「市公契約条例案」の審議をしている札幌市議会財政市民委員会は29日、自民党と公明党の反対で同条例案を否決しました。最終結論は31日の本会議で出されます。
 「市公契約条例」は、市が発注する事業で働く労働者が、委託費の低価格競争のあおりで生活もできないほどの低賃金に陥っている「官製ワーキングプア」をなくすために賃金の下限を定めるものです。
 札幌市は2012年2月に同条例案を提案しましたが、ビル管理業界などが強く反対。成立をめざす札幌市は、罰則を猶予する修正案を今議会に提出していました。
 委員会に出席した上田文雄市長は「働いている人が生活できる適正な賃金が必要。しっかりした労働環境が仕事の賃を担保する」と条例の意義を強調し、理解を求めました。
 自民党と公明党は「業界が反対している」ことを理由に条例案の否決を主張。日本共産党の宮川両議員は「生活保護基準以下の賃金を認めることはできない。審議を尽くすべきだ」と主張しました。
 委員会での否決を傍聴していた「札幌市公契約条例の制定を求める会」事務局長の渡辺達生弁護士は「『企業が反対しているからダメ』という自民党と公明党は議会としての判断を放棄している」と憤っていました。