私は、日本共産党を代表し、市政の重要課題について順次質問致します。
はじめに、市長の政治姿勢についてです。
質問の第1は、物価高騰対策についてです。
物価高騰の長期化により、市民生活や地域経済は厳しい状況に置かれたままとなっています。
8月31日、帝国データバンクは主要食品メーカー195社が、原油高や円安、物流コストの上昇を理由に9月に値上げする飲食料品が、前年同月比約3倍の4,923品目にのぼると発表しました。単月としては2026年で最多、2023年4月に次いで過去4番目の規模となりました。
市民からは「食料品を始め生活必需品の値上げで、家計がもたない」「食べる楽しみも、出かける楽しみもない」などの声があふれ、そこには切迫した暮らしが表れています。
中小零細企業に与える打撃は、「単価を上げても、それ以上に仕入値が上がり続ける」「価格を上げると客離れに繋がる」「灯油価格の高止まりで仕事を断ることもある」など、すでに個々の経営努力だけでは打開できない事態に直面しています。
「政府の物価高騰対策は不十分」という怒りも広がっています。
物価高騰への対策として、国や北海道による燃料費や光熱費支援などが行われてきました。札幌市としても直近では2026(R8)年、市民向けとして、市民一人当たり5千円の物価高騰支援や、ひと世帯1万円の低所得世帯給付金など、事業者向けには、DX、省エネ導入、賃上げ応援、社会福祉施設等へは、燃料や食糧費支援などを行ってきました。
しかし、市民生活や地域経済に物価高騰対策の効果がいきわたっているとは言えず、これまでの対策だけでは不十分であることは明らかです。
生活や営業の実態に基づく物価高騰対策の実施は急務です。物価高から市民生活を守るための今後の対策を伺います。
【答弁/秋元克広市長】
全体で7項目のご質問をいただきました。私からは市長の政治姿勢についての3点、3項目目の公共施設マネジメントについてお答えをさせていただきます、その余のご質問につきましては、担当の天野副市長、山本副市長、加藤副市長、教育長よりお答えさせていただきます。
政治姿勢の1項目目、物価高騰対策についてお答えさせていただきます。長引く物価上昇による影響が、日々の暮らしや経済活動など、様々な場面で顕在化しており、国際情勢不安によるエネルギー価格の高騰はもとより、円安や金利上昇といった構造的な変化を背景に、今後もその傾向が続くことが懸念をされるところです。
こうした中においては、市民や企業の負担軽減には一時的な対策では限界があるため、税制上の措置など、国の物価高対策を踏まえ、状況に応じて機動的に対応してまいりたいと考えております。
質問の第2は、頻発する自然災害への対応についてです。
1点目は、地下構造である都心アクセス道路建設についてです。
突発的な豪雨が多発し、どの地域でも内水氾濫・外水氾濫が起こる可能性が指摘されております。
北海道でも昨年9月以来、2度目の線状降水帯が観測され、8月25日には、札幌市で1時間に26.5㍉の強い局地的大雨が降り、道路の冠水や交通障害が発生しました。
2018年、北海道開発局がシミュレーションした「豊平川の防波堤決壊が札幌市に及ぼす被害」では、幌平橋の上流が決壊した場合、100分後には創成トンネルへ、6時間後には札樽自動車道に到達し、浸水すると想定しています。都心アクセス道路は、この創成トンネルに繋ぎ、大通東1丁目から北37条東1丁目の札樽自動車道に至る4.8キロを地下トンネルとするものです。
わが党は、これまで繰り返し地下構造である都心アクセス道路の危険性を指摘しており、8月21日には、北海道開発局に都心アクセス道路の建設について、総工事費の高騰と地下構造の危険性から、事業は一旦凍結することを求め要望を行ってきました。
その際、地下トンネルの災害時の検討についてお聞きしたところ、開発局からは、「昨年11月に開催した、第1回北海道開発局事業審議委員会で、事業の再評価を行っていますが、審議内容は、経済.社会動向に基づく事業の必要性等であり、トンネルの危険性等は議題にない」とのお答えでした。
その審議委員会において、関連する公共団体等の意見として、秋元市長は「当該事業の対応方針案(原案)のとおり『継続』とすることについて異議はございません」と述べておられます。
しかし、気象庁は2026年の豪雨などについて、専門家で構成された「異常気象分析検討会」を開催、「過去の気象の経験や常識が通用しづらくなってきた。今後は観測史上最大となる雨が降ることを想定して備えてほしい」と注意喚起を呼びかけています。
都心アクセス道路建設は一旦凍結し、既存の災害対策を見直す必要があると考えます。豪雨災害が頻発する近年、将来に渡り地下トンネルの危険性はないと言えるのか、札幌市が積極的に国に働きかけ検証すべきと思いますが、お考えを伺います。
【答弁/秋元克広市長】
次の2項目目、頻発する自然災害についてお答えさせていただきます。まず、1点目の地下構造である都心アクセス道路建設についてでありますが、「都心アクセス道路」の建設にあたっては、近年全国で頻発する水害の状況なども踏まえて、必要な対応を取ることが重要と認識しております。
札幌市としても、事業主体である北海道建設局に対して、近年の自然災害等を踏まえた安全対策の検討を求めてきており、開発局においてハード・ソフト両面での浸水対策の検討が進められているところであります。
引き続き、自然災害に対して十分な対策を取りながら都心アクセス道路の建設が進められるよう、札幌市としても開発局と連携して取り組んでまいります。
2点目は、市立札幌病院の建替えについてです。
2026年に入り、全国では震度5以上の地震が8回も発生しています。
札幌市の災害時基幹病院は、市立札幌病院をはじめ16ヶ所、さらに市立札幌病院は北海道災害拠点病院にも指定されています。
災害発生時、重症患者の治療を担う「災害拠点病院」や、災害医療体制を支える「災害時基幹病院」は、災害発生後、設備と医療行為を守り、なるべく通常に近い形で診療を継続する能力を持つことが必要とされます。
市立札幌病院は1995年の現在地への移転建替えから、30年が経過しています。2024年、有識者らにより市立札幌病院の機能強化、再整備手法を検討した「市立札幌病院在り方検討会議」の意見書では、災害時の診療機能の維持のため、免震構造の導入も方向性として例示され、「老朽化により現在地での建替えが望ましい」と結論づけられています。
