代表質問・論戦・意見書 等

日本共産党札幌市議団

札幌市第1回定例議会

日本共産党 代表質問
(2012年2月21日)

伊藤 理智子 議員

 私は、日本共産党を代表して、予算、諸議案ならびに市政の重要問題について、質問いたします。

 最初に、市長の政治姿勢についてです。

 質問の第1は、消費税増税についてです。
 政府が、「社会保障と税の一体改革」の名で、2015年までに消費税を10%に増税すると決めたことにたいして、全国で怒りが広がっています。
 今回の消費税10%への引き上げで13兆円の大増税ですが、年金の支給額削減、さらに年金、医療などの保険料値上げによる負担増をあわせると年間20兆円にもなります。
 大増税は、国民の暮らしと日本経済にはかり知れない打撃を与え、財政破綻をいっそうひどくするだけです。
 大和総研の試算によると、「税と社会保障の一体改革」が行われれば、子ども2人の標準世帯では、300万円の年収で消費税負担増11万円を含めて、可処分所得が24万円減少。年収240万円の75歳以上の夫婦では、消費税負担増10万円を含めて、可処分所得が16万円減少します。最近の世論調査すべてで消費税導入反対が賛成を上回り、大半の調査で5割の国民が反対の声をあげています。全国商工会連合会、全国中小企業団体中央会なども増税反対の声をあげています。
 アメリカ、ドイツ、イタリアなどでは、富裕層への増税が検討・具体化されるなど、富裕 者増税が世界の流れとなっています。
 日本共産党は、消費税に頼ることなく、持続可能な社会保障の充実と同時に、財政危機打開の展望を開くための「提言」を発表しました。
 その財源として、米軍への「思いやり予算」など軍事費、政党助成金など、ムダ遣いを一掃するとともに、富裕層・大企業に応分の負担を求めます。
 次の段階で、累進課税を強化する所得税の税制改革を行います。それによって、18兆円から21兆円の財源をつくることができ、社会保障の充実と財政危機打開の道を開くという内容です。
 市長は、1月4日の記者会見において、負担減を求めるポピュリズムから決別しなければならないという新聞社説へ共感を示しましたが、ポピュリズムとの決別と、「市民と共に悩み、共に考え、共に行動する」ことに、大きな隔たりがあると思います。ブレずに、市民の立場に立ちきることを期待するものですが、世論調査でも、多くが消費税増税に反対していることについて「ポピュリズム」の反映とお考えですか、それとも、消費税増税は、市民生活を破壊する悪政だとお考えですか、伺います。また、所得が低い人ほど重くのしかかる消費税増税には明確に反対すべきと思いますが、見解を伺います。

 質問の第2は、TPP問題についてです。
 環太平洋連携協定交渉の日米政府間協議で、日本側は、「すべての品目を交渉対象とする」という基本方針を伝え、「例外なき関税撤廃の原則」に従う約束をしました。
ニュージーランド政府の文書によると、「交渉内容などについて、秘密扱いにする」としています。
 交渉国の国民にも知らせないという秘密交渉に日本は断じて参加するべきではありません。
 市長は、こうした新たな事態に立って、交渉への参加をただちに中止することを、野田首相はじめ政府に求めるべきと考えますが、いかがか伺います。

 質問の第3は、衆議院定数削減についてです。
 民主党は、衆議院比例定数を80削減する法案を、この国会に提出するとしています。小選挙区制は、大政党有利に民意をゆがめ、民主党は4割の得票で7割の議席を占めることになります。市長は、比例定数削減は民意をゆがめるものとお考えですか、見解をお聞かせください。

 

