居を余儀なくされている被災者が12万4千594人にもなっています。今回の災害を教訓に、命最優先の災害に強いまちづくりを強力に進めていかなければなりません。

 質問の第1は、札幌市地域防災計画の地震災害対策編の見直しについてです。
 今回の東日本大震災ではマグニチュード9.0震度6強から7でしたが、本市防災計画の想定は、マグニチュード6.7から8、震度6弱から7となっています。厳冬期における最悪の事態を想定した計画にすべきであります。さらに、本市の防災計画は、「冬季の大地震では、建物被害は、全半壊が11万2千500棟」と想定していますが、東日本大震災での全半壊家屋は16万8016棟にもなっています。家屋倒壊数についても見直しを行うべきと考えますがいかがか伺います。
 本市の防災計画では、津波による被害を想定していません。海に近い場所もあり、川が逆流して氾濫する可能性があります。また、液状化も広範囲に発生する可能性があると思いますが、いかがか、津波対策などを盛り込むべきと思いますが、いかがか、うかがいます。

 質問の第2は、学校および市有施設の耐震化についてです。
 その1点目は、学校の耐震化についてです。
 学校は、子どもたちが日中の大半を過ごす施設であり、その多くが避難所にも指定されていることから、最優先で耐震化を進めるべきであります。ところが、本市では現在なお、地震に際して倒壊する危険性が高いとされているIs値0.3未満の学校が4校残されています。この学校はただちに耐震補強もしくは改築しなければなりませんが、耐震力の確保はいつまでにやるのか、うかがいます。
 また、学校の耐震力はIs値0.7以上と定められています。0.3以上で0.7未満の学校は128校ありますが、いつまでに耐震基準を満たすのか、明らかにしてください。
 2点目は、その他の市有施設の耐震化についてです。
 Is値0.3未満の施設が12施設あります。これらは、基本的に今年度中に耐震化するとされていますが、今年度中に完了しない施設はどこで、今後のめどはどうなっているのか、明らかにしてください。
 学校以外の市有施設で、Is値0.3以上0.6未満の施設は26ありますが、それらの耐震化計画をいつまでに策定するのか、うかがいます。実際の耐震化工事はいつまでを目処に考えているのか、お示しください。
 3点目は、学校とその他の市有施設に共通する問題です。
 耐震診断をしているのは、旧耐震基準で建てられたものだけです。1981年に新耐震基準が策定されましたが、その後も阪神淡路大震災の教訓もあり、何度も、建築基準法や、施行令が改正され、構造規定が厳しくなり、より高い耐震力が求められるようになっています。建築した当時の構造規定を満たしていても、現在求められる耐震力を有していないということです。
 1981年の新耐震基準後の学校および市有施設について、耐震診断を行うべきですが、いかがか、うかがいます。

 質問の第3は、避難所の応急備蓄物資についてです。
 私ども市議団は、昨年の決算特別委員会で、避難所に食料や粉ミルク、毛布などの応急備蓄物資が配置されていない問題を取り上げました。厳寒期に体育館に避難した時に、毛布や寝袋がない、届けられるのに時間がかかると、高齢者や病弱者、障がい者の場合、生死にかかわる問題となります。市内の避難所は608箇所あります。その中で、備蓄物資を備えているところは132箇所のみで、残りの476箇所は備蓄物資がなく、他の場所から運んで来なくてはなりません。地震による地割れやガレキによる交通障害、水害による交通マヒの場合には、物資の到着に何日もかかることが考えられます。
 すべての避難所に、備蓄物資を配置すべきと思いますが、今後どう改善するおつもりか、うかがいます。

 質問の第4は、避難所の周知についてです。
 NTTや北電の電柱に広告を出している企業が地域貢献として、避難所を表示していることがありますが、その数は、NTTの電柱に455カ所、北電では1ヶ所のみです。広告を出す企業だけでなく、北電やNTTが地域貢献として避難所の表示板を設置するよう呼び掛けてはどうかと思いますが、いかがかですか。また、市内の消火栓、防火水槽は1万8,000ヶ所ありますが、その表示板に、避難所を明記して周知をはかるべきだと思いますが、いかがか伺います。


