私は、日本共産党を代表して、市政の重要問題について順次質問いたします。

 はじめに、市長の政治姿勢についてです。
 質問の第1は、新型コロナウイルス対策についてです。
 1点目は、情報提供と感染予防についてです。
 本市は、市民の不安軽減や適切な医療機関への受診案内、感染拡大時の対応などを行うため、電話相談窓口を設置しました。25日には本市で7人目の感染者が確認され、感染経路や感染力が不明なこと、特効薬がないことから感染拡大に不安が広がっています。不安解消と感染拡大の防止のためにも、衛生管理の市民への周知徹底、医療機関への万全の対応が求められます。正確な情報提供と保育所、幼稚園、学校、福祉施設の感染予防対策が急がれますが、具体的にどのように取り組むのか、伺います。
 2点目は、災害用備蓄物資についてです。
 本市では避難所に配備される「備蓄物資」にマスクが含まれていません。内閣府は2013年8月の「避難所における良好な生活環境の確保に向けた取組指針」で「避難所の感染症予防のため、マスクや手指消毒液等を備蓄しておくことが望ましい」と奨励しており、同じ政令市の千葉市では、マスクを配備しています。本市は、避難所用の備蓄物資にマスクや手指消毒液を配備し、災害時だけではなく感染拡大などの場合、緊急に提供することも含めて検討すべきと考えますがいかがか、伺います。

 質問の第2は、2020年度予算案についてです。
 2020年度の一般会計予算案は、2期目となる秋元市長の本格予算で、前年度比0.7%増の1兆295億円、予算規模は過去最大となります。
 市長は、予算案について「誰もが安心して暮らし生涯現役として輝き続ける街」「世界都市としての魅力と活力を創造し続ける街」の実現をめざし、都市の強靭化や子どもの見守り体制の拡充、経済の活性化などを重点に取り組むと述べています。
 1点目は、都心再開発と地元商店街の現状についてです。
 市長は、「アクションプラン2019」で、今後の「財政運営の方針」として、「都市の魅力や活力の創造に向けた積極的な財政運営」を強調しています。
 予算案では、南2西3地区や北8西1地区の都心再開発などに38億2,400万円の補助金や、新幹線の札幌延伸に向けた北5西1・西2地区の再開発をすすめる札幌駅交流拠点づくり推進費3億3,300万円が計上されています。本市が主導する都心部の再開発事業は目白押しで、さらに大通東1街区やMICE施設の建設など、積極的な財政投入が計画されています。
 市長は、観光振興のためにも都市のリニューアルが必要といいますが、その一方で、郊外住宅地などでは商店やスーパーが廃業、撤退し、高齢化がすすむもとで買い物弱者が増大するなど深刻な状況になっています。
 国の規制緩和による大型店の出店で、多くの地元商店街のにぎわいは失われています。安倍政権による消費税10%への引き上げは、これにさらに追い打ちをかけ、中小・零細業者の経営を圧迫しています。
 「都心開発ばかり進んで地域が取り残されている」という商店街振興組合理事長の声が北海道新聞に報じられましたが、市長は、この地元商店街の声をどのように受け止めているのか、伺います。また、都心部の開発に偏重したまちづくりは、極めてバランスに欠いていると考えますが、いかがか伺います。
 2点目は、公共施設や老朽インフラの更新、耐震化についてです。
 本市の公共施設や老朽インフラの更新、耐震化は待ったなしの課題となっています。すでに築30年以上が経過した公共施設は全体の6割を占め、いっせいに更新時期を迎えようとしています。
 これらの更新や改修にかかる費用は、本市の試算によると、施設の耐用年数にもとづいて計算した場合、ピークとなる2024年から2028年の5年間で、実に1兆1,787億円に達し、年平均2,357億円にもなるといいます。
 今後、高齢化や人口減少による税収の低下は避けられません。こうしたなか、不要・不急の大型開発はもとより都心部の再開発を前のめりですすめることは問題であり、喫緊の課題となっている公共施設や老朽インフラの更新・耐震化にこそ最優先で予算を配分すべきだと考えますがいかがか伺います。
 この点で、水道配水管の耐震化の遅れは極めて問題です。震災をうけて改定された本市の強靭化計画では、配水幹線の耐震化率を現状の40.8%から4年後に42.2%にする目標で、震災前の計画とまったく変わっていません。また、一般家庭につながる枝線については80年かけて耐震化する計画です。市民生活にとって重要なライフラインである水道配水管の耐震化を急ぐべきだと考えますがいかがですか、伺います。
 本市が策定した「札幌市市有建築物及びインフラ施設等の管理に関する基本的な方針」は、人口減少を見込んだ公共施設の縮小を前提にして、改修や更新を50年間で「平準化」し、その費用を抑制するというものです。このなかで、小中学校と市営住宅の延べ床面積を50年後までに25%、実に4分の1を削減すると試算しています。将来の人口減少の推計にもとづく施設面積を算出したといいますが、極めて機械的であり、公共施設の削減ありきで財政支出を抑えようというもので問題だと考えますがいかがか伺います。
 3点目は、再生可能エネルギーの導入・拡大についてです。
 地球温暖化を防止する取り組みは、人類の死活にかかわる緊急課題であり、わが党は、先の第4回定例会の代表質問でこの問題を取り上げました。
 この中で、本市が掲げる目標に対して、温室効果ガス排出量は、減るどころか逆に279万t増加し、再生可能エネルギーの導入についても、目標値から大きく立ち遅れている現状をただしました。答弁では、「目標の達成に向けては、更なる努力が必要だと認識している」とのことでした。
 しかし、新年度予算案では、エネルギー対策費が前年の3億5,472万円から1億9,900万円に、約1億5,000万円の減額となっています。このなかで、太陽光パネルの導入などを促進する札幌エネルギーエコプロジェクト補助金が、市民向けで約1億2,230万円、中小企業・マンション管理組合向けでは6,000万円と、合せて1億8,230万円が削減されています。
 本市の太陽光発電の導入状況は、2017年度で5.2万kwと、2022年度の41.9万kwという目標に対しわずか8分の1という現状です。このような遅れた到達でありながら、エネルギーエコプロジェクト補助金を減額した理由をお聞きします。太陽光発電をはじめとした再生可能エネルギーの導入・拡大に逆行すると考えますが、いかがか伺います。

