私は日本共産党を代表して、ただいま議題となっております議案32件中、第1号、第5号から第7号、第17号、第19号、第20号、第22号、第24号、第28号、及び第29号の11件には反対、残余の議案21件に賛成、陳情第249号「次期介護保険料の引き上げ中止を求める」陳情を採択すべきとの立場から、討論を行います。
 新年度は、秋元市長による任期最後の本格予算であり、その予算規模は、一般会計で対前年度比1.5%増の1兆116億円と、当初予算ベースでは、市政史上初めて1兆円を突破しました。
 市長は、予算規模が拡大した主な要因として、「アクションプラン」に掲げた施策の実現と、喫緊の課題である「子どもの育成支援」、「女性の活躍推進」、「経済・雇用の推進」をあげ、とりわけ待機児童解消に向けた保育所等の整備によるもの、と述べました。しかし、子どもの医療費の無料化は小学1年生までにとどめ、給付型奨学金の対象を10人のみとし、待機児童はなお、昨年10月時点の2,748人を解消できていません。
 一方、南2西3西南地区や、北8西1地区など、6つの民間再開発事業への補助総額は65億8,100万円で、その最終的な補助金は総額約257億円となり、完成が目前の北1西1地区再開発事業への補助金156億円とあわせ、約413億円にのぼります。
 今後さらに、大通東1街区などの都心再開発事業や都心アクセス道路、MICE施設の建設、新幹線の札幌延伸と札幌駅周辺の大規模な再開発、冬季五輪招致など、莫大な費用を要する事業が計画されています。
 一般会計の市債残高は、秋元市長の就任以降右肩上がりに推移し、2014年度から2018年度までで、臨時財政対策債を含め1,393億円増え、1兆1,227億円となる見込みであり、「将来にツケを回すことにならないか」との疑念を広げています。今後の中長期の大型開発などの計画・費用とともに財政見通しを市民の前に明らかにするべきです。

 議案第1号「一般会計予算」に反対する理由の第1は、都心アクセス道路建設を前提とした「創成川機能強化検討調査費」1,400万円が計上されているからです。
 本市の市民への情報提供のやり方は、混雑度0.87で「渋滞やそれに伴う極端な遅れはほとんど生じない状態」であるにもかかわらず、メリットばかりを強調し、デメリットの説明には全く触れておらず、市民の判断を誤った方向へ導こうとする意図さえ感じられます。
 予算額1,400万円を使って行おうとするアクセス道路建設のための「情報提供」や「検討調査」は、これまでと同様に「必要性」を強調することで市民合意を得たかのように描こうとするものであり、とうてい賛成できるものではありません。
 理由の第2は、マイナンバー関連費用が国保・介護の会計と合わせて3億9,184万円の予算が組まれているからです。
 昨年12月、総務省は、相次ぐ郵送の誤配や、事業者からの困惑の声に押され、「特別徴収税額決定通知書」に、「当面、マイナンバーを記載しない」と、これまでの方針を転換しました。わが党は、個人情報の漏えいや、国家による個人監視、故意に情報を盗み取ろうとする者との、いたちごっこを繰り返すだけだと再三指摘してきました。マイナンバー制度にかかわる予算であるため反対です。
 理由の第3は「ICT活用戦略推進」関連費1億5,900万円が含まれているからです。本市が「国内外の活力を取り込む」として官民共同で市民からの多様なデータを収集し、提供することは、情報処理技術が急速に進歩している現代において、個人情報の漏えいを否定できません。本市によって、知らないうちに自分の行動がデータ化されることに不快感をもつ市民も少なくなく、この事業には反対です。
 理由の第4は「学校規模適正化推進費」1,000万円が計上されているからです。
 市教委は、あらたな「適正化に関する基本方針」(案)を示し、学校規模適正化の取組対象校を拡大し、その取り組みを加速させる、としています。小規模学校での教育の経験を豊かに積み重ね、教師と子どもたちが向き合うことのできるせっかくの環境を大規模化することは、教育に効率化を求め、財政削減を狙うものと言わざるを得ません。

