私は、日本共産党を代表して、ただいま議題となっております議案25件中、議案第1号、第5号から第7号、第15号、第16号、第20号に反対、残余の議案18件に賛成の立場から、討論を行います。
 
 2024年度予算は、秋元市長3期目の最初の本格予算であり、一般会計予算は、2023年4定補正予算、及び2024年1定補正予算での国の経済対策関連経費等と一体的に編成された「16か月予算」として、一般会計予算規模は1兆3000億円、特別会計、企業会計を含む全会計予算は1兆9,923億円であり、過去2番目の予算規模となりました。 

 来年度予算は、「子ども・子育て支援」、「GX・脱炭素、経済活性化」、そして、「市民生活を支えるための取組」など5つの柱を掲げています。
 「子ども・子育て支援」については、子ども医療費助成対象を中学生まで拡大するなど、長年の市民要望に一定応えた予算となりました。
 しかし「GX・脱炭素、経済活性化」については、企業誘致や設備投資等への優遇税制や補助金などの拡充と「世界へつながる新たな顔づくり」として、札幌駅周辺の再開発事業への多額の補助を行う一方で、本市企業の99%を担う、中小・小規模企業の経営を守る施策は、不十分です。
 また、本市では民間再開発の促進として、総事業費の増額に合わせ、補助金等を増額しての投入を繰り返してきました。本市としての事業評価と市税投入の検証が必要です。
 「市民生活を支えるための取組」としては、生活道路の整備や、除排雪のさらなる強化を図ることと、超高齢社会を迎えている本市において、介護や医療などの市民福祉のいっそうの充実が求められます。また、学校給食費は、食材費高騰分を公費負担で据え置きとしていますが、保護者負担の実質的な軽減へ踏み出すべきです。

 議案第1号「令和6年度札幌市一般会計予算」に反対する理由の第1は、市民の充分な合意形成が図られていない事業が含まれているからです。
 北海道新幹線 推進費として、50億8840万円、新幹線札幌駅東改札口整備関連費として2億4200万円が計上されておりますが、新幹線の札幌延伸は、ずさんな需要予測のもとに着工が始まり、経済波及効果の根拠が希薄なままですすめられています。
 何よりも、新幹線トンネル工事から出るヒ素などを含む有害残土の処分場を手稲区山口へ強行し、有害残土が持ち込まれていることに対し、根強い市民の反対運動が続いております。工事期間を5年前倒しし、工期を短縮して2030年開業をめざしおし進められ、市民との軋轢を広げています。計画自体を見直すべきです。

 また、都心アクセス道路建設事業の直轄事業負担金10億円が、道路新設改良事業費のなかに計上されており、あわせて、議案第15号「下水道事業会計予算」に、都心アクセス道路事業に伴う、管路の移設工事費用92億円が含まれております。
 都心アクセス道路建設事業は、必要性に乏しく市民合意がないまま多額の税金を投入するものであり、先行する下水道管路整備は、本来急ぐ必要がない、移設経費であることから、反対です。

 学校統廃合に係る予算2736万2千円が、学校施設新改築費に含まれております。現在、6地区で学校統廃合にかかわる学校規模適正化検討委員会が設置されておりますが、地域住民をおきざりに、合意なくすすめることは容認できません。

 理由の第2は、現行の敬老パスを「敬老健康パス」に制度変更するため、関連するシステム構築・アプリ開発費6億7857万円が、高齢者健康寿命延伸費に含まれているからです。
 昨年11月22日に唐突に発表した、敬老健康パスへの制度変更案に対し、市民からは、驚きとともに強い反発の声が出されました。
 12月から本市が10区で開催した市民との「意見交換会」には、約1500人が参加し、また、コールセンターには1300件、ウェブフォームには1000件の意見が寄せられ、その多くは「敬老パスの見直しと健康寿命の延伸は分けて検討するべき」「上限額2万円では足りない」などで、拙速な制度変更案に批判的なものがほとんどでした。
 議会では、変更するまでの「経過措置」を検討する旨の答弁がありましたが、我が党は、そうした具体提案を行う前に、まず、健康寿命の延伸と、敬老パス制度の議論を分けるべきだと考えます。そして、現行の敬老パスではタクシーやJRに使えない課題をどのようにして改善するか、や、7万円の上限額、負担割合、交通環境の違いや実態などについて、市民と十分に情報を共有し、期限を区切ることなく意見交換を重ね、一歩一歩合意形成を図るべきです。
 その議論が行われることなく、アプリやポイントなどを導入すれば、市民からの批判はさらに強まり、怒りが拡大していくことは必至です。
 まず、結論ありきの本市の姿勢を改め、経過措置やアプリ開発の方向をいったん白紙に戻し、健康寿命の延伸と切り離して、現行の敬老パス制度を土台に議論するべきです。この予算は、アプリ開発後の敬老健康パスへの移行につながるものであり、反対です。

 理由の第3は、マイナンバー制度対応のシステム改修やカードセンター運営費などの関連事業費として、8億2千239万4千円が含まれているからです。
 マイナンバーカードと紐づけられた各種サービスの利用情報が集積されると、個人の特定が可能となり、情報漏洩の危険に市民は常にさらされることになります。また、国が国民の消費動向や健康・医療・預金などの情報を得ることは、国民監視につながることから反対です。

