私は、日本共産党を代表し、市政の重要課題について順次質問致します。
はじめに、市長の政治姿勢についてです。
質問の第1は、憲法9条改正と予備自衛官等兼業特例法案についてです。
1点目は、憲法9条改正についてです。
日米首脳会談で高市首相は、ホルムズ海峡への艦船派遣を求めるトランプ大統領に対し、憲法9条の制約があると説明されています。
首相は当初、国会で首脳会談の詳細なやり取り、自衛隊や艦船を派遣する歯止めとなった9条の役割を語ることを避け、一方で4月の自民党大会では1年をめどに改憲発議を目指すと表明するなど、改憲の必要性を強力にアピールしてきました。
いわゆる自民党4項目の条文イメージでは、9条1項及び2項の「戦力不保持」「交戦権の否認」の条文と解釈は変えず、新たに9条の2を追加し、内閣総理大臣を最高の指揮監督者とする「自衛隊」を明記するものです。
こうした9条改憲は、集団的自衛権の行使、多国籍軍への参加といった安保法制に基づく活動について、憲法違反ではないとされ、9条2項の空文化・死文化につながり、自衛隊の海外での武力行使に道を開くことになりますが、市長はどのように認識されているのか、伺います。
【答弁/秋元克広市長】
私の政治姿勢についての1項目め、憲法9条改正と予備自衛官等兼業特例法案についてであります。まず一点目の憲法9条の改正についてでありますけれども、国の最高法規であります憲法につきましては、憲法が定める手続きに基づいて、まずは国会の場で熟議が尽くされるものと認識をしております。
その上で、憲法9条については、国民の中にも様々な意見がありますことから、国民的な合意形成が重要であり、国における議論を注視していく必要があると考えております。
2点目は、予備自衛官等兼業特例法案についてです。
自衛官の定員割れが続き、予備自衛官も含めて充足率が不足するなか、4月に、国家・地方公務員等を予備自衛官として招集しやすくするために、手続きを大幅に緩和する法案を閣議決定し、国会に上程されました。
予備自衛官等になる際に、任命権者である市長から兼業許可を得れば、それ以降は、所属長の判断もなく職務専念義務が免除され許可が不要になります。
しかし、これは単に公務員が兼業の場合に招集に応じやすくするための環境整備、事務手続きの緩和という問題ではありません。
地方公務員法の職務に専念する義務が適用されず、有事となれば、地方公務員として働く予備自衛官が、必然的に招集に応じる義務が生じます。
憲法が規定する公務の上に、自衛官としての任務を置き、国家による命令に、事実上自治体を従わせるものとなります。こうした法案を、全国知事会や市町村長会などと協議もせず、提出しています。
札幌市民の人口あたりの職員数は、政令指定都市の中でも少ないと言えますが、職員の人的体制が不十分なもとで職場にも余裕がないなか、招集に人員がさかれるならば、本来業務の遂行に支障を及ぼし、住民サービスの低下につながる恐れも出てきます。
予備自衛官等の継続的、安定的な確保という法案の目的から、自治体職員に対し予備自衛官等候補に志願する取り組みを推奨する懸念や、繁忙期や災害対応時など、業務に支障がある場合であっても、任命権者が職員の離脱を制限することができなくなる可能性がありますが、市長としてどのように問題を認識されているのか、伺います。
【答弁/秋元克広市長】
次に、2点目の予備自衛官等兼業特例法案についてでありますが、予備自衛官等兼業特例法案は、公務員が予備自衛官等を兼業する際の手続きの簡素化等を図るものでありますが、地方公務員が予備自衛官等になる際には、任命権者の承認が必要でありますことから、業務に支障が生じないよう対応してまいります。
質問の第2は、北海道新幹線延伸工事についてです。
財務省の諮問機関である財政制度等審議会は4月23日、北海道新幹線の新函館北斗‐札幌間について、「費用便益比」すなわち、開業による鉄道会社の利益や利便性向上効果などの総額である便益を総費用で割り、事業の費用対効果を示す指標が、採算性の目安となる1を下回り、事業全体で0.6、残事業では0.9との試算を公表しました。「国土交通省の再評価基準に従えば基本的にプロジェクトは中止すべき水準」と指摘しています。
さらに、談合疑惑により公正取引委員会は5月19日、鉄道・運輸機構や札幌延伸工事の軌道敷設工事入札で、談合した疑いのある9社に、立ち入り検査をおこないました。今回の談合疑惑では、工期の問題とともに、同機構がおこなった延伸工事費の算定にも疑義が生じています。
今後、機構任せにせず、国が、事業費の精査や事業計画を再検討し市民に明らかにする必要があると考えます。
また、同機構は過去に、北陸新幹線工事の談合事件に関与しており、その調査報告書では、不正をおこなった背景に、「工期に影響する入札不調を避けたい気持ちが強かった」と述べています。北海道新幹線札幌延伸工事についても、大幅な遅延により、工期の短縮が命題となっていることでの影響があったのではないかと懸念しています。