 次に1月20日、白石区の姉妹孤立死事件についてです。

 1月20日、マンション管理会社から「昨年12月から連絡がつかない入居者がいる」と警察に通報があり、マンションの部屋で姉妹の遺体が発見されました。
 42歳の姉は、昨年の12月末ごろ脳内血腫による病死、その後、1月上旬ごろ知的障がいがあった40歳の妹は飢えと寒さで死亡していました。
 心からおくやみを申し上げるとともに事件の問題点を指摘し、再発防止を求めて質問を行います。
 姉は、2010年6月1日、2011年4月1日と6月30日の計3回、白石区の生活保護の窓口に行っていましたが保護は受けられませんでした。
 1回目の2010年6月1日の白石区保護課の面接受付票によると、姉が解雇されて、求職活動をしているが、「今後の生活が不安として相談にきた」、区役所は「能力、資産の活用等生活保護制度全般について説明した。高額家賃について教示。保護の用件である懸命なる求職活動を伝えた。仕事も決まっておらず、手持ち金もわずかとのことで、後日関係書類を持って再度相談したいとして、本日の申請意思は示さず退室となった」としています。
 この時点で、生活の見通しがたっていないのは明らかです。求職中の人に対して、「懸命なる求職活動を伝えた」というのは、「もっと必死になって仕事をみつけなければならない」ということなのでしょうか。「高額家賃について教示」とありますが、生活保護基準の二人暮らしの家賃は4万6千円で、この姉妹が住んでいたところは5万円でした。生活保護を受けていないのですから、基準がいくらなのか知らないのは当然ですし、2人で5万円のところに住むことが「高額家賃」ということになるのでしょうか。「生活保護を受けるには、家賃が高すぎる」と言われて、生活保護を受けることをあきらめたのではないかと、心配になります。
 2回目は、2011年4月1日です。4月8日にハローワークの教育訓練給付が支給されることになっているものの、それまでの7日間、現金は千円しかなく、食料も少なく食べていけないので、相談に行っています。このとき、すでに、家賃は2ヶ月滞納し、公共料金の滞納があること、国民健康保険には未加入であることを白石区保護課は掌握しています。
 そして、給付金が出るまでの7日間分として、非常食用の缶入りパンを支給しましたが、1人1日あたり1缶すなわち1食分だけでした。
 7日後にハローワークの給付金を受け取ったとしても、妹の障がい年金は、1月あたり6万6千円であり、5万円の家賃を払うと、たちまち生活は行き詰まってしまうことは、誰の目にも明らかだったはずです。しかし、生活保護の申請はなされませんでした。
 そして、3ヵ月後の6月30日に、3回目の保護課行きとなります。
 面接受付票には、「求職活動をしているが決まらず、手持ち金も少なくなり、生活していけないと相談に来たものである」とし、さらに「預貯金・現金」は「残り少ない」、「ライフラインの停止・滞納状況」については「聴取にいたらず」と状況を把握せず、国保には「未加入」としています。しかし「申請意思」の欄には「無し」に丸がつけられているのです。
 また、「以前は社会保険の任意継続に加入していたが、保険料を払えず喪失した。生命保険に加入していたが、保険料を払えず解約したとのこと。活用可能な資産は無しと申し立て。負債は家賃・公共料金の滞納分」と書かれています。
 2010年6月の1回目の相談の時と比べても、生活が追い詰められていく様子が明らかです。
 しかし、白石区保護課の対応は、「能力・資産の活用等、生活保護制度全般について説明。高額家賃について教示。保護の要件である、懸命なる求職活動を伝えた」と、保護を受けさせませんでした。市民の最低限度の生活を営む権利を守っているとは思えません。
 かつて、同じ白石区で母親餓死事件がありました。今度は姉妹が孤立死、しかも妹さんは凍死です。知的障がいのあった妹さんは、生活すべての支えとなっていたお姉さんが亡くなって、どんな思いでいたでしょうか。ガス暖房が止められて、どれほど寒い思いをしたでしょうか。亡くなる前に、「111」番に電話した履歴が残っているそうです。119番か110番に助けを求めようとしたのではないでしょうか。しかし、誰も助けられずに、妹さんは死んだのです。
 生活保護を受けさせない福祉ではなく、命と人権を守る福祉にしなくてはなりません。
 二度と同じような痛ましい事件を起こさないために以下7点質問します。

