私は、日本共産党を代表し、市政の重要事項について、順次、質問いたします。

 はじめに、市長の政治姿勢についてです。
 質問の第1は、燃油価格対策についてです。
 第2回定例会で市長は、市民生活を支えるためには機動的な対応が不可欠であり、国の財源を活用してスピード感をもって支援策を講じてきたと答弁されています。
 燃油の高騰は、原油価格、円安などを要因とするもので、現時点で収束を見通すことができず、長期化することは確実です。 
 本市は昨年、住民税非課税世帯等に対して、市民生活への支援に関するものとして、国の「電力・ガス・食料品等価格高騰緊急支援給付金」に、1万円を上乗せして給付されましたが、具体的にどのような効果があったのか伺います。
 昨年11月に開催された経済産業局主催の「灯油価格意見交換会」で、北海道消費者協会の代表は、灯油価格の高騰は、「命に関わる問題だ」と訴えられていますが、現在の価格水準は、当時とほぼ同じで高止まりしています。
 低所得者への助成制度として広がっている「福祉灯油」制度は、支給方法も使途の限定がない現金給付が一番多く、給付を受けた住民からは、「凍えなくてすむ日が少しでも増える」と喜ばれています。
 2020年9月時点で1リットルあたり78.6円だった灯油店頭価格は、今年9月現在、124.8円と約1.6倍です。
 燃油は厳しい冬を越すための命綱であり、高くて購入できないということはあってはなりません。
 市長は、灯油が生活必需品であるとの認識をお持ちなのか伺います。また、市独自の支援策を実施する必要があると考えますが見解を伺います。

 質問の第2は、マイナ保険証についてです。
 医療機関の窓口では、日常的に、氏名、生年月日、性別、保険者名、被保険者番号、負担割合などの項目で資格確認がおこなわれ、医療関係者からは、現行の健康保険証で何ら支障なく業務がおこなえるとお聞きしています。
 この間、起きているトラブルは、現行保険証の廃止を打ち出し、本来、任意としていたマイナ保険証の取得を事実上強制していることによるもので、市民の不安解消のうえでも、政府が廃止方針を撤回するように強く求めます。

 1点目は、現行保険証の原則廃止の方針についてです。
 マイナ保険証のトラブルを受け、多くの有識者が、「システムや制度を運用するうえでセキュリティの事故は避けられない」「誤登録は人為的ミスとして扱われるが構造的問題とみるべきだ」(日経8月21.22日)などと指摘しています。
 就職や転職、退職などで、保険者への加入・脱退など変更の届出が必要なのは、現行保険証もマイナ保険証も変わらず、厚労省は7月の通知で、保険者の変更に伴って、「保険者のデータ登録の遅れ」が発生することや、「機器のトラブル」などにより、マイナンバーカードでオンライン資格確認を行うことができない場合、患者に必要書類に記載してもらうよう医療機関に徹底しています。
 本市は先の定例会で、再発防止の仕組み作りや国民の不安解消は、国が責任をもって進めていくと説明されましたが、2024年度までに再発防止の仕組みづくりが完了するという政府の確約はあるのでしょうか伺います。また、現行保険証の廃止方針を見直すよう国に求める考えはないのか伺います。

 2点目は、デメリットと選択権についてです。
 マイナ保険証によるオンライン資格確認では、転職や転居等で被保険者番号が変わっても同一人物と判定し、生涯にわたる受診履歴を把握し、医療情報も、すべての医療機関で共有することが可能になるとされています。
 政府は、こうした医療情報の対象を、マイナ保険証の普及と合わせて、投薬や特定健診情報に拡大し、今後、レセプト、予防接種、電子処方箋、自治体健診、電子カルテなどの情報も医療機関で共有できるようにする方針です。
 医療関係者は、医療情報のなかでも特定の診療履歴は、家族や担当医以外に知られたくないとの事例もあり、すべての医療機関や事務職員まで情報が共有できるようになるのは問題が多すぎると指摘しています。
 本市は、マイナ保険証の導入により、「これまでの受診・服薬情報を医療機関が確認のうえ治療に生かすことができるようになるなど、国民がメリットを享受できる」との認識でしたが、医療情報の共有についてデメリットを、どのように認識されているのか伺います、また、マイナ保険証を使うのか、現行の保険証を使うのか、という市民の選択権は最大限保障するべきと本市は考えているのかどうか伺います。

 質問の第3は、グリーントランスフォーメーション(GX)関連の取組についてです。
 1点目は、GX投資の対象についてです。
 政府に提出した、「GX投資に関するアジア・世界の金融センター実現にむけた要望書」にある、「8つのGXプロジェクト」や資金供給を促進させる「(仮称)GX NISA投信」等には、政府が官民投資の対象とした「原子力の活用」「アンモニアの製造」は規定されていません。
 政府への要望書で本市は、「国際的なガイドラインに合致するGX投信等としてブランド化し、投資対象として風力、水素、電気及び水素運搬船等の『グリーン』案件に特定」したと説明されています。
 原子力やアンモニアについては、投資対象としてはふさわしくないという判断をされたのかどうか、さらに、課題をどのように分析しそうした判断にいたったのか理由について伺います。

 2点目は、GX投資と原発についてです。
 本市の官民投資は、政府の「骨太の方針2023」のGX投資を大胆に加速させるという方針に基づいたものですが、政府がめざすGXへの官民投資・150兆円の対象には、原子力の活用、アンモニアの合成技術の開発が入っています。
 原子力については、国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の報告書に採用された論文で、「原発が増えてもCO2排出削減はもたらされないが、再エネを増やせば排出削減がもたらされた」「原子力発電を増やすと再エネが伸びにくい」と紹介され、再エネ導入にとって障害になるという研究結果がみられます。
 政府が、原発への投資を続ける限り、原発を固定化させ、本市の再エネ導入が伸び悩み、再エネへの投資も鈍るという悪循環に陥ることが考えられますが、市長はこうした事態を招かないために、どのような対策を考えているのか伺います。