 次に、介護の問題について質問します。

 質問の第1は、介護保険制度の見直しについてです。
 国会で、介護保険法の改定が昨日成立しました。現行の制度で「要支援者」向けに行われている訪問・通所サービスを、市町村の判断で「介護予防・日常生活支援総合事業」に移し、保険給付の対象からはずすことができるとするものです。介護保険から給付費を削減し、国の負担を減らすのが狙いです。
 介護保険制度は、これまでも「保険あって介護なし」と批判されてきました。介護保険料を払わせ、「要支援」と認定しながら、給付対象からはずすのは、介護を受ける権利を奪う人権問題です。
 「要支援」と認定された人を、症状が軽いからというだけで保険給付の対象からはずし、市町村の「総合事業」に移すことは、介護を予防する上でも矛盾したやり方であり、問題だと思いますが、いかがか。また、国庫負担の削減ではなく、拡大して、市町村と高齢者の負担を軽減すべきと思いますが、いかがか、うかがいます。

 質問の第2は、特別養護老人ホームの整備についてです。
 昨年12月末現在の本市の待機者は、6,106人です。この中で、要介護度4または5の人が2,024人です。また、在宅の人が2,044人となっており、深刻であります。
 まず、基本的な考え方についてですが、待機者については解消することを目指すのか、うかがいます。
 これまで、特養ホーム待機者を急増させて、何年間も待たなければ特養ホームに入れないという状況を作ってきたのは、本市の計画で、介護認定者を少なく見込んできたことが大きな要因です。
 2003年に策定した高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画でも、2006年3月に策定の計画でも、2009年に策定した計画でも、介護認定者を少なく見込んできました。
 現在、次の介護保険事業計画を策定中とうかがっておりますが、これ以上同じ轍を踏まない、要介護認定者の数を過少に見込まないことが、計画策定の絶対的条件だと思いますが、市長はいかがお考えか、うかがいます。
 市長は、選挙公約で2014年度までに1000人の整備を進めるとしていますが、目標の引き上げが必要なことになると思いますが、いかがか、うかがいます。

 質問の第3は、介護保険料滞納者に対する処分、すなわち給付制限の問題についてです。
 介護保険料は、年金から天引きされますが、年金額が1ヶ月1万5千円に満たない場合などは、納付書による納付となります。生活そのものが大変ですが、とりわけ、障がいがある方に対しては、安心な暮らしを送れるように、行政は可能な限りの配慮を行うべきであると思いますが、いかがか、まず、市長のお考えをうかがいます。
 介護保険料の納付が1年滞る場合、いったん10割全額を支払い、後日、9割が還付される償還払いとなります。10割全額を用意できないために、必要な介護が受けられなくなります。
 2年滞納すると、利用料が1割負担でなく、3割負担になります。こうなると、いよいよ介護が受けられなくなります。
 5月13日現在、要介護あるいは要支援の認定を受けているにもかかわらず、給付制限されている市民は、入院中や市外に転出、死亡した人を除いて、136人に上ります。この136人はすべて介護認定を受けているにもかかわらず、介護保険を利用しているのはわずか26人、19%だけです。
 本市の65歳以上で要介護認定を受けている人は3月末で7万1千748人です。そのうち、介護保険を利用している人の割合は77%です。比較すると、給付制限を受けている人は、必要な介護を受けられていない状態にあると思いますが、いかがですか、市長の現状認識をうかがいます。
 年金が少ないためにお金がなく保険料を払えない人は、年をとって、体が不自由になっても介護を受けられなくても仕方が無いというのが、本市の考え方ですか。高齢者が必要な介護を受けることは、憲法第13条「生命、自由、幸福追求の権利」、および第25条「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」で保障された基本的人権であると思いますが、いかがですか。
 道内には、介護保険の給付制限という処分を行っていないところもあります。本市でも、人権に配慮した対応をすべきであります。必要な介護が受けられなくなる過酷な処分はやめるべきだと思いますが、いかがか、うかがいます。