札幌市は、北海道新幹線は札幌延伸が実現してこそ、最大の効果を発揮すると説明されてきました。しかし、延伸によりJR北海道の乗車率改善と赤字が解消できるのか、いまだ不透明であり、札幌延伸が実現しても、運賃などの市民負担増とJR路線全体の利便性が低下していくことは、避けられないと言わざるを得ません。
国家事業である整備新幹線は、国の負担と並行在来線の存続を条件とすべきであり、自治体と利用者の負担に依存する現在の財政確保の枠組みそのものを見直すことがなければ、事業を進めるべきではありません。
当初1.1だった費用便益比が1を下回るという試算結果の公表からも、延伸そのものの見直しが必要と考えるものですが、市長の認識はいかがか、伺います。
【答弁/秋元克広市長】
次に2項目めの北海道新幹線延伸工事についてであります。
先月の財政制度等審議会分科会では、費用便益比が建設費の増嵩分のみを機械的に反映した試算で1を下回るものの、物価上昇に伴う収益増などを考慮すると、上振れする可能性もあると示されているところであります。
また今週、北海道新幹線建設促進期成会が公表いたしました調査結果では、札幌開業を2038年度と仮定した場合、翌年度単年に北海道全体で約1820億円もの経済波及効果が見込まれ、そのうち約7割を札幌分が占めると報告されたところであります。
そのため今後も北海道新幹線の延伸は、札幌のまちづくりに必要不可欠との認識のもと、経済波及効果が早期に発現するよう、1日も早い完成、開業と地方負担の軽減等を国などに働きかけてまいります。
質問の第3は、札幌市の今後10年の財政推計についてです。
1点目は、財政推計の捉えについてです。
札幌市は2026年1月、札幌市の今後の財政運営について2035年までの10年間の財政推計を発表しました。
一般財源歳入は、今後緩やかに減少し、歳出に必要な一般財源は増加していくという推計を示し、毎年の予算編成において、今年度のように基金で補填し続けた場合、5年後には基金が枯渇し、17年後には、財政再生団体になる可能性があるため、そうならないための推計であるとの説明であります。
歳出の一般財源は、90%が扶助費や公債費、職員費の義務的経費と除雪費などの準義務的経費であり、削減することが難しく、見直しを行う余地は狭いものです。扶助費、いわゆる社会保障に係る経費は、推計の中でも一般財源額は今後も大きく変わらないと見込んでいます。
しかし、深刻なのは過去に発行した市債の償還や利息の支払いである公債費です。利率上昇に伴う利子の増等により、2023年度から26年度で約140億円の一般財源の負担増となっており、建設事業費の増加に伴う市債発行額と利率上昇に伴う利子の増加により、今後も大きく増えていくと見込んでいます。
市長は、1月28日の記者会見で「聖域なき見直しに着手せざるを得ない状況が目の前に迫っている」と述べておられますが、自治体の役割は住民の福祉の向上であり、くらしの予算を削減しないようにするための財政推計の取組であるという捉えで良いのか、伺います。
【答弁/秋元克広市長】
次に3項目め、札幌市の「今後10年の財政推計」についてお答えをいたします。
まず一点目の財政推計のとらえについてでありますが、「今後10年間の財政推計」は、将来を見据え、その世代に過度な負担を残さない持続可能な財政運営を行うため、一定の仮定で置いた条件に基づき、今後の財政見通しを試算したものであり、事業の見直しを早急に取り組むため、公表したものであります。
試算の結果や財源不足の補填のための3基金が令和13年度には枯渇する見通しとなり、災害時の対応だけではなく、自立した市政運営のための財政の健全性を維持することも難しくなってくる状況が明らかになったところであります。
このため、特定の分野にとらわれることなく、幅広く事業の見直しを進めていくことが必要であり、その見直しを進めるに当たりましては、市民の暮らしへの影響をできる限り避けるよう配慮しつつ、丁寧な説明を行い、ご理解を得るよう努めながら進めていく考えであります。
2点目は,建設事業費の見直しについてです。
歳出に大きな影響を与える建設事業費は、市債を発行し30年かけて返済するため影響が長期に及びます。財政推計の資料では、一般財源は下降し続けますが、公債費は2026年度991億円から2035年度1,365億円と確実に増えていく推移です。
これら公債費は、秋元市長が就任後に策定したアクションプランで、建設事業費を毎年1,000億円確保し、実行してきたことによる巨額の市債発行によるものではないでしょうか。
将来の公債費に繋がる建設事業は、2039年のピーク時は約1,280億円、2026年度予算の2倍以上となり、その後も同程度の負担継続となります。
