代表質問・論戦・意見書 等

日本共産党札幌市議団

札幌市第2回定例議会・本会議

討論(11年06月 本会議討論)

坂本 きょう子 議員

 私は、日本共産党を代表して、ただ今、議題となっております議案11件のうち、議案第1号 一般会計補正予算(第3号)に反対、残余の10件には賛成の立場で討論を行います。

 一般会計補正予算への反対理由についてですが、「子育て世帯に特化した市営住宅の整備」を、東雁来第2土地区画整理事業用地内で行う、基本設計費が計上されているからです。今後、2012年に実施設計、2013年から2016年の4年間で3棟120戸、順次建設する予定となっています。
 全国では31地区で、子育て支援のために、団地の一部の部屋を子育て世帯に限定して確保し、入居募集している例はあるものの、全室、全棟、団地まるごと子育て世帯だけの入居募集というケースは、全国に例がないことが明らかになりました。
 特に、今回問題となるのは、入居要件として小学校卒業までと入居期限を区切っていることです。公営住宅法においても期限付き入居という仕組みは想定しておらず、国交省住宅局監修の公営住宅整備・管理の手引でも、入居者の住宅困窮事情の解消等の事由が生じない限り、居住が継続することを前提として制度が成り立っていることから、基本的には、期限付き入居はなじまないとしています。札幌市民の居住権を守る観点からも容認できるものではありません。
 子どもが小学校を卒業すると、家庭の事情などは考慮せず、機械的・強制的に退去させられる仕組みであり、トラブルが起きることは必至です。本市は、今後、市営住宅条例を改定して、強制退去させる事ができる条項をつくろうとしています。居住者の意に反して、明け渡しを強要するような事があってはなりません。
 公営住宅法第1条は、住宅に困窮する低額所得者に、低廉な家賃で賃貸し、国民生活の安定に寄与することを目的としています。「国民生活の安定という」、市営住宅整備の精神を曲げ、脱法的手法を用いて、今回の期限付き市営住宅の建設をするのは、東雁来土地区画整理事業がうまくいかず、大量の住宅用地が売れ残っているために、期限がきて、市営住宅を出なければならない方たちに、保留地を購入させようということが真のねらいであることは明白です。このような姑息なやり方はすべきではありません。
 市営住宅に市民が求めるものは、低廉な住宅に安心して住み続けられることであり、入居の条件に小学校卒業までと付すことは許されるものではなく、この補正予算には反対です。

 次に、議案審査特別委員会で取りあげました課題について、述べてまいります。
 まず、危機管理対策室についてです。
 地域防災計画は、早期に修正して、津波被害の想定と対策を盛り込むことを求めるものです。また、私ども市議団は、避難所に備蓄物資が配備されていない問題を繰り返し取り上げています。市内の避難所608箇所のうち、備蓄物資を備えているのは132箇所のみで、残りの476箇所には毛布も寝袋も食料もありません。厳寒期に地震によるガレキで交通障害が起こり、毛布や食料が届けられるまでに何日もかかることも考えられます。避難所には、病弱者、高齢者、障がい者もおり、備蓄物資の到着が遅れることは、生死に直結する問題です。すべての避難所に必要最低限の備蓄物資を配置することこそ、命を守るうえで、最も効率的であり、災害対策の要です。ただちに実行するようもとめるものです。

 市民まちづくり局についてです。
 市電の「南1条西4丁目」と「すすきの」をつなぐループ化のための設計費用などが計上されました。ループ化にともなって、乗り降りしやすい低床車両を導入する旨の答弁がありました。札幌駅・苗穂駅・桑園駅方面への延長について、まちづくりとの連携を図るとされていますが、創世3区などの例を見ると、開発は予定通りにすすむとは限らず、失敗したり遅れたりということも考えられますが、市電の延伸が開発の失敗に引きずられて、遅れること無く、実行するように求めるものです。

 保健福祉局についてです。
 救急コールセンターの導入が検討されていますが、電話で短時間に緊急度を判断するためには、高度な医療技術・臨床経験や幅広い専門性が求められます。冷静さを失って動揺している場合などは、処置や治療が必要なケースを適切に聞き取り、判断しなければならず、相談の対応は医師が行うことを基本とすべきです。若い母親や高齢者が、気軽に相談できることは良いことですが、傷病者の搬送遅延、病院の取り違え、受け入れ先の病院探しに時間がかかるなどが懸念されます。緊急性のある場合には、迷わず119番へ、相談をしたい時には救急コールセンターへと緊急度に応じた区分を行う必要があります。医療機関や消防局との連携を強化すべきです。