 質問の第3は、全世代型社会保障政策についてです。
 社会保障制度とは、失業・病気・貧困・老齢を社会問題として、国家・社会の責任で国民の最低限度の生活を保障しようというものであり、国にはそのために必要な制度を整える責任があります。
 2019年、安倍首相は自らを議長とする「全世代型社会保障検討会議」を立ち上げ、社会保障全般にわたる改悪に向けた議論を進めています。
 消費税10%増税前は、増税と引き換えに「幼児教育・保育の無償化」や「高等教育無償化」などの実施を打ち出しましたが、増税後に医療・介護の改悪メニューが出されてきたものです。
 全世代型社会保障検討会議のメンバーには、医療・介護の現場代表や患者・利用者・受給者の代表、労働界の代表などは一人も入(い)れない一方、日本経団連会長や経済同友会代表幹事など財界代表が名を連ねています。
 検討会議の内容は、年金・医療・介護など公的制度を骨抜きにし、国民の生活と人権を根底から脅かすものです。
 年金は支給開始年齢を受給者の選択によって遅らせる「繰り下げ受給」の柔軟化などを行い、「マクロ経済スライド」により、国の年金削減額を7兆円も見込んでいます。
 実行されれば、基礎年金の目減りは今後30年近くも続くことになり、若者の将来年金の削減にもなります。
 医療では、75歳以上の窓口負担、介護では介護サービスの利用料を原則1割から原則2割に引き上げることをはじめ、国保では、市町村の法定外繰入に新たなペナルティをつくり、国からの予算を削減する仕組みです。
 財政制度等審議会「令和2年度予算編成等に関する建議」では、保育について、保育所に支出される公費の基準となる「公定価格」を引き下げ、予算削減をおこなうとしています。
 「全世代型社会保障」が、国の責任を放棄し、高齢者はもちろん、現役世代から子育て世代まで、あらゆる世代に痛みを押し付けるものであることが、明瞭になったといえますが市長は「全世代型社会保障」についてどのようにお考えか認識を伺います。
 給付抑制の推進は、所得の格差による治療格差や健康格差をさらに深刻化させ、受診抑制やサービスの利用控えが病気の早期発見を妨げ重症化させることになると思いますが、いかがかお考えか伺います。

 質問の第4は、都心アクセス道路についてです。
 昨年12月21日、市内では、都心アクセス道路に代表される無駄な公共事業をやめさせることを目的として「都心アクセス道路に反対する市民の会」の結成総会と「1000億円道路はいらない!市民集会」が120人を超える参加で開催され、必要性が乏しい道路に1,000億円もの税金を使うのはやめ、暮らしと福祉・子育てと教育を優先して欲しいと言う市民意見が表明されました。
 1点目は、費用の縮減を図り市民要望に応える道路整備についてです。
 市民には「都心アクセス道路より、北広島市に建設予定のボールパークへのアクセスと負担軽減を優先して考えて欲しい」という声が根強くあります。市長は、この市民の声に最大限応える努力が必要ではないでしょうか。
 北広島市へは、創成川通より2倍以上も混雑している国道36号線、そして国道12号線や南郷通を経由する場合が多いことから市民の声は十分に理解できるものです。
 しかも、地域性を考慮すると、新千歳空港や苫小牧港などへのアクセスの改善も期待できるエリアです。
 混雑していない道路の建設に1,000億円もの巨費を投じるのではなく、創成川通は、費用負担の最も少なく、工事中の現道交通への影響も小さい、右折ラインの整備を中心とした交差点改良とし、その分軽減される費用は、今後いっそう混雑が予想されるボールパークへのアクセス改善に資する交差点改良等に使うべきだと思いますが、市長には、そのようなお考えはないのか、認識を伺います。
 2点目は、地下構造(トンネル)における道路維持管理費についてです。
 新たに道路を造ると、建設費の他に年間の維持管理費がかかり続けます。トンネルはその費用が嵩むため維持管理費は膨らむのです。
 トンネルの総延長によっては、換気などの目的で旅客機のエンジンに似たジェットファンの設置が必要となることから、現在は創成トンネルに8基、環状通エルムトンネルに6基が設置されています。
 当然、定期整備が必要なので、来年度予算では維持管理費のうち修繕・整備等に係る費用として3基分3,600万円のジェットファンの定期整備が予算化されています。
 1基あたり1,200万円です。この定期整備に要する費用が高額であることが、トンネル維持管理費の嵩む要因の1つとされています。
 今回の計画段階評価では、全線地下構造案(トンネル)が示されました。道路の構造を踏まえて事業費や維持管理費が算出されることになりますから、全線トンネル化による維持管理費はいくらになるのか。また、ジェットファンの設置数、修繕・整備にかかる費用について伺います。

 質問の第5は、新幹線トンネル発生土の受け入れ候補地についてです。
 現在、新幹線札樽トンネル内で掘削される発生土230万㎥のうち、約半数の100万㎥がヒ素・鉛・カドミウムなど重金属を含む要対策土で、受け入れ地が決まっていません。この要対策土が手稲区金山地区に置かれた場合の、宮町浄水場からの飲み水が汚染される恐れについて、市長は、昨年12月20日の記者会見で「大量に長年飲み続けるというようなことでなければ、健康被害はない」と述べました。
 しかし、ヒ素は、「掘り出した後、水や空気に触れると亜ヒ酸に変化して毒性を増し、粉塵一粒程度の亜ヒ酸で小魚の致死量に達する」、「ヒトの体内に混入した場合は、腸内細菌に甚大な影響を与える」など、長期摂取した場合、人体への影響がある、とする研究結果が示されています。1986年には、付近の手稲鉱山から鉱毒水が流出し、川魚が大量死し、宅地が長期汚染される被害が出ました。トンネルは、この同じ地層を掘りますから毒性は明らかです。
 本市水道局では、ヒ素などの混入をゼロに近づけるため、重要な水源である豊平川での水質保全事業を290億円かけて行っており、これと真逆の要対策土の受け入れなど、到底理解できません。
 また、厚別区山本地区は、軟弱地盤で地下水位の高い泥炭地であり、付近は洪水浸水想定区域となっています。手稲区金山地区は、傾斜地で、付近は土砂災害警戒区域に指定されています。近年多発する自然災害の発生状況をみれば、土砂や水に有害物質が混ざって広がることは容易に想定でき、候補地として適さないのは明らかです。
 昨年12月10日、手稲区住民から、候補地に「反対する署名」1万539筆が、12月24日には厚別区山本地区町内会から「受入反対」の署名3,776筆が、それぞれ市長に提出されました。
 市長はこれまで、受入候補地について、「基本的には、合意を得られて進めていきたい」と答えていますが、もはや住民合意を得られる状況ではありません。候補地として撤回すべきと考えますが、市長の見解を伺います。