2016年の熊本地震では、耐震基準を満たしていなかった熊本市民病院が損壊し、重症者を含む310人の入院患者の緊急避難、遠方への転院や退院が余儀なくされ、通院していた患者も行き場を失い、通常の医療が受けられなくなりました。
熊本市民病院は耐震不足を理由に建替えが予定されていましたが、資材価格の高騰を理由に、熊本市が工事着手の直前に凍結を表明し先送りとなり、その1年後の地震でありました。災害によって医療提供体制がストップすることは、未治療死や災害関連死など、本来助かるはずの命を失うことになります。
市民のための高度急性期病院として最後のとりでという任務を担う市立札幌病院は、医療施設に求められる免震構造はなく、老朽化が進んでいます。頻発する災害に備え、保留している市立札幌病院の建替えを早急に検討すべきですが、市長のお考えを伺います。
【答弁/秋元克広市長】
次に2点目の市立札幌病院の建替えについてであります。市立札幌病院は、新耐震基準により建設された建物で厚生労働省が定める災害拠点病院の耐震性にかかる指定要件を満たしております。これまでも札幌医療圏における災害時の医療確保の役割を担ってきたところであります。
一方で、現施設は一定の耐震性を有するものの免震構造ではないことや、多数の傷病者を受け入れる諸室の不足等の課題を抱えており、再整備にあたっては災害対応の機能強化も含めて検討すべきと認識しております。
このような認識の下、災害対応面も含め、人口減少や高齢化など将来を見据えた病院の在り方を整理した上で、最適な再整備手法を引き続き検討してまいります。
質問の第3は、「副首都」構想への取り組みについてです。
先の国会で成立した「国家機能継続性確保施策及び副首都の整備に係る施策の推進に関する法律」いわゆる「副首都」法は、東京が大規模災害に見舞われ首都中枢機能の大部分が失われた場合のバックアップ拠点を、道府県の申し出により内閣総理大臣が指定するものです。
指定された場合、規制緩和や税財政上の措置が受けられますが、自治体負担も伴い、相当数の自治体が、報道機関の調査に「(10月に示される)政令を見た上で判断する」と回答しています。
本来、「副首都」法が想定する首都直下型地震や富士山噴火は、国家的規模の大災害であり、政府の中枢機能を維持し災害対応を指揮する拠点としてどの場所がふさわしく、どんな機能が求められるのか、財源もふくめて国が責任をもつべきであり、今回のように自治体に手上げをさせて、競わせるようなやり方が適切なのか疑問です。
また、指定要件、災害の考え方、整備コストや財政措置、財源などが不明瞭であるにもかかわらず、市長は8月、北海道知事とともに政府に指定を要望し、専門部局を立ち上げ、市ホームページ上で市民や事業者向けにPR資料を発信するなどしていますが、市民への説明や声を聞く間もなく、議会においても大都市税財政制度・DX推進調査特別委員会での報告だけですすめていることに、市民からも疑問の声が出されています。
「副首都」構想への係わり方は慎重でなければならず、市長は、前のめりの姿勢を改めるべきと考えますが、認識を伺います。
【答弁/秋元克広市長】
次に政治姿勢の3項目目、「副首都」構想への取組についてお答えをいたします。この法律は大規模災害時のバックアップと、多極分散型の経済圏の形成という、国家の危機管理と地方の成長・発展を共に実現するものであり副首都に関する取組を進めることは、北海道・札幌の発展につながるものと認識し、法制化の段階より検討を進めているものであります。
法律の制定後には、10月末に予定される政令の制定に向け、複数の指定を前提とし、北海道・札幌が対象から除外されることがないよう北海道とともに国に求めるなど、時宜に応じた対応に努めているところであります。
今後とも、国との意見交換や要望等を継続して実施するとともに、議会での議論はもとより、市民の皆様への丁寧な情報発信を行うなど、多くのご理解、ご賛同をいただきながら、着実に取り組んでまいりたいと考えております。
次に、都心部におけるまちづくりの諸課題についてです。
質問の第1は、新MICE施設整備基本方針についてです。
本市が、今年1月に示した「今後10年間の財政推計」では、建設事業費の増加に伴い、市債発行額や利率上昇に伴う利子の増加により、公債費は大きく膨らむ見込みとなっています。今後は「聖域なき見直しに着手せざるを得なくなる状況が目前に迫っている」との財政運営の方向が検討されています。
新MICE施設整備では、2028年度に民間ホテル事業者が所有する土地を予定価格105億円で取得し、その後2033年まで487億円余りの建設事業費を投入する計画です。
すでにMICE施設としては、札幌コンベンションセンターがあり、アクセスサッポロの後継施設である札幌産業展示場が、現在の3倍規模の展示スペースを備え、新たな市有施設として2027年9月にも供用開始されます。
既存施設や事業化されている施設の連携で、今後のMICE誘致への対応は可能と考えられ、新たなMICE施設の建設は、札幌市の公債費を増大させ、市が進める財政運営の見直しと矛盾します。
市民の理解は得られるものではなく、新MICE施設整備方針は白紙に戻すべきですが、いかがか伺います。
【答弁/加藤修副市長】
私からは、都心部におけるまちづくりの諸課題についての1点目、新MICE施設整備基本方針についてお答えをいたします。
人口減少局面を迎え、今後厳しい財政状況が見通される中にあっても、札幌市の持続可能な発展を目指していくためには、国内外から多くの人と消費を呼び込むMICEの誘致をさらに推し進めていくことが極めて重要と認識してございます。
札幌市は、MICE開催地としての高いポテンシャルを有しているにもかかわらず、既存施設の規模や機能の不足により国際会議等の開催が見送られ、大きな機会損失を招いている状況にございます。新MICE施設の整備によりまして、こうした需要を確実に取り込むとともに、既存施設と効果的に連携住み分けをすることで、札幌市全体の収益を最大化してまいりたいと考えてございます。以上でございます。
質問の第2は、建築物の高さの抑制についてです。
本市が「第4次みどりの基本計画」策定のために実施した市民アンケートでは、「札幌の原風景として思い描くもの」として1番多かった「手稲山や藻岩山など山並みの見える風景」が、容積率緩和、すなわち高層化によって、次々と損なわれる都心部となっています。
