私は、日本共産党を代表して、市政の重要問題について順次質問いたします。
 はじめに、市長の政治姿勢についてです。
 質問の第1は、国政に対する市長の見解と市政への影響と対策についてです。
 1点目は、領土問題についてです。
 安倍首相は先月、ロシアのプーチン大統領との会談後、平和条約締結後に歯舞群島と色丹島を日本へ引き渡すと定めた1956年の「日ソ共同宣言」を基礎に締結交渉を加速させることで合意したと述べました。これは、北方四島の帰属問題を解決してから平和条約を締結するとした日本政府の基本方針を転換するものです。
 わが党の質問に市長は「北方四島は我が国、固有の領土と認識をしている」と答弁していますが、帰属問題の解決の前に平和条約を結ぶことになれば、それ以上の領土返還交渉の道は閉ざされてしまう問題があると思いますが、市長の見解を伺います。
 2点目は、憲法の理念に基づいた平和外交についてです。
 これまで安倍政権は、「北朝鮮の脅威」を最大の口実とし辺野古新基地建設や安保法制、軍備拡大をすすめ、憲法9条改正の必要性を強調してきました。しかし、いま朝鮮半島では歴史的な平和の激動が起きています。3回に及ぶ南北首脳会談と初の米朝首脳会談が行われ、朝鮮半島の非核化と平和体制の構築をすすめること、米朝両国関係を敵対から友好へ転換することが合意されました。わが党はこの合意を心から歓迎するものです。
 約一年前、米朝関係はまさに一触即発の状況でした。北朝鮮がミサイル発射と核実験を繰り返し、アメリカからは戦略爆撃機や空母が北朝鮮のすぐそばまで派遣されました。
 まさに軍事的緊張がエスカレートしており、いつ偶発的な軍事衝突が起き、戦争へと発展してもおかしくない状況でした。
 そのような状況から米朝関係が敵対から友好に切り替わり、世界が核戦争の脅威から免れる道が開けたことに、米朝首脳会談の画期的な意義があると考えます。
 「国際平和を誠実に希求し、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」という憲法9条が指し示す、軍事によらない対話による平和外交が前進しています。とくに韓国のムン・ジェイン大統領は「朝鮮半島で、二度と戦争を起こしてはいけない。対話しか解決の道はない」との信念で、米朝首脳会談を実現する外交イニシアチブを発揮しました。
 そこで質問ですが、本来、憲法9条を持つ日本こそ対話による外交を先導する役割を果たさなくてはならないと考えますがいかがか。憲法9条の考えに基づいた外交が、朝鮮半島を巡る課題の解決に求められていると考えますがいかがか、伺います。
 3点目は、原発問題についてです。
 胆振東部地震で、苫東厚真石炭火力発電所の停止により、全道295万戸が停電するブラックアウトが起こったことと同時に、泊原発の外部電力の喪失により、非常用発電機を使わなくては、使用済み核燃料の貯蔵プールを冷却することができなくなる事態となりました。
 国会では今年3月、野党4党が共同で「すべての原子力発電所の速やかな停止、廃止」を内容とする原発ゼロ基本法案を提出しました。
 胆振東部地震の教訓からも、北電に対し、泊原発の再稼働はやめ、廃炉に向けた検討を始めるよう、市民の命と安全を守る市長の立場から表明すべきと考えますがいかがか伺います。
 4点目は、消費税増税による本市への影響についてです。
 2014年度上期の札幌市企業経営動向調査では、回答した企業の39.8%が「消費税率の引き上げが業績に悪影響を与えた」と答えており、特に飲食・宿泊業では53.7%、小売りでは59.5%に悪影響があるとしています。
 また、増税に伴い、軽減税率・キャッシュレス決算時のポイント還元などの経済対策を導入するとしていますが、協同組合連合会日本商店連盟が「巨額のシステム改修が必要になることから対応は不可能だ」と自民党に対して要望書を提出しているように、企業や国民への新たな負担や混乱をうむ内容です。
 内閣官房参与、いわゆる安倍首相のブレーンである藤井聡氏は「日本がデフレに陥ったのは1997年の消費税増税が原因だ。10%への引き上げは日本経済を破壊する」と警鐘を鳴らします。
 そこで質問ですが、消費税増税は市民の暮らしと市内経済の悪化をもたらすものであると考えますがいかがか、市長の見解を伺います。また、政府に対して消費税増税の中止を求めるべきと考えますが、いかがか、伺います。
 合わせて、今回の消費税増税にともなって導入されるインボイス制度は、中小零細事業者にとって深刻な問題です。年間の売り上げが1,000万円以下の免税業者は、インボイスを発行できませんが、納入先はインボイスがなければ仕入れ税額控除ができずに過大な税負担を強いられるため、全国で500万をこえる免税業者が取引から排除されてしまう懸念がありますが、市内の中小企業のうちどれだけの企業に影響があると分析しているのか伺います。

 質問の第2は、市内経済についてです。
 政府は2010年6月に、中小企業は経済を牽引する力であり社会の主役であると位置づけ、安定的で活力ある経済と豊かな国民生活を実現するため、政府が中核となり国の総力を挙げて困っている中小企業を支え、どんな問題でも中小企業の立場で考えていく「中小企業憲章」を定め、各種の支援策に取り組むとしています。
 1点目は、経済センサスから見た市内経済における市長の評価についてです。
 札幌市産業振興ビジョンは2017年に改定され、市内の国と地方公共団体を除く「民間の従業者数」と「企業の売上高」の2つを数値目標に掲げました。
 まず「民間の従業者数」は、2014年実績85万8,000人を2021年までに90万人とする目標を掲げていますが、2016年は83万8,911人と、2014年実績値より約2万人も減少しています。
 一方「企業の売上高」は、2014年実績15兆7,794億円を2021年までに16兆8,500億円とする目標ですが、すでに2016年には21兆1,623億円まで増え、目標を4兆3,123億円上回る結果となりました。
 産業振興ビジョンでは、企業の売上増加は、就業者の収入増加につながり、それが新たな雇用を創出する好循環を生みだすとされていますが「企業の売上高」が急速に目標を上回るもとで「民間の従業者数」が減少するという歪な経済状況となっている要因を、市長はどのように分析し評価されているのか。また今後、好循環を生みだすために必要な要素は、何であるとお考えか、伺います。
 2点目は、「中小企業基本法」と「小規模企業振興基本法」を活かした取り組みについてです。
 札幌市の企業は9割以上が中小企業です。その中でも小規模事業者が約8割を占めており、市内経済と雇用を支えています。
 しかし、日本の中小企業の中でも、特に小規模事業者数は大きく減少し、札幌市でも、2012年の経済センサスと比較すると「個人経営の事業所数」は、21,147から19,314へと約2,000事業所も減少しました。これに伴い従業者数も約6,000人減少する深刻な事態となっています。
 産業振興ビジョンでは、横断的戦略として「札幌経済を支える中小・小規模企業への支援」などを明記していますが、とりわけ小規模企業と個人事業主における事業の持続的発展の課題について、市長の認識を伺います。あらためて「中小企業基本法」と「小規模企業振興基本法」の理念に基づいた独自支援施策の前進と、関係団体との連携強化が求められていると思いますが、市長の見解を伺います。