 議案第5号「国民健康保険会計予算」及び議案第20号「国民健康保険条例の一部を改正する条例案」、また第6号「後期高齢者医療会計予算」に反対する理由は、高すぎる保険料が改善されないからです。
 国保料は、最高限度額の引き上げなどで中間層の負担を軽減するとしながらも、平均保険料で7451円も上がることになります。多子世帯など家族が多いほど負担が重くなる仕組みであり、本市独自で、18歳以下について、一人当たりにかかる国保料の均等割を半額減免とするなど改善が必要です。
 
 議案第16号「札幌市職員定数条例の一部を改正する条例案」に反対の理由は、本来市が担う業務である保育園及び学校の給食調理業務の民間委託により10人、学校用務員5人などが削減されるからです。

 次に、代表質問ならびに予算特別委員会で取り上げた諸課題について、局別に述べてまいります。

 最初に、スポーツ局です。
 代表質問で、札幌ドーム周辺地域におけるスポーツ交流拠点の問題を取り上げました。
 総事業費550億円で建設された札幌ドームの周辺を「スポーツ交流拠点」とすることについて見直しを求め、アイスリンク基本構想に示される新月寒体育館を、現在の地下鉄「月寒中央駅」徒歩1分の距離にある月寒体育館の場所で、建て替えるよう求めたところです。
 本市は、札幌ドーム周辺は日常的な賑わい作りが課題で、ドームとの相乗効果を生み出す機能を導入したい旨を答弁されました。相乗効果を生む機能として、新月寒体育館をドーム周辺に移転させようとしていますが、地下鉄福住駅からの利便性や、駐車場機能、建設した場合の緑の保全など、どこをとっても課題が生じ、現在の月寒中央駅に近い場所から移転させる優位性はありません。
 総建設費400億円とされる新月寒体育館は、現在の月寒東1条8丁目で建て替え、「する」「みる」「ささえる」スポーツを、より振興できるようにするべきです。

 子どものウインタースポーツ振興についてです。
 スキーリフト料金割引クーポンは、対象学年を拡大し、利用できるスキー場が今年度2ヶ所増え11ヶ所になりました。さらに、スキーリフトクーポンの中学生への拡大や、ウインタースポーツ塾の定員を広げるなど、子どもたちがウインタースポーツに触れる機会の拡充を求めます。

 モエレ沼公園野球場についてです。
 現在、硬式野球場へと整備中のモエレ沼公園野球場の新設に伴う利用料金案が、議案第24号「札幌市都市公園条例の一部を改正する条例案」で示されました。屋内ブルペンは、市民が利用しやすい料金設定にされるよう求めます。

 次に、保健福祉局です。
 生活保護ケースワーカーの増員についてです。
 来年度はケースワーカー9人の増員が示されました。しかし、社会福祉法が示す担当世帯標準数はケースワーカー1人に対し80世帯であり、増員されてもなお平均88.8世帯と多いままです。
 ケースワーカーの経験が3年以下の職員が7割近くであるのに、サポートする査察指導員や経験豊かな先輩職員が少ない、という課題もあるため、業務改善のためにも必要な増員を求めます。

 産婦健診についてです。
 わが党が求めてきた、産婦健診の助成費用が予算化されました。産後の精神状態や体の不調を把握し、早期に治療や支援につなぐことができる産婦健診の意義や制度を広く周知するとともに、今後も、切れ目なく安心して子育てができる環境の整備に取り組まれるよう求めます。

 子ども未来局では、子どもの貧困について質問しました。
 札幌市が行った「子どもの生活実態調査」では、一番低い所得層の二人世帯の場合、年間の手取り収入が180万円未満、月15万円以下で暮らしていることが明らかになっています。
 子ども医療費助成の対象年齢拡大にあわせ、初診料の負担をなくし、家賃負担の軽減策など、直接的な支援につながる、貧困対策を進めるよう求めます。

 次に、経済観光局です。
 国は、ゼロゼロ融資の返済の借り換え保証として、昨年1月に伴走支援型特別保証制度を創設し、支援事業を今年6月末まで延長しました。
 制度を活用するための経営計画策定等の要件は、小規模事業者にとってはハードルが高いという声もあることから、相談対応や支援を強化されるように求めます。

 次に、下水道河川局です。
 下水管の、取り付け管の老朽化による損壊などに起因する道路陥没は、2022年度までの4年間をみると、年間約130件発生しているとのことでした。異常が生じやすいコンクリート製の取り付け管の調査は、18万カ所中14万カ所残っており、新たな下水道改築基本方針では、着実に調査・改修を実施されるよう求めます。

 次に、都市局です。
 分譲マンションは、築年数が古いほど、共用部分がバリアフリー化されていない傾向があり、改修への支援が必要です。早急な実態把握と共に、バリアフリー化を促していくため、改修費用補助の実施を求めます。

 高齢者の住まいについてです。
 高齢者優良賃貸住宅の家賃補助について、国においては、再度20年の延長ができるとしており、国の補助金も継続されます。しかし、本市では、高優賃の家賃補助を打ち切る方針です。国土交通省では、延長は自治体の判断によるとしており、本市として国の制度を活用し、高優賃の家賃補助延長を再考すべきです。
 また、高齢者を含む住居確保要配慮者の入居を断らないセーフティネット住宅の登録は、すすんでおりません。本市では、民間も含めた住宅セーフティネットを構築するとのことですから、国の補助メニューである、セーフティネット専用住宅の家賃補助の活用を求めます。

 最後に、水道局です。
 水道事業を支える水道局職員は、業務の見直しや委託により、2006年以降100人が削減されていますが、昨今の災害被害状況を見ると、人的な備えは重要です。技術継承とあわせ、人材確保と人員配置の維持を求めます。

 以上で、私の討論を終わります。