札幌市景観計画の変更にあたって2025年1月に実施されたパネル展のアンケートでは、「テレビ塔から大倉山への眺めに建物と自然が一緒に写っていて札幌らしい」と評価されています。また、札幌市経済観光局が今年3月に公表した「令和7年度新千歳空港における観光客動態調査」報告書をみても、市内への来訪客が札幌市の魅力として、「景色・景観」を、「滞在中の目的や楽しみ」「また来てみたい」という理由の上位になっています。
一方で、同計画の変更にあたり今年6、7月に実施されたパブリックコメントには、「近年の高層化によりその個性が失われつつある」と、高層建築物が増えていくことへの危惧や心配の声が寄せられました。
市民や観光客の声を反映して、市民の原風景である「山並みの見える風景」を、これ以上損なわないため都心部の高層化を抑制すべきです。
みどりと山並みの見える風景に最大限配慮し、容積率は緩和せず、高さ制限を設けるべきだと考えますが、どうお考えか、うかがいます。
【答弁/天野周治副市長】
私からは、大きな2項目目、都心部におけるまちづくりの諸課題についての2点目、建築物の高さの抑制について。大きな4項目目、公共交通である路線バスを守る札幌市の役割について、大きな5項目目、共生のまちづくりについての2点目、札幌市誰もがつながり合う共生のまちづくり条例の具体化について、お答えをいたします。
まず、大きな2項目目、都心部におけるまちづくりの諸課題についての2点目、建築物の高さの抑制についてでございます。都心部におきましては、道内全体の、全体の商業・業務機能の集積地として、経済活動を支える高度利用のニーズに対応しつつ、札幌の顔としてふさわしい優れた景観を形成していくことが重要だと考えております。
そのため、あらかじめ一律の高さ制限を設けるのではなく、容積率緩和を伴う都市計画制度と、景観条例に基づく景観プレイアドバイス制度を効果的に活用し、緑の創出と山並みへの見通しにも配慮した良好な開発を誘導してきたところでございます。
引き続き、これらの制度を適切に運用して、高度利用と良好な景観が両立するまちづくりを進めてまいります。
次は、公共施設マネジメントについてです。
札幌市は、長期的な公共施設再編という国の方針に基づいて、トータルコストの縮減・平準化を図ることを基本的な考え方として2017年「札幌市市有建築物及びインフラ施設等の管理に関する基本的な方針」、いわゆる公共施設マネジメント計画を策定しました。この方針では、延床面積の数値目標を設定し、これまで市営住宅の総戸数を減らし、学校の統廃合をすすめ、また保育園や幼稚園などの公共施設を廃止してきました。
札幌市が今年5月に示した、次期公共施設マネジメントの⽅針では、すべての公共施設を対象に「利用者数」、「費用対効果」、そして民間事業者による同様のサービスの有無などを基準とする「見直し検討ライン」を設定し、これを満たさない施設については、「廃止検討の対象」にするとしています。
公共施設が採算性や収益性があるか、いわゆる稼げる施設かどうかに重点が置かれることによって、公共施設が本来果たすべき役割や機能が低下したものとなる懸念があります。
公共施設は、地方自治法第244条で、「住民の福祉を増進する」ために設置されると規定されています。
学校施設は、児童数に関わらず、「社会性の育成」、「教育の機会均等と福祉的機能」、そして「地域社会の拠点」という役割があり、どの地域に住んでいる子どもであっても、より良い教育環境を保障されなければなりません。
また、図書館などは、情報の拠点であると同時に、知識あるいは地域住民の知的遺産を保存し活用するという、決して利用者数だけでは測れない重要な役割があります。
公共施設マネジメントにおいては、公共施設がこれまで果たしてきた役割や機能の維持、向上が図られるものであり、公共施設が単に建設事業費抑制に向けた「選択と集中」の対象とされてはならないと思いますが、いかがか伺います。
また公共施設の「見直し検討ライン」設定の検討は、庁内組織で進められていますが、公共施設は、市民が利用する貴重な財産であり、市民参加は欠かせません。
市民参加の確保や市民意見を反映する機会を設けるお考えはないのか、伺います。
【答弁/秋元克広市長】
次に大きな3項目目、公共施設マネジメントについてお答えいたします。
公共施設の「選択と集中」については、札幌市は人口減少局面に移行しているため、将来の人口規模や需要を見据えた適切な施設使用料へ再編していく必要があるものと考えております。
また、政令指定都市移行時に集中的に整備した公共施設が一斉に更新時期を迎えているところであり、厳しい財政状況の中、公共施設の在り方について再検討が必要と認識しております。
これらを踏まえ、施設の在り方の検討にあたりましては、採算性や収益性のみに着目するのではなく、例えば施設設置当初の意義が薄れた施設や、老朽化により多額の更新費用が必要な施設などについて、複合化やソフト事業への移行により、市民サービスの維持向上を図るなどの見直しを行いながら、真に行政が維持すべき施設に財源を集中していく考えであります。
また、市民意見の反映につきましては、現在検討を進めております札幌市市有建築物及びインフラ施設等の管理に関する基本的な方針の改定に際して、見直し検討ラインの設定趣旨や、対象施設の状況について分かりやすく情報発信を行うとともに、パブリックコメント等を通じ、市民の皆様の意見を確認をしてまいりたいと考えております。私からは以上でございます。
次は、公共交通である路線バスを守る札幌市の役割についてです。
札幌市の路線バスは、2024年12月に市内特区運賃を改定し、30円値上げをしています。しかし、それからわずか1年あまりで、再度、バス事業者から、バス運賃の改定、すなわち値上げの申し出があったことが、今年2月、総合交通政策調査特別委員会に報告されました。
運賃値上げの一部を原資として運転手の待遇改善をしたものの、年収は全産業平均より低く、運転手不足が原因で減便などが発生しており、さらなる処遇改善のためという旨でありました。
その後、今年の3月と6月、2回の協議運賃部会で、運賃改定について検討し、1区、2区ともに30円引き上げ、それぞれ270円、300円とし、2027年の4月1日より開始すると決定しています。