 質問の第1は、生活保護の申請手続きについてです。
 1点目は生活保護制度全般の説明についてです。姉が生活保護の窓口へ行った1回目の2010年6月1日と3回目の2011年6月30日、家賃の滞納や公共料金の滞納の上に、仕事がなかなか決まらないという状況の中で、「自分で何とかしたい」と頑張ってきた姉がどうしようもなくなって生活保護の申請のために白石区役所へ足を運んだのです。しかし、1回目と3回目の面談では、「生活保護制度全般について説明」したことが記録されています。
 姉は生活保護を申請するために区役所へ行ったのであって何度も生活保護制度全般の説明を聞くために区役所へ行ったわけではありません。申請したくて区役所に来ている人に何度も生活保護制度全般の説明を行うこと自体、保護申請をさせないための追い返しではないか、姉は2回も生活保護制度全般の説明を聞くために区役所へ行ったと考えているのか市長の認識を伺います。
 2点目は申請の意思確認についてです。2008年の予算委員会でわが党の議員が「生活保護の窓口へ来た方に申請したいのかどうか保護課の職員の方から確認すべき」と質しました。当時の保健福祉局総務部長は、「まず窓口に来た要保護者への申請の意思を確認すること、また、保護の意思が確認された者についてはすみやかに申請書を交付する手続きを行う。」と答弁しています。現在、窓口ではこの答弁が徹底されていません。生活保護の窓口で対応した職員が要保護者に対して申請する意思を確認した上で申請書を速やかに交付する手続を行うことを徹底するべきと考えますがいかがか伺います。
 保護課の窓口は「相談窓口」ではなく「申請窓口」と申請することを徹底して位置づけるべきと考えますがいかがか伺います。
 3点目は申請までの支援についてです。窓口に来た要保護者には申請のために必要な書類を説明しますが、種類が多く、解りづらいことからきめ細かい丁寧な支援が必要な方には体制を整えて対応すべきと考えますがいかがか伺います。

 質問の第2は、本市の責任についてです。
 生活保護法第19条では、「市長は、保護を決定し、かつ、実施しなげればならない」と定められています。生活に困窮していた姉が保護課へ3回も足を運んでいたにもかかわらず、生活保護を受けることができませんでした。特に3回目には出たばかりの妹の障害年金約13万円は家賃や公共料金の滞納分を支払い消費済みであり手持ち金はわずかであったこと、仕事も決まっていなかったことなどから生活保護を開始すべき事例だと考えますが、いかがかはっきりとお答え下さい。また、生活保護の決定・開始をしなかった責任について市民の前に明らかにしてください。
 保護受給者を増やさないという国の政策と本市の意向がはたらいていた事が根本問題だと考えますが、いかがか、ご見解をうかがいます。

 質問の第3は、緊急時の食料の現物支給についてです。2回目に姉が保護課に行った時、臨時対応として、災害用のパンを渡していますが1缶約350キロカロリーしかありませんでした。成人が1日に必要なエネルギーを確保できるよう、現物支給のマニュアル化を行うべきと考えますがいかがか伺います。

 質問の第4は、生活保護を受けられなかった方々への生活実態調査についてです。 生活保護の窓口に来た方は本市全体で2010年度に1万7332人で、そのうち生活保護を申請できた方が7932人と9400人が生活保護を受けられませんでした。市長は今回の孤立死をもたらした自らの責任を明確にして、その方々の今を知るために直ちに生活実態調査を行うべきと考えますがいかがか伺います。

 質問の第5は、ライフラインについてです。姉妹の孤立死事件を受けてガスや電気などライフラインを停止させない対応が求められています。民間企業と行政の連携は勿論のことですが生活に困窮している人のライフラインは絶対に停止しないという協定を民間会社と結ぶべきと考えますがいかがか伺います。
 また、国保、市税、水道料金などについても「他にも滞納などで困っていたら相談窓口がありますから何でも相談してください」という働きかけをいままで以上に徹底させるべきですがいかがか伺います。

 質問の第6は、生活保護課と保健福祉課との連携についてです。
 知的障がいのある方やその家族が保護課の窓口に来たときに申請時に必要な書類の説明とともに「障がい者相談支援事業」で援助していることを必ず伝えることを位置づけるよう徹底するべきと考えますがいかがか伺います。