 質問の第3は、都心アクセス道路についてです。
 1点目は、急激な社会の変化と環境に配慮した交通政策への転換についてです。
 日本は、急激な少子高齢化に伴う人口減少時代を迎えると言われ、社会問題化するほど自動車を所有しない若者の増加と高齢者の早期運転免許証の返納が進み、都心部ではカーシェアリングが急速に普及しています。これらは過去にない新たな社会現象として、今後もいっそう交通量を減少させる要因となります。また、CO2削減は地球温暖化防止を図る上で、世界の緊急的な課題であり、各国でのモーダルシフトの推進や都心部への自動車の流入抑制は益々重要な位置づけとなっています。
 このように、自動車をめぐる急激な社会変化すなわち交通量が確実に減少する時代を市長はどのように認識されているのか。また、世界の各都市ではCO2削減に配慮した交通政策の転換が迫られていますが、都心アクセス道路はCO2削減に資するという科学的根拠をお示しください。
 2点目は、市民意見の反映についてです。
 10月に行われた「冬季五輪・パラリンピックの招致」に関する新聞の世論調査では、招致に「反対」が53%で「賛成」の46%を上回りました。
 反対する理由の第1位は「他にもっと大事な施策があると思うから」が57%、第2位は「招致活動や施設の整備、維持にお金がかかるから」が33%で、この2つで9割を占めました。
 この結果は、少子高齢化、災害の増加、インフラの老朽化が進行する時代に、大規模開発事業のために税金を投入するより、市民の命・安全・暮らしに必要な事業を優先して欲しいという市民意見の反映であると思いますがいかがか伺います。また、都心アクセス道路は、詳細な道路設計が決まらないと、交通量などの予測もできず「計画段階評価」最終盤でなければ費用対効果も算出できないと言われています。費用対効果を後回しにして、1,000億円以上の巨費を投じる都心アクセス道路の建設は、市民意見に逆行するものであると思いますが認識を伺います。
 3点目は、世界の先進都市における都心部の交通政策の評価についてです。
 米国オレゴン州のポートランド市は、「全米で最も住みたい都市」の最上位にランクされ、世界各国からも注目されています。その要因の1つとして、公共交通を軸とした総合的な交通政策が高く評価されていることがあげられます。
 ポートランド市は、かつて都心部への高速道路の建設が計画されていましたが、それを取りやめて、代わりに様々な公共交通優先の施策と、歩行空間や自転車道の整備を積極的に進め、都心部から車の利用を抑制することで、都市としての魅力を飛躍的に向上させました。そのことが結果的に全米をはじめ世界から高く評価されているのです。
 市長は、新たに都心アクセス道路を建設し、都心部への自動車の流入を増やそうとされていますが、都心部への自動車の流入を抑制し、都市の魅力を向上させてきた世界の先進都市の交通政策をどのように評価されているのか認識を伺います。

 次に、災害から暮らしと命を守る市政についてです。
 質問の第1は、災害に強いまちづくりと公共事業のあり方についてです。
 1点目は、老朽インフラの改修・更新と耐震化の促進についてです。
 胆振東部地震で、停電に伴う水道の断水が市民生活を直撃しましたが、この生活に欠くことのできないインフラである水道配水管の耐震化率はわずか27.1%で、総延長約6,000kmの配水管すべてを更新・耐震化するのに80年かける計画です。液状化の被害をうけた里塚地区では、配水管の本管が破損し、大規模な断水が発生しましたが、やはり耐震化されていないものでした。
 先の第3回定例会の代表質問で、市有建築物や道路、橋りょうなど老朽インフラの維持・更新が急務となっている問題を取り上げ、同時に、本市自身がその費用を「充当可能な財源が十分に確保できるとは言い難い状況」とのべていることを指摘しました。
 本市は、建設費1,000億円もの「都心アクセス道路」を推進することに加え、容積率を緩和して高層ビルを林立させる都心再開発に巨額の税金を投入しようとしていますが、最優先すべきは現にある老朽インフラの改修・更新や建築物の耐震化の促進だと考えますがいかがか伺います。
 また、国の「耐震改修促進法」に基づき、本市においても、建築物の耐震診断や改修を進めており、特に不特定多数が利用する、床面積5,000㎡以上の大規模建築物について、震度6強から7程度に対する耐震診断が所有者に義務づけられ、報告されています。
 対象となる病院や店舗、旅館、飲食店など「不特定多数が利用する大規模建築物」90ヶ所のうち、「倒壊・崩壊の危険性が高い」が30ヶ所と3割を超え、「倒壊・崩壊の危険性がある」14ヶ所を合わせると、約半数の48.9%にのぼります。
 これら大規模建築物の耐震化を早急にすすめる必要があると考えますが、どのように促進をはかっていくのか伺います。
 2点目は、液状化や土砂災害への対策についてです。
 本市は、今回の地震をうけて市内全世帯に地震防災マップの配布を開始し、その地域の「想定しうる最大の震度」や「液状化危険度」などを示して、日頃からの備えを呼びかけています。
 こうした情報を市民に提供していくことは重要ですが、同時に、事前防災と減災をすすめるうえでも、本市が示す「液状化危険度図」や「土砂災害危険箇所」、「大規模盛土造成地」のなかで、とくに液状化や崩壊の危険性が高いとみられる区域を優先に、独自の調査を行い、対策を講じていく必要があると考えますが、いかがか伺います。