建設事業の内容は、市民の暮らしに欠かせない学校・市営住宅、清掃工場や文化・スポーツ施設などと、市民にとって必要性が薄い北海道新幹線札幌延伸や都心アクセス道路の地元負担金、丘珠空港関連、新MICE施設などがあります。2033年度開業予定の新MICE施設は国際会議や展示を行う施設ですが、現時点での総事業費592億円であり、2028年度には土地を購入するための105億円の支出が予定されています。2031年度からは185億円の建設費が続きます。
老朽化による更新需要が本格化した、市有施設の建設は計画的に行うべきです。
一方で、新たにつくる新MICE施設や北海道新幹線札幌延伸、都心アクセス道路整備事業などこそ、聖域にせず見直すべきと考えます。
再開発事業や、大型イベント、観光拠点整備などは、短期的には雇用や投資を生むことがあるかもしれませんが、その成果が地域に持続的に還元されるとは限りません。
まちづくりは、市民のどのような暮らしを守り、どのような街を将来世代に引き継ぐのかという価値判断が問われます。
建設事業の見直しが必要と思いますが、いかがか伺います。
【答弁/秋元克広市長】
次に2点目の建設事業費の見直しについてでありますが、昨今の建設事業費は、将来を見据えた投資や既存施設の更新需要に長引く物価高騰等が影響しており、今後の公債費負担が札幌市の財政に与える影響は大きいものと認識をしております。
そこで、建設事業費全体の抑制を図りながら、市民生活に直結する施設の老朽化対策等を計画的に進めつつ、次世代を見据えた必要な投資を効果的に実施できるよう、バランスを見極め、持続可能なまち作りに努めてまいります。
3点目は、市有施設管理の新たな方針についてです。
札幌市は、図書館などの文化施設、体育館などのスポーツ施設、集会所、福祉施設や学校、市営住宅を含むすべての市有施設の存廃などを判断するための数値基準「公共施設見直し検討ライン」を設けることにしました。
費用対効果の低下などを基準に点検し、基準を下回る施設は廃止やサービス縮小、民間売却などを検討するものです。
自治体における費用対効果は、投じた税金が行政コストに対し、どれだけ行政サービスの向上や地域経済の活性化などの成果を得られるか、市民の満足度などを測る指標であり、コスト削減のものではありません。
市有施設が、市民や地域住民が利用しやすい施設であるのか、利用料が負担となっていないのかなどの課題を調査し、一律に費用対効果で決めるのではなく、住民意見を反映させて、利用しやすい施設としていく検討が必要と考えますが、いかがか伺います。
【答弁/秋元克広市長】
次に3点目の市有施設管理の新たな方針についてであります。札幌市では、政令指定都市への移行後、重点的に整備した公共施設の更新が近年本格化しており、将来の人口減少や今後の厳しい財政状況を見据えると、今ある施設の全てを維持し続けることは難しいものと考えております。
このため、市民生活に欠かすことのできない機能を維持しつつ、施設の廃止、停止や存続の検討、複合化や長寿命化などを進める公共施設マネジメントの取り組みが重要であると認識をしております。今後その取り組みの推進に当たりましては、新たに設ける見直し検討ラインは例えば施設の利用者数や費用対効果などの客観的な数値を見える化するものでありますが、その他にも、基本方針にあります行政としての役割が低下していないかなど、様々な視点から検討していく考えであります。
またこの「見直し検討ライン」のみをもって直ちに結論を導くものではなく、市民目線に立ったきめ細やかな情報提供と丁寧な説明に努め、利用者や地域住民の皆様の意見をお聞きしつつ、公共施設のあり方を検討してまいる考えであります。
次は、物価高騰の影響による中小、零細企業への支援についてです。
米国とイスラエルによるイランへの軍事攻撃は国連憲章を踏みにじる重大な国際法違反です。力による支配によって子どもを含む多くの住民の命が奪われ、国際社会の平和と安全を危険にさらし、軍事行動が引き金となったホルムズ海峡の封鎖により原油の輸入が滞り、世界と日本の経済、国民生活にも深刻な影響を及ぼしています。
札幌市においても、物流、運送はもちろん、ナフサ由来の資材の高騰と品薄で入手困難となり、建設・設備、塗装業で納期未定・遅延により資金繰りの悪化の懸念、特に小規模事業所では死活問題だとお聞きしています。
また、医療機関では、医療材料が4月に値上げとなっているのに5月も値上げの通知があり、納品を渋られるなどの事態ともなっています。こうした影響は、プラスチック、ビニール製品、食品や、印刷、繊維業、介護事業所などあらゆる分野に広がっています。