 3点目は、再エネの需給についてです。
 6月の市長との共同記者会見で、鈴木知事は、半導体製造会社のラピダス社について、「北海道への立地理由の一つとしてもこの再エネ、これが非常にポイントになった」と発言されました。
 政府が計画する、北海道から本州への200万キロワット級の海底送電網が完成すると、本州への電力供給能力が高まり、道内への企業進出のメリットが低下することも考えられます。
 投資を呼び込むという場合、利益を回収しなければならず、しっかりとした再エネの需要予測が必要となりますが、ラピダス社以外に、札幌に本社を置く企業も含めて、再エネを利用する産業の集積や企業進出をどのように見込まれているのか伺います。

 質問の第4は、自衛隊への個人情報提供の中止についてです。
 本市は9月12日、本年度18歳と22歳になる31,550人分の名簿を、昨年に続き自衛隊札幌地方協力本部に提供しました。このうち「情報提供を望まない」と「除外申請」をした人は205人、昨年の2人から大きく増えています。
 しかし、除外申請をしなかったことをもって本人の同意があったものではなく、同意なしに自衛隊への名簿提供を行っていることに変わりはありません。
 本市は、2021年度まで「個人情報保護条例」の主旨にそって、自衛隊への名簿提供は行わず、自衛隊による住民基本台帳の閲覧しか認めてきませんでした。
 しかし、2021年2月、防衛省及び総務省から、全国の自治体に「自衛官または自衛官候補生の募集事務に関する資料の提供について―…住民基本台帳法上、情報を提供しても自治体が持つ個人情報保護条例に問題を生ずるものではない」という通知が発出され、本市は、翌年2022年から、自衛隊による閲覧から、紙媒体による積極的な情報提供へと変更しています。ところが、防衛省等の通知は、地方自治法245条の4第1項による、技術的助言であると明記されており、応じないことを持って自治体が不利益を被るものではありません。
 市民団体の問い合わせに防衛省は、紙媒体、電子媒体で提出を求めているが、依頼した自治体のうち3分の1に当たる「534自治体」は閲覧のみであると回答しています。
 技術的助言であることを受止め、また、除外申請を申し込んだ当事者の思いを尊重し、本市は、自衛隊への個人情報の提供は中止すべきと考えますが、いかがか伺います。

 次に、2030年札幌冬季オリンピック・パラリンピック招致についてです。
 質問の第1は、大会運営費についてです。
 昨年9月の第3回定例会の代表質問で、我が党の議員が「スポンサー料が当初の見込みを下回った場合、本市の負担が発生するのではないかと思いますが、市長はどうお考えか」と質問したところ、市長は、「スポンサー収入が見込みを下回るなどの不測の事態におきましても、収入に見合った大会運営を行う」と答弁されました。
 東京都議会では、大会運営を行う組織委員会の予算について「都からの支出はありません」と、すべて民間資金によって賄われると答弁しましたが、実際には、組織委員会との「共同事業」への支出という形で、都民の税金が投入されたことが明らかになっています。
 東京2020大会の開催都市契約においては、「可及的速やかに」大会の総合的な組織計画をIOCに提出し、承認を得なければならず、変更する場合には、IOCの書面による事前承認が必要とされていたことから、本市が開催都市に決定した場合においても、契約に基づいた大会運営が大原則となり、万一、収入が見込みを下回るなどの不測の事態が起こった場合でも、契約に従った運営が求められると考えます。
 そこで伺いますが、本市での開催が決まった場合、大会運営費は、いつの段階でスポンサー等からの収入が見込み通りになっていないと判断し、いつの段階でそれに見合った大会規模へと見直すことを想定しているのか、伺います。
 また、その場合の市民への説明と周知は、行われるのかどうか、あわせて伺います。
 東京大会では、「パラリンピックには、運営費の半額の70億円を都が負担」すると説明していましたが、実際には379億円と5倍以上になりました。
 本市が試算している大会運営費2200億~2400億円のうち、オリンピックにかかる費用とパラリンピックにかかる費用、それぞれいくらと試算しているのか、お示しください。

 質問の第2は、IOCとの対等な関係の構築についてです。
 大会組織委員会が設置されれば、本市は、職員の派遣や大会運営に関わることとなり、その財源は市民からの税金となります。スポンサーを集めるための広告代理店等との契約、IOCに支払うロイヤリティなどの金額も、当然ながら市民に公開されなければなりません。
 東京都がIOCと結んだ開催都市契約第41条には、「大会に関するあらゆる種類および性質の権利、権原、利権が、全世界を通じて永久にIOCの独占的な財産である」ことが規定されており、そのことを理由に、IOCに支払ったロイヤリティやトップスポンサーとの契約内容は、都議会での追及でも明らかにされませんでした。
 東京大会での汚職事件を鑑みれば、JOCとスポンサーとの関係のみならず、IOCを含むすべての契約の内容を明らかにし、チェックできることが肝要だと考えます。
 本市が開催都市に決定した場合、開催都市契約を公開するのかどうか、また、契約の際に、IOCへのロイヤリティ金額や、IOCとトップスポンサーとの契約内容について公開を求めるのかどうか、本市のお考えをうかがいます。公開を求め、実行されなければ、本市がうたう、IOCとの対等平等な関係は築けないと考えますが、いかがお考えか、伺います。