 次に、国民健康保険についてです。

 質問の第1は、「手遅れ死」に対する市長の認識についてです。
 第一回定例会で、保険料が払えず事実上「無保険」になり、受診できず「手遅れ死」になっている人が、全日本民主医療機関連合会の調査では、昨年は全国で71人、本市で5人になっています。
 自営業の50代男性は、取引先の倒産により収入が途絶え、友人から食料などの援助を受けながら暮らしていました。一週間もひどい下痢状態が続いていましたが、保険証がなく受診を我慢していました。受診した時には末期の肝臓がんと診断され、17日後に亡くなりました。受診と同時に生活保護の申請をしましたが、決定が下ったのは亡くなった後でした。
 保険証がないために、受診抑制がひろがり「手遅れ死」が後をたたないことについてどのように認識していますか、伺います。市として、医療機関の協力も得て、実態調査すべきですが、いかがか伺います。

 質問の第2は、資格証明書の発行についてです。
 2月時点での資格書交付世帯が11,378世帯にも及んでいます。保険料滞納者で連絡が取れない人については、生活状況を把握していなくても資格書を発行しているのではないですか、うかがいます。
 広島市は、まず全世帯に保険証を交付し、特別の事情がないか調査しており、資格書発行は4世帯のみです。
 さいたま市では、資格書はゼロです。
 そこで、資格書の発行は、生活状況をつかみ、丁寧に相談にのり、明らかに資力がありながら滞納している人に限るべきと考えますがいかがか伺います。

 質問の第3は、国保の一部負担金の減免についてです。
 窓口での3割負担が重いために、受診抑制がおきています。一部負担金の減免制度があるにも関わらず、周知されず、制度がほとんど活用されていません。保険証と一緒に郵送する「しおり」にわかりやすく示すよう改善するとともに、区役所の窓口でも積極的に知らせるべきと思いますが、いかがか伺います。

 質問の第4は、国保料の引き下げについてです。
 国保加入世帯の平均所得が長期間にわたり低下を続けているため、2000年から平均保険料は据え置いたとしているものの、加入者から見れば、値上げです。給与収入2人世帯で年収200万円の場合の保険料ですが、2000年には11万2千650円だったものが、今年、同じ収入で19万8千540円と、8万5千890円も高くなっています。他の保険との比較し、国保料が2倍以上にもなる層があるなど、払いたくても払えない実態が広がっているのです。誰もが安心して病院にかかれるようにすべきです。その第一歩として、最低でも1世帯平均1万円の保険料引下げ、払える保険料に踏み出すべきですがいかがか伺います。


 次に、子どもにかかわる問題について質問します。

 質問の第1は、子ども・子育て新システムについてです。
 「子ども・子育て新システム」は、保育の公的責任があいまいにされ、保育の質は明らかに低下する、と全国の保育関係者・保護者から強い反対の声があがっています。まず、保育は社会保障の一環である、という点について、市長はいかがお考えか、うかがいます。
 また、国は5月2日に、保育所最低基準を市町村の裁量で緩和することが出来る法律を制定しました。児童1人あたりの面積、及び、保育士の数についても、市町村の裁量になるのか、あるいは、国が新たな基準を定めるとしても、本市においては、削減すべきではないと思いますが、どのようにお考えか、うかがいます。

 質問の第2は、保育所の超過入所の解消と保育の質の維持向上についてです。
 今年1月の保育所入所の実態は、多いところで、90名定員の保育所に112名の子どもを入所させなければならないという超過密入所となっています。
 定員を超えて受け入れた結果、保育士が健康を害したり、余裕をもった保育ができない、という実態をどのように認識されているのか。超過入所を早急に解消すべきと考えますがいかがか、うかがいます。
 認可保育所の職員処遇の改善について、国に要請することとあわせて、急いで、本市独自の上乗せを図るべきと考えますが、いかがか、うかがいます。