検討にあたり、4月に札幌市が利用者の意見を反映させるためにおこなった住民アンケートには、2,203件が寄せられました。「運転手の待遇改善に向けたバス運賃の値上げ」の設問でしたが、バスの充実や維持のために値上げを認めるか、値上げに反対の場合、減便・廃止が進んでもよい、または値上げなら利用をやめる、という乱暴な選択肢で、値上げの容認に誘導する内容であり、市民の声を掴むには適切ではなかったと指摘いたします。
質問の第1は、札幌市の役割についてです。
2027年4月からのバス運賃値上げは、わずか2年4ヶ月での再値上げとなります。
同時にバス路線は、2024年12月の値上げをはさみ、24、25年度の2年間で972の減便、31路線が廃止され、市民の足であるバス路線は危機的な状況です。
「運賃は上がり便数は減っていく」ことが繰り返され、市民からは、来年の値上げ後もまた便数が減るのではないかと不安の声があがっています。
協議運賃部会での協議結果のひとつとして「今回の運賃改定の効果を検証した上で、社会経済情勢の変化に応じた再改定の必要性について、2年後を目途に検討」するとされています。
しかし、2年後に更なる値上げをすることになりかねず、「値上げ」「減便」の悪循環となります。
地域交通は、生活にとって欠かせない社会インフラの基本です。通勤・通学を始め、市民の活動を支え、札幌市の経済に貢献しています。
利用しやすい公共交通を守り、維持することは札幌市の役割であると思いますが、どのような認識をお持ちか伺います。
【答弁/天野周治副市長】
次に、大きな4項目目、公共交通である路線バスを守る札幌市の役割について、1点目の札幌市の役割についてでございますが、運転手不足により路線廃止や減便が続いている現状におきましては、バスネットワークを確保することが札幌市にとって重要な役割であると認識をしております。
そのため、赤字路線に対する補助のほか、運転手不足への対応として、バス事業者と連携した採用活動の強化や、大型二種免許取得の支援など、総合的な対策を講じているところでございます。今後も、市民の身近な足であるバスネットワークの確保に向けて、各バス事業者や関係機関と連携しながら、必要な取り組みを行ってまいります。
質問の第2は、バス利用促進のための取組についてです。
バス路線を守るためには、バス利用の向上が重要な取り組みであると考えます。
「値上げをしないでほしい」というアンケートでの意見が若い世代で相対的に高いことから、協議運賃部会で、「市内に住み続けられるインセンティブとするためにも、札幌市として若い世代を対象とした政策的な手当が求められる」との意見が出されました。
我が党としても、今年6月に、高校生、大学生、専門学生、保護者を対象にWebで「通学アンケート」を行いました。
寄せられた意見に、「学生の定期代は上げないでほしい」また、札幌市の「高等学校等生徒通学交通費助成制度」の補助割合の拡充や石狩圏に限った対象範囲を広げて、高校生すべてに制度利用を広げてほしい、など、具体的な要望が寄せられました。こうした願いに応え制度の拡大を図ることは、協議運賃部会で出された意見に沿うものとなります。
例えば、松江市では、減便による利便性の低下を最低限に抑えるために、バス事業者と一緒に路線の再編を行ったほか、区間定期券から金額式定期券を実施しています。複数のバスの共通化で利便性を向上させ、通勤も通学も、購入した設定金額以内の区間であれば自由に乗り降りが可能というものです。
その結果、2割もの減便数に対し、利用者数はそれほど減少しておらず、定期券の販売が増加したため、運賃収入の減収も抑えられ、運転手の離職が抑制されるという効果が出ています。
また、札幌市の高齢者に喜ばれている敬老パス制度は、外出支援、社会参加を促すと同時に経済効果を生み、交通事業者にとっても、利用者数向上へ寄与するものです。対象年齢や負担割合などの縮小の方向を見直し、広げることは、バス事業者にとっても有効な支援となります。
札幌市が公共交通を守り維持していく立場として、関係部局が連携し、横断的に利用促進の施策に取り組むべきと考えますが、いかがか伺います。
【答弁/天野周治副市長】
次に、2点目のバス利用促進のための取り組みについてですが、持続可能なバスネットワークを確保するためには、様々な利用者にとっての利便性を高め、利用促進を図っていくことが重要であると認識をしております。
そのため、これまでも再開発と連携したバスターミナルの整備や、ICカードの導入、障害のある方への福祉乗車証の交付など、関係部局が連携して様々な施策を展開してきたところでございます。今後も、他都市の事例なども参考にしながら、利用促進に取り組んでまいります。
次に、共生のまちづくりについてです。
札幌市は、2008年に「札幌市子どもの最善の利益を実現するための権利条例」を、全国で17番目と早くに制定しました。また、2017年には政令指定都市として初めて「パートナーシップ宣誓制度」を導入、昨年2025年3月には、「札幌市誰もがつながり合う共生のまちづくり条例」を制定するなど、権利を保障し、差別や偏見がなく、誰もが個性を尊重され、多様性と包摂性を強みとする社会の実現をめざしています。
質問の第1は、アイヌ施策に係る公の施設の使用承認に関するガイドライン等の検討についてです。
札幌市は、2010年(H22)9月に「札幌市アイヌ施策推進計画」を策定し、その目的として定めた「アイヌ民族の誇りが尊重されるまちの実現」を目指してきました。アイヌ民族への差別や偏見をなくすことはそのなかでも最も重要な取り組みです。
そうしたなか、区民センターや札幌駅前通地下広場などの市の施設で、アイヌ民族が先住民族であることを疑問視し、差別的内容を含み、史実を歪曲して表現するパネル展示が複数回にわたり開催されました。それに対しアイヌ民族団体や市民から抗議の声が出されるなか、「明らかに違法でなければ認めざるを得ない」と市長が記者会見で述べ、再度、今年3月に札幌駅前通地下広場での開催を認めたことに、差別的な展示への防止策を求める約16,700筆の署名が提出されました。
これらの経緯から、札幌市では5月に第3者機関である専門部会を設置し、公の施設使用承認のガイドラインに係る検討をすすめ、8月に、専門部会による「アイヌ施策に係る公の施設使用承認に関するガイドライン等の検討」の中間報告が出されました。