 質問の第3は、招致が決まる前の市民の意向確認についてです。
 市長は、「住民の支持があって招致活動が進められるべき」と述べ、現在、市民対話や理解促進活動が実施されています。今後、これらによる市民意見や検討委員会の報告を受け、新たな「見直し案」を策定・公表し、再び「見直し案の理解促進を図り、改めて民意の確認を行う」との方針を示しております。
 IOCは、来年7月に開催されるパリ五輪の開催前に、2030年冬季大会の開催地を決めるとの方針を示していますが、IOCが最も重要視する、市民の意向確認について、本市はどのような形で、いつ実施するお考えなのか、お示しください。IOCが開催地を決定する前に市民の意向を確認する必要があると思いますが、そのお考えがおありか、「市民の意向を確認したうえで招致を目指す」とした市長の公約は、どのように実行されるのか、伺います。

 次は、猛暑に対する備えについてです。
 国連のグテーレス事務総長は、7月27日記者会見を行い「地球温暖化の時代は終わり、地球沸騰化の時代が到来しました。地球全体にとって、この夏は災害です」と発言し、各国政府などに、より強力な対策を至急とるよう促しました。
 本市でも6月~8月、30℃以上の真夏日が30日間、うち3日間35℃以上の猛暑日を記録しました。8月23日は観測史上最高の36.3℃で、5月~9月、熱中症により救急搬送された人数は9月24日現在566人にのぼり、うち教育機関からの搬送は27件でした。

 質問の第1は、学校のエアコン設置についてです。
 2021年文教委員会で審査した「札幌市内公立小中学校の冷房設置に関する陳情」について、わが党は賛成し採択を求めたものの、継続審査・廃案となりました。その年、本市で熱中症により学校から救急搬送された件数は17件、公立小中学校からも1人搬送されており、夏の気温上昇はこの年すでに、北海道でも異常といえるものでした。
 文部科学省は教室などの望ましい温度基準を「17℃以上28℃以下」としていますから、猛暑による児童生徒や教職員の健康を心配する声が広がっていました。
 アクションプラン2023における計画事業では、5年間で137億6千万円の「学校施設冷房設備整備費」が計上されました。
 内容は、すべての市立学校の普通教室等に、移動式ではなくルームエアコンを設置するというものです。緊急対応として2023年度中には312校全ての保健室に設置する予定ですが、普通教室は24年度から約100校ずつ設置する予定としています。
 災害級の暑さに備えるため、未設置の学校に一気にエアコンを設置できるよう、できるだけ計画を前倒しし、柔軟かつ、スピード感を持って取り組むことが必要と思いますが、いかがか伺います。

 質問の第2は、避難所の備えの認識と、札幌市避難場所基本計画の見直しについてです。
 これまで本市は、冬の災害に備え、体育館の暖房など避難所や避難物資の充実を図ってきたところです。アクションプラン2023では、新規事業とされている「避難場所整備事業」で、冬季や停電発生時における避難所運営を踏まえ、基幹指定避難所のインフラ強化等を実施するものとなっています。
 しかし、今夏の異常気象は、冬季と同様に猛暑の備えも必要であることを明らかにしました。
 道外では猛暑対策として、移動式のスポットクーラーを避難所である体育館に数台ずつ設置している自治体がありますが、震災はいつ来るかわかりませんので、本市も早急に猛暑対策を加えた検討を始めなければなりませんが、その認識はおありか伺います。
 異常気象やコロナウイルス感染症を経験して、避難所の生活環境の充実がいっそう求められると考えます。札幌市避難場所基本計画の見直しが必要と思いますが、いかがか伺います。

 次は、新型コロナウイルス感染症対策についてです。
 質問の第1は、感染状況と今後の対応についてです。
 今年5月8日、政府は新型コロナウイルスを、感染症法の5類と位置付けました。それに伴い、医療体制や検査、診療報酬や医療費・治療薬の患者窓口負担などを大幅に変更し、流行状況の把握は、指定した医療機関に週1回報告してもらう「定点把握」に変更しました。
 5類移行後、感染状況は全国的に拡大傾向となり、病院の満床状態や、119番への電話がつながらない事態などが報じられました。本市では、5月には1定点医療機関あたりの患者数が3人から4人程度でしたが、8月には20人程度と急速に拡大しました。8月は、コロナによる入院患者が400人前後となる日が続き、医療機関や介護施設等ではクラスターが相次ぎました。それにより、医療や介護サービスが提供できない事態もあったと、現場からの声が届いています。本市消防局のデータでも、コロナ感染やその疑いのある人からの出動要請が、昨年8月の2242件を上回る2359件でした。 市民からは「札幌の感染状況がわからない。どうなっているのか、どう対応したらいいのか」と、不安や感染対策に迷う声が多く寄せられています。
 5類移行後、本市のコロナ感染状況はどう変化していると分析されたのか、保健所は医療や介護現場にどのように対応してきたのか、ウイルス感染が心配される秋から冬に向け、どのように対処されるのか、具体的にお示しください。

 質問の第2は、無料検査の再開についてです。
 PCR等の検査は、感染の拡大を抑制・防止するために重要であり、我が党は、介護老人保健施設で発生したクラスターを繰り返さないため、無料で行うPCR検査や、スクリーニング検査の実施を繰り返し求めてきました。その後本市は、無料のPCR検査センターの設置や、介護施設への検査キットの送付、抗原検査キットの配布等を実施して、感染の波を抑えるよう努力してきたと承知しています。
 5類移行後もなお感染は拡大傾向であり、秋から冬の流行期にはさらに拡大することが懸念されます。市民がためらうことなく検査できるよう、本市が取組んでこられた無料PCR検査や抗原検査キットの無料配布を再開させ、流行・拡大を抑制する手立てを講じるべきだと考えますが、いかがお考えか、伺います。