 質問の第3は、待機児童についてです。
昨年4月、1290名の待機児童でしたが、今年4月、すでに1339名もの待機児童が生じており、昨年よりも多くなっています。待機児童が毎年増えているこの実態を、市長はどのように評価されるのか、おたずねします。市長の選挙公約は、「2014年度までに保育所定員4000人増」というもので、今年度は1300名分の保育所整備を計画していますが、これを前倒しして、2013年まで、すなわち、あと3年で、5000名の保育所整備を行い、待機児童の早期解消を図るべきと思いますが、いかがお考えか、うかがいます。

 質問の第4は、乳幼児健診についてです。
 本市の乳幼児健診は、個別相談と集団相談を組み合わせて、4ヶ月児、1歳6ヶ月児、3歳児を対象に、歯科、栄養、心理相談なども実施され、受診率も、要指導・要精密検査の捕捉率も高く、小児科医からも高い評価を受けているものです。これまでも、本市議会で問題にされてきましたが、民間委託化が進められようとしています。これに対して、小児科医会は、反対を表明しています。
 1点目は、本市の責任についてです。
 1月18日、市が、小児科医会との打ち合わせ会議で「委託医療機関推計」という資料を提出し、乳幼児健診の年間受診数のすべて、5万8千276件を、民間医療機関の数で割り返し、1医療機関あたり、何件の健診になるのかという数字を示しています。この時点で、本市は、乳幼児健診のすべてを民間委託することを前提にしていたとしか思えません。今になって、全面委託ではないと言っても、混乱をまねき、信頼関係をそこなった責任は、市にあると思いますが、いかがか、うかがいます。
 2点目は、今後の小児科医会との関係についてです。
 小児科医会が反対だとしても、委託を強行するおつもりでしょうか、小児科医会と十分話し合って、納得と合意を前提にすべきだと思いますが、いかがかうかがいます。


 次に、新たな財源対策として、基金の活用について質問します。

 質問の第1は、基金全体の見直しについてです。
 本市22基金の合計残高は、2010年度末見込で、2,000億円と莫大なものであり、本市の財産として最も有効な活用を図るべきであります。財政状況の厳しいときには、造成せず、支消だけする。基金の幅広い活用を行えば、それだけ一般財源を他の事業へ活用できることになります。
 市民福祉のための財源とすべく基金全体の見直しや検討をするお考えがあるか、うかがいます。

 質問の第2は、個別の基金についてです。
 その1点目は、地下高速鉄道基金についてです。
 地下鉄の新たな建設計画はありませんが、そのための基金が9億円あります。13年間、いっさい活用されないまま、ただ抱え続けているものです。地下鉄基金の今後のあり方と活用について、どうお考えか、うかがいます。
 2点目は、霊園基金についてです。
 霊園の草刈に活用されている霊園基金は28億円もあります。例年、4千数百万円造成し、8千数百万円ほど支消してきました。このままの運用でも、70年間は維持できる計算になります。長期的視野に立って、柔軟な活用を図るべきでありますが、いかがか、うかがいます。
 3点目は、土地開発基金とまちづくり推進基金についてであります。
 土地開発基金は、200億円の定額運用を行うこととされています。2010年度末の残高は、670億円、そのうち現金が234億円と、取り崩し可能な財源が残されています。
 まちづくり推進基金は、2010年度末残高153億円、そのうち現金が105億円となっています。
 これらの財源を学校耐震化や保育所・特別養護老人ホームの整備に活用すべきと考えますが、市長は、それぞれ、いつまでに、何に活用するお考えですか、明らかにしてください。