 質問の第7は、知的障がいのある方への生活実態などを把握する現況調査についてです。障がいが軽度の方と家族が介護しているなど福祉サービスや福祉施設を利用していない知的障がいのある方は約1400人います。その市民に現況調査が行われることになりましたが、調査書の内容はわかりやすい内容にして、その後もわからない所があったら、丁寧に対応し、生活実態が把握できないという方がないようにするべきと考えますがいかがか伺います。
 また、調査の中で地域の民生委員に住所を知らせてもいいという方については見守りをしてもらうとのことですが、住所を知らせたくないという方の対応については今後どうして行くつもりなのか、今回の姉妹孤立死を受けて現在ある「障がい者相談支援事業」の職員体制を強化して障がい者の見守りも含めた支援の対応にあたるべきと考えますがいかがか伺います。

 

 次に、新年度予算と行財政改革推進プランおよび第3次札幌新まちづくり計画について質問します。

 1月31日、記者会見で新年度予算案が発表されました。質問の第1は、市長の予算編成の考え方についてです。
 本市の予算は、市民の命と健康を守る、貧困と孤立から市民を救う、大地震などの災害対策を進める、厳しい不況の中で若者の正規雇用を拡大し、地域循環型経済に進んで行くことを、特に強化すべきと考えますが、市長は、予算編成に当たって、これらの点について、どうお考えになったのか、重点にすべきだとお考えになったのか、伺います。

 質問の第2は、貧困対策についてです。2011年度予算と比較して新年度予算では、法人市民税が7.8ポイント減少しています。道内経済のいっそうの冷え込みを反映しているものと思いますが、個人市民税は、3.1ポイント上昇しています。しかし、これは、年少扶養控除の廃止などの増税によるものであり、市民所得が増えるどころか、増税によって一層厳しくなっている状態です。
 市長は、市民の中に貧困が広り、深刻化しているという認識をお持ちなのか伺います。貧困対策の抜本的強化が求められていると思いますが、いかがか、伺います。

 質問の第3は、延長保育についてです。
 貧困から市民を救い出すことが求められているなかで、行財政改革推進プランで、低所得者への減免措置が相次いで縮小されようとしていることは問題です。
 新年度予算案にも盛り込まれている「延長保育の減免見直し」は、保育料も免除されている特に所得の低い階層からも料金を徴収しようとするものです。1時間当たり100円、2時間で150円とされていますが、1日2時間ずつで、25日間だと、1か月3750円の負担になります。児童クラブの有料化で1か月3千円と提案したことに対して、保護者や関係者、議会でも猛反対の声が上がったことを市長はご存知だと思います。有料化の対象とされているのが、低所得者です。市長は、この「延長保育の減免見直し」は、児童クラブ有料化の当初案の3千円よりも重い負担だとお考えにはならないのですか、見解をお示しください。

 質問の第4は、2013年度から実施しようとしている市営住宅の減免の縮小についてです。
 減免されているのは、「病気、その他特別の事情がある場合において必要があると認められる」という世帯であり、低所得者であります。減免家賃は、平均6450円ですが、これを10690円へと引き上げるものです。延長保育の有料化と同様、低所得者を狙い撃ちにした負担増です。児童クラブの有料化に反対の声が上がって、見直したということでありますから、この家賃減免の縮小についても、市民や入居者から反対の声が上がれば、考え直すおつもりはあるのか、伺います。
 このような、低所得者を狙い撃ちする負担増は、貧困に拍車をかけるものと思いますが、市長はどのようなお考えで低所得者への負担増をしようとしているのか、伺います。

 質問の第5は、保育料の10%値上げについてです。
 保育所入所世帯の平均所得税額は、指定都市で、システムデータ上の問題などで把握が困難としている8市を除いて、本市は、一番少ないのです。一番所得が少ないのに、保育料は平均並みにするということは、負担は非常に重くなると思うのですが、いかがか、市長の見解を伺います。
 また、若年世帯では、不安定非正規雇用が増え続けて、経済的に厳しい状況が続いていますが、保護者の経済的状況を考えた上での値上げなのか、もっぱら本市の都合による値上げなのか伺います。
 1月31日の記者会見で市長は、「児童クラブの有料化につきましては、市民の皆様方からの様々な声をお聞きした上で、議会各会派からの申し入れもございましたが、そのことを考慮して」考え直し、安くしたと述べています。
 児童クラブの有料化に反対するパブリックコメントは57件ありましたが、保育料値上げに反対するパブリックコメントは214件です。保育料についても「市民の皆様方からの様々な声をお聞きし」てやめるべきだと思いますが、いかがか、伺います。それとも、議会各会派からの申し入れがあればやめるということなのですか、伺います。
 札幌の保育料は、他都市と比べて安いだの平均だのと言うのではなく、市民と保護者の暮らしから、判断すべきです。値上げは撤回すべきですが、再考するおつもりはないのか、伺います。

