2019年9月2日 日本共産党札幌市議団

 4月の札幌市長選では、市民と野党の共同が広がるなかで「市民主権を実現する会」が作られ、「会」から立候補した渡辺たつお弁護士が約3割の得票をえて大善戦しました。

「1000億円道路より福祉・くらしへ」――市民に広がる

 この市長選で渡辺候補は、開発優先の秋元市政の転換を掲げ、とくに秋元市長が推進する「都心アクセス道路」について、「1000億円道路よりも福祉・くらしへ」のわかりやすい言葉で批判し、反響を広げました。マスコミも「都市アクセス道 是か非か」と大きく報じ、「わずか8分の短縮に1000億円もかけるのか」など市民からも批判が広がり、都心アクセス道路の問題は多くの市民に知られることになりました。

都心部の開発優先で膨らむ借金――福祉・くらしにしわ寄せ

 再選をはたした秋元市長は、北海道新幹線の札幌延伸に合わせ、冬季五輪の札幌招致、札幌駅周辺や都心部の再開発を推進し、これとあわせて都心アクセス道路を建設しようとしています。札幌市や経済界は、「新幹線の札幌延伸効果を全道に波及させる」などと強調していますがどれも根拠に極めて乏しいものです。しかも、大量の市債の発行で市の財政はますます圧迫されることになります。
 秋元市長になってからの4年あまりで市の借金(市債の発行額)は1千4百億円増加し、市債残高は約1兆1千億円(2019年度見込み、特別会計・企業会計除く)で、今後、再開発事業などが本格化すればさらに増えていくことになります。そして、そのつけは福祉・くらしの予算にしわ寄せされるかたちで回ってくることは明らかです。

議会論戦のなかで、根拠は総くずれ

 この間の議会論戦で明らかなように、都心アクセス道路を計画する創成川通は、市の混雑度調査でも0.87と4段階のうち最低ランクで「渋滞に伴う極端な遅れはほとんど生じない状態」です。丘珠空港や港湾との連携強化も、丘珠空港から都心に向かう乗用車の利用状況は「把握していない」と答弁し、石狩湾新港から都心への物流をただすと「詳しいデータは持ち合わせておりません」というお粗末なもので(実際には都心への物流はほとんどない)、その根拠は総崩れとなっています。
 北海道開発局が作成した豊平川氾濫シミュレーションは、想定しうる最大規模の降雨量(72時間で406㎜)で豊平川の堤防が決壊した場合、氾濫した濁流は100分後に創成トンネルに到達するといいます。都心アクセス道路は創成トンネルにつながる予定で、通行する車は水没することになります。異常気象と豪雨災害が多発する時代に、地下構造の道路建設は逆行しています。
 また、札幌市は「環境首都・札幌」を宣言していますが、都心にいっそうクルマを流入させる都心アクセス道路はこれにも逆行するものです。都心へのクルマの流入を抑え、環境にやさしい公共交通の整備こそすすめていくべきです。
 さらに、人口減少社会を迎え、若者のクルマ離れや高齢者の免許証早期返納など自動車が減少していく時代を迎えており、この点でも都心アクセス道路は必要ありません。

ムダな1000億円道路はやめよ――年内3万筆の反対署名を

 現在、都心アクセス道路は、国の「計画段階評価」に入っており、ここで4案(①地下構造、②高架構造、③上下分離・地下と高架の混合、④交差点改良)の整備形態のなかで最もふさわしいものが選定されることになります。その第1回目の第3者委員会が昨年7月に開かれ、第2回目の開催はまだ未定といいます。昨年11月に開発局が実施した5万人アンケートの集約中で、その結果をうけて第2回目の会合が開かれます。
 このアンケートは「計画段階評価の審議の参考」とされるもので、北海道開発局に問い合わせると、返信は約1万5千で(無記載などがあり最終的な集計件数は1万数千程度という)、精査などに時間を要しているということでした。
 「計画段階評価」で整備形態が決定されると市の都市計画の変更や環境影響評価を経て、「新規事業採択時評価」(費用対効果など評価)にすすみ、ここで決定されればただちに予算化され建設がスタートすることになります。
 したがって、「計画段階評価」で整備形態が選定されるまでの取り組みが極めて重要になっています。「計画段階評価」の期間は、事業内容によりますが早いもので2~3年といい、すでに第1回目の会合から1年が経過しており、早ければ来年、もしくは再来年には結論がだされることになります。
 都心アクセス道路は、ムダ遣いという点でも災害対策という点でも、環境にやさしいまちづくりという点でも問題だらけです。こうした実態を多くの市民に知らせ反対署名を広げましょう。この道路建設はすでに国の事業となっているため、これまで取り組んできた秋元市長宛の署名と合せて国宛の署名もいっしょにすすめるようにします。
 共産党は、年内3万筆の目標を掲げ、札幌の各地区委員会が全力をあげています。ぜひ、各団体のみなさんにもご協力をいただき、構成員やその家族など多くの方々に署名を広げていただけるようお願いします。

以上

>>都心アクセス道路の建設中止を求める署名用紙