 次は、生肉摂取による集団食中毒事件についてです。

 焼き肉チェーン店で出された「ユッケ」が原因とみられる食中毒で4人が死亡した事件は、「食の安全」がおろそかにされている危険を改めて浮き彫りにしました。
 危険な食品を客に提供していた焼き肉店や食材を納入した卸業者などの責任は、厳しく追及されるべきです。同時に「食の安全」を保証する、国と自治体の責任も厳しく問われるべきです。
 1996年に牛レバーの生食で腸管出血性大腸菌O157による食中毒が相次いだことから、厚生労働省は98年に「生食用食肉の衛生基準」を決めました。この基準は、牛・馬のレバー、肉を対象にしたもので、厚労省によると、2008年度以降、衛生基準を満たす牛肉の、と畜場からの出荷実績はないと思われるとしています。鶏肉や豚肉には衛生基準はありません。
 しかし現実には、生食用ではない食肉が生のままで、飲食店で提供されていますが、そのような現状をどの様に認識しておられるのか、また、食肉を感染源とする食中毒は毎年発生しており、今後の検査・指導を強化し、食中毒を未然に防ぐ対策を講ずるべきと思いますが、いかがか、うかがいます。
 今回の事件をうけて、5月5日付けで厚労省から「生食用食肉を取り扱う施設に対する緊急監視の実施について」の通知が出されていますが、監視指導はどの程度進んでいるのか。具体的指導はどの様に行っているのか、うかがいます。さらに、10日付けの通知では、消費者に対して、適切に加工を行っている旨、飲食店から情報提供するよう保健所の指導を求めていますが、本市の状況はどの様になっているのか、うかがいます。
 これからが食中毒の多くなる時期でもあり、食肉加工業者、卸業者や飲食店、さらに消費者への具体的な対応が求められていると思うのですが、どう対処するおつもりか、うかがいます。

 以上で、私の質問のすべてを終わります。ご清聴ありがとうございました。



代表質問への市長などの答弁


上田文雄市長


  6項目ご質問がございましたので、私からは、政治姿勢と防災の問題について答弁させていただきまして、その余は担当の生島副市長と北原教育長から答弁をさせていただきます。

 まず最初に、市長の政治姿勢についてということでございまして、1点目の原発からの撤退についてという項目でお尋ねがございました。
 まず、原子力発電所の安全性をどう考えるかというご質問でございますが、このたびの福島第一原子力発電所の大事故を目の当たりにいたしまして、これまで絶対に安全だというふうに言っていたものが決してそうではないのだということが多くの市民に理解されたということでございますので、そのような安全性ということについては、絶対安全ということはあり得ないのだということは認識を共有させていただいているところであります。
 それを踏まえた上で、今回の福島原発の事故の全容解明をしていただくことを早急に東電あるいは国に対して要望すると同時に、現在稼働しております原子力発電所につきましては、徹底的な安全基準といったものを適用していただいて、そして、国民の不安を解消するべきである、このように考えますし、もう一つ、核廃棄物についてはどうかというご質問でございますが、核廃棄物についての処理、処分方法に関する技術はいまだ確立していない、このように考えておるところでございます。
 プルサーマル計画についてでございますが、その安全性について、これまでもさまざまな議論がございます。今回の事故発生に伴いまして、市民の皆様方から大変不安だという声が数多く寄せられておるところでございまして、これは、凍結をするべきであるという考え方でございます。
 したがいまして、札幌市といたしましては、必要な情報提供を要求させていただくということと同時に、さまざまな情報収集を行いながら、関係機関の今後の対応などを注視しつつ、機会をとらえて、市民の不安、そして札幌市の考え方というものを申し入れていきたい、こんなふうに考えているところでございます。
 また、自然エネルギーの開発、それから低エネルギー社会への転換ということを図っていくことについてでございますが、これまで札幌市が積極的に取り組んでまいりました太陽光発電などの自然エネルギーの普及拡大だとか、エネルギー消費を抑えた省エネ生活の実現に向けた取り組みというものをさらに推進してまいりたいと考えているところでございます。

 2点目の消費税についてということでございますが、消費税を含みます税制のあり方につきましては、社会保障と税の一体改革の中で、社会保障の安定強化に必要な財源の安定的確保、そして、低所得者層への配慮、また市民生活や経済動向など、さまざまな観点から国政の場におきまして幅広く議論をされていくべきものと考えているところであります。