 質問の第6は、札幌冬季オリンピック・パラリンピック招致についてです。
 日本オリンピック委員会が、札幌市を2030年冬季オリンピック・パラリンピックの国内候補地とすることを決定しました。
 市長は、記者会見で、札幌開催となった東京2020オリンピックのマラソン、競歩、サッカーの成功を、冬季オリ・パラ招致につなげていくとのべていますが、招致を望む機運が市民のなかで高まっているとはいえません。
 昨年10月の北海道新聞による世論調査では、札幌への冬季五輪招致に賛成は46%で、反対が54%と上回りました。反対の理由は、「他にもっと大事な施策があると思う」が38%、「設備の建設・維持の負担が重いから」が32%、「招致にお金がかかるから」が13%で、そこには、所得が低迷するなど、いっそう厳しさをます市民生活の現実が反映しています。
 巨額の費用を要するオリンピックを招致するためには、何より市民の圧倒的な賛同を得ることが不可欠であり、その市民の後押しぬきに招致活動に突き進んでいくことは問題です。
 開催経費を含めた開催概要計画書の発表は、東京2020オリンピックの開催以降とのことですが、本来、招致活動に入る前に発表すべきものです。早急に開催概要と費用を市民に明らかにし、賛否を問うべきだと考えますが、いかがか伺います。
 2026年の招致に向けて作成した開催提案書では、「招致の意義」として「子どもたちに夢と希望を与える」ことなどとともに、「都市のリニューアルを推し進める」とのべ、「既成市街地を官民一体となって再生する」「ホテルのグレードアップや民間ビルの建て替えを支援し」、さらに「都心部と高速道路を結ぶ創成川通の機能強化」、つまり都心アクセス道路の検討まで掲げています。
 冬季オリ・パラ招致を好機として、大型開発や都心アクセス道路の建設をすすめようというのは極めて問題であり、市民の理解が得られるものではりません。
 オンピックは、スポーツを通じて諸民族の友好と世界平和に貢献しようとするものです。一方、増大する開催経費の圧縮が課題となっており、本市も巨額の費用を縮減するために努力しているところです。そのときに、冬季オリ・パラ招致に便乗して、多額の税金を投入する大型開発の推進を掲げることはあってはならないと考えますが、いかがか伺います。

 質問の第7は、共生社会の実現についてです。
 1点目は、性的マイノリティー当事者への支援拡充についてです。
 北海道出身の方が「僕が夫に出会うまで」という実話に基づいた本を出版しています。母にゲイであることを告げたあと、親子の関係は7年間も穴が空いたようになってしまったけれども、その穴を埋めたのが、札幌市のパートナーシップ宣誓制度であったと書いてあります。「札幌であなたたちみたいな人のための制度ができたよ。少しずつ、世の中も認めてきてくれてるじゃない。だからがんばりなさい」と、母から喜びの電話がかかってきた。パートナーシップ宣誓制度は、LGBTの当事者だけでなく、周囲の人も幸せにする」と記述しています。
 2017年予算特別委員会でのわが党の質問に対し、本市が宣誓制度を創設しようと考えた理由を「性的マイノリティーの方は、周囲の理解不足による誤解や偏見による生きづらさがあると認識しており、誰もが自分らしく生きるまちにしていくことが必要と考え、第一歩としてパートナーシップ宣誓制度を創設した」と答弁しています。
 先日「日常生活に溶け込んだ、無自覚・無意識の差別的言動こそ怖い。第三者には不愉快な言葉に聞こえるだけかもしれないが、当事者には存在を否定されるように感じる」という報道がありましたが、偏見や生きづらさは見えにくい形でいまも存在しています。
 本市は2020年4月からようやく、宣誓したカップルが家族として、市営住宅の入居申請をできることになります。制度導入から3年、秋元市長は、昨年の選挙で「多様性や共生社会の実現を具体化する」とおっしゃいました。当事者の意見をよく聞きながら、戸籍上の夫婦と同じサービスを提供するなどの直接支援を拡充すべきと思いますがいかがか伺います。
 2点目は、本市で暮らす外国人についてです。
 本市で働き、あるいは学び、暮らしている外国人の人数は、132ヵ国から15,073人です。多文化共生社会の実現の視点から、人権が守られているか検証が必要であると思います。
 本市でも、悩みを抱える技能実習生がおり、地域住民であるとの視点で、住まいなどの生活環境や労働実態の把握に努めるべきと思いますが、いかがか伺います。また、清田区にある北海道朝鮮初中高級学校、いわゆる朝鮮学校は、教育基本法の第1条にある小中高校などに含まれないという理由で、高校授業料無償化の対象から排除されています。インターナショナルスクールは無償化の対象になっており、どの子も等しく享受されるべきものです。全道唯一の朝鮮学校がある本市は、国に朝鮮学校の授業料無償化を求めると同時に、本市独自の助成制度などを創設すべきと思いますがいかがか伺います。
 本市の小中学校で、英語を教える外国語指導助手ALTは、2020年度予算で123人です。労働条件改善のため、派遣会社と本市の契約は2年になりましたがALTの多くは派遣元と1年契約です。ALTを募集する際の労働条件、賃金や社会保険などが実際には守られていない場合が多く、来日してからの暮らしが劣悪なため、仕事にやりがいを感じていても、長く働くことが、できない実態があります。
 授業を視察させていただきましたが、英語の授業のみならず多文化を学ぶ場としても重要であり、子どもたちは生き生きと授業に参加していました。子どもたちの学びに必要とされているALTの、生活を保障するため、直接雇用にすべきと思いますがいかがか伺います。