 質問の第3は、民間医療機関との連携と市立札幌病院の役割についてです。
 5類移行後、9月7日までに、医療機関や介護施設のクラスター発生件数は112件にのぼり、うち半数が8月以降という拡大傾向が続きました。
 厚生労働省が9月15日に公表した、新たな新型コロナ感染症対応の方針は、10月以降の入院は、「重症者・中等症Ⅱ、感染拡大の状況に応じた対応」に限定し、保健所が一部関与して入院調整をおこなってきたものを、10月以降は、医療機関の間で入院調整をさらに促進し、病床確保料についても、5類移行後の半減に続き、2割削減します。
 来年4月からは、「通常の体制へ完全移行」「恒常的な感染症対応」に戻すという政府方針は、感染症病床を大幅に削減し新型コロナに対応できなかった教訓を踏まえているとは思えず、診療報酬の削減は、人的体制や防護体制を必要とする感染症病床の確保を困難にしかねません。
 本市は、秋から冬にかけての感染症対応で、医療機関と連携していくと思いますが、どのような入院の受け入れ体制を整備していくのか伺います。
 連携していくうえで重要な役割を果たす市立札幌病院が、感染症対応の病床を確保していく必要があると考えますが、どのように考えられているのか伺います。

 次は、働く若者への支援についてです。
 1990年代に起こったバブル崩壊以降、グローバル化の進展の中で市場競争が激化し、企業によるリストラ・人減らしが横行しました。さらに、政府による労働法制の規制緩和で雇用破壊が深刻になり、働く貧困層の抱える問題が、「派遣切り」「子どもの貧困」「ネットカフェ難民」などの形で、今もなお顕在化しています。

 質問の第1は、非正規雇用など働く若者の生活実態の受け止めについてです。
 2022年2月に総務省が発表した「労働力調査」によると、正規の職員・従業員は前年より1万人増えたのに対し、非正規の職員・従業員は、26万人増加しています。年齢階級別の非正規の職員・従業員の割合は、15歳~24歳が50.4%と前年より1.6ポイント上昇し、特に若年層の非正規労働者は20年前と比べて大幅に増えたままです。
 学業を終えて社会人になろうとする若者が、社会に出る最初から非正規で働いており、その人数は、決して少なくない実態であることが示されています。
 2021年の東洋経済オンライン「若者の貧困」特集では、早稲田大学の橋本健二教授の調査で、「コロナ禍が、若者の仕事に、より強く影響した」と、取り上げています。
 コロナによって勤務先が休業した人の比率は、20歳~39歳が16.8%で、40歳以上8.3%の2倍となっており、転職した若者は9%に対し、40歳以上は0.5%、副業を始めた人は若者4.8%に対し、40歳以上は2.6%との調査結果を示し、「若者たちは勤め先が休業するなどの影響を受け、転職や副業によって何とかしのいでいる」、「弱者がより大きな影響を被り、格差が拡大した」、と報じています。
 この「特集」ではさらに、「日々のお金に困るため、月給を日給制に変えてもらった」、「バイトアプリをダウンロードして日雇いの仕事を探した」、「家賃や水光熱費のやりくりを考えるのがつらいので、ネットカフェ暮らしになった」など、その日暮らしの苦しい生活をリアルに報じています。
 10月から、北海道の最低賃金は、時給920円から960円になりますが、週5日フルタイムで働いても年収200万円になりません。親と同居できない場合は、食費や医療費等を減らさざるを得ず、厳しい生活を余儀なくされています。
 市内の青年団体による2022年アンケートでも、「どれだけ生活を切り詰めても一日に必要な栄養を補えたことは一度もない」、「体調が悪くても医療費がこわくて病院に行けない」との切実な声が書かれ、給料があがったらやりたいことは「美容室や病院に行きたい」「リースでいいから車を持ちたい」など、安定した生活への願いがあらわれていました。
 本市は、非正規雇用を余儀なくされる状況や、このような働く若者の生活実態を、どう受け止めておられるのか、伺います。

 質問の第2は、若者支援施策における利用者の声と今後の取組についてです。
 働く若者は、社会に出て就労はしているものの、低賃金・非正規労働・不安定雇用のために、将来を見通した生活が難しい状況です。これまでの、「自立して生活するほどの収入がない場合には家族が支える」という、かつてあった家族の関係は崩れ、親自身が疾病や貧困を抱えていることが少なくありません。
 非正規就労の場合、皆保険であるはずの年金や健康保険には加入できない場合も多く、高い国保や国民年金の保険料を支払うことになり、その負担ができなければ、サービスを受けることすらできません。今は健康でも、生活するために長時間労働・ダブルワークをせざるを得ず、身体的・精神的に健康を害して就労ができなくなるのではないかというリスクを常に抱えています。
 正規職員として就職できた若者も、成果主義原理による競争で即戦力を求められ、過重なノルマと達成度による厳しい評価や査定が行われ、その達成のために「超」長時間労働、休日出勤を強いられ、就職早々、過労死予備軍となる実態です。かつては職場にあった労働組合活動による職場会議などが奪われ、職場環境について本音で話す場も、時間も作ることができません。学業のために奨学金などを借りていれば、初任給から毎月1~2万を返済し、それが約15年も続くなど、スタートから重いローンを背負った社会人になるのです。
 正規職員として就職した若者も、非正規労働の若者も、常に追い詰められるというリスクを背負っていると考えます。精神疾患・過労自殺・失業などと隣り合わせ、というリスクは、本市が支援しているニートやひきこもりを抱えている若者と同じ状況といえるのではないでしょうか。
 本市では、2020年に「第4次子ども未来プラン」を策定し、「基本目標3」に「子どもと若者の成長と自立を支える環境の充実」を掲げて、「ひきこもりなどの困難を有する若者が社会的に自立できる環境の充実を図」るとして、ひきこもり支援センターにおける相談や、フリースクールなどへの補助を実施してきました。
 また、札幌市生活就労支援センター「ステップ」では、仕事や生活に困りごとを抱えている方のための相談を、若者総合支援センターでは、若者向け相談や居場所の提供などを行っています。
 本市が行ってきた、若者支援の施策において、利用された方からどのような声が寄せられているのか伺います。
 また、現在利用につながっていない方に対する周知も含めて、今後どのように取り組んでいくお考えか、伺います。