 3点目の補正予算についてでありますが、貧困問題については、これまでも社会保障と経済・雇用対策の両面からさまざまな取り組みを積極的に実施してきておりまして、また、新しい施政方針におきましても同様の観点で位置づけをいたしまして、今回の補正予算案にも地域経済対策や雇用の安定化に向けた取り組みを盛り込ませていただいたところであります。
 貧困問題の解決のためには、新たな雇用の創出や就業の促進、さらには、生活保護や年金、医療といった社会保障制度などの整備など、さまざまな面からの対応が必要でございまして、一自治体だけの力では限界があることも事実でありますけれども、今後とも国や道と連携を図りながら取り組んでまいりたい、このように考えているところであります。

 4点目の路面電車の延伸についてお答えをいたします。
 まず、延伸のスケジュールということでありますが、既設線のループ化については、今年度から関係行政機関や地元の商業者の方々との協議を一層進めていきますとともに、技術と経営両面からの詳細な検討を進め、事業計画の策定、そして実施設計、さらには、都市計画決定や軌道法の特許などの法的手続を経て、平成26年度に工事に着手したいと考えているところであります。
 また、JR札幌駅方面への延伸、創成川以東地区、創成川イーストだとか、あるいは桑園地区への延伸につきましては、財政状況等を勘案しながら、関連するまちづくり事業との連携を図りつつ検討を進めてまいります。
 次に、路面電車と他の公共交通機関との連携についてであります。
現在、延伸を検討しております3地域には、多数の人々が利用いたします商業施設、観光施設、そして医療機関等が数多く立地しておりますので、路面電車と他の公共交通機関が相互に連携していくことは、沿線住民だけではなくて、広く市民や札幌市を訪れる方々の利便性向上につながるもの、このように考えております。
 最後に、公的補助の拡大についてでありますが、延伸の際には、現行の補助制度を最大限活用していきますけれども、今後とも補助制度の一層の充実が図られるように、国や他の交通事業者の動向を注視しつつ適宜・適切に働きかけを行ってまいりたい、このように考えているところであります。


 次に、防災の強化についてお答えをいたします。

 1点目の札幌市地域防災計画の地震災害対策編の見直しについてであります。
 まず、家屋倒壊数の見直しについてでありますが、札幌市において最大級の被害をもたらす地震は、現時点における調査、観測結果から直下型地震でございまして、この地震が厳冬期、寒いときに発生するという最悪の条件のもとで家屋倒壊数や液状化などの被害想定を行ったものでございます。今後、地震に関する調査研究によりまして新たな知見が得られた場合には、これらの見直しが必要になるもの、このように考えております。
 次に、津波対策についてでありますが、札幌市の地理的な条件などを考慮いたしまと、大津波が起きた場合、この影響が及ぶ可能性があるということから、北海道の津波浸水予測の見直しの動きを見据えながら、避難方法だとか避難場所の考え方などについて検討していきたい、このように考えております。

 防災の強化についての2点目、学校及び市有施設の耐震化についてのご質問でありますが、そのうち、その他の市有施設の耐震化についてでございます。
 Is値が0.3未満の施設のうち、今年度中に耐震化が完了しない施設は5施設ございます。そのうち、中央体育館は建てかえを予定しております。残りの4施設、これは中央消防署の大通出張所と北区役所の別館、ポプラ若者活動センター、それから定山渓出所、この四つでありますが、これにつきましては、耐震設計等に着手しているところであります。また、引き続き耐震化が必要となります施設につきましては、次期耐震化計画を第3次札幌新まちづくり計画に合わせて策定いたしまして、早期の耐震化を目指していきたいと考えているところであります。
 次に、新耐震基準後の学校及び市有施設の耐震診断についてでありますが、昭和56年の新耐震基準施行後、法改正はありましたけれども、耐震設計の基本となります規定は変更されておりませんので、新たな耐震診断というものは不要である、このような判断をしているところであります。

 3点目の避難場所の応急備蓄物資についてでございますが、備蓄物資をすべての避難場所に配置した場合に、実際の避難者数に応じた物資の回収、再搬送というものが非常に煩雑になるなど、必ずしも効率的ではないと考えられますことから、現在は、拠点となります公共施設の避難場所などに分散配置をしているところであります。今後とも、より適正な備蓄物資の配置に努めてまいりたい、このように考えているところであります。