とりわけ懸念されるのが、市民の命と健康を支える医療機関の現状です。医療材料の値上げや供給の不安定化といった事態も生じており、資材不足による経済活動の停滞にとどまらず、医療提供体制への影響は市民の安心・安全を脅かす極めて重大な課題です。
このように、地域経済や市民生活の根幹が揺るがされている今、国の動向を注視するだけでなく、札幌市としても迅速かつ実効性のある対応が求められます。とりわけ、地域経済の基盤であり、経営の限界に直面している市内の中小・零細企業を守るため、相談窓口において個々の事業者に寄り添った丁寧な対応を行うことはもちろん、札幌市独自の財政支援を含め、一歩踏み込んだ対策を講じることが不可欠であると考えます。
物価高騰や資材不足に直面し、固定費や燃料費等の負担から事業継続に苦慮している市内の中小・零細企業に対し、負担軽減に向けた「札幌市独自の助成金」や「給付金」といった支援策をスピード感を持って検討すべきと考えますが、札幌市として今後どのような支援を行っていくお考えか、見解を伺います。
【答弁/加藤修副市長】
現在の原油価格の高騰や資材不足は、市民生活はもとより、市内中小企業の経営を大きく圧迫し、地域経済に深刻な影響を及ぼすことが危惧されるものでございます。
このような中、札幌市といたしましては、中小企業支援センターに原油価格高騰に伴う経営金融相談窓口を設置いたしまして、経営相談や資金繰りなどについて対応しているところでございます。
ただし、石油製品の価格の安定や供給の確保は、国において責任を持って実施すべきものと認識しており、中小企業からの切実な声を踏まえて、軌を一にするすることなく、必要ない対応策を講じるよう国に対して働きかけてまいります。
次に、学校給食費の無償化についてです。
今年度、国による「学校給食費の抜本的な負担軽減」が実施され、札幌市でも4月から小学校の給食が無償化されました。
2017年度時点で、学校給食費を一部でも無償化としている自治体は506でしたが、2024年6月に文部科学省が公表した「学校給食に関する実態調査」によると、1,794自治体中、4割にあたる722自治体へと増加しており、そのうち547自治体は小学校だけでなく中学校も無償化していることが明らかとなりました。
こうした自治体の動向や要望、札幌市議会でも2023年7月に全会一致で「学校給食の無償化を求める意見書」をあげているように地方議会からの意見書も多数寄せられ、国を動かしました。
質問の第1は、給食提供を受けていない場合の支援についてです。
国による小学校の給食無償化は、給食提供を受けていない児童も含め、在籍児童数で算定された給食費の措置(給食費負担軽減交付金)がされることとなっています。
疾病による長期欠席やアレルギー等のため、また、不登校や、教育支援センター・フリースクール等へ通っており給食を食べていない場合があり、札幌市では、3月時点で一部欠食も含め給食停止となっている児童生徒は小学校で1,835人、中学校で1,922人とお聞きしています。
札幌市の小学校では、1食単価は学年により違いますが、5・6年生で1食382円、年間約75,000円、これについて、給食費負担軽減交付金と重点地方交付金により実質無償となっています。
国によると、給食を食べていない場合の取扱いについては、学校設置者の判断に委ねるとされています。
給食の提供を受けていない場合に、保護者へ給食費相当分の金銭給付等の支援を行っている自治体もあり、負担軽減交付金による実質無償化により、政令市においても、福岡市は小中学校を対象に実施しているほか、神戸市、北九州市は小学校を対象に給付などの支援を実施する予定です。
札幌市としても、学校給食無償化にあたり、何らかの事情により給食を食べていない場合に、保護者へ給食費分の支援等をすべきと考えますが、学校設置者の判断としてどうお考えなのか伺います。
【答弁/山根直樹教育長】
私からは大きな3項目め、学校給食費の無償化についてお答えをいたします。
まず一点目の給食提供を受けていない場合の支援についてであります。給食費負担軽減交付金については、個人に対する給付を自治体が代理受領するものではなくて、あくまで自治体が行う給食費の負担軽減に対する支援であります。
小学校における非喫食者に対する金銭給付については、今後、他都市の状況等も踏まえ検討してまいりたいと考えております。
質問の第2は、小学校の給食費無償化継続と中学校の無償化についてです。
わが党は、学校給食費の無償化について、小中学校併せての実施を求めてきました。
国によるこの度の無償化では、まずは小学校で実施し、中学校への拡大もできる限り速やかに実現するという方向性と認識しております。
ところが、来年度は国の財源措置が不透明であることから、札幌市は小学校の無償化について、来年度以降も継続となるのか、現状では確定されていないとのことです。