 次は、教員の変形労働時間制についてです。
 昨年12月、「過労死が増える」「教師を続けられなくなる」などの強い反対の声を押し切って、安倍政権は公立学校の教員に「1年単位の変形労働時間制」を導入可能とする「改正教育職員給与特別措置法」を強行採決しました。

 質問の第1は、変形労働時間制の目的についてです。
 「1年単位の変形労働時間制」とは、「繁忙期」に1日10時間労働まで可能とし、「閑散期」の所定労働時間を短くして、平均で8時間に収める制度です。文科省は「集中して休日を確保すること等が可能となる」としていますが、教師は、日々変化する子どもと向き合いながら育む仕事です。予測して時間を調整することはできません。昨年11月の参議院文教科学委員会で変形労働時間制の参考人質疑で実態を訴えた教師は「閑散期とされている8月は、実際は閑散期と呼べるようなものではないんですが、仮に閑散期と仮定するなら4月、5月の疲れは8月に癒せ、9月、10月の疲れも8月に癒せ。そういった設計です。教師はロボットではありません。」と切実に語っています。
 変形労働時間制は、教員の長時間労働の改善につながらないと考えますが、教育委員会の考えを伺います。

 質問の第2は、変形労働時間制の導入についてです。
 1958年の「公立義務教育諸学校の学級編成及び教職員定数の標準に関する法律」により、長い間、教員一人当たりが受け持つ授業は、1日4コマ、週24コマが原則とされ、それに見合った定数配置が行われてきました。
 しかし、2016年に文科省が行った教員勤務実態調査では、小学校で41%、中学校では1.5%が週26コマ以上受け持っており、原則を超えています。
 授業の負担が増えるという事は、校務分掌や授業準備などに充てる時間が充分に取れず、さらに保護者への対応、学力向上委員会や生徒指導部会議、子どものケース会議が入れば、必然的に授業準備など教員の最も大切な仕事が勤務時間外に押し出されることになります。
 2016年本市の教員の勤務実態調査結果では、月平均の時間外勤務は、小学校で66.9時間、中学校で66.8時間と報告されています。試行実施されている本市の2019年4月から10月までの在校時間把握集計結果でも、7カ月間で、すでに小学校で残業時間、平均43.6時間、中学校で平均50.8時間となっており、恒常的な残業があることは明らかです。
 また、国の働き方改革により、教員の勤務時間の状況把握は公立学校を含む事業者の義務とされていますが、「タイムカードを押してから、引き続き仕事をする」、業務が減らないのに「早く帰れ」と教員に圧力をかける「時短ハラスメント」も問題になっており、「持ち帰り残業の常態化」など残業時間を見えないようにしていく懸念は拭えません。
 変形労働時間制の導入には「恒常的残業」がないこと、国の勤務時間の上限、残業時間月45時間以下、年360時間以下という指針を順守することを付帯決議では条件としています。
 本市の教員の残業時間は指針の上限時間を超えており、変形労働時間制の導入はできないと考えますがいかがか、見解を伺います。

 次は、観光と経済についてです。
 質問の第1は、持続する観光についてです。
 本市は、2018年に「観光まちづくりプラン」を改定しました。重点施策として「観光客の誘致活動の推進」を掲げ、「国際観光都市を目指し」、「諸国からの観光客誘致」、「富裕層など幅広いインバウンド誘致活動を展開し、持続的なインバウンドの獲得を推進します」としています。
 外国人観光客が増加し、国際リゾート地と呼ばれるようになったニセコ町では、新たな問題が生じている、と報道されています。
 ニセコ町が「総合計画」を作成するにあたって行った町民向けのアンケート調査では、「観光リゾート開発で特に気になることは何ですか」との問いに、「土地の買い占めが進行するおそれがあること」22%、「水源地とその周辺の土地が買われ、水源が地域外の所有者に移転するおそれがあること」27.5%と町民が答えています。同時に、こうした問いを設定したニセコ町自身が不安を抱えていることを表しています。国内外の大手資本が参入し、地価の高騰、それによる宿泊料金等の急騰を招き、富裕層以外訪れにくい状況になっています。
 開発や大資本だけに頼ったインバウンドは無秩序を招きます。住民とともに観光を考え、自治の力を活かすこと、本市オリジナルの歴史や文化をていねいに発展させることが、持続的な観光につながると考えますが、見解を伺います。

 質問の第2は、宿泊税についてです。
 昨年、「札幌市観光振興に係る新たな財源に関する調査検討会議」が設置され、宿泊税の導入を検討しています。1月17日に開かれた経済観光委員会で、部長は「年度内をめどに一定の方向性を出したい」と答弁され、昨日市長は、「導入する」と明言しました。
 しかし、課題は山積しています。
 消費税の10%増税や、世界に広がっている新型ウイルスの流行などが、本市の観光業、経済に大きな影響を与えています。宿泊税導入を明言したことで、いっそう本市への観光を躊躇する人が生じる可能性が増しています。
 我が党は、このかんの議会で、税負担の公平性の原則から宿泊税が妥当なのか疑問であること、受験や研修、冠婚葬祭など観光目的ではない宿泊客に対して税を徴収することは観光振興の目的に馴染まないこと、徴収した税を「観光振興のために使う」とするが厳密に使い分けられるのか、など多くの懸念を指摘してきました。
 そもそも、宿泊税の導入を検討した会議のメンバーは、ホテル・旅館業が中心で、増えている簡易宿所の方々が外されています。検討会議は、9月5日、11月8日、12月9日、20日の4回の会議だけで12月26日に答申を出し、その後わずか2か月で「導入」を決めるなど、あまりにも拙速です。市民への情報提供も、市民議論もほとんどなされておらず、短期間の決定は極めて問題です。
 宿泊税の導入を明言した昨日の市長の発言は撤回し、賛否も含めた十分な市民議論の機会を確保すべきだと考えますが、いかがか、伺います。

