私は日本共産党を代表し、ただいま議題となっております議案25件中、議案第1号、第5号から第7号、第10号、第15号、第16号、第20号、第21号及び第23号の10件に反対し、残余の議案には賛成、並びに請願第52号から第65号については、採択すべきとの立場で討論を行います。
2026年度の一般会計予算は1兆3,185億円、公債会計を除く特別会計・企業会計を合わせた全会計予算は2兆405億円と過去最大規模になりました。
物価高騰が長期化し市民生活が厳しさを増す中、市民からは「暮らし・福祉最優先」の予算編成が求められましたが、本予算案はその期待に十分応えるものとは言えません。
議案第1号「令和8年度札幌市一般会計予算」に反対する理由の第1は、市民との合意形成が不十分なまま、不要不急の大型事業が推進されているからです。
北海道新幹線延伸推進費、民間再開発促進費、丘珠空港関連費等に208億6,400万円、直轄事業負担金22億4,600万円のなかには、混雑度が低い創成川通へ、地下構造のアクセス道路を建設するための負担金が含まれますが、それらの事業に今なお市民から疑問の声が出されています。
さらに、新MICE施設整備費として、PPP/PFIの詳細検討と基本計画策定のための2,600万円が計上されております。金額も示されないまま土地購入の予約契約を決め、市民の意見を聞かずに多額の費用となる事業が進められるものであり、認められません。
理由の第2は、マイナンバーカードに係る推進事業費と、システム改修費約17億8,580万円が含まれているからです。
個人情報の一元管理は情報漏えいやプライバシー侵害のリスクを高めます。また、本来、カードの取得や利用は「任意」であるにもかかわらず、強制するかのように一元化されたマイナ保険証は現在もトラブルが続き、電子証明書の“有効期限切れ”なども混乱を招いています。
理由の第3は、敬老優待乗車証交付費を6億2千万円削減し、敬老パス制度の縮小により、対象をせばめ、利用者の自己負担増となるからです。
さらに、無料である市民の火葬料金が有料化されますが、市民の暮らしを鑑み、負担増となるこれらの実施は立ち止まるべきです。
理由の第4は、学校施設新改築費の中に、いわゆる学校統廃合に関する規模適正化推進費として1,222万円が含まれているからです。
本市が適正とする学校規模では、マンモス校が是正されない一方で、小規模校の統廃合では、長くなる通学時間など子どもの負担への懸念、良好な環境である小規模校を望む子どもや保護者、住民から声が上がっても、検討会においては児童の減少を理由に統廃合ありきですすめられております。社会情勢の変化からも適正な学校規模の検討が必要です。
議案第5号「令和8年度札幌市国民健康保険会計予算」、議案第6号「令和8年度札幌市後期高齢者医療会計予算」並びに、議案第20号「札幌市国民健康保険条例の一部を改正する条例案」についてです。
来年度は、国保料の賦課限度額の医療分1万円の引上げにより、中間層の負担軽減を図るものの、多子世帯の負担がより重くなるなど構造的な問題は解消されることはなく、こうした負担軽減策は限界です。
さらに、国により、子ども子育て支援金分がすべての医療保険料へ上乗せされます。そのため札幌市の国民健康保険の平均保険料は前年度より増えることとなり、子育て世帯を含め、低所得層にもさらなる負担増となることから反対です。
議案第7号「令和8年度札幌市介護保険会計予算」、議案第21号「札幌市介護保険条例の一部を改正する条例案」について反対の理由は、来年度の介護保険料に、国の税制改正を反映させず、市民に不利益をもたらすためです。
国の制度改正により介護保険料が下がることで自治体の減収となる場合、国が全額補填し、市民と自治体の不利益とならないよう措置すべきです。
議案第10号「令和8年度札幌市病院事業会計予算」及び、議案第23号「札幌市病院事業使用料及び手数料条例の一部を改正する条例案」は、駐車場料金及び文書料と差額ベッド代である特別室、上等室使用料加算額を引き上げる内容が含まれています。
高度医療が必要な多額の医療費がかかる患者が多いなか、さらなる負担増となることから、容認できません。
議案第15号「令和8年度札幌市下水道事業会計予算」に反対する理由は、2026年10月から下水道使用料を平均22.6%値上げすること、都心アクセス道路建設に伴う下水道管移設経費が含まれているためです。
なお、下水道条例第17条において、市長が認める時には、使用料の減免が可能であると定められていることから、低所得や減収時等への適用を検討すべきです。