また、中学校で無償化となっていないことは、同じ義務教育において提供されているにもかかわらず、保護者の経済的負担に格差を設けるものと言わざるを得ません。
札幌市として、来年度以降の給食費無償化について、国の動向によらず、小学校での継続とともに、札幌市独自で中学校での無償化を進めるべきですが、どうお考えなのか伺います。
【答弁/山根直樹教育長】
次に2点目の小学校の給食費無償化継続と中学校の無償化についてであります。
小中学校の給食費の次年度以降の取り扱いについては、国の交付金の状況などを踏まえ、検討を行っていく必要があるものと考えております。
今後とも、小学校の給食費について全額国費で措置することや、中学校の給食費の早期の無償化の実現などについて国に要望してまいります。
質問の第3は、給食の質の確保と、地産地消の取組推進についてです。
これまで、札幌市では地産地消の取り組みとして道産の米と小麦、畜産物、海産物、地元の野菜を農薬低減などに配慮し取り入れ、自校・親子方式で安全で美味しく、適温での提供と、豊かな食育に生かしてきました。教育委員会としても子どもの健康の保持・増進に寄与し学校生活を豊かにするものとの認識を示されています。
一方、不安定な国際情勢と、長期にわたる物価高騰でさらに食材の値上がりが続き、無償が継続された場合にあっても給食の質が担保されるのか、保護者から不安の声もお聞きしています。
札幌市として、給食の質を確保し、引き続き地産地消の取組も推進することが重要と考えますが、どうお考えか伺います。
【答弁/山根直樹教育長】
次に、3点目、給食の質の確保と地産地消の取り組み推進についてであります。本市では、地産地消にも取り組みながら、物価高騰分も加味した給食費を設定しており、今後とも学校給食の質の確保に努めてまいります。
次は、生活に困っている方々への住まいの確保についてです。
国は、今年3月に「住生活基本計画」(全国計画)を策定し、その基本的な方針で、「人生100年時代の住生活を支える基盤を再構築していくことで、国民それぞれの暮らし・住まいのWell-beingを満たす政策を本格的に推進する。」としました。
札幌市は、2025年11月に「札幌市住まいの協議会」に「成熟した都市における持続可能な居住施策のあり方について」を諮問し、「民間住宅部会」、「市営住宅部会」に分かれて審議がなされているところです。審議会に示した資料では、経済情勢、人口動態等とあわせ、住宅確保要配慮者の状況、市営住宅の現状等についてデータも出されました。
札幌市の状況は、人口減少とともに世帯数は2030年をピークに減少に転じるが、世帯主が高齢者の世帯増加が続き、その多くは高齢単身世帯、高齢夫婦のみ世帯となり、2040年には一般世帯の3分の1になる見込みとなっています。また、障がい者数や割合は年々増加しており、人口の7%となっていること、年収400万円未満の低額所得世帯数、割合はともに増加傾向で、生活保護受給者数も増加傾向にあり、外国人世帯数、割合は急激に増加していること、などが明らかになっています。
「住まい」は生活する上で不可欠な基盤であり、総務省の統計調査では、賃貸世帯の家賃支払いは収入の2割前後となっています。年収200万円未満の場合、3割を超えるという傾向が示されており、とりわけ低額所得世帯など「住宅確保要配慮者」とされる人々への手厚い支援を促進することが重要だと考えます。
質問の第1は、居住支援協議会による取組の充実についてです。
2020年に設立された札幌市居住支援協議会は、高齢者・障がい者・低額所得者・子育て世帯・外国人など住まいの確保に困っている人に対して、賃貸住宅にスムーズに入居できるよう、必要な支援を協議することで福祉の向上を図る、として設置されました。
居住支援相談窓口の周知が図られる中、年間1,000件を超える相談が寄せられるようになり、イベント等での出張相談窓口も100件を超えるようになりました。
一方、住宅確保要配慮者の入居を拒まない住宅として認定されたセーフティーネット住宅は、市内に現在約3,000戸、要配慮者のみの専用住宅が97戸、見守り付きの居住サポート住宅は10戸となっています。セーフティーネット住宅は空き家の活用で、登録住宅となるための要件や入居者への経済的支援はまだ薄く、ニーズに対して供給が追い付いていない現状です。
また、本市の調査で、約56%の賃貸人(大家)が入居を断った経験があります。その対象の多くが高齢者・外国人・低所得者であり、入居を拒まないセーフティーネット住宅の役割が十分に果たせていません。
今後、住宅確保要配慮者と言われる生活上のさまざまな配慮を必要とする方々に、セーフティーネット住宅等の住宅を十分に提供できるよう、どのような充実策をお考えか、伺います。あわせて、賃貸人が入居を希望する人を拒まないための具体的な施策についても伺います。
【答弁/天野周治副市長】
