ogata 私は、日本共産党所属議員を代表して、ただいま議題となっております意見書案第6号「立憲主義と民主主義を尊重し、安全保障関連法を廃止することを求める意見書案」に賛成する立場で討論を行います。
 安倍自公政権による安全保障関連法、いわゆる戦争法の強行成立から半年が経過しました。そして本日、この憲法違反の悪法が施行されました。私は、憲法9条を擁護し、平和を願うすべての国民、そして札幌市民とともに、安全保障関連法を強行した安倍自公政権に対し、満身の怒りを込めて糾弾するものです。
 安全保障関連法の施行によって、戦後初めて、自衛隊が戦地で外国人を殺し、殺される危険がいよいよ現実のものになろうとしています。
 改定されたPKO法は、「安全確保業務」や「駆けつけ警護」を可能とし、防衛省の内部文書には「必要により敵監視要員を狙撃・射殺して、突入部隊の突入・鎮圧を容易化」する手順が書かれるなど、妨害する勢力を排除、粉砕するための武器使用を認めました。
 現在、自衛隊員350人が派遣されている南スーダンは、内戦が全土に拡大し、数万人が殺害、200万人以上ともいわれる避難民が発生し、虐殺、レイプ、拷問などの残虐行為が繰り返されるなど泥沼の様相です。とりわけ深刻なのは、拉致された多数の子どもたちが少年兵としてたたかうことを強制され、また、政府軍兵士による殺りくや略奪、PKO要員への攻撃がくり返され、避難民を収容する国連保護施設までが襲撃されていることです。こうしたなかで、任務遂行のための武器使用が認められれば、自衛隊員自身の身に危険が及ばなくても、少年兵を含め、相手を殺傷することになり、PKO部隊や国連の保護施設が襲撃された場合、武装勢力と戦火を交えることになるではありませんか。まさに、憲法が禁じた武力行使そのものです。
 また、安全保障関連法は、米軍主導の多国籍軍が中東で行っている過激組織ISへの空爆支援も可能としており、すでに中谷元(なかたに げん)・防衛相は“法律上、自衛隊は参加できる”と国会で答弁しているのです。そんなことになれば、テロと戦争の悪循環に日本自身が身を置いて、国民をテロの脅威にさらすことになります。多数の市民が命を奪われた、パリ同時テロやベルギー・ブリュッセルでの連続テロのような事態が日本でも起こりうるようなことは、絶対に避けなければなりません。
 テロはいかなる理由があっても許されるものではありません。同時に、戦争でテロをなくせないことは明らかです。無差別の空爆など軍事作戦の強化は、多数の罪なき人々を犠牲にし、テロをなくすどころか憎しみの連鎖をつくりだし、テロを世界中に拡散させています。そのなかに、日本が組み込まれることは、到底許されることではありません。
 テロを根絶するためには、各国が一致してテロ組織への資金や武器を流入させない包囲網をつくり、貧困の解消に力を尽くすこと、また、国家間や民族間で起こる問題は、武力ではなく、徹底した対話と平和的な外交努力による解決に徹することです。この点で、世界に誇る憲法 9 条を持つ日本こそ、こうした立場に立った外交努力を貫き、世界の平和に貢献すべきです。
 この憲法9条を投げ捨て、歴代の自民党政府でさえ違憲としてきた集団的自衛権の行使を、一内閣の解釈で可能にするなど絶対に許されるものではありません。
 いま、「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」をはじめ、SEALDsや安全保障関連法に反対するママの会、学者・研究者、宗教団体など29の団体・グループによる「戦争法の廃止を求める2000万署名」が全国でとりくまれています。そして、昨年12月、これらの団体によって結成された「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合」が、安倍自公政権の退陣と、そのための野党共闘をよびかけ、候補者支援も明らかにしました。
 こうした安全保障関連法廃止、立憲主義と民主主義の回復を求める国民の運動は、「野党は共闘して安倍政権打倒を」のよびかけへと大きく発展し、新しい政治局面を築いています。
 みなさん、独裁政治につながる安倍自公政権の暴走に対して、それぞれの政治的立場や所属会派の違いを超え、政治のあり方の根本にかかわる問題として、「憲法違反の安全保障関連法廃止、立憲主義と民主主義を取り戻せ」、この一点で力を合わせましょう。
 いま、私たちが直面しているのは、戦後日本の国のあり方を根底から覆す歴史的暴挙を許すのかどうかです。まさに、国民的大義をもった問題です。この大義にたって、大同団結しましょう。そして、私たち1人ひとりが、札幌市民の代表として、本意見書案を全会一致で可決させ、議会の良識をはっきりと示そうではありませんか。
 議場の皆様に、心から訴えまして、私の討論を終わります。ご清聴ありがとうございました。