 質問の第2は、災害時の対策についてです。 
 1点目は、避難所の整備と医療体制についてです。
 避難生活の改善のために、市民を支える医療・福祉の体制を、災害対策という角度から見直すことが必要です。
 現在本市では、要配慮者は基幹避難所に避難し、必要に応じて介護・福祉施設などの福祉避難場所へ移動するしくみのため、基幹避難所に福祉避難スペースが配置されることになっています。今回の震災では21ヶ所開設されたと報告されています。
 要配慮者用の備蓄物資の充実や、医療・福祉の人材体制の配置などを検討すべきです。
 基幹避難所に、要配慮者が家族などと一緒に避難し、福祉避難場所に移行するまで、または帰宅するまでの期間を過ごすため、ベッドなどの設備を整えること、小中学校に要配慮者の避難場所を想定した、多目的室などの整備を計画的に行うべきと思いますが、いかがか伺います。
 また、避難所に避難する要配慮者は、多くが在宅介護であると思われるため、日ごろから繋がりのある地域の開業医による、避難所の医療体制について検討を始めるべきと思いますが、いかがか伺います。
 2点目は、消防職員の増員と、医療・福祉など民間との連携についてです。
 行政には、災害後も、救援活動や被害の拡大防止と同時に被災者支援という役割がありますが、避難所をはじめ現場に派遣される職員の多くは、災害対応と同時に日常の業務もこなさなければなりません。
 しかし、災害時の要となる消防職員の定数が、10年前と比べ44人減っていることは問題です。
 2009年度札幌市消防局運営指針では、本市の10年後の社会は「災害が多様化し、消防活動が難しくなる傾向の中・・大規模災害に対応できる消防体制の構築、さらなる自主防災の取組推進が必要である」としています。消防職員を増員し、市民の安全を守る充分な人員配置が不可欠と思いますが、いかがか伺います。
 また、本市では、市立病院をはじめ、市や消防と訓練を行っている病院がありますが、胆振東部地震発災後、市内に12ヶ所ある災害時基幹病院のうち、停電に伴い一部の医療機関では、当初救急の受け入れができませんでした。
 昨年、消防と災害派遣医療チームDMAT(ディーマット)が参加して訓練を行った病院は、この訓練を通じて、発災時の関係機関や病院職員の連携について、確認ができたものと思われますが、様々な事情に対応し、市内の災害時基幹病院が相互に連携できるようにすることが重要です。
 現在、災害時基幹病院が個別に行っている訓練を、合同で実施する必要があると思いますがいかがか、そのために本市が率先して具体化すべきと思いますが、いかがか伺います。

 次は、安心して子どもを産み育てられる札幌についてです。
 生まれた子どもが、差別や不利益を受けることなく、健康で、自分らしく、豊かに成長・発達していけるよう、本市は、2008年に「子どもの最善の利益を実現するための権利条例」を制定しました。この理念は、市が実施するすべての子ども施策ならびに子どもの育ちや成長にかかわる大人への支援策に、貫かれなければなりません。
 女性が妊娠し出産するまでのあいだは、胎児の成長とともに母体も日々変化することから、不安がつきまとうものです。とりわけ、「胎児の父親や同居する家族がいない」、「出産の費用負担が経済的に困難」、「保険料の滞納などで無保険状態になっている」妊婦などは、産後の生活の安定が見込めず、いっそうの不安を抱えています。
 質問の第1は、産後の支援策についてです。
 1点目は、リスクを抱えた妊産婦への支援の拡充についてです。
 本市は、「産後ケア事業」を、2016年9月からスタートさせました。委託先の助産所に直接申し込み、宿泊型では利用料が1泊2日で8,000円、日帰り型では3,500円、市民税非課税・生活保護世帯はそれぞれ半額の自己負担となる事業ですが、経済的困難を抱える方やリスクを抱えている方などは、費用がかかるため、利用することに躊躇する方もいると聞いています。
 産後の支援を必要としている方が、経済的な心配をしないで利用できる仕組みを検討していくことが必要だと考えますが、どのように対処されるのか伺います。
 2点目は、産後ケアの充実についてです。
 市内のある産婦人科では、母乳育児支援と同時に、母親のさまざまな不安や育児環境を把握し、継続支援が必要な母子を見逃さない目的で、病棟の助産師による産後家庭訪問を行っています。育児不安と疲労により、精神疾患が悪化した母親を受診につなげるなど、必要な支援を進めています。
 現在本市が行っている母子保健訪問指導や「産後ケア事業」と合わせ、リスクを抱える母親を妊娠期から支援している病院の事例などを取り入れる必要があると思いますがいかがか。市内産婦人科・助産所、精神科、小児科などと情報を共有し連携しながら、経済的困難やリスクを抱えた方への産後ケアを充実させる必要があると思いますが、いかがか、伺います。

 質問の第2は、保育所整備と待機児童対策についてです。
 出産を終えると、子どものいる新しい生活がスタートします。夫婦共働きや一人親の家庭は産後まもなく仕事に復帰するため、保育所入所が必要となります。安心して預けられる保育所であることが親の願いですが、本市の保育施策は、入所の段階から親を悩ませる事態となっています。
 今年4月時点で「希望する保育所」に入所できず、国定義には含まれない待機児童が本市には1,963人もおり、いまだに保育所不足の問題が解決できていません。
 この3年間で保育施設は、既存施設からの移行も含め、認定こども園42、保育所45、地域型保育事業49、あわせて136の施設が整備されましたが、そのうち、66施設がビルの一室など、園庭が十分に整備されていない「代替園庭」の保育施設です。
 また、地域型保育事業は、2歳までしか預けられず、保育所を途中で変えなくてはなりません。
 にもかかわらず、本市は、区保育・子育て支援センター「ちあふる」を整備する都度、公立保育所を廃園にしており、今後もその方向を変えようとはしていません。本市の行う保育所整備は、公立保育所をつぶし民間に任せるやり方であり、待機児童対策と言いながら保育を市場に売り渡すものです。
 保育所整備や待機児童対策は、女性が安心して働き続けるための中心的な課題です。市長公約である「待機児童ゼロ対策と子育て支援を強化」する施策に相応しく、従前以上の十分な予算を組み、保育士の処遇を改善し、園庭があり就学前まで同じ施設に預けられる保育所の整備など、「安心して保育所に預けたい」という親の願いに応えるべきだと考えますが、いかがか伺います。

 質問の第3は、子どもの貧困対策についてです。
 本市が、「札幌市子どもの貧困対策計画」を策定するために2016年に実施した実態調査では、「家計の状況」について、「どちらでもなくギリギリ」、「赤字」を合わせた割合は、62.6%で、子育て世帯が経済的に苦しい実態が明らかになりました。とりわけ、非課税世帯では81.8%、ひとり親世帯では78.2%と、より苦しい実態です。
 また、「経済的理由により家族が必要とする食料を買えなかった経験」が、「よくあった」、「ときどきあった」、「まれにあった」を合わせた割合は、世帯全体が17.2%なのに対して非課税世帯では34.9%、ひとり親世帯では30%にもなっています。
 「病院等を受診したほうが良いと思ったが受診させなかった経験」が「あった」の割合は、世帯全体が18.4%なのに対して、非課税世帯では24.2%、ひとり親世帯では22.3%と、本市の調査でも、経済的に苦しい子育て世帯が多く、とりわけ非課税世帯・ひとり親世帯は食事や健康など命に係わる事項で「できなかった経験がある」割合が、世帯全体より多いことが明らかになっています。
 本市の「子どもの貧困対策計画」は、「より効果的な支援につなげる」ことを趣旨としていますが、実態調査で明らかになった、食事や健康など、命にかかわる分野で経済的負担から子どもに提供できないことが起きないようにすることを、計画の中に明記すべきだと考えますが、いかがか。
 子ども医療費無償化の対象年齢の拡大、就学援助の対象拡大、学校給食の無償化など、保護者の経済的負担を軽減する施策が貧困対策として有効であり、施策の中心に据えるべきだと考えますが、どのようなお考えなのか、伺います。

