私は、日本共産党を代表して、ただいま議題となっております、議案30件中、議案第1号、第2号、第8号、第18号、第19号、第21号、第23号の7件に反対、残余の議案23件には賛成の立場で、討論を行います。

 議案第2号 国民健康保険会計補正予算についてです。
 この補正予算は、今年5月15日、「医療保険制度の適正かつ効率的な運営を図るための健康保険法等の一部を改正する法律」の成立に伴い、保険資格のオンライン確認制度を導入するための国保システムの改修業務について、債務負担行為を設定するためのものです。
 この法改正は、マイナンバーカードの普及率が相変わらず13%と低いことから、国保における普及拡大を狙ったものです。
 本市は、「患者本人や医療機関等において、特定健診データや薬剤情報等の閲覧が可能となる」として、「世帯単位の国保番号とは別に、個人を識別するための『枝番』を新たに追加」すると説明しています。
 これまで、「保険の種類」、「限度額」、「期限」などが外部システムへの連携情報でしたが、今回のオンライン資格確認制度によってさらに、患者個人の病歴、疾患、投薬、検査など守られるべき私的な情報をビッグデータにつなげることになります。
 そもそも医療機関等では、現在の国民健康保険証で資格確認はすでに行っており、マイナンバーカードを使う必要性はありません。
 厚生労働省保健局は「医療保険制度の適正かつ効率的な運営を図るための健康保険法等の一部を改正する法律の成立について」の資料の中で、「国が保有する医療・介護分野のビッグデータについて、自治体・研究者、民間事業者の幅広い主体に対して情報を提供できることを法律上明確化する」と明記しており、機微な個人情報を含む医療や介護の情報をビッグデータに連結し、民間企業に開放するためのものであることは明らかです。
 今や匿名加工情報であっても、さまざまな情報を結びつけることで個人が特定される時代です。また、情報提供を拒否できず、集約された情報は削除されることはありません。
 さらに、今後もシステム改修などに莫大な費用がかかり続けること、情報の秘匿性を維持しようとすれば特定のIT関連の大企業が長く受注し続けること、などの問題を生じることは必然です。
 我が党は、これまでもマイナンバー制度の導入に強く反対してきましたが、今回の国民健康保険のオンライン資格確認制度は、さらなる情報を集約し、その漏えいや国民監視につながるものであり、とうてい容認できません。

 議案第8号 特別職の職員の給与に関する条例の一部を改正する条例案に反対する理由は、札幌市人事委員会勧告による一般職の給与改定に伴い、市長や市議会議員などの特別職の期末手当の支給月数を0.05カ月引き上げるからです。
 特別職給与を一般職に準じさせる法的な根拠はなく、市民の理解が得られるものではありません。
 また、議案第1号 一般会計補正予算(第4号)は、議案第8号の補正が含まれているため、反対です。

 議案第18号「子ども子育て支援法施行条例の一部を改正する条例案」は、子ども子育て支援法の一部改正に伴い、食事の提供に要する費用の取り扱いを変更するものです。
 これまで本市は、保育料の設定にあたり、世帯ごとの市民税額、市民税所得割額を基本に階層に区分するという、所得に応じた保育料を基本にしてきました。
 このたびの副食費は、所得に応じることなく、保育を必要とする各世帯から徴収することとなるため、本市が「年収360万円未満相当」は「徴収できない」とした世帯を除く、年収361万円から369万円相当、これまでの「保育料D1階層」世帯の第2子の副食費が、所得に応じて支払っていた保育料よりも高くなります。
 現在入所している世帯に差額の補助を行うとはいえ、今後新たに入所する当該世帯の所得に応じるしくみではありません。「子育て支援」という目的で保育の無償化が進められてきたことに照らし、当該年収世帯の第2子副食費を、かつての保育料と同額となるような本市の独自制度を設けるべきであり、反対です。

 議案第19号「札幌市老人・身体障害者福祉施設条例の一部を改正する条例案」に反対する理由についてです。
 本市は、唯一の公的施設である「屯田西老人デイサービスセンター」を、通所介護事業施設が増加していること、大規模な改修工事の必要性があることを理由に、2020年3月で廃止するとしています。
 説明資料には、「運営を続ける必要性は低く」と記載されていますが、本市の高齢化は進み、屯田地域でも介護サービスを必要とする高齢者は今後増える見込みであり、その判断の根拠は不明瞭です。また、「修繕等を公費で負担してまで、屯田西センターを維持することの意義はない」との記載に至っては、廃止ありきで話が進められていたと受け止めざるを得ません。
 公的施設を維持するためには、改築や大規模改修を見通し、計画を立て、その財政を確保することは当然であり、改修に必要とされる1億3,000万円を支出し、公的施設を維持すべきです。
 本施設は、市営屯田西団地と隣接しており、集会所との合築であることから、福祉施設などと連携した市営住宅の目的外使用のモデルケースになりうる場所です。高齢化の進展に相応しい取り組みとして、こうした可能性をいかし、公的施設として役割を発揮するよう求めるものです。

 議案第21号 市営住宅条例の一部を改正する条例案は、借上市営住宅であるシビックコート苗穂駅前及びMILD発寒の2団地について、賃貸借契約期間の満了に伴い、用途廃止するというものです。
 このことにより、市営住宅は59戸減ることになります。本市の住宅総戸数のうち、市営住宅が占める割合は、政令市平均より低く、応募倍率は、依然高く、とくに、借上市営住宅は、比較的新しく、交通の利便性が良く、全てにエレベーターが設置されていることから、応募倍率が高くなっています。
 本市は「住宅マスタープラン2018」により、今後11年間で借上市営住宅1,178戸をすべて廃止する計画で、その第一歩となる2団地の廃止には反対です。

 議案第23号 札幌市立学校教育職員特殊勤務手当条例の一部を改正する条例案は、国における義務教育費国庫負担金の部活動指導業務にかかる手当額の見直しに伴って、本市の教員特殊業務手当額を、これまで4時間以上従事した場合3,600円だったものを、3時間以上従事した場合2,700円へと引き下げるものです。
 このたびの見直しは部活動指導にあたる、より多くの教員に支給される可能性がある一方で、練習試合や大会、合宿など、長時間に及ぶ指導にあたる教員にとっては、支給額が減らされることになります。
 その影響額について、本市は「8,900万円程度削減される見込み」としており、手当額の引き下げとなることから反対です。

 最後に、議案第32号 札幌市一般会計補正予算(第5号)について一言申し述べます。
 この補正予算は、東京2020オリンピックのマラソン及び競歩が札幌開催されることに伴い、コースとなる道路の舗装等に係る工事について、早期に発注する必要があるために、債務負担行為を設定するものです。
 舗装工事に伴う、交通規制については、「沿道住民や一般道路利用者への影響を必要最小限にとどめる」と答弁されたように、市民生活に配慮するようにすべきです。

 以上で、私の討論を終わります。