 次に、学校給食費の公費負担拡大についてです。
 質問の第1は、秋元市長の公約についてです。
 市長は先の選挙で、学校給食費への公費負担をさらに拡大することを公約に掲げました。ここでいう「公費負担の拡大」とは、これまでのように、物価高騰における食材費への助成などで「保護者に今以上の負担をさせない」というものなのか、「保護者の負担を軽減するための拡大」とお考えなのか伺います。

 質問の第2は、保護者の負担軽減の検討についてです。
 文部科学省の調べで、保護者の負担軽減を実施している、または予定している自治体は83%にのぼっています。
 第2回定例会のわが党の「学校給食費無償化の検討はされないのか」との質問に、教育長から「就学援助制度等において支援を行ってきたところである。負担軽減については、必要に応じて関係部局と協議していく」旨の答弁がありました。
 本来、義務教育無償の原則に照らせば、給食は子どもたちの身体と心、いのちと健康を育む教育的営みです。無償化の対象を、就学援助制度等を受給する世帯に限定するものではありません。
 すべての子育て世帯の支援策として、学校給食費の負担軽減を検討すべきと思いますが、いかがか伺います。

 最後に、大通及びその周辺のまちづくりについてです。
 本市は、「第2次都心まちづくり計画」に基づき、大通及びその周辺を「はぐくみの軸」として、骨格軸のひとつに位置づけています。このたび、このエリアの将来像や取組の方向を明確にし、展開するために、強化方針を策定しようとしています。
 このエリアは、札幌の中心部であると同時に、ビジネスや観光で訪れる人が多く、地元の市民が北国らしいライフスタイルを送っている姿を、来訪者が「北海道・札幌らしさ」として感じながら過ごすエリアとなっており、その大きな要素が、「緑や自然が豊かで広大だ」と感じられる空間だと考えます。また、道庁赤レンガ、札幌時計台、旧札幌控訴院庁舎など歴史を語る建築物を保存し、まちづくりにいかすことは、他府県と比べて歴史の浅い北海道・札幌にとって重要です。

 質問の第1は、周辺の新たな建築物への規制についてです。
 本市は、札幌駅周辺の再開発の際に、現状の建築物を、制限緩和によって、より高層の建築物にすることを誘導し、北5西1、西2街区では、地上43階、245メートルの建築計画で、38階建て地上173メートルのJRタワーよりさらに高い高層建築物を計画しました。道内で初めて百貨店が建てられた6階建ての「五番館」あとの北4西3地区では、地上31階、170メートルの建築物が建てられようとしています。大通西4地区では、これまで容積率800%だったところを、周辺環境に考慮し公共貢献した、として、1650%の容積率へと緩和し、12階建てから34階建ての地上185メートルへ、テレビ塔よりも高い建築物が作られる計画です。「周辺環境に調和させる」という説明は、周辺の高い建物と高さを合わせることであり、このままだと、開発のたびに高層建築物が作られ続けることになります。
 2018年に本市が実施した、みどりに関する市民アンケートでは、札幌の原風景として思い描くものとして、「手稲山や藻岩山など山並みの見える風景」と答えた市民が69%と一位になっています。建築物の高層化は、市民の原風景を奪うことになり、街を歩いて空を見上げても、山並みも広さも感じることができません。
 それは、札幌が誇る、豊かで広大な自然が感じられなくなることであり、本市の最大の魅力を失うことになるのではないでしょうか。大通やその周辺を、レガシーを生かした次の100年も魅力あるまちにするために、容積率の規制緩和で高層建築物を許容する、というこれまでの方針を根本から見直すべきです。
 はぐくみの軸は、時計台や旧札幌控訴院庁舎など、札幌の歴史や文化を象徴するまちの重要な資源がどこからでも見えるようなエリアにし、自然や緑が豊かで広大だと誰もが感じるために、周辺の新たな建築物を、現状より高いものにしない、という方針を持つべきだと考えますが、いかがか、伺います。

 質問の第2は、豊平川までの緑の連続性についてです。
 現在、はぐくみの軸強化方針と併せて、「都心のみどりづくり方針」が、作られようとしています。
 本市の都心部がみどりに被われている率、いわゆる緑被率は、市街化区域が21.57%なのに対し、都心部は13.45%と大きな開きがあります。東京23区全体の平均17.4%と比較しても少なく、本市が誇る「ゆたかな自然」」は、都心部では感じにくい数値となっている現状です。
 2018年度の市民アンケート等では、「都心のみどりが少なく、心がさびれる」、「みどりを増やしてほしい」など、本市の緑化施策に満足していない市民の声が多く出されています。これに対し本市は、再開発の際に、建築物の一部や、歩道との空間に緑のある公共空間等を作るなどして緑を確保してきましたが、都心部の緑被率は微増にとどまり、まとまったみどりの空間の創出は進んでいないと言わざるを得ません。
 はぐくみの軸を強化する検討にあたり、大通公園の東側、いわゆる創成イーストは、東8丁目の先につながる豊平川緑地までを連続した緑でつなげることとあわせ、そのボリュームを大幅に増やし、まとまった空間として都心のみどりを創出すべきだと考えますが、いかがか、伺います。