しかし、検討にあたり、参考人として、アイヌ民族当事者とパネル展主催者双方へのヒアリングをおこなっているものの、検討する機関の構成員にアイヌ民族当事者が含まれていないことに、当事者はもとより、先住民族政策に詳しい専門家(室工大 丸山名誉教授)などからも批判が出されています。
中間報告では、ガイドライン策定の考え方として、「アイヌ施策推進法、ヘイトスピーチ解消法、人種差別撤廃条約、つながるさっぽろ条例等の規定を踏まえ、公の施設においてアイヌの人々に対する不当な差別的言動が行われることを防止し、アイヌの人々の誇りが尊重される社会の実現を図ること」が目的に挙げられています。
私も、アイヌ民族に対する差別や偏見を、また、史実を歪曲し伝えることなど許さない、と、市として明確に打ち出すことが大変重要であると考えております。
アイヌ施策に係る公の施設使用承認に関するガイドライン案の中間報告への受け止め及び今後の方向性について、市長のお考えをお伺いいたします。
【答弁/山本健晴副市長】
私からは、大きな5項目目、共生のまちづくりについての1点目、アイヌ施策に係る公の施設の使用承認に関するガイドライン等の検討について、大きな6項目目、次期介護保険事業計画について、大きな7項目目、子どもに関わる施策についての1項目目、子ども医療費助成についてと、2項目目、国民健康保険料の子どもの均等割についてお答えをいたします。
まず大きな5項目目、共生のまちづくりについての1点目、アイヌ施策に係る公の施設の使用承認に関するガイドライン等の検討についてであります。
このたび、アイヌ施策推進委員会において承認された中間報告が示され、法令や判例等の枠組みの中で、表現の自由の過度な制約にならないように配慮しつつも、アイヌの人々に対する不当な差別的言動を許さないという札幌市の姿勢を示すための一歩を踏み出せたものと認識をしています。
今後も、アイヌ施策推進法などの関係法令や、つながる札幌条例の基本理念等を踏まえ、客観的な判断基準を含む実効性のあるガイドラインの策定に向けた検討を進めるとともに、様々な事業や啓発活動などを通して、アイヌの人々の誇りが尊重される社会の実現に向けて努めてまいります。
質問の第2は、「札幌市誰もがつながり合う共生のまちづくり条例」の具体化についてです。
「札幌市誰もがつながり合う共生のまちづくり条例」、いわゆる「つながるさっぽろ条例」は、基本的な理念や姿勢などを定め、まちづくりのよりどころとなる理念条例です。違いがあっても、お互い理解し、大切にし、自分らしく誰もが生き生きと暮らすことのできる社会を、力をあわせてつくり、次の世代につないでいくことをめざしています。
条例では、アイヌ民族、障がいについてなどの認知度や理解、外国籍市民の増加、ジェンダー平等などの様々な課題に、札幌市と、市民及び事業者が連携して共生社会の実現へ取り組み、協力することを呼びかけております。
しかし、特定の国籍や民族への「不当な差別的言動は許さない」と宣言したヘイトスピーチ解消法の施行から10年となりますが、特に外国人への差別、排外主義がSNS等を通じ激化しており、札幌市も例外ではありません。
民族や外国籍市民、障がい、性的志向など様々な違いや個性について、理解が不十分なための偏見や誤解、またネット上からの誤った情報の広がりから、差別や困難を経験している場合もあります。
「つながるさっぽろ条例」を制定した札幌市として、差別等を受けた当事者の経験や、市民が差別や偏見をどのように認識しているのかを把握し、施策等に生かす仕組みが必要であると考えますが、今後、どう取り組まれるのか、伺います。
【答弁/天野周治副市長】
次に、大きな5項目目、共生のまちづくりについての2点目、札幌市誰もがつながり合う共生のまちづくり条例の具体化についてでございます。札幌市におきましては、差別や偏見のない共生社会の実現に向け、多様な分野や属性に応じた各種アンケート調査や、市民ワークショップなどを通じて、市民意識や当事者が直面している困難など、客観的な状況の把握に努めているところでございます。
こうして把握した当事者の声などを踏まえ、多様な背景を持つ市民同士が、建設的な対話を通じて相互理解をより一層深めるため、全庁的な組織である札幌市ユニバーサル推進本部や、附属機関の札幌市誰もがつながり合う共生のまちづくり委員会において、毎年度関連施策の報告・検証を行っているところでございます。
今後も、各関係部局の施策の改善・向上を図るなど、当事者の声を施策に生かす実効性の高い取り組みを着実に推進してまいります。私からは以上でございます。
次に、「次期介護保険事業計画」についてです。
2000年に介護保険制度が始まり、26年となりました。しかし、介護報酬が低く抑えられてきたことで、処遇改善がすすまず、介護ヘルパーやケアマネージャーなど介護人材の深刻な人手不足を引き起こし、さらに事業所の経営不振を招いています。
いまでは、経営が成り立たないため撤退する事業所が増加し、今年の6月時点で、訪問介護事業所が「ゼロ」または「1か所」しかない自治体は、全国で401市町村、2割以上にのぼり、北海道では44%、79自治体という、全国平均を上回る深刻な状況です。いまや、介護保険のサービス基盤は崩壊の危機にあります。
2027年度からの第10期介護保険事業計画の策定に向け、厚生労働省の諮問機関である社会保障審議会介護保険部会で審議がされております。
介護保険の利用者負担は、制度創設時は原則1割でしたが、2015年に一定以上所得者の2割負担、18年に現役並み所得者の3割負担が導入されました。さらに、来年度からの10期計画開始までに、「2割負担対象拡大」について結論を出す予定であり、さらなる負担増が見込まれます。
また6月に特別国会で可決された改正介護保険法は、「全国一律の保険給付」という介護保険の原則を覆す大きな問題をはらんでいます。
質問の第1は、「特定地域」の創設についてです。
先の特別国会で成立した介護保険法改定は、人口減少地域で介護サービスを維持するために新たな仕組みを導入する、というものです。
市町村の意向を確認したうえで、都道府県が中山間地や人口減少地域を対象に「特定地域」として指定し、この特定地域を対象とした新たな類型として、「特定地域サービス」を創設します。介護事業所の職員の人員配置基準の緩和により、現基準より少ない職員でサービスを提供できるようにします。また、報酬を月額で定められる「定額報酬」が導入される予定ですが、サービスの回数による出来高ではなく、訪問回数にかかわらず月の報酬額が決まります。つまり、月に1回訪問の場合でも、4回訪問した場合も報酬額は同じですから、多いと事業者の経営がなりたちません。事業者側がサービスを少なくする傾向があると指摘されています。