私からは、大きな4項目め、生活に困っている方々への住まいの確保について、大きな5項目め、札幌市が今後策定する計画や規則等と札幌市誰もが繋がり合う共生のまちづくり条例との関係性について、大きな6項目め、融雪施設の整備についての3項目についてお答えをさせていただきます。
まずは大きな4項目め、生活に困っている方々への住まいの確保についての1点目、居住支援協議会による取り組みの充実についてお答えをいたします。セーフティネット住宅などの提供促進に向けましては、札幌市居住支援協議会を通じて賃貸住宅のオーナーへの働きかけや、活用可能な補助制度の周知などにより一層努めてまいります。
また、居住確保要配慮者を受け入れやすい環境作りに向けましては居住支援に関する研修会や意見交換会などの取り組みを進めることによりまして見守りなどを担う居住支援法人と、オーナーとの更なる連携強化に努めてまいりたいと考えております。
質問の第2は、市営住宅に入居できなかった人への支援についてです。
市営住宅は応募倍率が、2025年度の定期募集で15.7倍と不足し、利便性の高いところでの倍率はさらに高くなっています。
健康面や雇用面などで、収入状況が大きく変わり、これまで通りの収入が見込めず市営住宅への入居を希望し応募しても、抽選で外れれば、収入が激減しても民間の家賃を払い続けなければならないことになります。本来、市営住宅は、このような困りごとを抱えた人に住まいを提供し、生活が安定するよう支えなければなりません。市営住宅が不足しているために入居できない実態は、解決すべきではないでしょうか。
応募したにもかかわらず抽選で外れ、やむなく民間賃貸住宅に入居する場合、市営住宅に入居した場合と同等の家賃負担となるような支援・補助など新たな事業や制度を検討すべきと考えますが、いかがか伺います。
【答弁/天野周治副市長】
次に2点目の市営住宅に入居できなかった人への支援についてでございます。市営住宅の抽選に外れて民間賃貸住宅に入居する方への家賃に対する支援につきましては、その必要性について引き続き慎重に検討すべきものと考えております。
質問の第3は、老朽化した市営住宅の給湯設備等の整備についてです。
日本共産党札幌市議団が昨年秋に実施した市営住宅入居者6,400世帯へのアンケート調査では、約550通の回答が寄せられました。家賃値上げを知らなかった方は85%にのぼり、くらしの先行きに「大いに不安」である方が86%、そして、家賃値上げには、94.3%の住民が反対でした。
自由記載欄には「洗面台は水しか出ない」、「風呂場は冬になるととても寒い」、「エレベーターがない」、「エアコンがない」など、設備の不備に対する要望が多く書かれていました。お風呂のない市営住宅は1%、浴槽を入居者がリースするモルタル仕上げ、もしくはユニット仕上げのお風呂は57%、給湯設備がなく入居者がリース・購入をする住宅が34%となっており、「いまの時代に考えられない」との声も出されています。設置をあきらめるか、仕方なく自己負担で設置するしかなく、毎月のリース代等も入居者のくらしに大きく影響しています。外壁は定期的に修繕しますが、設備は40年以上前の建築時基準とほぼ変わらず、整備がされず不便なまま、家賃は値上げをするのか、という住民の思いが、アンケート結果に表れていると感じます。
札幌市は、市有施設の長寿命化を図るため、優先順位をつけながら市営住宅の建て替えを進めていますが、お風呂や給湯など毎日の居住環境の問題を、数年先、10数年先となる建て替えまで我慢させる、もしくは入居者負担としていることは、国が求める「住まいのWell-beingを満たす」点で問題です。
老朽化した市営住宅の給湯等小規模な設備について、早急に環境改善を図るよう整備するべきだと思いますが、お考えを伺います。
【答弁/天野周治副市長】
次に3点目の老朽化した市営住宅の給湯設備等の整備についてでございます。浴室や給湯設備の整備につきましては、工事期間中に住戸の使用が制限されることや、費用対効果の観点から、住民の移転を伴う耐震改修工事や建替えに合わせて行ってきたところでございます。
現在耐震改修工事はほぼ完了したことを踏まえまして、今後は当該設備につきましては、建替えに合わせて整備することで環境改善を図ってまいりたいと考えしております。
次に、札幌市が今後策定する計画や規則等と「札幌市誰もがつながり合う共生のまちづくり条例」との関係性についてです。
「札幌市誰もがつながり合う共生のまちづくり条例」の施行から1年が経過しました。
札幌市が目指す共生社会は、条例第2条で「差別や偏見がなく、誰もが互いにその個性を尊重され能力を発揮できる、多様性と包摂性が強みとなる社会」であり、滞在期間の長短や国籍に関わらず、誰もが個性を尊重されなければならないことを明確に掲げ、第5条には、札幌市が基本理念にのっとり、共生社会の実現に向けた施策を総合的に推進しなければならない、と札幌市の責務を規定しています。