 質問の第4は、ゆきとどいた教育の実現についてです。
 子どもが小学校に通うようになると行動範囲が広がり、地域とのかかわりが深くなります。とりわけ学校は地域コミュニティの中心であり、子どもと教員、PTAの相互の関係を深め、安心と信頼を築き、子どもの個性を尊重しながら教育を進める重要な拠点です。
 しかし、本市は、地域の合意のないまま子どもを抜きに学校統廃合を強行し、地域住民からの信頼を大きく損ねています。また、「学校規模適正化」を進める理由として、人間関係が固定化する、切磋琢磨する機会が減る、などを挙げていますが、そのことについて、具体的な根拠を本市は全く示しておりません。
 子どもたちにとって、より良い教育環境を整えるための本市の役割は、現場の教員も、保護者も強く求めている少人数学級を、すべての小中学校で早期に実現することです。
 学校長への「少人数学級に関する意識調査」では、小学1,2年生と中学1年生で、実践している35人以下学級は、40人学級と比較して、生活面及び学習面のすべての項目で「向上した」「やや向上した」の数値が、平均87%と高く、「低下した」学校は1つもないという結果が出されており、少人数学級がより良い教育環境をつくることは、明らかです。
 一方、教員の長時間労働は深刻な実態となっています。本市教育委員会が実施した2015年の「教員の勤務実態調査」では、休憩時間を「あまり自由に利用できなかった」「まったく自由に利用できなかった」が87.1%、時間外勤務の月平均は、全体で65.7時間、多い人は105時間もあるという深刻な数値が出されています。
 全国的に問題となっている教員の長時間労働を抜本的に解決する方法を、本市はどのようにお考えか。少人数学級をすすめ、教員ひとりあたりの受け持つ子どもの数を減らすことが有効だと考えますがいかがか、伺います。本市「子どもの最善の利益を実現するための権利条例」第30条には、「職員が心に余裕をもって、子どもと十分にかかわることができるよう、必要な職場環境の整備に努めるものとします」と明記しており、本市独自にでも35人以下学級の拡大を実施すべきと考えますが、いかがか、伺います。

 最後に、いつまでも安心して暮らせる札幌についてです。
 貧困と格差が広がる中、住まいや医療・介護など市民生活への支援が重要です。
 質問の第1は、高すぎる国保料についてです。
 1点目は、公費による負担軽減についてです。
 本市の国保料は2000年から平均保険料を15万1,543円とし、平均保険料が上らないようにするためだけの、一般会計からの繰入を行ってきました。本市の2017年国保加入者の平均所得は、一般世帯で約96万円であり、2000年の平均所得約140万円と比較すると、ひと月の収入が3万円から4万円引き下がっていることになります。しかし国保料は下がらず、所得の10%を超える高さです。
 毎年、市民から国保料の引き下げを求める陳情が市議会に提出されていることは、払える国保料にしてほしいという市民の切実な実態の表れだと思いますがいかがか、その認識を伺います。
 全国知事会では、政府与党に「保険料引き下げのための、公費1兆円の負担を」要望しているように、国による財政措置が必要であることは、全国共通の認識です。
 横浜市では、子どものいる世帯への減免制度をつくっており、同居している16歳未満の被保険者1人につき33万円、16歳以上19歳未満の被保険者1人につき12万円を控除して、子どもが増えても保険料が上がらない仕組みとしています。同じように本市が子育て世帯への減免制度を行う場合、負担は推計5億5千万円です。
 本市は一般会計から国保会計への繰入を昨年度比、約16億円減らしています。この分を使えば、子育て世帯の保険料を引き下げることは、可能だと思いますがいかがか、国の措置を待つのみではなく、本市独自で国保料引き下げを行うべきと思いますがいかがか、伺います。
 2点目は、資格証の発行についてです。
 本市の10月末現在の国保料の滞納世帯は、64,126世帯。この内、短期証が13,393世帯、病院窓口で10割負担となる資格証が7,638世帯に発行されています。
 本市は、資格証の発行について、「滞納している方との折衝の場を持つため」としていますが、第1回定例会での、わが党の質問において、電話や文書での連絡で折衝できなければ、短期証・資格証を機械的に発行していく実態が明らかとなりました。資格証の発行では、折衝の効果がないことは明らかです。
 横浜市では、短期保険証の有効期限をのばし、短期証の交付にあたっては来庁を条件にせず、原則郵送にするなど工夫し、資格証の発行を抑制しています。
 全国の手遅れ死亡事例では、資格証や短期証の方がいますが、本市では、そのようなことが起こる懸念はないのか、資格証の発行は、やめるべきだと思いますが、いかがか伺います。

 質問の第2は、社会的弱者への生活支援策についてです。
 1点目は、市営住宅についてです。
 今年、1月31日に起きた「共同住宅そしあるハイム」の火災で、11名が亡くなりました。この痛ましい事故は、行き場を失った生活困窮者がこうむった悲劇であり、本市の住宅政策の課題を浮き彫りにしました。
 市営住宅の応募倍率は、2014年度26.3倍、2015年度22.9倍、2016年度25.4倍と「何度応募しても入ることができない」状況が続いています。にもかかわらず、本市は、次期住宅マスタープラン(案)で、市営住宅の管理戸数を抑制する方向で、借り上げ市営住宅も1,178戸を解消していくという、真逆の施策を示しています。これでは、ますます生活困窮者が行き場を失う事態が深刻となるため、戸数の抑制はやめるべきです。
 今後、消費税増税や年金のさらなる削減など、貧困格差がいっそう広がる社会情勢の下で、市営住宅への入居を希望する人の住まいの確保が、必要だと考えますがいかがか、伺います。また、市営住宅に入居できず、民間のアパートなどに入居せざるを得なかった世帯に対し、せめて市営住宅と同等の家賃とする新たな仕組みを検討するべきだと考えますがいかがか伺います。
 2点目は、福祉灯油の実施についてです。
 札幌消費者センターの調査では、灯油配達価格が108円となり平均でも100円と高止まりしており、低所得者にとって死活問題です。この間、市民団体からの「福祉灯油」の実施への要望書が提出されています。
 しかし、本市は「実効性がない」と市民の願いに冷たく背を向けています。福祉灯油は、昨年道内で過半数を超える96市町村で実施され、道民の冬の暮らしを支えています。
 道都・札幌において、経済的理由から寒さで凍死者を出すようなことはあってはなりません。低所得者や高齢者・障がい者など最も弱い立場の市民に配慮して、福祉灯油の実施をするべきと考えますが、いかがか伺います。