それでもサービスの提供が難しく事業の継続が困難な場合、市町村が実施主体となる「特定地域居宅サービス等事業」となり、介護給付から外れ、要介護5の重度者まで、そこでのサービスを受けることになります。自治体にとっても、上限のある地域支援事業の枠組みを広げることになり、持ち出しが増加するなどの懸念はぬぐえません。
全国で「特定地域」に指定される可能性のある自治体は、912市町村と5割以上にのぼり、そのうち県庁所在地が28市、政令市が10市含まれていることが(「令和8年度全国介護保険担当課長会議」資料)明らかとなっています。
基準は自治体全域だけではなく、「旧市町村単位、行政区単位、日常生活圏域単位を想定」、つまり、中学校区単位の一部エリアだけを定めることも可能です。
「地域」単位で指定されることもあり得るため、札幌市にとっても、「特定地域」指定の可能性がゼロとは言えません。
こうした改定内容は、介護崩壊を解消できるものではなく、居住地域によりサービスの質や保障に格差が生じ、同じサービスを全国一律で提供する介護保険の原則、理念を覆すこととなるものです。
こうした方針を国が示していることについて、本市はどのようにお考えか伺います。
【答弁/山本健晴副市長】
次に大きな6項目目、次期介護保険事業計画についての1点目、特定地域の創設についてであります。特定地域は、高齢者人口が減少し介護サービス需要が減少する地域において、サービス提供の維持・確保を目的として柔軟な対応を講じることができるようにするため、創設されたものと認識をしています。
現時点では、札幌市において特定地域に該当する地域はないと考えていますが、引き続き国の議論の状況を注視してまいります。
質問の第2は、介護保険料の抑制についてです。
介護保険料は、介護保険制度が発足した2000年当初と比較し、現在は2倍以上となっています。
来年度からの3年を期間とする第10期計画の介護保険料は、国の介護報酬改定の影響や、介護認定者増・介護サービス利用増などにより介護給付費の増加が見込まれ、保険料負担増になることが懸念されております。
自治体の保険料額は、地域の介護サービス量や高齢者数に応じて決定しますので、札幌市においても、国の動向に基づき、第10期の札幌市介護保険事業計画(2027~2029年度)の策定に向け、札幌市介護保険事業計画推進委員会で審議が行われています。
2024年度から今年度までの、第9期介護保険事業計画の改定に当たっては、都道府県平均保険料基準額が月額6,225円と前期より3.5%引き上げられたところ、札幌市は「介護給付費準備基金」を活用し、前期と同額の5,773円に据え置きました。市民からは安どの声が寄せられました。
かつてない物価高騰に見舞われるなか、高齢者にとっては、保険料の値上げは深刻な問題です。
第10期札幌市介護保険事業計画において、札幌市は基金を活用して、介護保険料の上昇抑制を図るべきと考えますが、いかがか、お伺い致します。
【答弁/山本健晴副市長】
次に2点目の介護保険料の抑制についてであります。札幌市においては、今後も続く高齢化の進展に伴い、サービス需要は増加していく見込みであります。
次期保険料の算定にあたっては、計画期間中のサービス提供に必要となる費用を確保できるよう、高齢者の負担も考慮し、基金の活用を含めた様々な観点から検討してまいります。
最後に、子どもに関わる施策についてです。
質問の第1は、子ども医療費助成についてです。
札幌市では2004年に就学前まで対象を引き上げた後、長い間そのままでありました。他の自治体が次々と対象年齢を引き上げるなか、市民からの要望も高まり、ようやく2018年に小学1年生、それから7年をかけ、昨年度から高校3年生まで拡大されました。
わが党は、その間、対象年齢の拡大とともに所得制限と窓口の初診料一部負担を撤廃し、完全に医療費負担ゼロとするよう議会で取り上げてまいりました。
質問の1点目は、所得制限撤廃についてです。
2025年度時点で、全国で97.2%の自治体が所得制限を撤廃したなか、今年8月1日より北海道が子ども医療費助成の所得制限について廃止し、報道によると、道内179市町村のなかで所得制限が残っていた17市町のうち、8月から9月に14市町が廃止をおこないました。残りの3市町のなかでも、先行して北見市、岩内町が撤廃を決定、札幌市も来年度8月から実施するため、今議会にシステム改修費の補正予算と条例改正を提案したところです。
しかしながら、北海道の助成の基準内、未就学児の通院・入院と小学生の入院まで、という枠内であることには、不十分だと言わざるを得ません。
政令指定都市のなかでも、広島市が2027年1月から、高校生だけ所得制限がある相模原市も来年度から、窓口負担も含め全面撤廃するため、札幌市だけが所得制限を残すことになります。
市民からは、単身赴任で住居手当や札幌に帰る際の旅費手当てについても所得に入るため、所得制限で医療費助成の対象からはずれてしまった、前年から少し収入があがっただけで受けられない、という声もお聞きしています。
所得制限により助成を受けられない子どもは、未就学児では5.6%ほどですが、高校生では、25%を超えています。親の年齢が上がることで収入が増えるものの、教育費の支出なども増加するので決して楽ではありませんが、高校生のうち4分の1が医療費助成を受けられていません。
子ども医療費助成の対象年齢拡大にあたっては、小学1年生から2年生、3年生、6年生、中学、高校へと年ごとに1学年から3学年をすすめるたび、年齢が外れてしまう世帯には負担となったほか、その都度にシステム改修費が必要となりました。
この度の補正予算では所得制限廃止のためのシステム改修に6,100万円が計上されていますが、細かく年齢を引き上げると、そのたびに改修費が必要となり、余計にお金を使うことになると感じております。
またこの間、年度予算要求で高校生までの所得制限撤廃のためのシステム改修費を計上したものの、査定によりかなわずにきましたが、市民からの陳情が複数寄せられ、議会では我が党をはじめ各会派が所得制限撤廃を求めてまいりました。