2025年第3回定例会のわが党の代表質問で、アイヌ民族の存在を否定する動きについて、市長に見解と対応をお聞きしたところ、市長は、「特定の人種や民族に対する差別的行為はまことに恥ずべきものであり、アイヌ施策推進法でもアイヌであることを理由とした差別は禁止していると認識している」、「有識者や法の専門家の意見等も丁寧に伺いながら、共生社会の実現に努めていく」と答弁されました。
アイヌ民族が先住民族であることを疑問視する内容のパネル展が、札幌駅前通地下歩行空間「チ・カ・ホ」において、3月16日、再び開催されたことを受けて、秋元市長は4月9日の定例記者会見で、「公の施設の利用などについて、一定の考え方を持っておきたい」「既存の第三者機関や外部機関といったものを活用しながら、第三者のご意見、法的なご意見なども含めて検討を進めていきたい」と述べました。続いて4月22日の定例記者会見では、具体的な期日も示し立ち上げることを表明されております。
この度、札幌市は、公の施設の使用承認の在り方に係って、ガイドライン等の策定に向けた検討を行うとともに、検討が進められている間における対応のため、アイヌ施策推進委員会に専門部会を設置するとしています。
今回の検討は重要な取組ですが、本件に留まらず他の分野における施策等においても、本条例の理念が広く反映されることが必要と考えます。
札幌市が今後策定する計画や規則等と「札幌市誰もがつながり合う共生のまちづくり条例」との関係性について伺います。
【答弁/天野周治副市長】
次に大きな5項目め、札幌市が今後策定する計画や規則等と札幌市誰もがつながり合う共生のまち作り条例との関係性についてでございます。
誰もがつながり合う共生のまち作り条例は、次世代に引き継いでいくべき普遍的なまちづくりの理念であると認識をしております。しかし、実社会では、人は皆多様な違いを有する中でこれに起因する個性や能力等に対する理解が十分でないことにより、ときには差別や偏見につながってしまう場合もございます。
条例の基本理念では、対話による相互理解のもと、誰もがその個性や能力を認められ、多様性や包摂性が強みとなる社会を実現することとしていることから今後策定する計画や規則等につきましても、この考え方を踏まえながら検討を進めてまいります。
最後に、融雪施設の整備についてです。
北区は市内10区の中で3番目に広い面積をもち、昭和30年代以降の人口急増とともに宅地化が進んできました。今では市内で最大の人口を擁する区となり、道路総延長は最長です。
そのため、北区では、生活道路の排雪量も多くなります。2025年度の公共雪堆積場への全市の運搬排雪量1,020万㎥のうち、北区分はその2割強にあたる270万㎥を占めました。近年は気候変動の影響による大雪の頻度も増しており、雪対策はまさに日常生活の安全・安心を支える切実な課題となっています。
秋元市長は記者会見で、排雪量の削減を含む見直しにも言及されていましたが、2025年度に市民から寄せられた除排雪関連の要望は3万件を超え、4月の市民意識調査では約7割が排雪量の縮小に反対しています。これは、「冬の生活水準を下げないでほしい」という切実な意思表示にほかなりません。
現在、除排雪費の約6割を運搬費が占めています。雪堆積場の郊外化による「雪を遠くへ運ぶ構造」が、コスト増大だけでなく、地域ごとの運搬距離の差にもつながっています。この構造的な課題の改善が必要です。
質問の第1は、融雪施設の整備可能性についてです。
今年3月に提出された包括外部監査報告書では、「除排雪はあらゆるインフラの基礎」とした上で、効果的・効率的で公平な事業実施の必要性が指摘されています。
また、2021年度の大雪対応の検証では、雪堆積場までの平均運搬距離が2012年度の5.4㎞から5.6㎞に延びていたことを踏まえ、渋滞解消につながる「排雪の前倒し」と排雪強化が有効であること、および新たな雪堆積場の拡充を図ることが確認されました。
雪堆積場の郊外化に伴い、排雪作業の運搬距離が年々延びている中、比較的都心に近い場所に整備できる融雪施設は、通学路や生活道路の早期確保など、効率的な排雪作業において極めて有効であり、既存の下水道インフラを活かした地域内での雪処理への強化は、有力な選択肢と考えます。
現在札幌市では、東部融雪槽の整備が今年度で完了する予定です。さらなる融雪施設の整備は必要と考えますが、今後どのように展開していく方針なのか、見解を伺います。
【答弁/天野周治副市長】
次に大きな6項目め、融雪施設の整備についての1点目、融雪施設の整備可能性について、と2点目の候補地の選定についてまとめてお答えをいたします。
