札幌市で40代の姉妹が孤立死した問題で26日、事件が起きた白石区で「緊急シンポジウム」が開かれました。白石区社会保障推進協議会が主催したもので約80人が参加しました。
 日本共産党の伊藤理智子市議、北海道生活と健康を守る会連合会(道生連)の佐藤宏和事務局長、元札幌市保護課ケースワーカーの梁川敏彦氏が報告と提言をし、参加者は「行政と地域に問われているものは何か」について意見を交わしました。
 行政の対応について調査した佐藤氏は、病死した姉が何度も区役所を訪ねていたにもかかわらず、生活保護を申請しなかったことについて「保護課の窓□では、申請することに高いハードルがあることを示して断念させました。申請権の侵害があったと言わざるを得ない」と話しました。
 伊藤市議は市議会でこの問題をまともに取り上げた会派が日本共産党以外にないことを紹介し、地域で運動を広げることの大切さを強調。梁川氏は自らの体験を踏まえ、生活保護行政を行う法規には「良いことがたくさん書いてあるが、運用が伴っていない」と行政組織の問題点を指摘しました。
 参加者から「報道機関はこの問題が『権利』(生存権)にかかわる事件であるという視点を持ってほしい」「行政だけの問題でなく、われわれに何かできたかをもっと深めよう」などの意見が次々と出されました。