 議案第5号 国民健康保険会計予算、議案第20号 基金条例の一部を改正する条例案、並びに、議案第22号 国民健康保険条例の一部を改正する条例案は、国民健康保険の都道府県化によるものです。
 2017年度は、保険料軽減対策分として、一般会計から、約30億円の法定外繰り入れをしています。都道府県化により、一世帯当たりの平均保険料が下回る見込みとなったことから、「法定外繰り入れの速やかな解消を図ることが必要」とし、繰り入れを一切行わないとしています。
 高すぎる国保料を払える保険料にしてほしいというのが、市民の願いであり、この間本市は、「保険料の負担感が非常に強いということは十分に認識している」と答弁されているのですから、昨年同様に法定外繰り入れを行うべきであり、反対です。

 議案第6号 後期高齢者医療会計予算は、75歳という年齢で医療を差別するものであり、反対です。

 議案第7号 介護保険会計予算及び、議案第24号 介護保険条例の一部を改正する条例案は、介護保険制度の3年ごとの見直しにより、2018年度から65歳以上の第1号被保険者の介護保険料を、現行5,177円から5,773円に引き上げるものです。
 介護保険料は改定のたびに引き上げられ、厚労省は、2025年には、8,000円を超えると試算しており、制度開始当初から既に3.5倍の保険料となります。
 給付サービスを増やせば、保険料が上がる構造上の問題に加え、所得税や住民税などに比べ、所得の低い人ほど負担割合が高くなる逆進性が大きい制度です。
 国への要望にとどまらず、本市独自で一般会計からの繰り入れを行い、保険料を引き上げるべきではありません。
 よって、議案第7号、及び議案第24号には反対、陳情第249号は、採択すべきです。

 議案第17号 職員定数条例の一部を改正する条例案に反対する理由は、現行定数から11人増える一方で、民間委託等による定数削減が盛り込まれているからです。
 10カ所ある水再生プラザのうち3カ所の総括管理業務を下水道資源公社へ委託するため、技術職・現業職員13人を削減するものであり容認できません。

 議案第19号 職員退職手当条例等の一部を改正する条例案ならびに、議案第29号 市立(いちりつ)学校教育職員退職手当条例の一部を改正する条例案に反対する理由は、本市の一般職の職員と教育職員の退職手当の額79万円を引き下げるものだからです。

 議案第28号 都市公園条例の一部を改正する条例案は、都市公園法及び都市公園法施行令の一部改正に伴い、公募対象公園施設の設置にかかわる建築面積基準の特例及び運動施設の設置基準について法令と同様の基準を定めるというものです。
 そもそも、この法改正は、「パークPFI」が創設されることで、民間事業者の参入を促す動機づけを行い、公園内に設けることができる収益施設の設置基準建ぺい率を現在の2%から12%まで拡大を認めるというものです。
 この法改正は、住民合意を前提にしていないため、奈良県では、文化財保護法、古都保存法、さらに世界遺産の緩衝地域に指定され、2重3重に自然環境保護が求められている地域を都市公園と認定し、その公園の便益施設としてホテルを建設しようとしています。住民から「自然環境を壊さないで」という反対署名が34,000筆以上集まっています。これは全国で起きており、東京都の上野公園でも道路整備、収益施設の設置、さらにホテル建設のために、公園内の樹木1,000本以上が伐採され、住民の反対署名が3万筆近く集まっています。
 都市公園法の改正は、住民合意を必要としない一方的な公園の民間開発を行うもので問題です。
 本市の条例案は、市民にとって公共性、公益性を尊重すべき都市公園を一民間事業者の利益追求のために提供する懸念があり、議会の承認や住民合意を義務化していないため、反対です。

 次に、代表質問並びに予算特別委員会で取り上げた諸課題について局別に申し述べます。

 まちづくり政策局です。
 北海道日本ハムファイターズ球場移転ボールパーク構想についてです。
 3月26日に北広島市でのボールパーク建設が正式決定しました。
 ファイターズは、2010年代の前半、札幌ドームに対し、「長きにわたってパートナーシップを築いていきませんか、という話をしたが、残念ながら丁重にお断りをされた」と述べています。この時期の本市の姿勢が協議を充分に深めることができなかった要因と考えます。