 次に、子ども・子育て支援についてです。 
 質問の第1は、現物給付による子育て支援についてです。
 子育て支援は、人口問題の解決、いわゆる少子化対策の要をなす問題です。
 合計特殊出生率が全国平均を下回る本市は、2019年の数値目標を1.36としてきましたが、現状の合計特殊出生率は2017年1.16から、2018年は1.14と0.02ポイント下がっています。
 昨年度の「札幌市就学前児童のいる世帯を対象としたニーズ調査」では、実際に予定している子どもの人数が、ほしい人数より少ない理由として、ほぼ70%の子育て世代が「経済的な負担が増えるから」と答えています。これは大変な問題です。
 2015年、本市が行った人口減少に関するアンケートで、必要な支援として41.3%が「結婚、妊娠、出産、子育ての切れ目のない支援」と答えています。2015年から2018年の間に出生率が下がっていることからも、市民が求めている必要な対策を講じてこなかった表れであります。
 フランスでは、1994年出生率が過去最低の1.66になり、子育て支援、特に育児休業給付、出産時からの医療費無料化など現物給付で、充実した保障や育児支援をしてきました。結果2018年は1.88まで出生率は上がっています。
 内閣府は「平成27年版少子化社会対策白書」で、諸外国と比較し日本は現物給付を通じた家族政策全体の財政規模が小さいことへの指摘を認めています。
 本市の子ども医療費通院助成は、2021年度、小学6年生まで拡大されますが、政令市20市のうち14市では、すでに中学3年生以上の助成をしております。
 本市も小学6年生のシステム改修に合わせ中学3年生までの拡大をすべきです。
 また、初診料や入院費用の1割負担、所得制限の保護者負担をなくすべきです。
 家計を直接応援する現物給付は、子育て支援、少子化対策にとって、もっとも効果的な支援であり、なにより市民が望む支援であると思いますが、いかがか、子育て世帯のニーズに合わせ現物給付の拡大をすべきと思いますがいかがか、市長のお考えを伺います。

 質問の第2は、児童虐待防止策の強化についてです。
 市長は先の議案提案説明で、「児童相談体制の強化に努めて参ります。」と述べ、第二児童相談所整備基本計画の策定、仮設一時保護所の設置、児童相談所職員・各区保健センター・家庭児童相談室の人員増を図る予算案を示しました。
 わが党はこれまで、児童相談所の職員の増員、児童福祉の専門家としての経験の蓄積や研修・養成、そのための人事異動サイクルの見直しなどを求め、議会で質問してきたところです。
 予算案では、児童相談所職員を9名、各区保健センター等非常勤職員もあわせると40名を増員するとのことですが、職員の専門性の向上や育成をどのように担保されるお考えか、うかがいます。また、本市「一般行政職」の通常4年~5年の人事異動サイクルでは、専門的蓄積や養成には不十分だと考えますが、どのような対応をされるのか、うかがいます。さらに、児童相談所の医師の専任的な配置や、児童相談所の業務に対する第三者評価のしくみについて、どのような検討がなされているのか、伺います。

 次に、国民健康保険についてです。
 質問の第1は、都道府県化による制度充実についてです。
 国の法改正により、2018年度から、国民健康保険の運営主体が都道府県に移管されました。2016年度、国は「地域医療構想」の策定を都道府県に求め、病院の再編・病床数の削減と保険医療給付の抑制をセットで推し進めようとしています。地域医療を支える病院が削減されれば、道民は、病院にかかりづらくなり、病院を残せば、国保財政が厳しくなり、国保料引き上げにつながるしくみです。
 その大元を作り出している国は、7年間で合計4兆3千億円もの国民負担増や給付削減を行って、年金や医療など社会保障分野の改悪を続けています。
 そのような状況の下で、新たな国保制度はすでに、スタート当初の激変緩和措置が減らされる方向となり、自治体の負担か、市民の負担か、という選択肢をいっそう迫られるという事態が生じています。
 都道府県化で、国は地方に「公費3400億円投入」を約束しましたが、それにとどまらず、定率国庫負担割合の引き上げなど、国の負担による国保制度の充実が必要だと考えますが、市長はどうお考えか、伺います。

 質問の第2は、「保険者努力支援制度」によるペナルティについてです。
 都道府県化によって「財政安定化支援事業」等とあわせて「保険者努力支援制度」が作られました。この制度は、国保財政の一つで、「都道府県・市町村の医療費適正化、予防・健康づくり等の取り組み状況に応じ」支援する、とされています。特定健診の受診率向上や地域包括ケアの推進などとあわせ、保険料収納率向上、法定外一般会計繰り入れ削減、なども評価項目となり、それらの加点により交付額が決められます。地方自治体の国保行政を国が採点し、「成績が良い」と評価できる自治体に重点的に予算配分するしくみです。
 昨年8月2日付の厚労省通知によると、2020年度からは、繰り入れを行っている場合には減点するしくみを導入し、ペナルティを厳しいものにしました。
 国保は74歳以下の高齢者、非正規労働者など低所得者が多く加入し、本市も、約4分の1の世帯が加入している国保について「市民の負担感が大きい」と答弁されています。独自に市民負担軽減を行おうとしても、法定外繰り入れをすれば国からの評価が下がり、交付額に影響します。
 こうした国のやり方は、地方自治体の独自性を押さえつけ国に従属させるものであり、問題だと思いますが、いかがか、伺います。
 さらに、市民の負担軽減がなされず、本市の「高すぎる国保料」が解消されない大きな要因であると考えますが、いかがか、伺います。