議案第16号「札幌市職員定数条例の一部を改正する条例案」に反対する理由は、学校や保育園給食調理業務の委託拡大などで職員97人を削減するからです。
次に、請願第52号から第65号「札幌市営住宅家賃の見直しに係る請願」についてです。
市営住宅の立地条件や断熱などを利便性として見直し、2026年度からの家賃が値上げされます。
趣旨説明では、物価高騰の暮らしへの影響や高齢者の医療負担など、厳しい生活実態が語られました。市営住宅の目的は、暮らしが大変な時でも安心できる低廉な家賃の住宅の提供であり、公的な役割です。
よって、家賃の値上げに反対であり、請願第52号から第65号については採択すべきです。
次に、代表質問並びに予算特別委員会で取り上げた諸課題について申し述べます。
「泊原発再稼働容認について」、秋元市長は「新規制基準に適合しており、専門的見地から安全対策が進められている理解である」と、容認する姿勢を示されました。
しかし、浜岡原発の調査をした事業者のデータ不正が発覚し、原子力規制委員会はその捏造を見抜けませんでした。同事業者は泊原発の地質調査も行っています。規制委員会の審査合格をもって安全性が担保できるものでないことが明らかとなりました。泊原発の再稼働は中止すべきです。
「丘珠空港滑走路延長による自衛隊の利用拡大について」札幌市は、国交省・防衛省との協議において、滑走路延長は民間航空機の活用を促すものであり、自衛隊の利用拡大を想定したものではないことを確認している。それらを含め、説明してまいりたい」との答弁でありました。早急に市民に伝えていただくよう求めます。
子ども医療費助成の予算拡充についてです。
2025年度と26年度予算で、所得制限撤廃に向けた事業費が見送られています。市民や議会から多く要望が出ており、予算を拡充し、すべての子どもが受けられる制度にするよう求めます。
次に局別に申し上げます。
最初に総務局です。
会計年度任用職員についてです。
本市では来年度から任用限度3年を原則としつつも、経験や人材確保を考慮し、同一部署での任用が可能となります。
しかし、職種による運用の違いが依然課題です。経験やスキルの向上が正当に評価される雇用環境となるよう、制度の見直しを求めます。
デジタル戦略推進局です。
自衛隊への名簿提供についてです。
昨今の軍事的国際情勢は、著しく悪化しています。
このような中、本市の自衛官募集事務に関するホームページは、自衛隊の広報の役割を果たすかのようであり、内容を見直すべきです。これまでの方針を改め、次年度からの名簿提供を中止するよう求めます。
まちづくり政策局です。
バス路線の維持と代替交通の考え方についてです。
市内では2015年以降、すでに95ものバス路線が廃止された一方、代替交通の導入はわずか3路線にとどまり、来年度も導入予定はありません。生活上必要なバス路線確保のために要綱を見直すべきです。
連節バスの導入検討についてです。
本市は、新たな公共交通システムとして「水素連節バス」の導入に向けテスト走行を行っていますが、渋滞時の定時性などの検証が不十分です。かつて市電延伸を採算性で断念しながら、多額の投資を伴う新規事業を優先する予算を投じることに市民の理解が得られるのか疑問です。既存のバス路線の維持と公的支援の強化を強く求めます。
財政局では、今後10年間の財政推計について質問しました。
本市は、収支不足の拡大を改善する対策をとらなければ、将来、基金の枯渇や財政再生団体となる可能性があると推計しています。義務的経費や準義務的経費を削減することは難しいものの、公債費や市債発行額の見直しを図り削減すること、あわせて、年次ごとの予算編成において、市民サービスの維持向上を図るよう求めます。
保健福祉局です。
身体障がい者自動車運転訓練費等補助金については、縮小・廃止の理由として、公共交通のバリアフリー化などがあげられました。
しかし、積雪寒冷地では車いすでの移動は困難です。また、事故や病気によって障がいを負うことは誰にでもありうることであり、運転免許取得や自動車改造の補助事業は、欠かせません。よって廃止、縮小することは容認できません。
福祉除雪についてです。
来年度から、利用要件が変更となり、必要な方が受けられなくなる懸念があります。
事情をよく聞き、柔軟かつ丁寧な対応をし、必要な方が受けられる制度設計とすべきです。
がん検診の精密検査受診率の向上についてです。