 都心アクセス道路について質問しました。
 将来の都心部交通の在り方の一環として、国道5号創成川通は、どのような整備が求められるのか、その必要性を質しました。
 新千歳空港からの距離と時間の関係で、アクセス強化軸として札幌北インターチェンジが優位性のある根拠とは何かを質したところ、担当部長は「交通センサスによると新千歳空港から都心部への到達時間は札幌北インターチェンジ経由が一番早い」と答弁しました。
 しかし、本市の都心部エリアの考え方は、札幌駅を中心とした北側に設定していますが、観光客の多くが滞在する観光スポットである、大通、すすきの、中島公園などの都心部南側では、北広島、札幌南インターチェンジ経由の方が都心部への到達時間は短縮されます。つまり、新千歳空港から都心部南側への到達時間は札幌北インターチェンジより札幌南インターチェンジなどが早いということです。したがって、高速道路から都心部に入るうえで、札幌北インターチェンジが優位性があるという根拠はありません。しかも、距離も長く高速料金も高いのです。
 数分短縮するために莫大な費用をかけて高規格道路を建設するより、まずは交差点整備を優先し、都心部における総合的な交通施策を講じることが重要であると申し上げます。

 新さっぽろ駅周辺地区の開発について取り上げました。
 新さっぽろ市営住宅跡地G・I街区は、一般競争入札ではなく、プロポーザル方式で、4.9haの土地を44億2,950万円で売却しています。すでにプロポーザルで売却した東札幌地区は、大和(だいわ)ハウスが、本市との10年間の指定期間が切れるとすぐ、外資系の会社に売却しており、同じようなことが新さっぽろ駅周辺地区でも起こる懸念を指摘しました。
 まちづくりは重要な計画であり、まちづくり政策局が関わり、政策的に開発すべきでした。指定期間である10年を過ぎたら、民間が自由に開発できるのではなく、20年30年後を見据えてまちづくりをする行政の役割を果たすべきであると求めました。

 財政局です。
 市税の差押えについて質しました。
 本市は滞納世帯の納付相談について、「資産を見極め、世帯の実態をとらえて対応している」としていますが、差押え件数はここ10年間で12,713件へと倍増しています。払う意思を尊重し、払い続けられることを前提とした納付相談が大切であり、子どものいる世帯への給与の差押は見直すべきです。

 保健福祉局です。
 東区の共同住宅「そしあるハイム」の火災死亡事故についてです。
 1月31日、東区にある生活困窮者支援を目的とした「そしあるハイム」での火災で、入居者16名のうち11名の方が亡くなりました。
 築50年で、社会福祉法など法的位置づけの無い施設でした。同様の施設は、本市に195施設あり、全国最多となっています。そのうち8割以上が高齢者を対象とした施設であり、生活に困窮した高齢者が、頼らざるを得ないという住宅政策の貧困のあらわれです。市長は、本市の未届けの有料老人ホームが多いことについて「基準に沿った運営を行うために、多大な労力と費用がかかることが大きな要因」と述べているとおり、公的支援策を抜本的に拡充することを早急に行うべきです。
 高齢保護利用者へ対応するケースワーカーの役割はより重要になってきます。
 ケース記録などを含めた徹底した検証と他の福祉課や消防局等とも情報を共有し、連携しながら、効果的な支援につながるものにすべきです。
 ケースワーカーの業務内容は、多忙を極め、複雑多岐にわたり様々な制度を理解しなければなりません。より手厚く人員等を配置するなど本市独自の対策を早急に取り組むべきです。
 生活保護の「預貯金等の資産保有状況の適切な把握」実施についてです。
 国が「生活保護法による保護の実施要領の取り扱いについて」を一部改正し、保護利用者の現金や預貯金などの資産を12カ月ごとに申告することとし、2016年、これに基づく資産調査の結果、本市では、生活を切り詰めて蓄えた預貯金を「活用できる資産」として収入認定し、生活保護の停・廃止が300件近くにも及び、他の政令市に比べ突出しています。また、白石区の生活保護利用者が収入認定された処分を不服として起こした審査請求では、処分取り消しの裁決がでました。他の収入認定したケースについてもしっかり調査、検証すべきです。また、生活保護利用者の預貯金については、裁決で言われているように、「生活の維持向上の観点から計画的な支出について助言又は指導を尽くすべき」ことを求めます。
 国民健康保険の資格証明書の発行についてです。
 本市は、「資格証明書の発行は、納付相談機会を確保することが目的」としていますが、資格証発行に至る間に文書や電話、訪問により、「納付相談の機会」を充分にもっていることがわかりました。4カ月間有効な短期証であっても、「納付相談の機会」は確保されており、世帯の生活状況は把握できています。厚労省は、資格証については事業の休廃止や病気により保険料を納付することができないなどの特別な事情の有無を把握し、適切に行うことと通達を出している通り、資格証の一律機械的な大量発行はやめるべきです。