 質問の第3は、国保料が大幅に引き上がる場合の本市の対応についてです。
 2017年10月の決算特別委員会でのわが党議員の質問に対し、保険医療部長は、「法定外繰り入れを行うかどうかにつきましては、最終的に市町村が判断する」との見解を示し、「将来的に、納付金の額が上がり、保険料が大きく変動することも考えられますので、そういった場合には、保険料軽減対策のための法定外繰り入れを行うなど、何らかの対応を検討する必要もある」と答弁されています。本市のこの立場は、現在も変わりがないという認識で良いのか、伺います。

 質問の第4は、「国保法第77条に基づく減免」を行うための法定外繰り入れについてです。
 国保法第77条で、「保険者は、条例又は規約で定めるところにより、特別の理由がある者に対し、保険料を減免し、又はその徴収を猶予することができる。」としています。
 保険者努力支援制度では、国保料全体を引き下げるための繰り入れは「削減・解消すべき」対象となりますが、「災害等により生活が著しく困難となった、またはこれに準ずると認められる」場合は「特別の理由」に基づく減免等を行うための繰り入れとなり、ペナルティの対象になりません。
 本市が「市民の負担感は大きい」と認識される国保料について、多子世帯、子どものいる世帯、など「特別な事情」がある世帯に対し、減免を行うことを検討すべきと考えますがいかがか。本市は「国の制度とすべき」と先の議会で答弁されていますが、まちづくり戦略ビジョン「子ども・若者を社会全体で育成・支援する環境づくり」を進める上で、独自の負担軽減策に踏み出すことが求められていると思いますが、いかがか、伺います。

 次は、介護の諸課題についてです。
 質問の第1は、介護保険制度見直しの影響についてです。
 国の「全世代型社会保障検討会議」は、昨年12月に「中間報告」をまとめ、今年の夏には「最終報告」を出し、2021年度から制度の見直しを実施するとしています。
 この検討会議で議論されている最大のねらいは、次期介護保険制度及び介護報酬改定に向け、財務省の提案に沿い、介護保険の「給付と負担」の抜本的な見直しを行い、現在の社会保障制度は、給付は高齢者中心、負担は現役世代中心として、世代間の対立をあおりながら、結果として高齢者だけでなく、全世代にわたり「給付の削減」と「負担の増加」を進めることが目的です。
 それを踏まえた社会保障審議会の介護保険部会における今回の見直しでは、高齢者から介護サービスを遠ざける「ケアプラン有料化」と「要介護1・2の生活援助サービスの保険外し」は見送られました。
 しかし一方では、特養や老健などの食費と居住費などいわゆる「補足給付」は要件が見直され縮小される方向が示されました。
 この「補足給付」とは、施設入所している高齢者であっても「ホテルコストは自己負担すべきだ」という政府方針のもと、2005年10月から介護保険給付の対象から外されたため、所得により負担を軽減させる目的の制度です。
 今回の要件見直しにより、特養や老健などの介護保険施設の場合ですと、新たに設けられた第3段階2の年収120万円を超える区分では、預貯金など資産要件を500万円以下に下げ、食費で新たに月額2万2,000円の自己負担を上乗せするとしています。また、ショートステイを利用する場合には、現在1日分の食費が650円から1,300円と2倍の値上げとなるものです。
 介護保険施設の入所者の多くは、少ない年金収入から施設費用を払い、残りわずかなお金で、医療・介護の保険料、薬代などを支払って暮らしています。
 今回の見直しによって「補足給付」から外れたり、自己負担が増えれば、施設から退所を余儀なくされたり、施設費用を工面できず、入所の申し込みすらできない事態がいっそう広がると思いますが、そのような懸念はないのか本市の認識を伺います。また、高齢化の進展に伴い多様化するニーズに対応したサービス提供にも支障を来すことにつながると思いますがいかがか伺います。

 質問の第2は、総合事業の今後のサービスの提供についてです。
 高齢者がいくつになっても住み慣れた地域で安心して暮すためには「介護予防・日常生活支援総合事業」いわゆる「総合事業」による安定した訪問型サービスと通所型サービスの提供と充実が必要です。
 訪問型サービスは、ヘルパーが利用者の家庭を訪問し、家事全般・入浴などの支援をします。通所型サービスは、食事や入浴等に加え、機能訓練やレクリエーション等を日帰りで利用できるものです。どちらのサービスも高齢者の暮らしを支える上で欠かせないサービスです。
 私ごとですが、父も、このサービスを利用しており、父の在宅生活とともに私の議員活動も支えられています。つまり、高齢の親を持つ就労世帯の暮らしを支える重要な役割も果たしているのです。
 本市の2018年度における訪問型サービスの利用者は97,904人ですが、2019年度決算見込みでは99,704人と1,800人増加していることから、2020年度予算でも約1,800人の増加を見込んでいます。
 通所型サービスでも、2018年度の利用者は158,989人でしたが、2019年度決算見込みでは169,605人と増加しており、やはり2020年度予算では、前年度約1万1千人の増加分を見込み180,931人分のサービスを予算化しています。
 これらの「総合事業」による訪問・通所のサービスには、ケアマネージャーによるケアプランの作成とヘルパー等によるサービス提供が前提ですが、ともに人的体制と専門性の蓄積などの課題があります。
 そこで、利用者の増加に見合った安心できるサービスの提供を進める上での見通しと具体的な対策について伺います。