 以上で、わたくしの質問のすべてを終わります。ご清聴ありがとうございました。

 

秋元市長 答弁

 全体で7項目にわたりご質問をいただきました。私からは、大きな1項目め私の政治姿勢について、2項目目の2030年札幌冬季オリンピック・パラリンピック招致について、6項目目の学校給食費の公費負担拡大についてお答えをさせていただきます。その余のご質問に対しましては、担当の町田副市長、天野副市長、教育長からお答えをさせていただきます。
 私の政治姿勢についてのまず1点目の燃油価格対策についてお答えをいたします。昨年実施をいたしました、「電力・ガス・食料品等価格高騰緊急支援給付金」につきましては、使途を限定しない現金給付として行ったことから、燃油価格高騰の影響など、様々な困難に直面されている方々への幅広い生活支援に繋がったものと考えております。冬季の札幌において、灯油価格の高騰が市民生活に大きな影響を及ぼすことは十分に認識をしており、国が実施をしております燃油価格の抑制策の実施状況や効果も注視しながら、引き続き必要な対策を講じるよう国に対して要請してまいりたいと考えております。
 次に2点目のマイナ保険証についてお答えをいたします。まず、現行保険証の原則廃止の方針についてでありますが、全国的に発生をしたマイナンバーカードに係る様々なトラブルを受け、国において、8月にマイナンバー制度およびマイナンバーカードに対する信頼確保に向けた対応を「政策パッケージ」として取りまとめたところであります。具体的には、紐付けの総点検とともに、再発防止対策として、マイナンバー登録に係る横断的なガイドラインの策定や定期的なシステムチェックの導入などが示されており、札幌市といたしましては、現行保険証の廃止方針を見直しを国に求めることは考えておりません。
 次にデメリットと選択権についてでありますが、医療情報の共有は、マイナンバーによる確実な本人確認と本人同意が前提でありますし、医療機関におきましても、個人情報保護法や厚生労働省のガイドライン等により適切に情報管理がなされるものと認識をしております。また現在、国において、マイナ保険証を持たない方への対応について検討を進められており、カードを持たないことや、保険証利用申し込みをしていないことにより、保険診療が受けられなくなるということはないと認識をしております。
 次に3点目のグリーントランスフォーメーション(GX)関連の取り組みについてお答えをいたします。まず GX投資の対象についてであります。北海道におきましては、次世代半導体製造拠点の立地や洋上風力の有望5区域の選定など、GX産業の集積に向けた様々な取り組みが動き始めているところであります。こうした動きを踏まえ、国内随一の潜在力を有する北海道の再生可能エネルギーを活用する上で必要であるとともに、また、関連投資を呼び込む上でも有望な8つの分野をGXプロジェクトとして掲げ、取り組みを進めているところであります。
 次に、GX投資と原発についてでありますが、原子力発電については、省エネの推進や、再生可能エネルギーの拡大を図っていく中で、可能な限り依存度を低減していくということが重要だと考えております。そこで、8つのGXプロジェクトを集中的に推進をし、GX産業の集積とこれを支える金融機能の強化集積を両輪で進めることで、GX投資の拡大に繋げてまいりたいと考えております。
 次に再エネの需給についてであります。次世代半導体の国産化を目指すラピダス社が工場建設地に北海道を選んだ理由の一つとして、再生可能エネルギーが豊富であるということを挙げられております。さらに本年5月には、再生可能エネルギー等の脱炭素電源の活用ポテンシャルが高いことなどを理由に、北海道が東京圏、大阪圏を補完・代替するデータ等のデータセンター等のデジタルインフラの中核拠点に位置付けられたところであります。こうしたことを背景に、再生可能エネルギーを利用する産業の集積、企業進出については今後も期待が持てるものと認識をしているところであります。
 次に4点目の、自衛隊への個人情報提供の中止についてお答えをいたします。自衛隊への個人情報提供につきましては、自衛隊の持つ公益的な役割を考慮し、関係法令に基づき適切に対応しているところであります。今後も自衛隊から同様の依頼があった場合には、情報提供を望まない方について、除外申請を受け付けることによって、丁寧に対応してまいりますとともに、こうした取り組みについて、継続的に周知を行うことで、一層の市民の理解促進に努めてまいりたいと考えております。
 次に大きな2項目目の2030年札幌冬季オリンピック・パラリンピック招致についてお答えをいたします。まず、大会運営費についてであります。大会運営費については、招致決定後に設立される組織委員会において、大会開催の直前まで、スポンサー収入等の状況を踏まえながら、随時、大会の規模、仕様などの精査・見直しが行われるものと認識をしております。予算の検討状況については、定期的に市民に説明・周知していく必要があると考えているところであります。また大会運営費の内訳についてでありますが、予備費の200億から400億円、これを除きまして、オリンピックが1,750億円、パラリンピックが250億円と試算をしているところであります。
 次に、IOCとの対等な関係の構築についてであります。大会運営を担う組織委員会は、大きな社会的影響力を持つ公共的な団体であり、公益性も高いことから、市民や社会から信頼を得るためには、所有する情報を積極的に公開することが重要であると認識をしております。従いまして、開催地契約など、IOCが関係する情報についても、可能な限り公開できるよう、IOCとの対等な立場での協議に努めてまいりたいと考えております。
 次に招致が決まる前の市民の意向確認についてでありますが、大会招致を進めていくに当たりましては、市民の意向を確認した上で、招致を目指すということを私の公約としております。IOCが開催地を決定する前に、改めて民意の確認を行う考えであります。現在、市民対話事業に取り組んでいるところでありますが、今後も大会運営見直し案の検討と併せて、一層の市民理解の促進に努めた上で、民意の確認を行いたいと考えており、その手法についても、市民の意向の的確な把握や、市民参加のあり方などの観点から、引き続き検討を進めてまいりたいと考えております。
 次に6項目めの学校給食費の公費負担拡大についてお答えをいたします。私の公約についてと、保護者の負担軽減の検討について、というご質問でございました。あわせてお答えをさせていただきます。公約で掲げた「学校給食費への公費負担の更なる拡大」につきまして、アクションプラン2023を策定する過程において、子育て支援の拡充策の一つとして検討してきたところでありますが、多額の財政負担を要することから、この夏の猛暑を踏まえ、学校施設への冷房設備の導入を優先する判断をしたところであります。学校給食費につきましても物価が高騰している状況も踏まえ、公費負担により、引き続き保護者負担が増えないように対応していきたいと考えております。また国においても、給食の無償化に関する課題の整理を行っている状況でありますことから、国の動向や市の財源の状況を見据えながら、引き続き検討してまいりたいと考えております。私からは以上です。