 質問の第6は、住宅エコリフォーム事業についてです。
 住宅エコリフォーム事業の予算枠は1億円に増額されました。市民にも業者にも歓迎されると思いますし、地元経済の活性化にも貢献するものと考えられます。
 1億円の助成の経済波及効果についてですが、本市産業連関表34部門別の建設分野を用いた場合、第2次波及までで、どれほどの効果が期待できるのか、伺います。
 また、申請が殺到した場合には、さらに補正を組むべきですがいかがか、さらには、工事内容と業者の条件の緩和も行うべきですが、いかがお考えか伺います。

 質問の第7は、第3次札幌新まちづくり計画についてです。
 子どもの笑顔があふれる街、安心して暮らせるぬくもりの街、活力みなぎる元気な街などの5つの政策目標は、その具体的内容が重要です。市民の暮らしは、年をおって厳しくなる一方です。働いている人の賃金は減少の一途ですし、新たに学校を卒業する人はなかなか就職が決まらない、決まっても不安定な非正規雇用が増えています。高齢者は、医療や介護の負担に悩まされていますから、安心して老後を迎えられません。若者からお年寄りまで、不安と貧困で苦しめられているなかで、本市が市民を守る役割を本当に発揮できるまちづくり計画が求められています。
 これからの日本と本市の社会の流れを市民福祉の向上を目指す立場で大きく見通す観点が、計画に反映されることが重要です。
 その第1は、高齢者や障がい者が増加していくことです。施設の増設を含めて、福祉施策を思い切って強めていかなくてはなりません。
 第2は、国が、進めている病院や施設から、在宅への流れを踏まえたまちづくりです。在宅介護の強化と介護サービスと一体となった優良な住宅の提供です。
 第3は、孤立防止です。地域コミュニティの活性化をはかり、高齢者・障がい者・低所得者が外出できるための支援、いきがいづくりなど、市が積極的に役割を果たすべきです。
 第4は、国が進めている庶民増税や、低賃金化、年金の引き下げなどによる貧困の広がりへの対策です。
 第5は、雇用対策です。派遣や非正規雇用の増加に歯止めがかからず雇用対策は今後ますます重要な課題になります。
 第6は、少子化対策です。子育てに対する経済的支援、「もう一人産みたい」の思いを実現できるための支援が必要です。
 これらを実現するためには、総花的な計画ではなく、医療と福祉を柱にしたまちづくりへと思い切って舵を切ることが必要です。
 医療と福祉は、それ自体が市民の切実な要望であると同時に、労働集約型産業であり雇用効果は非常に高いです。
 90人定員の保育所建設で約2億円の建設の仕事を発注し、あらたに約20人が保育士などで雇用されます。80人定員の特養ホームで約8億〜10億円の建設工事、平均60人の雇用がうまれます。これらの建設は、地元中小の業者に直接発注できるもので、雇用も創出され、地域経済に与える効果は非常に大きなものです。
 第3次札幌新まちづくり計画は、医療や福祉分野に大胆に踏み込む修正をすべきと考えますが、いかがかですか。
 また、今後さらに予想される貧困への対策を補強すべきと考えますが、いかがか、見解をうかがいます。

 