札幌市として、高校生までの対象年齢全体への所得制限撤廃に向けて、段階を踏まず早急に、他の自治体と同様になるべくすすめるべきであると考えます。所得制限撤廃の全面的な実施はいつまでにおこなうおつもりか、伺います。
【答弁/山本健晴副市長】
次に大きな7項目目、子どもに関わる施策についてです。
1項目目の、子ども医療費助成についての1点目、所得制限の撤廃についてであります。今回の一部撤廃は、北海道の補助拡大に伴う財源確保を契機とし、北海道と同じ範囲であれば撤廃は可能と判断したものであります。その範囲を超えて所得制限を撤廃するためには、さらに多額の財源が必要となることから、今後も財政状況を見極めつつ検討を続けてまいります。
2点目は、子ども医療費初診料一部負担についてです。
北海道の子ども医療費助成の自己負担の基準は、外来・入院とも、3歳未満では初診時に医科580円、歯科510円であり、3歳以上で住民税課税世帯は、限度額はあるものの1割相当という窓口負担です。他府県と比較して、助成の基準が低いといわざるを得ません。
札幌市はこの道の基準を上回り、対象年齢である高校3年生まで、外来、入院とも医科580円、歯科510円の初診料一部負担です。しかし、子どもは小児科のほか、皮膚科、耳鼻科、眼科など複数の受診となることが多く、そのたびに初診料の負担が発生し、きょうだいで流行性の疾病にかかると世帯の負担も多くなる、などからも、必要な医療を受ける妨げとならないよう、一部負担を撤廃することを我が党は繰り返し求めてきました。
国が、市町村国保への子ども医療費助成によるペナルティを廃止したものの、2024年度から窓口一部負担や償還払いなどをしている場合は、国保に加点をするという、窓口負担を誘導する手段をとっています。しかし、2024年度に、窓口負担がない自治体数は、通院で1,266であったものが、2025年度には1,319へと増え、全国で75.8%が窓口無料となっています。政令市でも、現時点ではすべて無料としている市が5市あります。
札幌市として、子どもたちの命と健康を守るため、子育て世帯の経済的負担を軽くし、子どもの病気の早期発見・治療を促すために、所得制限とともに窓口負担も撤廃すべきです。
これまでも財政確保が課題だという答弁を繰り返しお聞きしてきましたが、遅れている札幌市において、最優先されるべきものと考えます。窓口負担撤廃について早期実施をするためどうお考えか、伺います。
【答弁/山本健晴副市長】
2点目の子ども医療費初診料一部負担についてであります。窓口負担の廃止にあたりましては、多額の財源の確保はもとより、適切な給付と負担の在り方、国や他都市の動向等を慎重に見極めていく必要があると考えているところであります。
質問の第2は、国民健康保険料の子どもの均等割についてです。
国は、来年度4月から国保の子どもの均等割分の半額免除について、高校生世代まで拡大する方針を決めました。
均等割は人頭税ともいわれ、子どもが生まれるとペナルティのように1人分の割合で負担増となり、子どもが多いほど保険料が高くなるものです。そもそも、協会けんぽなどの保険料と比較して、2倍にもなる国保料は高すぎます。しかも、今年度から子育て支援金の上乗せで、子育て世帯にも大幅に保険料が引きあがりました。
国保の保険料については、北海道統一化により料率の一律化を2030年度(R12)に予定していますが、基金を活用しての減免は妨げられるものではなく、国や道からペナルティもありません。そのため、道内でも独自で高校生世代まで全額減免とする自治体が広がっています。
子育て世帯への支援として、子どもの均等割分は、国の半額免除対象年齢引き上げを契機に、札幌市として全額免除をすすめるべきと考えますがいかがか、伺います。
【答弁/山本健晴副市長】
次に2項目目の国民健康保険料の子どもの均等割についてであります。北海道では、国の方針に基づき、同じ所得、同じ世帯構成であれば、どこの市町村に住んでいても保険料が同額になる、保険料率の全道統一化が進められているところであります。
そのような中、保険料の減免基準、基準について、統一化を図られる予定であることから、札幌。として、独自の軽減拡充を行うことは難しいと考えております。なお、子どもの均等割保険料の軽減拡充については、他都市とも連携しながら、引き続き国に要望してまいります。私からは以上です。
質問の第3は、学校給食センターの検討についてです。
一昨年度、学校給食のあり方検討として、現在の自校・親子方式のほか、給食センター方式、デリバリー方式などを含め民間事業者へ委託したサウンディング調査から考察が出され、昨年度、外部有識者による「札幌市持続可能な学校給食の在り方検討会議」を設置し、民間事業者からの「考察」をもとに議論され、昨年12月に「意見書」が提出されたところです。
一昨年度の考察では、各提供方式による費用を比較すると1万5千食の提供あたり、自校・親子方式では年24.4億円、1食当たり836円、センター方式では年21.6億円、1食あたり739円で、センター方式の経費面が安いこと、など費用面が最重視されたといわざるを得ません。子どもたちの教育環境には必要なお金をかけるべきです。
しかも、児童・生徒や教員、保護者の意見、また、市民意見を聞かないまま、センター方式導入をすすめようとしていることは大きな問題です。安全面や地産地消の取り組み、食育の面で大きな後退となることも考えられ、給食センターへの移行は、子どもたちの教育環境の後退ともなることからも、反対であると申し上げます。
質問の1点目は、現在検討されている内容についてです。
今年度、5月に公募をおこない、民間事業者に学校給食センター導入検討支援業務を委託し、着手しています。
担当部局からは、センター方式と自校・親子方式のハイブリット方式を検討しているとお聞きしてきました。市全体では自校・親子方式の学校を維持しつつ、新たに給食センターを設置する地域を選定するとのことです。
学校給食センターの検討にあたり、提供食数の規模についてと、何校ほどを対象とするお考えか、伺います。
【答弁/山根教育長】
私からは、大きな7項目目、子どもに関わる施策についての3点目、学校給食センターの検討について、及び4点目、札幌市奨学金の拡充についてお答えをいたします。
まず、学校給食センターの検討についての1点目、現在検討している内容についてであります。
