私は、日本共産党を代表し、議案第3号「国民健康保険条例の一部を改正する条例案」、第4号「介護保険条例の一部を改正する条例案」に反対、残余の議案に賛成の立場から討論を行います。
 まず、議案第3号についてです。
 本議案は、国民健康保険法施行令の改正に伴うもので、本市は、賦課限度額を96万円から99万円に引き上げ、中間層の負担軽減を図る、としています。
 中間所得層で引き下げられる金額は、年収200万円の2人世帯で年720円、400万円の2人世帯で年1870円と、ごくわずかです。600万の年間所得で賦課限度額に達する世帯は、99万円もの異常な国保料負担となります。
 本市は、これまでも同様に賦課限度額を引き上げて中間所得層を引き下げてきましたが、厚生労働省が設置している「医療保険部会」において、全国市長会から、「子供の数が多いと負担がふえていくこと」、「限度額を引き上げていくのは限界に達している」との意見が出されています。
 賦課限度額を引き上げる方法では、高すぎる国保料の構造的な問題は解決できず、このたびの改正に反対です。

 次に、議案第4号についてです。
 本議案は、非課税世帯の第1段階から第3段階の介護保険料の負担割合を、年間約1700円から5000円程度引き下げるものですが、国の進める「全世代型社会保障」はその財源に消費税を充てるものです。
 国は、昨年10月から10%に引き上げた消費税を、「高齢化社会における社会保障の安定財源」と位置づけています。
 しかし、この3段階の介護保険料を引き下げても、非課税世帯の消費税負担はそれ以上に重く、「社会保障のため」という消費税増税はまやかしで、低所得者層は高所得者層と比べ負担が重くなる逆進性を有しています。
 消費税は、最低生活費にもかかり、2%引き上げたことにより、年収200万円未満の世帯で、2万2000円の負担が増えるとの総務省の「家計調査」をもとにした試算が出されています。
 高齢化の進展に伴う社会保障給付費の増加に対応するために消費税を充てることを今後も続けていくなら、消費税率を引き上げ続けなければならず、逆進性は一層強まることになります。介護などの社会保障の充実は、黒字の大企業が払う法人税の引き上げや、超富裕層と言われる高額所得者の所得税負担割合を高めることなど、応能負担の原則に立った財源の確保で進めるべきです。

 以上で私の討論を終わります。