 特定健診についてです。これまでの基本健診に500円の自己負担で検査項目を付加できるようにするものですが、市民や医療機関からの要望がつよい胸部X線検査が入っていません。理事者からは、65歳以上の集団検診や40歳からの肺ガン検診で対応したい旨の答弁がありましたが、肺ガン検診の受診率は3から4%程度であり、特定健診の受診率も16,8%と市民の健康を守るものにはなっていません。2013年度までの期限付きで行われる付加健診では、23,7%まで受診率を上げたいとしていますが、より多くの市民が健診を受けられるように、特定健診と肺ガン検診が同時に受けられる仕組みをつくることが必要です。また、1,700円の自己負担が重いという市民や医療機関からの声もあり、より受診率を上げるためにも負担軽減に努めるべきです。

 特別養護老人ホームの建設についてですが、昨年末の待機者が6,106人にもなっている現状を直視すべきです。今後4年間で、約1,000名の建設計画となっていますが、待機者の実態として介護度4・5の方が2,004人、在宅で待っておられる方が2,044人となっています。待機者解消は喫緊の課題であり、これまで以上に特養ホーム建設は急がれています。実態に見合った建設計画とすべきことを申し上げておきます。

 子ども未来局についてです。
 東日本大震災で、保育中の児童が一人の犠牲も無く、全員が無事避難したことは、日本の保育の質の高さをあらためて示したものだと思います。この保育の質を確保する点で、反対の声が上がっているのが、子ども・子育て新システムです。日本の保育を守るために、新システムには、本市としても反対を表明すべきです。
 保育所待機児童の問題ですが、今年4月1日時点で1339人と、1年前より49人増えています。また、定員を超えて受け入れる超過入所が常態化していることは、異常なことであり、解消を図るべきです。今年1月時点での、待機児童が2、654人、超過入所が2、286人、合計4、940人分の保育所不足ということになります。2013年度までに5、000人分の保育所を増やし、保育を必要としている児童と保護者の願いにこたえるとともに、保育労働者の過重負担を解消すべきです。
 保育ママについてですが、保育中の事故や赤ちゃんの急死が問題となっており、保育の安全、専門性の確保が重要な課題となっています。今後、無資格者の導入を検討する旨の理事者答弁がありましたが、それは、保育の質の低下と事故をまねくことにつながり、容認できないことを申し上げておきます。

 環境局についてです。
 生ごみリサイクルの問題を取り上げました。これまで、6年間かけてモデル事業などを実施し、適切なバケツについて結論を得たとのことでしたが、全市で本格実施する展望には、つながっておりません。環境局が意欲をもって全市で実施する目標を鮮明にして取り組みを強化するよう求めておきます。

 経済局についてです。
 企業向け若年層雇用安定助成金事業についてです。一人20万円を200人を上限に、常用雇用した中小企業に対して直接助成するものですが、対象分野を「観光、食、環境、健康・福祉」としています。分野にとらわれずに、就職活動者の希望が多い事務、販売、アパレルなど職種にも着目すべきです。また、昨年度実施された直接助成金額は一人80万円で、企業からは「相当数の問い合わせがあり、同様の事業があれば是非参加したいとの声があった」とのことです。また、20万円という金額は「それに比べ、魅力は低下する」との理事者答弁がありました。助成金額の妥当性も含めて検討すると同時に、単年度の事業ではなく、厳しい不況が続くなか、継続的に取り組んで頂きたいと強く求めます。

 最後に、教育委員会についてです。
 中高一貫校の問題です。重要な観点の第1は、あらたに設置される中高一貫校に入学するために、受験競争の低年齢化が起こらないようにすることです。入学選抜にあたり、学力検査は行わず、適性検査・面接・抽選等を組み合わせるとしていますが、すでに開校している本州の公立中高一貫校の適性検査を見ると、学力検査と同じとしか思われないものもあります。また、中高一貫校に入学することを目標にすえた学習塾もあります。学習塾に行かなければ合格しないような適性検査にはすべきではありません。第2は、受験準備に偏った教育にしないことです。私学では、中学・高校の勉強を5年間で終え、最後の1年間はもっぱら一流大学に入るための受験準備を行っているところもあります。しかし、公立学校に求められているのは、私学と受験競争を行うことではありません。子どもの権利条例を体現する教育を実施すべきであります。また、注目されている中高一貫校に入学するのは、1学年160人だけです。圧倒的多数の、他の中学・高校に通う子どもたちにも、民主的で、生徒本位の教育と学校運営が行われるよう、あわせて求めておきます。
 真駒内地域の4小学校を2校に統廃合しようとする問題では、「不安の声はあったが、反対の声はなかった」との答弁がありましたが、開校してからも含めて、児童と保護者、地域住民、関係者などからの、不安や不満が出されることがあると思います。それらに対しては、我慢を強いるのではなく、合意と納得を得られるように、民主的に対応することをもとめて、私の討論を終わります。