 最後に、丘珠空港についてです。
 2017年に発足した、本市と北海道による「丘珠空港の利活用に関する検討会議」は、2018年「報告書」を公表しました。報告書では、その目的を「丘珠空港に関する今後の方針や計画を策定するものではない」としていたにも関らず、2019年には「丘珠空港の利活用に関する検討委員会」が発足し、2020年春には「空港案をまとめる」という段階になっております。
 そこに至る、丘珠空港の歴史を振り返ってみますと、1954年、昭和29年、丘珠飛行場に自衛隊北部方面航空隊の分屯地が誕生し、共用飛行場の幕開けとなりました。その後、長きにわたり、滑走路を延長したい国や札幌市、経済界と、「飛行場の移転」や「ジェット化と滑走路延長の反対」を求める地域住民との攻防が行われてきたのです。
 1966年に結成された「丘珠飛行場移転促進期成会」が、空港視察に訪れた衆院運輸調査団に「丘珠飛行場の早期移転の陳情」を提出すれば、その日の夕方、同じ調査団に当時の原田市長が、滑走路延長と東京線への大型機誘致を陳情、翌年、当時の防衛庁が「滑走路の東側に着陸帯を設定するため、用地買収」を発表、市の姿勢を後押ししました。
 住民による「丘珠空港対策協議会」の設立により、ジェット化と滑走路延長の拡張に反対する世論が広がると、当時の桂市長は「住民の納得できないものはつくれない」と記者会見で述べました。
 1996年運輸省航空局幹部が「道央圏に新千歳と丘珠、2つのジェット空港が必要なのか、住宅地に近いことから騒音問題が懸念される」とし、ジェット化は断念することとなりました。
 しかし、同年、運輸省は「第7次空港整備5ヵ年計画」に、丘珠空港等の整備について調査検討し、必要に応じて整備を図ることを織り込み、本市と北海道は引き続き、道内航空網の拠点として丘珠空港の活用を検討することにしたのです。

 質問の第1は、将来を見据えたまちづくりの認識についてです。
 2004年、滑走路が1,500mに延長されてからも、2011年、加森観光の社長が代表世話人となり、キャリアバンクの社長など経済人ら13人で「丘珠研究会」が発足しました。翌年、研究会が開催した「丘珠空港活性化シンポジウム」では、加森代表世話人から、同空港の愛称を「札幌シティ空港」にするよう発言があり、同年、商工会議所が「札幌広域圏の総合交通体系のグランドデザイン」を提言し、「ジェット化により交流圏が広がり、ビジネスチャンスを創出」するため、丘珠空港の機能拡充を図るとしました。
 2016年、知事と市長は利活用推進の取り組み連携で合意、丘珠空港の利活用に関する検討会議を設置し、2年後報告書を公表したのです。
 2019年から「丘珠空港利活用検討委員会」が開かれていますが、委員会での参考資料「取組の想定スケジュール」によりますと、今後10年以内に滑走路延伸、運航時間の延長案などが示されています。
 丘珠空港地域から北に向かった北丘珠、中沼西地域には、1973年、今から47年前に、将来の開発を見込んで都市計画決定された道路があります。周辺は、市街化調整区域のままとなっており、地域に必要な道路も整備されていない状況です。震災が起こったとき、避難道路となるように道路の整備をしてほしいという住民の要望は放置されています。
 将来にわたるまちづくりは、しっかり検証し、地域住民の暮らしがどう豊かになるのか、慎重に計画を作らなければなりません。
 本市が行う、まちづくりの開発計画により、将来にわたって地域住民が開発から取り残され、不便を強いられることがあってはならないと思いますがいかがか伺います。

 質問の第2は、丘珠空港の役割についてです。
 「丘珠空港の利活用に関する検討会議報告書」には、丘珠空港の役割が載っています。6つの役割のひとつに「ビジネスジェット機利用に対応する空港」が、あります。検討委員会の資料では、ビジネスジェットの受け入れがもたらす、本市への経済効果として「富裕層の観光での来道」「MICE誘致への強み」などが列挙されています。
 2012年開催の、丘珠研究会主催のシンポジウムで、現在、丘珠空港に参入しているフジドリームエアラインズ取締役社長は、「ビジネスジェットに関して、新千歳空港には空きがなくて難しいが、丘珠空港に外国からのお客様を迎える施設などが整えば、相当な数のお金持ちのお客様がビジネスジェットでやってくる」。同じく内閣官房参与、前観光庁長官も「丘珠空港には世界中からセレブはやって来るし、東アジアの拠点になるイメージを持ってほしい」と発言しています。丘珠空港では、航空会社の都合により採算がとれない路線は廃止や移転が行われ、1999年と2003年には道内6路線を結んでいましたが、現在は6路線中、道内は3路線のみです。
 今後、新幹線の札幌延伸により、一番便数が多い丘珠―函館便は利用客が減少するといわれています。滑走路を延長する場合、費用は最大550億円かかると試算されており、丘珠空港の今後の利活用について、目的と見通しが不透明であると言わざるを得ません。
 利用者が求めるのは、富裕層にとって便利な空港ではなく、道内航空網としての役割を優先することだと思いますが、いかがか伺います。

 以上で、私の質問のすべてを終わります。ご清聴ありがとうございました。

 