 質問の第3は、高齢者の外出支援についてです。
 高齢者の健康増進、介護予防の促進のために、外出支援は重要です。他の自治体では、交通事業者、民間事業者、警察などとも連携し、公共交通機関に加えタクシーの利用料金の助成を実施し、高齢者の外出促進策を図っています。
 特に積雪寒冷地である本市の場合、雪道で転倒することを恐れ、外出を控えてしまう高齢者も多く、バス停や地下鉄まで歩くこともためらう実態があります。
 これまでわが党が、高齢者への外出支援は、健康増進のみならず、個人消費の増加や高齢者の免許返納を促す効果があることを示し、敬老優待乗車証・敬老パスの利用拡大を求めてきたことに対し、市長は2017年第4回定例会の代表質問で「札幌市では地下鉄やJR、路線バスなどの公共交通機関により、ほぼ全域を移動できる」と答弁していますが、JRでは敬老パスを使うことができません。
 市内には、周辺に地下鉄がなく、バス路線も廃止され移動手段がJRしかないという高齢者もいます。
 タクシーやJRでも敬老パスを利用できるよう改善し、高齢者の外出を支えるべきと考えますが、いかがか。そのための関係事業者との協議や意見交換を行うべきと考えますが、いかがか、伺います。

 質問の第4は、障がい者支援についてです。
 共生社会を目指し、障がい者の「自分らしい」生活を保障するためには、障がい者福祉サービスの維持と向上が大切です。
 しかし、今年度の障害福祉サービス等報酬改定により、「就労継続支援B型」事業所は、目標工賃達成額の加算が廃止され、平均工賃月額の7段階のランク評価により、基本報酬単価が決定されるようになり、平均工賃月額が1万円以上でなければ、障害福祉サービス事業所の減収となる可能性があります。
 平均工賃月額を上げるために仕事量や労働時間を増やすことは、より障がいの重い利用者を事業所から排除することにつながります。
 今年度の報酬改定により、障がいの程度により工賃が低い利用者が多く通う事業所が、大幅な減収となり、運営が立ち行かなくなることや、報酬改定に伴う本市の障がい者施設への影響について、実態調査を行うべきだと思いますが、いかがか伺います。

 以上で、私の質問のすべてを終わります。ご清聴ありがとうございました。

 

秋元市長 答弁

 全体で大きく、4項目ご質問いただきました。私からは、私の政治姿勢についてお答えをさせていただきます。その余のご質問に対しましては、担当の吉岡副市長、岸副市長、教育長からお答えをさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
 まず、私の政治姿勢についてのご質問のうち、1番目の国政に対する私の見解と市政への影響と対策についてお答えをいたします。
 まず1点目の領土問題についてでありますが、政府には、北方4島の帰属の問題を解決して平和条約を締結するという基本方針のもと、1日も早く領土問題を解決することを願う元島民の方々の思いを踏まえ、交渉を進めていただきたいと考えており、今後の政府間による外交交渉の進展状況を注視してまいりたいと考えております。
 次に2点目の、憲法の理念に基づいた平和外交についてでありますが、憲法9条は平和主義の理念を具体化した規程であると認識しており、争いのない、平和な世界を築いていくということは、何よりも大切なことであると考えているところであります。政府におきましては、こうした憲法の理念を尊重し、国民の安全安心を確保するとともに、国際社会の平和と安定に寄与していくことが重要と考えているところであります。
 次に3点目の原発問題についてでありますが、泊原発の再稼働につきましては、現在も原子力規制委員会の慎重な審査が継続中であり、引き続きこの審査の状況について注視してまいりたいと考えております。また、言うまでもございませんが、原発の問題のみならず、北海道電力には電力事業者としての保安責任をしっかりと果たしていただきたいと考えているところであります。
 次に4点目の、消費税増税による本市への影響についてであります。消費税率の引き上げは、国及び地方を通じた社会保障の充実、安定化に充てる財源の確保を目的とし、様々な視点で議論がなされ、国政の場において決定されたものであり、札幌市の重要施策であります子育て支援の充実等にも資するものと認識をしております。税務署への申告義務がない免税業者につきましては、国においてもその状況を把握していないというところでありますが、インボイス制度の円滑な導入にむけた様々な措置が講じられるものと承知をしております。消費税率の引き上げに伴う市民生活や経済への影響につきましては、国において低所得者対策等を含めて、各種の対策が議論されているところであり、まずはその動向について注視をしていきたいと考えております。
 2番目の市内経済についてでありますが、まず経済センサスから見た市内経済の評価についてであります。民間の従業者数の減少につきましては、生産年齡人口の減少が影響しており、市内企業の人手不足化にもつながっていると認識をしております。このことから、全国と比べて有業率、仕事を持っている人の割合でありますけれども、これが低い情勢や、高齢者の就労支援でありますとか、首都圏等からのU・Iターンの促進による就労者増に力を入れているところであります。一方、企業の売上高につきましては、ほぼすべての業種で増加をしており、活発な起業活動がおこなわれていると評価をしているところです。
 好循環を生み出すために必要な要素につきましては、雇用の場の確保、創出、及び企業・従業者の収入増加であることは、今後も変わらないものと考えており、産業振興ビジョンに掲げた施策を確実におこなってまいります。
 次に、中小・小規模企業の支援についてでありますが、中小・小規模企業は、大企業に比べて、資金面や新製品の開発といった新たな事業展開を図るための経営資源が不足していることに加え、事業承継など、様々な課題を抱えているものと認識をしているものであります。従いまして、国、北海道や金融機関、政財団体などとの連携を強化しながら、市内企業の現状を踏まえた独自の支援策を実施してまいりたいと考えております。
 次に3番目の都心アクセス道路についてであります。
 まず1点目の急激な社会の変化と環境に配慮した交通政策への展開についてでありますが、今後人口減少や超高齢社会を迎えるにあたり、都心や地域中心核に機能を集積させる、コンパクトなまちづくりを進めていくとともに、それらを支える地域交通の再編・連携が重要であると認識をしております。
 CO2削減につきましては、自動車の走行速度が上がると、CO2の排出量が少なくなりますことから、都心アクセス道路の整備による、自動車交通の円滑化により、周辺道路を含む全体のCO2排出量が減少するものであります。
 次に、市民意見の反映についてでありますが、市民から様々な意見が寄せられる中で、限られた経営資源を効率的、効果的に活用しつつ、災害対策やインフラの整備と老朽化対策などの必要な事業につきましては、適切な予算配分をおこない進めているところであります。
 都心アクセス道路の費用対効果につきましては、現在、国が進めております計画段階評価において、概算事業費を示した上で、複数案の比較、評価そしてアンケート調査などがおこなわれており、今後新規事業の採択時において、費用対効果分析を含めた事業評価がおこなわれるものと認識をしております。
 次に、世界の先進都市における都心部の交通政策の評価についてでありますが、それぞれの都市の状況に応じて、公共交通と道路ネットワークを有機的に組み合わせた交通体系を検討した結果であると、このように認識をしているところであります。
 私からは以上です。