 4点目の避難場所の周知についてでありますけれども、平成22年に行いました市民アンケートにおきましては、7割以上の方々が自宅や勤務先の近くにあります避難場所を認知しているという結果が出ておりまして、今後とも、ホームページへの掲載だとか、あるいは、地震防災マップ、洪水ハザードマップ、各区のガイドマップなどさまざまな手法で広く周知をしていきたい、このように考えているところでございます。
私からは、以上でございます。



生島典明副市長


 まず、介護問題についてお答えをいたします。

 1点目の介護保険制度の見直しについてであります。
 介護予防・日常生活支援総合事業につきましては、国からその事業内容等が示されておりませんが、今後、詳細が判明した段階で、各市町村の判断でその実施等について検討することとなります。また、市町村と高齢者の負担軽減につきましては、国に対して、他都市と連携を図りながら、十分な財政措置を行うとともに、保険料や利用料の軽減を図るため必要な措置を講ずるよう、引き続き要望していきます。

 次に、2点目の特別養護老人ホームにつきましては、これまで以上の整備が必要と考えており、介護保険料の影響などを考慮しながらも、次期高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画の中でより積極的に盛り込んでまいります。
 次に、要介護認定者数の推計についてですが、高齢者人口、要介護認定者数のこれまでの実績を適切に踏まえ、正確に推計してまいります。

 3点目の介護保険料滞納者に対する給付制限の問題についてでありますが、一つ目の要介護状態の被保険者への配慮については、介護給付費準備基金活用等により保険料の水準を全体的に抑制しているほか、所得の低い方には減免措置による負担軽減を図っているところであります。
 二つ目の給付制限者に対する認識についてですが、給付制限は、介護保険料の負担の公平性の観点から、制度上、必要なものでありますけれども、滞納保険料の納付相談等にはきめ細やかに対応しているところであります。また、給付制限は、支払い方法や利用者負担の割合が変更されるものの、介護サービスを利用すること自体は制限されておりまん。

 三つ目の今後の対応についてですが、介護保険料の滞納に対しましては、市町村は介護保険法に基づき適切な措置を行うよう求められており、今後も引き続き適正な運用に努めてまいります。


次に、国民健康保険についてお答えをいたします。

 1点目の受診抑制についてでありますが、資格証明書を交付している世帯から申し出があり、医療費の一時払いが困難であると判断したときは、速やかに医療機関へ受診できるよう短期の保険証を交付しており、まずは区役所の窓口にご相談をいただきたいと考えております。

 2点目の資格証明書の交付についてでありますが、札幌市では、電話、訪問、文書による催告などを繰り返し、世帯の生活状況や納付資力の状況などをしっかりと把握しながら、特別な事情などをお知らせいただく手続を経た上で交付しているところであります。

 3点目の一部負担金の減免についてでありますが、従来から国保のしおり等によって周知を図る一方、窓口などで相談があった場合には、個々の事情に応じ、適切に対応しているところであり、今後もよりわかりやすくするなどの工夫をしてまいります。

 4点目の国保料の引き下げについてであります。
保険料の引き下げを行うためには、一般会計からの繰り入れを増額するしかありませんが、これまでも保険料の抑制のために最大限の繰り入れを行っており、これ以上の大幅な増額は極めて難しいものと考えております。


次に、子どもにかかわる問題についてお答えをいたします。

 1点目の子ども・子育て新システム等についてです。
 まず、新システムについてですが、これは、すべての子どもへの良質な生育環境を保障し、社会全体で支援する制度でありますが、課題もあることから、札幌市としては、保育と教育の質を確保することなどについて、指定都市市長会を通じて国に要請したところでございます。
 次に、保育所の設備及び運営に関する基準の条例化につきましては、施設の面積や保育士の数は国が最低基準を定めるものとなっておりますので、その基準が明らかになった時点で、待機児童対策と保育の質のバランスに配慮しながら検討してまいりたいと考えております。