 子ども未来局です。
 札幌市子どもの貧困対策計画案について質しました。
 本市は、貧困対策を立てるに当たり、委託や外注をするのではなく、自らが、市民の中に入り実態を把握することを求めました。
 日本財団と三菱UFJリサーチ&コンサルティングは、子どもの貧困を放置することにより、将来の所得総額が2.9兆円減少し、子どもの貧困を改善することにより、将来、正社員数が1割程度増加し、無業者数は1割程度減少するなど、労働力の観点からも大きな効果をもたらすとリポートを発表しています。子どもの貧困対策は、狭い視野にたつことなく、本市の将来、経済にとって喫緊の課題である認識を持ち、積極的な財政投入を求めました。

 学童保育についてです
 民間学童保育所の助成金に新たに加わった移転関連費用は、250万円を上限に、引っ越し費用や施設改修などを補助するものです。助成内容への質問に対し「対象経費については、敷金等だけでなく、現状回復等にかかる費用も含めて、対処できる様に検討していきたい」との答弁でした。制度の周知と、使いやすい助成制度としていくように求めました。

 児童会館・ミニ児童会館指導員の働き方についてです。
 さっぽろ青少年女性活動協会が指定管理者である児童クラブの指導員の中で、3年の有期雇用の指導員がいることは問題です。「継続して働ける雇用の安定が必要ではないか」と質したのに対し、本市は、「今年度から、無期雇用に転換できる制度を設けており、望ましい方向で進んでいると認識している」との答弁でした。
 しかし、未だに4割以上が3年の有期雇用職員です。指導員は、専門的な知識と経験が求められます。施設設置者である本市がさらに無期雇用の転換が広がるよう徹底すべきです。

 保育問題についてです。
 待機児童解消について、新年度の募集で3人に1人が認可保育所に入れない状況から、潜在的な保育需要を考慮した目標になっていたのかが問われると指摘し、新年度に市長が公約した「待機児童ゼロ」が実現できるのか質しました。
 本市の「2020年4月に見込まれるニーズ量に対して必要な供給量を確保する」との答弁は、さらに「待機児童ゼロ」を先延ばしするものであり、到底納得がいきません。保護者が安心して預けられる認可保育所の整備を早急にすすめるよう求めます。
 また、慢性的な保育士不足の解消については、労働環境を改善する支援策を拡充すべきです。

 次に経済観光局です。
 地域資源をいかした、住民参加型の環境重視のエコロジカルなくらしが、そのまま街の魅力になって観光客が多く訪れるようになる傾向が、強まっています。都心部においては、歩いて回れる体験型観光で、歴史や文化の魅力の掘り起こしをすすめ、郊外の観光スポットは、少人数旅行者のニーズに応え、周遊バスを活用することで、札幌での滞在時間の延長につなげるべきです。
 「環境首都札幌」を観光施策のベースに置き、環境への配慮、歴史的な家屋などの保存、公共交通体系の充実、レンタサイクルの活用なども観光振興の大事な視点として、市民の日常生活、札幌の自然環境を生かした観光施策を推進するよう求めておきます。

 建設局です。
 除排雪作業時の安全対策についてです。
 東区、清田区で起きた交通誘導員の死亡事故に係わり、安全確認の徹底を求めました。また、1人乗りの除雪グレーダーの今後の課題について、ベテランが隣に座って若手を直接指導することができなくなることと合わせて、安全性の確保が困難になることを指摘しました。本市は「引き続き2人乗りに搭乗することで、技術の継承に努めるが、将来的には若手の育成をどのように行っていくかは課題」との認識を示しました。技術の継承と同時に事故を起こさないための労働環境整備と安全確保の徹底を求めます。