吉岡副市長 答弁

 私からは2項目目、災害から暮らしと命を守る市政についてお答えいたします。
 最初に、災害に強いまちづくりと公共事業のあり方についてであります。
 まず、老朽インフラの改修、更新についてでありますが、水道管、道路、橋梁などの公共インフラ及び建築物に関する老朽化対策や耐震化は、重要な課題でありますことから、既に計画的に進めてきているところであり、引き続き着実に取り組んでまいります。
 次に、大規模建築物の耐震化の促進については、所有者の事業計画や建物の利用状況に応じた様々な検討が必要となりますことから、国や札幌市の支援に関する情報提供や、所有者との協議、調整を通じての耐震化に向けた働きかけを、これまで継続的におこなってきているところでございます。なお、これらの大規模建築物は、耐震化にかかる費用負担が大きいことから、一般的な施設より補助額を引き上げ、改修や建て替えを促しているところでございます。今後も引き続き所有者との連携を蜜にして、早急に、早期に耐震化が図られるよう努めてまいります。
 2点目の液状化や土砂災害への対応についてであります。札幌市ではこれまで大規模盛土造成地マップや、地震防災マップ中の液状化危険度図などを活用し、液状化や土砂災害等の危険性について市民に周知を図ってきたところでございます。この度の北海道胆振東部地震の発生に伴い、市内の数地区で液状化とみられる現象が確認できましたことから、里塚地区や羊ケ丘地区、月寒東地区などでボーリング調査等をおこなっているところであり、今後はこれらの調査結果などを踏まえ、引き続き災害に強いまちづくりへの取り組みを進めてまいります。
 次に災害時の対策についてであります。
 1点目の避難所の整備と医療体制についてでありますけれども、まず避難所の整備につきましては、避難場所基本計画見直し検討委員会において備蓄物資や、医療配慮者対策の充実についても検討をおこなってまいります。次に、避難所の医療体制についてでありますが、保健師等による巡回、保健指導をおこないながら、必要に応じて医療機関につなげるとともに、災害派遣医療チーム、いわゆるDMATや、医療関係者で構成される医療救護班により対応することとしております。
 2点目の消防吏員の増員と、災害時基幹病院との合同訓練についてであります。まず消防吏員の増員についてですが、消防職員定数減の主な要因は、交通や道路環境の整備が進み、迅速な出動体制が確保できるようになったことから、消防出張所の建て替え時期を捉えて統合をおこなったものでありまして、統合前と同様の市民サービスが提供できている状況にございます。大規模災害時は、この度の北海道胆振東部地震の経験からも、市内の消防力に加え、地域住民や民間企業における自助・共助の推進。更には北海道内外からの広域応援など、総合力による対処が重要であると再認識したところでございます。これらを踏まえ、引き続き関係機関との連携を強化するなど、消防防災体制の充実を図ってまいります。
 次に、災害時基幹病院との合同訓練についてでありますけれども、災害時基幹病院が独自におこなっている訓練を、合同で実施することは、災害時における医療機関同士の連携を円滑におこなうために重要と認識しており、今後、災害時基幹病院と連携した合同訓練について検討してまいります。
 私からは以上でございます。