 次に公契約条例について質問します。

 質問の第1は、公契約条例の制定についてです。
 川村雅則北海学園大学准教授は、本市の委託事業の労働者の実態を調査しました。
 ごみ収集の非正規労働者は時給制の不安定収入、毎月の手取り額が15万円未満、年収200万円未満です。「何年働いても昇給もなければ賞与も冬季手当てもない」「何年たっても正社員にはなれない」など厳しい生活実態が書かれています。
 2008年に本市が行った「委託業務従事労働者実態調査」でも、「月額支払い給与が13万円で生活ができない」「市民のために働いて1年間の手取りが230万円しかない。」「正社員として働きたい。給与も安く燃料手当てや家族手当等がついてなく生活がきびしい」という声が多くありました。
 せめて、本市の契約する事業においては、賃金の引き上げをして人間らしく生活できることが求められています。ワーキングプアから生活が成り立つように応援する。モノを買う力が生まれれば、消費購買力があがる。本市経済を循環させることにつながります。それは、経済界にも喜ばれることだと思います。
 公契約条例は、野田市・川崎市・相模原市・多摩市で制定されました。
 東京・多摩市議会では、公明党の三階みちお議員が、「公共事業のダンピングにより、しわ寄せが労働者の方々の賃金に影響し、官製ワーキングプア自体が問題視されてきました。その対応の条例」と述べ、条例案に賛成しました。川崎市議会では、自民党の吉沢章子議員は、「公契約条例の制定により、川崎市発注の仕事に労働者の最低賃金が設けられることは、歓迎すべき」と、述べています。公契約条例を制定し、国に対して「公契約法」の実現を迫っていこう、とする動きが広がっています。政令市の中でも所得水準が低く、経済の落ち込みが激しい本市が公契約条例を制定することは、低すぎる最低賃金の底上げなど、国政を動かす大きな力につながります。
 市長は、最低賃金では生活が厳しいという実態をどうお考えか、本条例が地域経済にどういう効果をもつのか、経済界にとって不都合なものとお考えか伺います。
 市内の業界からの条例制定に疑問の声もあると報道されていますが、市長自ら業界団体へ出向いて条例の意義を熱く語り、理解を得るべきと思いますがいかがか伺います。

 質問の第2は、条例の適用範囲についてです。
 私どもは、条例の適用範囲について、すべての公契約を対象にすべきと考えています。適用範囲を広げることで、賃金底上げの効果も大きくなります。適用範囲について今後必要な見直しをすべきと思いますがいかがか、伺います。

 質問の第3は、作業報酬の下限額についてです。
 工事については、「公共工事設計労務単価」を参考に考えられる予定とのことですが、国の基準である二省単価そのものが、前年度実績から算出されるもので、年々下がっています。二省単価の100%にすべきと考えますが、いかがか伺います。

 

 次に、雇用対策について質問します。

 今春卒業予定の高校生の就職内定率は、昨年12月末現在で55.6%と半分の生徒しか就職が決まっていません。大学生の就職内定率は昨年12月1日現在で69・5%と昨年より0.4%減となっています。昨年12月の札幌圏の有効求人倍率は0.42と就職を希望する人の半数以上は就職できない状況です。就職活動では、「150社、200社と面接したが採用されなかった」などの声もあり、異常な事態が長く続いています。

 質問の第1は、市長の公約、4年間で5万人の雇用を増やすことについてです。現段階の到達点を明らかにしてください。また、4月には、何人の雇用増となるのか見通しをお示しください。

 質問の第2は、高校生・大学生の新卒者の支援策についてです。高校生の就職内定率はわずかに増えているとはいえ、高校生・大学生でまだ就職が決まっていない新卒者が4月から職につけるように援助することが緊急に求められていると考えますがいかがか伺います。

 質問の第3は、指定管理者における雇用問題についてです。2010年度、正規職員1118名に対し、非正規職員2165人と約2倍です。しかも2009年度より非正規雇用が増えています。選定によっては4年ごとに指定管理者が変わることもあるという指定管理者制度そのものがもつ不安定雇用を生み出すしくみは、一刻も早く解決しなければなりません。
 本市職員でも、指定管理者でも、委託業務でも、非正規雇用が増え、官製ワーキングプアを生み出しています。市長は正規雇用を増やすべきだとお考えですか問題意識と今後の取組についてお示しください。

 