町田副市長 答弁

 私からは、大きな3項目目、猛暑に対する備えについての2点目、避難所の備えの認識と、札幌市避難場所基本計画の見直しについてのご質問、そして大きな4項目目、新型コロナウイルス感染症対策について、そして大きな5項目目、働く若者への支援についてのご質問にお答え申し上げます。
 まず大きな3項目目の2点目、避難所の備えの認識と札幌市避難場所基本計画の見直しについてでございますが、そのうち猛暑対策を加えた検討についてでございますが、近年の気象状況の大きな変化や新興感染症の発生など、避難所においては様々な状況を想定した対策が必要であると認識するところでございます。
 札幌市避難場所基本計画の見直しについてでございますが、現行の計画には、避難者の健康管理対策についても盛り込まれておりますことから、引き続き避難所の良好な生活環境の確保に努めてまいりたいと考えるところでございます。
 次大きな4項目目、新型コロナウイルス感染症対策についての1点目、感染状況と今後の対応についてでございますが、定点報告によりますと、新型コロナウイルス留守の陽性者報告数は夏場にかけて増加し、依然として高めの大値を示しているものの、直近では減少の兆しも見られるところでございます。この間札幌市では高齢者施設等が行う感染対策への支援を継続して行ってきているところでございます。引き続き外来対応医療機関の拡充に努めるとともに、コールセンター等での相談体制を継続する他、ホームページを通じて、市内の感染状況や療養に関する情報等をわかりやすく提供し、市民の皆様の不安解消に努めてまいります。
 2点目、無料検査の再開についてのご質問でございますが、5類感染症への移行に伴い、他の疾病との公平性を踏まえて全国一律で検査費用の公費支援が終了したところでございます。発熱等は新型コロナウイルス感染症に限った症状ではないため、他の疾病と同様に、ご自身の体調や重症化リスクに応じて、受診の要否をご判断いただき、医師による適切な検査診断治療等を受けていただくことが大切でございます。そのため行政の役割として、例えばセルフケアの考え方などその判断に資する情報の発信に努め、今後の感染拡大時に備えてまいりたいと考えるところでございます。
 次3点目、民間医療機関との連携と市立札幌病院の役割についてのご質問でございますが、基本的には他の疾病と区別することなく確保病床によらない形で、幅広く医療機関が新型コロナウイルス感染症患者を受け入れる体制に移行する必要があると考えるところでございます。一方で今後の感染拡大を見据え、入院治療が必要な患者の受け入れを適切に行うため、市立札幌病院も含めた医療機関と連携し、感染状況に応じて、重症や中等症患者のための病床を確保するなど受け入れ体制を整備してまいります。
 次、大きな5項目目、働く若者への支援についてでございますがそのうち1点目、非正規雇用など働く若者の生活実態の受け止めについてでございますが、全国的に非正規雇用で働く若者の中には、正規雇用の仕事がないため不本意にして非正規雇用で働き、将来にわたる展望を描けずに生活している方もいるものと受けとめており、札幌市としても独自に、そうした若者の正社員就職支援などに取り組んでいるところでございます。
 2点目、若者支援施策における利用者の声と今後の取り組みについてでございますが、これまでに自立支援プログラムなどを利用した方々からは、「相談や対人トレーニング、職場実習など、自分の状況に合わせた支援を段階的に受けることができてよかった」という声が寄せられているところでございます。今後もSNSを活用したプッシュ型の情報発信など、丁寧な広報に努めるとともに、若者の不安や悩みに寄り添いながら、社会的な自立に向けた支援に取り組んでまいりたいと考えております。私から以上でございます。

天野副市長 答弁

 私からは、大きな7項目目、大通およびその周辺のまちづくりについてお答えをいたします。まず1点目の、周辺の新たな建築物への規制についてでございます。札幌の魅力と活力の向上先導すべき都市のうち、大通およびその周辺では、道内全体の業務機能の集積地として、経済活動を支える高度利用のニーズと、このエリアの特徴を踏まえた良好なまちなみ形成との両立を図ることが重要でございます。そのため大通公園や歴史的建造物などから、建物をセットバックさせ、居心地の良いみどり化空間を創出するとともに、隣接建物を含めた周辺環境に応じた適切な高さやデザインに配慮し、良質な開発を連鎖的に誘導することで、都市の骨格軸としての魅力を高めてまいりたいと考えております。
 次に豊平川までのみどりの連続性についてでございます。現在策定を進めている都心のみどりづくり方針では、基本方針の一つに、民間開発等との連携による魅力的なみどりの空間の創出を位置づけているところでございます。はぐくみの軸の東側を含む創成イーストエリアにおいても、民間開発が活発化してきていることから、こうした機会を捉え、質の高いみどりの空間の創出を誘導してまいりたいと考えております。私は以上でございます。