 2点目の保育所の超過入所の解消と保育の質の維持・向上、3点目の待機児童についてですが、関連がありますので、まとめてお答えをいたします。
札幌市といたしましては、超過入所や待機児童の現状を重く受けとめており、今回、さらに60人の定員増を図る補正予算を提案しているところでございます。今後も、保育需要に柔軟に対応しながら保育所整備を積極的に進め、待機児童解消を目指してまいります。
 また、認可保育所の職員処遇の改善についてですが、職員処遇に関しましては、国の運営費基準に負うところが多いため、これまでもその改善を国に要請しており、今後も逐次行ってまいります。

 次に、4点目の乳幼児健診についてでありますが、札幌市の責任と今後の小児科医会との関係について、あわせてお答えをいたします。札幌市医師会並びに小児科医会に対し、乳幼児健診について提出した資料や説明が健診の委託を正式に提案したかのような誤解を招いたことにつきましては、遺憾に思っているところでございます。
 札幌市は、これまでも札幌市医師会並びに小児科医会のご理解とご協力のもとに各種事業を実施してきたところであり、今後とも同様の考え方で進めていくことに変わりはございません。いずれにいたしましても、次世代を担う子どもたちの健やかな成長を願い、切れ目のない、よりよい母子保健サービスの提供に努めてまいりたいと考えております。


次に、基金の活用についてお答えをいたします。

 現在設置をしております基金につきましては、条例に定めた設置目的の範囲の中で、その運用益や積立金を財源として幅広く活用してきたところでありますが、今後も、他の財源確保策とのバランスも勘案した上で、取り崩しが過大にならないように留意しながら有効に活用すべきものと考えております。
 また、個別の基金につきましては、それぞれの基金の目的や原資などについて十分検証を行い、新たな行財政改革プランなどの策定段階においてどのような活用が可能かといった検討を行ってまいりたいと考えております。


次に、生肉摂取による集団食中毒事件についてお答えをいたします。

 1点目の生食用ではない食肉が生のまま提供されていることへの現状認識と指導強化についてであります。
 馬肉以外の食肉は、生食用として衛生基準を満たすものはないにもかかわらず、一部の飲食店では、加熱用の食肉を生食用として提供しているのが実態であると認識しております。札幌市では、営業者に対して基準に適合しない食肉は提供しないよう指導してきており、今年度の札幌市食品衛生監視指導計画においても重点事項と定めて指導を強化しているところであります。

 2点目の生食用食肉の取り扱い施設に対する緊急監視についてであります。
まず、進捗状況でありますが、今月中に生食用食肉を提供している124施設を対象とした立入調査を終了する予定であり、5月末現在で、73施設に、文書等により、消毒方法や器具の取り扱い方法の改善、基準に適合しない食肉の提供中止等を指導しております。
 次に、情報提供に関する指導状況についてでありますが、生食用馬肉の加工を行っていることを明示していなかった飲食店52施設に対して改善を指示したところでございます。

3点目の営業者及び消費者への具体的な対応についてでありますが、営業者への対応は1点目でお答えしたとおりでございます。消費者の皆様に対しましては、これまでの食肉に対する食中毒予防対策に加えまして、生肉の危険性を周知してまいりたいと考えております。
私からは、以上であります。



北原敬文教育長


 防災の強化についての2点目、学校及び市有施設の耐震化についてのうち、学校の耐震化につきまして、私からお答えをいたします。

 まず、Is値0.3未満の学校施設の耐震化につきましては、市有建築物耐震化緊急5カ年計画に基づき、耐震化を進めてきたところであります。
ご指摘の残り4校につきましては、既に事業に着手しておりまして、2カ年工事の1校を除き、今年度で完了する予定となっております。
 次に、Is値0.3以上0.7未満の学校施設の耐震化につきましては、既に設計等に着手している学校もありますが、今年度策定される予定となっております第3次札幌新まちづくり計画や次期耐震化計画の中で早期の耐震化を目指した計画を策定してまいりたいと考えておりまして、関係部局と連携しながら、可能な限り耐震化の前倒しを図りたいと考えているところでございます。
以上です。