岸副市長 答弁

 私からは、ご質問の中の3項目目、安心して子どもを生み育てられる札幌について、このご質問の中の小項目1点目から3点目までと、ご質問の中の4項目目、いつまでも安心して暮らせる札幌について、以上お答えをさせていただきます。
 まず3項目目、安心して子どもを生み育てられる札幌についての1点目。産後の支援策についてであります。まずリスクを抱えた妊産婦に対する支援の拡充についてでありますが、各区保健センターの保健師が、母子健康手帳交付の際の面談におきまして、1人親や若年妊婦、経済的な不安等のリスクの把握に努め、個別の状況に応じた支援を実施しているところです。リスクを抱えた妊産婦につきましては、引き続き様々な母子保健事業を活用しながら、産後を含めたきめ細やかな支援をおこない、育児に対する不安や負担の軽減に努めてまいります。
 次に産後ケアの充実についてでありますが、リスクを抱えた産婦に対しては、行政と医療機関の双方向からの支援が不可欠であり、札幌市におきましても、平成15年から保健と医療が連携した育児支援ネットワーク事業を実施し、医療機関との情報共有を図っているところです。今後更に行政と医療機関等の顔の見える関係構築に向けた連携方法の検討をおこなうなど、産後ケアの充実に努めてまいりたいと考えております。
 2点目の保育所整備と待機児童対策についてであります。札幌市ではこれまでも多様な保育ニーズに対応するため、新札幌子ども未来プランに定める需給計画に基づきまして、幼稚園の認定子ども園への移行や、認可保育所、小規模保育事業所の整備をおこなってまいりました。また今年4月には、保育ニーズが増大をしているという状況を踏まえ、需給計画の見直しをおこない、更なる供給量の拡大に努めているところです。更に札幌市では、例えば内外園庭や保育士の配置を国基準以上に設定するなど、保育の質にも配慮しており、今後も利用者が安心して保育サービスを受けられるよう、保育所等の整備を進めてまいりたいと考えております。
 3点目の子どもの貧困対策についてであります。子供の貧困対策計画につきましては、生活基盤を確保するための経済的支援の取り組みや、子供の健やかな成長、学びを支える取り組みを、基本施策の1つとして位置付けております。実態調査におきまして、困難を抱えていると考えられる世帯ほど、社会的に孤立の傾向にあることが確認をされており、各種施策が有効に機能するためには、これらの世帯を早期に把握し、より効果的な支援につなぐことが特に推進するべき取り組みであると考えております。今後とも、全市をあげて施策の推進に取り組むとともに、検証をおこないながら子供の貧困対策の一層の充実を図ってまいりたいと考えております。
 次に、ご質問の中の4項目目、いつまでも安心して暮らせる札幌についてであります。
 1点目の高すぎる国保料についてでありますが、まず公費による負担軽減についてであります。国民健康保険料につきましては、他の健康保険と比較をして決して安いものではなく、加入者の負担感には強いものがあると認識をしております。横浜市では平成26年度から子育て世帯に対する保険料の減免のため、一般会計の繰入をおこなっておりますが、平成30年度からの都道府県単位化に伴い、こうした保険料の負担軽減を目的とする繰入は、解消、削減すべき形とされております。札幌市として、このような措置をとることは難しいものと考えています。
 次に、資格証の発行についてであります。医療保険制度におきましては、誰もが必要な時に、安心して医療機関を受診できることがもっとも重要なことであります。資格証明書を交付している世帯から医療費の一時払いが困難である旨の申し出があった場合には、速やかに医療機関へ受診できるよう、保険証を交付するなど、柔軟な対応をおこなっているところです。資格証明書は、折衝機会の確保のため、個々の世帯の生活状況など十分に考慮し、法令に基づいて交付をしており、今後も適切に対応してまいりたいと考えています。
 2点目の、社会的弱者への生活支援策についてであります。
 まず市営住宅についてでありますが、今後の人口減少や、民間賃貸住宅の空き部屋の状況等を踏まえ、札幌市住宅マスタープランの見直しにおきまして、市営住宅の管理戸数は現状水準の維持から変換をし、抑制していくことを基本としたところです。また民間賃貸住宅の家賃低廉化にかかる支援制度につきましては、他都市の状況も参考にしながら、本市の厳しい財政状況を踏まえ、課題を整理しつつ慎重に検討をおこなっていくこととしております。
 次に、福祉灯油の実施についてであります。福祉灯油につきましては、給付金及び支給事務に多額に経費を要するものの、給付を受ける側にとりましては冬期間の暖房費のごく一部が補填されることにとどまりますことから、施策としての実効性が高いとはいえないものであり、実施は考えておりません。なお、今後も灯油価格の推移については注視をしてまいりたいと考えております。
 3点目の、高齢者の外出支援についてであります。敬老優待乗車証は、生活や身体状況などの、個々の事情にかかわらず、すべての70歳以上の高齢者を対象に外出を支援するものです。高齢者が増え、事業費が年々増加をしている中、制度の持続可能性という観点から、対象の交通機関はバス、地下鉄、市電に限定しており、他の交通機関への拡大は困難であると考えている次第でございます。したがいまして、関係事業者との協議や意見交換につきましても、現時点では実施するという考えはございません。
 4点目の障がい者支援についてであります。報酬改定に伴う障がい福祉サービス事業所への影響につきましては、まずは来年3月に公表が予定をされております、国がおこなう報酬改定の、検証調査結果を通して、把握することが適当であると考えています。その結果なども踏まえ、札幌市といたしましても様々な機会を捉え、事業所への影響の把握に努める他、必要に応じまして国に対して報酬改定に関する要望などを検討してまいりたいと考えています。
 私からは以上であります。

長谷川教育長 答弁

 私から、3項目目の、安心して子供を生み育てられる札幌についての、4点目。行き届いた教育の実現についてお答えをさせていただきます。
 教員の長時間労働対策につきましては、既に国からもその内容が示されておりまして、学校における業務の役割分担の適正化や、勤務時間に関する意識改革、時間外勤務抑制のための措置など、総合的に取り組むことが必要でございます。このため、札幌市におきましても、夏期休校日や部活動活動基準の設定などを実施しているところでありますが、少人数学級につきましては、必ずしも長時間労働の解消につながるものとは考えておりません。また、少人数学級につきましては、児童生徒にきめ細かな指導をおこなう上では有効であると認識しておりますものの、その拡大につきましては、長期的かつ安定的な制度運用が必要となりますことから、国が財源等を保障すべきものであり、引き続き様々な機会を通じて、国に要望してまいりたいと考えております。
 私からは以上でございます。

平岡だいすけ議員 再質問

 都心アクセス道路についてと、行き届いた教育の実現についての大きく2つ質問をさせていただきます。
 質問に入る前に、原発問題について、それから消費税について一言申し上げたいと思います。
 原発問題について、先ほど市長は、原子力規制委員会の審査、これを今後も注視をしていくと答弁をされましたけれども、本日の新聞で、泊原発3号機の非常用ディーゼル発電機で、端子の取り付け不良が2009年12月の運転開始時から約9年間、放置をされていたことで原子力規制委員会の更田豊志委員長は、「トラブルが多すぎる」と問題視し、北電の対応を厳しく検証していくということが報道されました。改めて、道民と市民の不安を煽るような、管理がずさんな泊原発の再稼働はせずに、廃炉にすべきと、市長の立場から表明をしていただきたいと思います。
 また、消費税について秋元市長は、社会保障の安定、それから充実のために必要なんだということも答弁されておりますが、これまでも消費税の増税が繰り返される中で、社会保障費は削られてきており、今後も75歳以上の医療費を原則2割負担にすることや、要支援だけではなくて要介護1、それから要介護2も、介護保険制度からはずすという、社会保障の削減がこの増税案と同時に、検討されてきているところであります。秋元市長は、子育て支援の充実のためにも使われるだろうといった旨の答弁もありましたが、消費税は所得の多さにかかわらず、同じ税率で商品やサービスにかかるものであり、所得が低ければ低いほど負担が重たいという、逆進性のある税金であります。10%への増税が、「既に家計がギリギリだ」「食料が買えない」「病院にもかかることができない」と言っている子育て世帯にとって、大きな打撃となります。低所得者対策についても答弁で触れておりましたけれども、その中身は、クレジットカードを持っていない人は恩恵を受けることができない内容であり、本市の言葉を借りますと、実効性の低いものなのではないでしょうか。また、インボイスの影響について、影響する企業の把握は難しいという答弁もありましたが、増税が強行された場合、この増税とインボイスが市内企業にどれだけ影響を与えるか、十分調査を行い必要な対策、支援をおこなうべきと求めておきます。
 それでは再質問に入らせていただきます。
 1つ目に、都心アクセス道路についてであります。今定例会では、これまでで初めて、都心部の駐車場の設置義務を緩和する条例改正案が提出をされています。具体的には都心部の駐車場に空きが目立ち、利用率はピーク時でも6~7割となっています。そこで、今後ビルを建設、または改築する事業者へ、バスや地下鉄などの公共交通機関の利用促進策を打ち出せば、つまり、公共交通機関を使いやすい作りにすれば、駐車場の台数は従来の基準よりも少なくてもよいとするものであります。まさに質問で指摘したとおり、車の交通量は減っていて、今後も減っていくことを見越した条例改正と認識をしいるようですが、そうだとすれば、都心部の車の流入を増やす都心アクセス道路の建設を進めることと矛盾するのではないかと考えますが、この矛盾をどのように説明されるのか伺います。
 また合わせて、2017年に本市がおこなった都心アクセス強化に関するアンケートでは、「混雑や渋滞は感じない」という意見がある一方で「右折車線のわかりにくさ」や「標識等の案内の不十分さ」を指摘する声も多いことから、創成川通りのみならず、全市的に幹線道路の安全性と利便性の向上を図るべきだと思います。
 先日、自身、改めて創成川通りを見てまいりましが、北33条から北24条までのほとんどで、道路の白線が消えている状況がありました。それは対抗車線でも同様に見受けられました。また、道路全体に修繕後のつぎはぎ路面が多く、特に北18条から北24条に向かう車線の路面の凹凸がひどい状況であります。
 そこで伺いますけれども、このような路面状況と右折車線のわかりにくさが、ドライバーの不安を煽り、減速や事故を誘発する要因となっていると考えますが、創成川通りの走行路や標識、白線などの案内がどのようになっているのか。また、どのような状況であるのか。このように交差点を中心としたドライバーへの混乱を発生させる要因について、検証する必要があると考えますが、いかがか伺います。
 2つ目に、行き届いた教育の実現について質問させていただきます。先ほど私は、学校は地域コミュニティの中心であり、子供と教員、PTAの相互関係を深め、安心と信頼を築き、子どもの個性を尊重しながら教育を進める重要な拠点であると申し上げました。しかし残念なことに、11月27日の夕刻、市立小学校教員における体罰の疑いがテレビ報道されました。教育委員会によると7月20日から教職員及び当該小学校に対して、保護者から十数回にも及ぶ情報が寄せられ、9月25日には教育長あての投書があったということです。教育委員会は、体罰行為や学級崩壊などは確認できないとしていましたが、その後、保護者との面談で体罰の疑いがあるとして、体罰事故調査委員会を立ち上げ、調査を実施するとしています。
 そこで質問ですが、最初の情報が提供された7月20日から、約4か月も経過していることは、学校における子どもと教員、PTAの相互関係の安心と信頼を損なったと思いますが、いかがか伺います。また、本市の学校全体に、子どもの最善の利益を実現するための権利条例が、息づいた教育が実践されていない表れだと思いますが、市長はどのようにお考えかお聞かせください。