 都市局です。
 市営住宅の障がい者避難用バルコニーの避難口が、積雪により出入りできない実態があり、対策を求めました。
 「法令上も義務ではない。玄関から避難できる。ボランティアや自治会で対応してほしい」との答弁は無責任といわざるを得ません。災害弱者の命を守る責任ある対策を求めます。
 市営住宅の目的外使用として、高齢者自立支援事業などを導入することは、高齢者の健康状態と日々の暮らしを把握することができます。本市は「高齢化がすすんでいる中、福祉的サービスを提供する場として活用できるのであれば、望ましい」と答弁されました。地域ニーズを把握し、積極的に進めるよう求めます。
 また、応募倍率の高い市営住宅は何年も入居できないという状態が続いています。市営住宅の入居基準を満たした方が、民間の賃貸住宅に住む場合、家賃を助成する、民間賃貸住宅家賃補助制度を導入すべきです。
 民間マンションなどの集合住宅における外断熱の促進についてです。
 市内には、築25年を経過したマンションが約7万戸あり、老朽化、建て替えなどの問題に直面しているマンションも増えています。
 外断熱改修を行うことは、エネルギー消費量を減らし、躯体が保護されるため、耐久性の向上にもつながり、マンション入居者の負担軽減にもつながると本市も認めております。
 北海道マンション管理組合連合会とも連携し、広く普及するよう対応策を求めます。

 交通局です。
 地下鉄駅の混雑時の利用者の安全確保についてです。
 東西線大通駅や南北線札幌駅は、ホームの両側に列車が発着する島式のため、混雑時、ホーム内を移動することはとても困難になっています。駅員による直接の声掛けが混雑緩和にはとても効果的であり、誰もが安全に地下鉄を利用できるようにするためにも、配置人員を増やすなどの対策を検討すべきです。

 水道局です。
 3月7日、清田区で起きた、大規模な断水事故の要因は、「老朽化したボルトの腐食による」とされています。法定耐用年数40年以上のものは、全市でまだ600kmも残っています。今回漏水事故があった配水管は、敷設(ふせつ)されて39年経ったもので、積雪寒冷地であり、また火山灰を含んだ土壌など、本市特有の配水管が傷みやすい環境で、法定耐用年数40年未満で漏水事故が起きたことからも、現在の配水管更新計画自体を見直すなど老朽対策を早急に行うべきです。

 病院局です。
 市立札幌病院の経営に係る諸課題と対策についてです。
 病院事業会計の2016年度の経常収支は、約16億円のマイナス、2017年度では、約11億円のマイナス、前年度比で約5億円の収支改善が見込まれています。2018年度では、経営健全化対策として、一般会計から約27億円借り受けるとしています。
 病院が厳しい経営を強いられている最大の要因は、消費税と国の低医療費政策です。
 市立札幌病院では、2016年、控除できない消費税額は、約7億円でした。これが消費税10%になった場合には、約8億6,000万円の負担増となり、病院収支がさらに悪化することがわかりました。
 また、4月に行われる診療報酬改定によって、診療報酬本体は0.55%引き上げられますが、薬価等が1.74%引き下げられるため、全体では、1.19%のマイナス改定です。特に市立札幌病院で、質の高い医療として導入している、「7人の患者に1人の看護師」という、7対1入院基本料が削減されることで、病院経営に大きな影響を及ぼします。
 経営改善策として、市立札幌病院が現在取り組んでいる桑園地区医療懇話会の立ち上げや、病院総合医の育成などの取り組みをさらに広げることが、公立病院の役割として重要であり、経営改善にもつながります。

 最後に教育委員会です。
 就学援助制度についてです。
 小学生入学準備金の3月支給の実施を求めたところ、「支給準備、支給方法の検討を進めており、家計負担軽減のため、引き続き準備を進めてまいりたい」との答弁でした。生活保護基準の1.1倍としている認定基準の拡大、また持家世帯への特別基準の廃止、クラブ活動費やPTA会費などの費目の追加などを求めた質問に対し、「基準や費目の拡大は就学援助審議会の答申を踏まえて決定しており、審議会の趣旨を踏まえ今後も検討したい」との答弁でした。制度の拡充を求めます。

 以上で私の討論を終わります。