檜田教育長 答弁

 私からは大きな3項目目、猛暑に対する備えについての1点目、学校のエアコン設置についてお答えをいたします。エアコン整備につきましては、普通教室など約6,000室分の機器を一度に調達することは難しく、また電気容量の増強等を受託できる業者にも限りがあることから、全ての学校を一斉に整備することは、困難であるというふうに認識をしております。このため、従来の発注方法に加えまして、設計および工事を一括で発注するなど、スピード感を持って整備を進めてまいります。以上でございます。

太田議員 再質問

 私から再質問させていただきます。1つ、働く若者の支援についてのところでは、質問はしませんけれども、正社員就職支援を本市も行っているという答弁がありました。私もよくわかっているんですけれども、本市が今後も社会的自立に向けて取り組んでいくということでありましたけれども、各局でそういう若い方たち、取りこぼしのないように連携をしてやってくださっているということも承知はしているんです。しかし今の若者支援の枠では、いよいよ生活ができなくなったから、生活保護というときには保健福祉局です、そして失業したというときには雇用労働課(経済観光局)なんです、引きこもりになったというときは子ども未来局なんですよね。今日お話したのは、働いているんだけれども大変なんだと、将来の展望が見えないんだと、そういう方たちがたくさんいますよ、と。ですから、これまでの枠組みでは、支援から外れる層がいるんだということへの問題提起のつもりで、代表質問を行いました。これらも視野に入れた部局の連携を強めていただきたいということを申し上げます。
 再質問は2つです。燃料価格対策についてと、オリンピックについて伺います。この燃油価格対策についてですが、昨年行いました住民税非課税世帯に対して行った支援給付金、この効果はあったと、生活の支援に繋がったんだという答弁をいただきました。しかし、札幌市独自の支援策というところでは、国の燃油価格の調整額などを見ていくと、国にも要請したいという答弁だったと思います。今、市民の皆さんは冬に向かって灯油代の心配をとてもしています。容赦なく高騰しておりますし、暖房は節約しようにも限度があります。昨年の冬よりももっと大変な状況です。もう待ったなしの切羽詰まった状況である、と言ってもいいと思います。
 この度のこの議会での決算を見ましたけれども、国からの臨時交付金の残額が1.8億円ほど、来年度への繰越金が31億円ほどあります。もちろん、札幌市としては予定している使途はあるんでしょうけれども、まず市民への燃油高騰支援策に優先して使っていただきたい、と。国から来る燃油価格の調整額ですとか、もしくはこれから国の経済対策などもあると思いますけれども、それが来てからという段階ではないということで、改めて伺いますが、本市独自の燃油高騰への支援策を求めます。いかがかお答えください。
 もう1つは、冬季オリパラの市民の意向調査についてです。IOCの決定前に、確認をするということをおっしゃいました。パリの五輪は2024年の7月末から開催ですから、そうしますとその前ということであれば、遅くとも来年の春には市民の意向の確認を終えていると、そういう必要があるのではないかと思いましたけれども、いつなのかということを具体的にお聞きしましたが、そこへの答弁はありませんでした。そして、市民理解の促進に努めて、IOCが決定する前に調査するということでありましたけれども、手法は検討しているということでした。市民理解が促進されて、そして意向調査をするんだというふうにも聞こえます。この間、本市が行ってきた市民対話などは、市民の様々な意見を聞いて、札幌市が判断していくんだと、そのために開催してきたものだと認識しておりますけれども、市民に理解をしてもらうためのものなのかと、そういうこともちょっと思ったわけです。
 そこで、この質問についてでありますけれども、意向調査による、どういう結果が出るかということもあるんですけれども、国、JOCは、今札幌を候補地として決めています。しかし、地元の札幌が招致をやめるんだと言えば、やめることはできるのか、本市の決断でできるのかどうかをお聞きしたいと思います。以上2点、ご答弁ください。

秋元市長 答弁

 2点再質問をいただきました。まず1点目の燃油価格の高騰への対応ということでございます。燃油価格等につきましては先ほどもご答弁申し上げましたように、国において、この価格の上昇ということに多額の補助金を入れている、そういった政策をとっているところであります。燃油価格の高騰も含めて、物価高騰対策については、国あるいは北海道との役割分担をしっかりと果たしながら、札幌としての独自の対策を引き続き検討してまいりたいと考えております。
 オリンピック・パラリンピックの招致に関しましては、これまでも申し上げておりますように市民の理解支持、これをまず多く、いただいていくということが重要であります。東京大会での様々な不祥事などについての見直し案ということも今検討を進め、まもなくこれらも公表をさせていただきたいというふうに思っております。そういったことも含めて、引き続き市民との対話を進めていきたい、その上で、しかるべき時期に意向の確認等を行っていきたいと、このように考えております。以上です。

太田議員 再々質問

 今の再質問で伺ったのは、本市が決断できるのかと、招致をやめるという決断を札幌市ができるのかということを伺いました。招致を見送るという判断ができるんだという捉えでいいのかどうか、見送る判断もあるのかということをお聞きしたいと思います。

秋元市長 答弁

 引き続き、市民の御理解を進めるべく、様々な取り組みを進めてまいります。以上であります。