天候に左右されず効率的かつ安定的に雪を受け入れる融雪施設は、有効な施設であると認識をしております。これまでも増強整備を進めてきたところでございます。
今後の整備の展開につきましては、雪堆積場等が比較的少ないこと運搬距離が短くなり、排雪作業の効率化に繋がることなどを考慮し、必要な地域への施設の配置に向け、引き続き検討を進めてまいりたいと考えております。
質問の第2は、候補地の選定についてです。
大雪対応の検証を踏まえると、渋滞を発生させないための排雪強化が必要であり、市民は「次の冬の生活をどう守るか」という即効性ある対策を求めています。
そのためには、市民生活に近い場所での処理が合理的であり、融雪施設の新設は急務と考えますが、候補地の選定にあたっては、熱源の確保、ダンプトラックの動線確保や雪の一時堆積を行う面積が必要であるほか、住宅地等への配慮も必要です。
そのような活用可能な市有地は減少しており、条件に見合う土地を確保することは困難でもあります。そこで、今後融雪施設の整備にあたっては、国有地や民有地の活用についても選択肢として検討されるべきと考えます。
今後の新たな融雪施設整備にあたっては、どのように候補地を選定していかれるのか、ご見解を伺います。
以上で、私の質問のすべてを終わります。ご清聴、ありがとうございました。
【答弁/天野周治副市長】
候補地の選定につきましては、効率化の視点を持ちつつ、経済性など様々な観点を踏まえ、市有地に関わらず幅広く考慮してまいりたいと考えております。私からは以上でございます。
長屋いずみ議員 再質問
憲法9条改正についてと老朽化した市営住宅の給湯設備等の整備について2点質問いたします。
憲法9条改正についてです。
市長のご答弁では、国会における議論を注視されるとのご答弁でした。
今回の改憲案は、自衛隊の海外での武力行使に道を開く可能性がある。市民の命と暮らしに直接影響する重大な問題です。札幌市は平和都市宣言を行っています。平和を希求するならば、その平和を損なう可能性のある動きに対して、市長として声を上げることこそが平和都市宣言の重みに応えることではないでしょうか。
市長は憲法9条改憲について市民への影響についてどのようにお考えなのか改めて伺いたいと思います。
【答弁/秋元克広市長】
2点再質問いただきました。私からは憲法9条改正についてお答えをさせていただきます。
戦争のない平和な世界を構築をしていくということは、私達のみならず、民族、全ての世界で住んでいる人たちの共通の願いであるというふうに思います。
そういった中で、武力行使によらずに国際秩序が守られ、維持されていくということは、理想としながらも、現実的には今なお地球のどこかで戦争、紛争、争いが起きている、こういった状況がございます。
そうした中で、真に国民の安全安心をどう守っていくべきなのか、ということこのことについて憲法の改正についても、平和を希求するということ。 そして、武力行使におらず、国際秩序を維持していくということを理想とするこれを大前提としながら、様々な議論を重ねていく必要があるものと、このように認識をしておりますそういう意味で、この憲法改正の問題についての必要性、あるいは影響こういったことなどなどについて様々な議論を進めていく、そのことをしっかりと注視をしながら、様々な意見を集約していく必要があると考えております。以上です。
2点目は、老朽化した市営住宅の給湯設備等の整備についてです。
給湯設備がないあるいは浴槽を入居者がリースしなければならず、不便している実態を先ほど質問で述べました。
これは今の時代、公営住宅として許容できる水準ではありません。
建替えに合わせて対応では、建替えまで数年から十数年以上かかる住宅住居の入居者に毎日の入浴にかかるリース料など余分な負担をし続けるということになります。給湯のない冬の生活など、どれほど大変かと思いませんか。
建替えを待たずに給湯設備等の整備を早急に実施すべきと考えます。
整備を実施するお考えはあるのか、改めて伺いたいと思います。
【答弁/天野周治副市長】
私からは老朽化した市営住宅の給湯設備等の整備についての再質問についてお答えをさせていただきます。
お話をいただいております住戸に関しましては、入居者によるリースや購入という形ではございますが、給湯設備を有しており、浴室や台所につきましては、お湯が使用できる状況でございます。
洗面台などでもお湯が使用できるようにするなどの給湯設備の改修を行う場合は、配管の敷設や壁の穴あけなどを伴う工事が必要となり、住戸の一部や台所洗面所といった水回りが1週間程度使用できなくなります。その間、入居者におかれましては仮転居など、仮転居が必要となる仮移転が必要となるなど、負担も生じることなどから建て替えに合わせて整備することで環境整備を図ってまいりたいと考えております。以上でございます。