 次に、介護保険制度について伺います。

 質問の第1は、介護保険料についてです。
 新年度から65歳以上の介護保険料を第4段階、基準額で4万9560円から5万5873円に12.7%も値上げしょうとしています。後期高齢者医療制度の保険料も1600円値上げが予想され、年金支給額が、今年6月から0.3%引き下げられます。本市の要介護認定者意向調査では、「負担が苦しく、やり繰りが難しい」、「負担であるが何とかやり繰りしている」などの声が非常に多くなっています。こうした状況のなか保険料を12.7%値上げすることは過酷な負担だと考えますがいかがか。市民の負担感をどのようにとらえているのか、伺います。
 現行の介護保険制度では3年ごとの際限のない介護保険料の値上げが行われることになることから、国に抜本的改善を求めることと合わせて、一般会計からの繰り入れなどで値上げをストップすべきですがいかがか伺います。

 質問の第2は、利用料についてです。
 実態調査では、「負担が苦しく、やり繰りが難しい」という人がいます。使いたくても利用できないのが実態であり、本市独自の減免を行うべきと考えますがいかがか伺います。

 質問の第3は、特別養護老人ホームの整備についてです。
 特養ホームの新増設によって待機者を解消することが今、強く求められています。4年間で1018人増にする予定ですが、市内57施設、総定員数4356人に対し2011年12月末現在で6159人の待機者がいます。新年度分の特養ホーム設置者募集では、募集3カ所に対して、それを大きく上回る数の希望者が名乗りを上げたと聞いていますが、前倒ししてでも予定より整備規模を拡大すべきと考えますがいかがか伺います。

 質問の第4は、介護保険料滞納者に対する給付制限についてです。
 介護保険料を滞納することでペナルティを科せられ、介護サービスを受けられない人が出ています。2011年5月の調査では総計187件にもなっています。利用料は1割ですが滞納すると制裁として給付制限があります。1年以上ですと、いったん10割を負担し、申請すると9割が返還される償還払い、2年以上は利用料が3割負担になり高額介護サービス費も受けられなくなります。議会で繰り返しこの問題を取り上げていますが、「制度上、介護サービスを利用すること自体は制限されない」と答弁されています。そこで実態論での質問です。昨年の第2回定例会で、本市で要介護認定を受けている人のうち、実際に介護サービスを受けている人が77%であるのに対し、給付制限を受けている場合は、19%しか介護サービスを受けていないことを指摘しました。あらためて伺います。給付制限によって、介護サービスを受けることが困難になっている実態について、市長は、なんの問題もないとお考えなのですか伺います。また、必要な介護を受けることは、人権として保障されるべきだと思いますがいかがか。低所得者には配慮して給付制限はやめるべきですがいかがか伺います。

 

 次に札幌市障がい児・者医療福祉複合施設に関わる問題についてです。

 2014年4月を目処に、開設する複合施設は、障がい児・者に対する福祉・保健・医療の一元化、連携をより緊密にするとのことですが、それぞれの施設の機能をより高め、障がい児・者、その家族の要望に応えることが求められます。

 質問の第1は、発達医療センターの機能移転についてです。
 現在、発達医療センターに通っている子どもや保護者、職員からも不安の声が多数でています。
 中央区北7条西26丁目にある発達医療センターには、現在、通院・リハビリには北区・東区などからの利用者が半数を占めています。移転する予定の静療院は豊平区平岸にあり、地下鉄駅から徒歩10分も急な坂を登らなくてはなりません。関係者への説明会では「今でも学校を早退しないとリハビリの時間に間に合わない。移転したら通うのを止めなければならない」との声が多数出されています。児童・生徒および保護者にとって相当な不便と負担を強いられることになると思いますが、いかが対処されるおつもりか伺います。リハビリ機能は現在のセンターでも引き継ぐかあるいは利用者が多い北区や東区から通いやすい場所に新たな施設を開設すべきと思いますいかがか、お考えをお聞かせ下さい。