秋元市長 答弁

 再質問をいただきましたうちの都心アクセス道路の関連についてお答えをさせていただきます。
 1点目は、都心への流入を増やすことになるのではないかということ、その他の政策との整合性はどうかということだと思いますが、都心アクセス道路、これは高速道路等からの都心とのアクセスということであります。これからコンパクトシティを目指していく中で、それぞれの拠点とのアクセス性を高めていく。そのことを重要視した1つでございます。その意味では、札幌の場合はとりわけ冬季間の走行速度等に問題があり、これは量を増やすというよりは、全体の、例えば高速道路を通じて道内の他地域に行く。あるいは道内の他地域から入る。空港からの行き来ということ。これらをスムーズにしていくことによって、人の流れを良くしていこうということであります。当然のことながら流入をしてくる部分というのもございますけれども、出ていく、車が出ていきやすくなるということも、想定をしているわけであります。
 白線等、あるいは道路標識等の点検はどうかということでございます。これは道路管理者、国道でございますけれども、国道として、通行に支障があるかないのかということ。路面状況については逐次、道路パトロール等で点検をし、危険な箇所、あるいは改善をすべきところについては改善をされているものと認識をしておりますし、私どもも国道の管理者に対しまして春先等の道路、路面状況については、情報提供をさせていただいて、改善に取り組んでいただいているという状況でございます。
 以上です。

長谷川教育長 答弁

 行き届いた教育の実現についての再質問ということでございますが、教育委員会といたしましては、先ほど来、お話にもございました札幌市の将来を担う子どもの権利の保障、これにつきましては、大変重要なものと考えております。したがいまして、これまでも子供の権利の条例の理念に基づいて、それぞれの取り組みを進めてきたところでございます。
 少人数学級の拡大という、ご質問の再質問かと思いますが、これにつきましては、先ほどもご答弁申し上げましたとおり、長期的かつ安定的な制度運用が必要となりますことから、国が財源等を保障すべきものであり、引き続き様々な機会を通じて国に要望してまいりたいと考えてございます。
 私からは以上でございます。

平岡だいすけ議員

 秋元市長は、決して車の都心部の量を増やすわけではないとおっしゃっておりましたけれども、北海道開発局がこれまで主導でおこなわれてきた検討委員会の資料にはですね、企業や商業・宿泊施設などが集積し、都心部において今後ますます人流物流の需要増加が想定され、当然車の量も増えてくると、一方では、駐車場を減らす改正案であることから、やはり矛盾する考えであると思われます。
 質問の中でポートランドの事例を紹介させていただきましたが、「それぞれの都市での状況に応じて検討した結果」と、答弁されましたが、世界や国内の他都市の先進的取り組みというものは、学ぶべきところは学んで、本市の施策に取り入れるべきではないでしょうか。ポートランドのように、都心部への車の流入を減らし、公共交通機関を充実させていくことが、自動車が減少する時代に求められているということを改めて指摘させていただきます。
 道路の状況についてでありますけれども、夜間や冬場の走行を考慮した電光標識の設置や、路面の白線に色を付けるなど走りやすくするための改善は十分可能であると思います。総額85億円から170億円と試算されている、右折レーンの設置を含めた交差点改良は、その金額面もそうですけれども、工事の期間も比較的短く、即効性のある対策であるため、本市の言っている混雑の解消に十分機能するのではないかと思います。地下トンネルや高架橋など、総工費1000億円超えの高規格道路の建設は必要ないと、はっきり申し上げておきます。
 2点目に質問いたしました、行き届いた教育の実現についてでありますけれども、本市の子どもの権利条例には、「施設関係者は子どもの言葉、表情、仕草などから思いを受け止め、相談に応じ、対話などをおこなうよう努める」とあります。つまり学校をはじめ教育委員会は、子どもの話をよく聞いて、受け止めて対応しましょうということが書かれているわけであります。7月の20日に情報提供があったのに、何故そういう姿勢で受け止めようとしてこなかったのか。何故こうしたことが起きたのか、学校と教育委員会はどう対応すべきだったのか。子どもの権利条例の観点から、十分検証することを強く求めまして、質問を終わります。