給食センターの検討にあたりましては、食の安全安心の担保を前提としているところであり、その規模等については、昨年度の有識者会議での意見や他の政令市の例などを参考に、現在検討しております学校給食提供の在り方に関する基本方針の中で、具体的に整理していく予定であります。
2点目は、市民の声の反映についてです。
センター方式と自校・親子方式では、食材の選定、献立や配送時間、食育などで違いが出てくるのは否めないと考えます。
例えば、もしも食中毒が起こった場合、自校、親子方式では1校又は2校に影響します。しかし、給食センターでは数十校にわたり影響し、被害にあう児童・生徒も多数となり、さらに、数日間から十数日間、場合によっては1か月以上も給食が提供されないことなどが想定されます。
また、食育については、地産地消をはじめ、フードリサイクルなど札幌市独自の取り組みを進めてきましたが、センター方式となると栄養教諭の配置基準が異なり、現在のような配置とならず、学校での授業や行事、食育・指導などにとって、実質後退となる懸念があります。
自校・親子方式とセンター方式では、子どもたちの教育や食の環境に差が出ることになるのではないか、具体的に市民への説明と意見聴取が必要であります。市民からは、すでに、給食センター化をしないでほしいという声も聴いております。
民間事業者へ委託された学校給食センター導入検討支援業務の内容に、今年度中、3月までに地域などを決定し、地域説明会を開くこととあります。
地域の決定がおこなわれることとなれば、反対の声があがったとしてもそのまますすめられる懸念があります。
地域の選定など具体的な検討の前に、当事者である児童・生徒、保護者や教員に、給食センター設置によるデメリット部分も含め伝え、意見を聴くことが必要ですが、どうされるお考えか、また、子どもをはじめとする当事者や市民の意見を聞き、学校給食の在り方の検討に反映すべきですが、いかがか伺います。
【答弁/山根教育長】
2点目の市民の声の反映についてであります。当該基本方針の策定において、広く子どもも含めた市民からの意見を聞くため、給食センターの導入効果や運営上の留意点などをお示しした上で、今後パブリックコメントの実施を予定しているところであります。
質問の第4は、札幌市奨学金の拡充についてです。
札幌市の大学生と高校生への奨学金制度は、国公立大学で月額6千円、私立大学が9千円、高校で月額5千円、私立では8千円で、他に入学支援資金があります。大学等の部の応募数に対し、採用実績では、2022年度32%、23年度31%と少ないことから、全体の採用枠を1,500人から2,000人ほどへ引き上げてきました。その結果、2024年度に大学で62%、25年度は54%へと引きあがりました。しかし、応募数は増加傾向にあります。また、進級時に継続して受ける方も高い割合であるとお聞きしています。
昨今、大学の授業料などが次々と値上げされており、学生がアルバイトで授業料を補填しなければならない事態がおこっています。国公立に進学している学生から、授業料値上げにより、年下のきょうだいが大学に進学できなくなる、と声が出ているほどです。
高校では授業料無償化というものの、教科書やタブレットなどは自己負担、ほかにも、制服やジャージなど入学時にかかるもの、副教材費、通学費、修学旅行費、部活動の費用など、それぞれ物価高騰の影響を受け、子育て世帯は厳しい状況が続いています。
そうした状況を反映しているのか、貸与式である、母子及び父子並びに寡婦福祉資金の修学資金は、2021年度25件から2025年度は53件に増え、社会福祉協議会の教育支援資金の貸し付け件数についても、同年比較で、109件から142件に増加しています。しかも、貸付への相談は年5,000件から8,000件近く寄せられております。
また、無利子や低利子とはいえ、卒業後に返済しなければならないものです。本来は、返済しなくてよい奨学金が求められているものと考えます。
札幌市の奨学金の採用数をさらにひきあげて、支援をすべきではないでしょうか。子どもたちの進学の希望ともなる給付型奨学金の枠を広げることが必要ですが、お考えを伺います。
以上で、私の質問のすべてを終わります。ご清聴、ありがとうございました。
【答弁/山根教育長】
続きまして、4点目、札幌市奨学金の拡充についてであります。札幌市では、経済的な理由により就学が困難な高校生や大学生等を支援するため、返済不要な給付型の奨学金制度を設け、これまで段階的に拡充をしてきたところであります。
今後も財政状況を踏まえつつ、財源の確保に努めながら継続的に取り組んでまいります。私からは以上です。
【再質問/さとう綾議員】
はい、子どもに関わる施策についての、子ども医療費助成の所得制限と窓口一部負担の撤廃について、再質問させていただきます。
子ども時代にお金の心配なく病院や歯医者にかかり治療するということは、大人になってからの健康にも大きく影響すると思いますし、早期の受診が重症化を防ぐことにもなります。また、子どもがお金の心配をして具合が悪くても親に言い出せない、ということはあってはならないと思っております。
質問の中でも、全国道内の市町村や政令市の状況について、所得制限撤廃も窓口負担撤廃もほぼ実施している旨を申し上げましたが、道外も含めて他の市町村から転勤などで移り住んできた子育て世帯の方から、札幌に来たら子ども医療費助成から外れて驚いたとお聞きすることがあります。
子どもは成長も早いですから、急がなければならない課題だと思っております。ご答弁では、高校生世代まで所得制限撤廃については財政状況を見極め検討したい、また窓口一部負担撤廃については国や他都市の状況を慎重に見極める必要があると考えているとのことでした。
質問いたしますが、札幌市として、子ども医療費助成の所得制限と窓口一部負担撤廃について、早期に実現をしたいというお考えでおられるのか、お伺いいたします。
【再質問への答弁/山本健晴副市長】
子ども医療費助成について再質問いただきました。
所得制限につきましては、多くの都市が撤廃に踏み切っているということのため、できるだけ早く追いつきたいと考えているところでありますが、所得制限の撤廃に限らず、子ども医療費助成の拡充にあたりましては多額の財源が必要となることから、今後も財政状況を見極めつつ検討を続けてまいります。以上です。