 質問の第2は、複合施設の施設整備についてです。
 現在検討中の計画では、いまの静療院を増改築して、様々な施設が一気に集約されることになりますが、そもそも、それぞれの施設が十分に機能を発揮する面積はありません。
 今の体育館は取り壊し、半分の面積約240平米で新築する計画とのことですが、これまでの機能を十分に確保できるのでしょうか。また、第2かしわ学園の通所者や保護者からはこの体育館を利用できるようにして欲しいとの声も寄せられています。
 発達医療センターが入る2階3階には新設予定のエレベーターを止めることができないとのことです。また4階には児童ディケアが設置されることになっていますが、地震や火事などの避難を考えると、安全に避難誘導させることが出来るのでしょうか。
 特に老朽化した施設であるひまわり整肢園や第2かしわ学園は早急に新築・移転すべきですが、静療院成人部門が空いたからといって、この際だから一切合切詰め込んでしまおうというやり方は容認出来ません。利用者や職員の要望等を十分に聞き取り、施設に反映すべきであり、拙速に計画を推し進める事は止めるべきだと思いますがいかがか伺います。

 

 最後に、ひとつのビルの階によって所有者が異なっている、いわゆる「ゲタ履きビル」の問題について質問します。

 質問の第1は、オリンピアビルなど、市営住宅との合築ビルについてです。
 南区真駒内のオリンピアビルおよびプラザビルは、いずれも1970年に、1階・2階部分は店舗や事務所、3階から5階は市営住宅として建築されました。建築後41年になります。この近接した2つのビルは、老朽化がすすみ、3階以上にあった市営住宅はすでに閉鎖し、入居者は全員移転しました。したがって、3階から上はすべて空き家となり、夜は真っ暗です。
 昔流行った、所有形態の複雑なビルは、老朽化を迎えた時、改築するにも取り壊すにも、権利者間で合意を得ることができないために深刻な事態を迎えています。
とくにオリンピアビルと本市とは、長く協議を続けてきたにもかかわらず、今後の方向性が定まっていません。
 この老朽化したビルが、いつまでも、今のままの状態を続けることは、周辺の街づくり、環境上もよくないことだと思いますが、いかがか、お考えを伺います。
 また、再開発など、権利者が合意できるプランを作ることができるのは本市であり、合意形成のため、今後、本市から真摯に働きかけを続けるべきだと思いますが、いかがか、伺います。さらに、プラザビル、幌北団地、光星団地についても、今後のあり方は、本市が中心になって円満に協議をまとめるべきだと思いますが、進捗状況と今後の見通しをお示しください。

 質問の第2は、すすきのの中心部・南6条西4丁目のすすきのゼロ番地ビルについてです。
 ここは、2階以上が都市再生機構のUR住宅、1階は札幌振興公社所有のすすきの市場、地下1階はすすきのゼロ番地飲食業協同組合が所有しています。1958年建築で、すでに53年が経過しています。このビルの将来のあり方について、議会で議論を積み重ねてきた歴史があります。2002年予算特別委員会では、当時の助役が「いろんな機能を持たすような地域であり、関係部局、振興公社にも趣旨を十分伝えてまいりたい」と答弁しています。2006年第4回定例会の代表質問では、副市長が「札幌振興公社、都市再生機構、すすきのゼロ番地飲食業協同組合の3者による協議が開始されており、この推移を見守っていく」と答弁しています。さらに2009年の予算特別委員会では、「振興公社任せでなく、本市が、権利者相互の話し合いがすすむように働きかける、庁内関係部局と連携し問題解決をすすめる、市が主導的役割を果たす」と答弁しています。古くからの飲食店経営者は高齢化もすすみ、上層階の住宅も空き家が目立ち、耐震力もないため、いつまでも放置できない問題になっています。
 あらためて、伺いますが、この場所は、すすきのの中心部でもあり、まず、街づくりの位置づけをはっきりさせるべきだと思いますが、いかがか、伺います。
 関係者は、市議会での責任ある立場の理事者の答弁を信頼し、今日まで待ち続けていますが、具体的な協議は進んでいないのが実態です。これまでの答弁の通り、市が主導的役割を果たし、振興公社、都市再生機構、ゼロ番地協同組合と誠意をもって話し合いを進めるべきだと思いますが、いかがか、伺います。以上で私の質問のすべてを終わります。ご清聴ありがとうございました。