札幌市は、受診率が低い状況が続いています。
市として、対象者と直接つながるなど、精密検査を勧奨する仕組みをつくり、早期治療へつなげる取り組みをすすめるべきです。
加齢性難聴への対応についてです。
加齢性難聴への正しい知識と早期発見と対応について、普及啓発に取組むことが重要です。札幌市の特定健診と後期高齢者健診の項目に聴力検査を独自に追加し、早期発見につなげるべきです。
国民健康保険の出産手当金と子どもの均等割り軽減についてです。
出産手当金は、出産前後の休業期間の生活保障を目的とし、被用者保険では、給付されています。
しかし、国民健康保険では導入している自治体はありません。加入する健康保険によって、支援に差があってはならず、制度の導入を国と北海道に働きかけることを求めます。
また、子育て世帯支援として、子どもの均等割り保険料の廃止を国に求めるとともに、国保支払準備基金などの活用により、札幌市として高校生世代以下の全額軽減を図るよう求めます。
子ども未来局です。
思春期ヘルスケア事業についてです。
保健師等が学校に出向き、生命誕生等について行う授業支援事業の実施校を大幅に縮小していますが、思春期支援の重要性を踏まえ、専門職による直接授業支援の再強化を求めます。
「こども誰でも通園制度」です。
札幌市では、国の基準に上乗せし、「保育士資格の保有者に限る」などの基準を条例で定めました。
4月からの本格実施では、施設関係者や保護者の意見を丁寧に聞き取り、必要な対策を講じるとともに、国に対し、自治体の権限保障などを働きかけるよう求めます。
若者支援施設についてです。
若者支援施設に来所する若者が自由に過ごせ、適切に働きかけるユースワーカーと緩やかに交流するロビー機能を持つ施設は他施設では代替できません。施設数を減らすことなくこれまでの経験と提言を活用した取組の継続を求めます。
経済観光局です。
宿泊税についてです。
宿泊税の使途を市民に明らかにし、事業者の意見を反映させること、またDMOの活動内容については、十分に議論を重ね、市民、事業者が納得できるものとなるよう求めます。
農業支援についてです。
次期計画「第3次都市農業ビジョン」に、地産地消の取組である「さっぽろとれたてっこ」と市民農園の普及を重要な施策として位置づける予定との答弁がありました。農業者、市民のみなさんと関わりながら、農業振興の強化を求めます。
環境局です。
ヒグマ対策についてです。
「広域データベースの構築」の検討など、自治体の枠を超えた連携強化により、人の安全確保とヒグマの生息環境の両立を図るよう求めます。
建設局です。
除排雪について質問しました。
生活道路は、早い段階からの排雪とともに、圧雪厚を薄くし、気温上昇時の通行困難を解消すべきです。
また、小規模のバスターミナル付近においても、出入り口など安全確保に配慮した除排雪を求めます。
都市局です。
高齢者の住まい確保支援についてです。
低層階やエレベーターが設置されている市営住宅は応募倍率が高く、需要に見合った戸数に増やすべきです。
また、国の補助メニューを活用し、高齢者優良賃貸住宅の家賃補助期間の延長やセーフティネット専用住宅に対して家賃補助を導入すべきです。
病院局です。
市立札幌病院の中期経営計画についてです。
計画では、救急搬送受け入れを年間6000件、あわせて病床稼働率を90%以上の目標としており、重症患者に加え、入院を要する高齢の中等症患者など、他病院では対応が難しい患者の受け入れも重要と位置づけています。
医療・看護も多様化し現場の負担も増大することが懸念されますので、現場の声をよく聞き、連携して取り組むよう求めます。
最後に教育委員会です。
給食センターの検討についてです。
検討会議で出されたさまざまな意見を、十分反映させ、給食センターありきで進めることのないよう求めます。
現在試行検証を行っている、親子給食の親1校に対し子2校という変化系を活用検証し、今ある施設設備のなかでのサポートを、積極的に検討すべきです。
老朽化による設備の不具合は早急に改善するよう申し上げます。
部活動改革についてです。
部活動の地域移行に向けて実施したモデル事業では、顧問の教員を兼職・兼業の許可を受けて委託先の札幌市スポーツ協会に従事する形で部活動の指導にあたったとのことです。適切な活動時間の設定や本来業務との円滑な両立のあり方等、実務上の課題も明らかになりました。保護者や住民との十分な意見交換のもと丁寧に検証し、部活動の教育的価値を損なわないよう求めます。
以上で私の討論を終わります。