秋元市長 答弁

 全体で大きく7項目ご質問をいただきました。私からは1項目目の私の政治姿勢についての7点お答えをさせていただきます。その余のご質問につきましては担当の副市長、教育長からお答えをさせていただきますのでよろしくお願いいたします。
 まず私の政治姿勢についての1項目目。新型コロナウィルス対策についてお答えをいたします。
 1点目の情報提供と感染予防についてでありますが、市民への情報提供につきましては、ホームページへの掲載や、保健所に設置をいたしました電話相談窓口での対応、記者発表など、様々な手段を通じておこなっているところであります。また福祉施設等につきましては、各施設を所管する部局から、咳エチケット、手洗いの徹底等の予防策や、感染が疑われる場合の対応等について周知をしているところでありまして、更には不特定多数の方が、施設に出入りすることを極力抑えることなどについても配慮を求めたところであります。今後とも状況の変化に応じて、適宜適切な情報提供をおこない、住民の皆様に冷静に対処していただけるよう、よりわかりやすく正しい情報提供に努めてまいります。
 2点目の災害用備蓄物資についてでありますが、昨年9月に改定をいたしました「札幌市避難場所基本計画」の中で、避難所における衛生環境の秩序と避難者の体調管理のため、マスクや消毒剤等を新たに備蓄することとしておりまして、次年度可能な限り早期の整備を進めたいと考えております。感染症予防などに対します日頃の備えにつきましては、災害と同様に個人や事業者がおこなうことを基本と考えているところでありますが、感染拡大の防止の観点から、備蓄物資を医療機関など、必要な施設へ優先的に提供することについても検討してまいりたいと考えております。
 次に2項目目、2020年度の予算についてお答えをいたします。
 まず1点目の、都心再開発と地元商店街の現状についてでありますが、再開発をはじめといたします都心部のまちづくりにつきましては、都市の魅力と活力を高め、国内外から人や民間投資を呼び込むことで、市内経済の活性化や税収増による財政基盤の強化をはかるものであります。また商店街振興につきましては、商店街が地域住民の消費生活を支える基盤となっておりますことから、いずれも必要な取り組みであると考えております。引き続き市民の声をよく伺いながら、進めてまいりたいと考えております。
 2点目の、公共施設や老朽インフラの更新、耐震化についてのうち、まず予算配分についてであります。今後公共施設の更新需要が本格化してまいりますが、公共施設マネジメントの取り組みによる平準化をおこないながら、計画的に更新や強靭化を進めるとともに、将来に向けたまちづくりに必要な取り組みにも予算を配分していく必要があるものと考えております。そこで、「アクションプラン2019」で示しました、15年間の長期の財政収支の見通しを踏まえつつ、中期財政フレームに沿って予算編成をおこなう中で、建築事業費を計上していく考えであります。
 次に、水道排水管の耐震化についてでありますが、現在経年劣化に伴う更新に合わせて、より耐震性の高い管の導入を、地盤や地質の状況や、災害時に重要となります医療機関などの配置状況、こういったものを勘案しながら順次進めていくところであります。今後も既設管の保全や長寿命化もはかりながら、優先度を考慮し更新事業を計画的に進めてまいります。
 次に、50年後の公共施設の面積の試算についてでありますが、今後人口減少が見込まれていく中、持続可能な財政運営をおこなっていくためには、施設の必要な機能の維持をはかりながら、公共施設の総量や規模を時代のニーズ、人口規模に見合ったものにしていくことが必要であると考えております。そこで現時点での将来の人口推計に基づき、各施設の果たすべき役割を考慮して、適正な面積を試算したものであります。
 3点目の、再生可能エネルギーの導入拡大についてでありますが、「札幌エネルギーエコプロジェクト」の補助事業につきましては、補助対象としております機器それぞれの普及拡大の状況や、設置費用の低下、こういった状況等を踏まえて見直しをおこなったものであります。今後はこの補助事業に加えて、新たに民間事業者の活力を生かした私有施設の屋根等への太陽光発電の設置や、太陽光発電を備えたゼロ・エネルギー住宅の普及など、効果的な普及促進策を進めることで、更なる再生可能エネルギーの導入拡大に取り組んでまいりたいと考えております。
 次に3項目目、全世代型社会保障政策についてであります。国におきましては、少子高齢化と同時にライフスタイルが多様となる中で、人生100年時代の到来を見据えながら、高齢者だけではなく、子ども、子育て世代、更には現役世代までを広く安心を支えていくため、年金・労働・医療・介護など、社会保障全体にわたる持続可能な改革を検討しているものと認識をしております。今後、国は本年夏にも最終報告を出すと聞いておりまして、その動向を注視してまいりたいと考えております。
 次に4項目目の都心アクセス道路についてであります。
 1点目の、市民要望に応える道路整備についてというご質問でありますが、国道5号創成川通は物流や人の流れを安定的に向上させることで、企業経済活動を活性化、支援していくことや、周辺市町村からの高次医療施設への速達性を向上させることで、安全安心を守るなどのために整備検討が進められているものでありまして、都心部と高速道路間のアクセス強化に求められる機能を備えていくことが必要と認識をしております。一方でボールパークへのアクセスにつきましては、国や北海道、札幌市を含む周辺市町村等による協議会が設置をされ検討を進められているところであります。札幌市としても引き続き連携をはかっていく考えであります。
 2点目の地下構造における道路維持管理費についてでありますが、トンネル本体やジェットファンの維持管理費につきましては、今後国において整備形態が決定をされ、構造の詳細について検討が進んだ後に算定されるものと認識をしております。
 次に5項目目の、新幹線トンネル発生土受け入れ候補地についてであります。新幹線トンネル、新幹線のトンネル発生土の受け入れ地確保にあたりましては、市民の安全安心が確保されることが大前提であり、地域住民をはじめ、市民の皆様のご理解なくしてはその先に進めることはできないと認識をしております。今後とも地域住民の声を十分に伺いながら、慎重に検討をしてまいりたいと考えております。
 6項目目の札幌冬季オリンピック・パラリンピック招致についてお答えをいたします。まず市民の意向の把握についてでありますが、これまでも経費を含めた開催概要計画の検討状況について、市議会や市民に説明をおこなってきたところであり、今後も丁寧な説明に努めてまいります。現時点では新しい招致プロセスのスケジュールが示されておりませんが、IOCも住民の支持率について関心を持っておりますことから、年内には市民の意向を把握したいと考えており、今後具体的な手法などを検討してまいりたいと考えております。
 次に2030年、大会招致に合わせた組織基盤の整備についてでありますが、今後超高齢社会の到来や、インフラ更新事業の本格化に対応するため、バリアフリー化の促進や、都市基盤の再整備などを進めていくことが重要であると認識をしております。冬季オリンピック・パラリンピックの招致を機に、50年先、100年先を見据えたまちづくりに取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、7項目目、共生社会の実現についてであります。
 1点目の性的マイノリティー当事者への支援拡充についてでありますが、札幌市ではパートナーシップ宣誓制度をはじめ、当事者の悩みを聞く電話相談や市民理解の促進に向けた様々な取り組みを進めてきており、4月からは宣誓制度利用者に市営住宅の入居を認めることとしたところであります。今後は企業におきましても、性的マイノリティー当事者に配慮した取り組みが更に広がるよう、セミナーや出前口座を通じて理解促進に努めるなど、当事者の意見を伺いながら、多様性を認め合う社会の実現を目指してまいりたいと考えております。
 2点目の本市で暮らす外国人についてであります。まず生活環境や労働実態の把握についてでありますが、これまでも有識者との意見交換会や、多言語総合相談窓口に寄せられる案件を通じて、技能実習生も含めた多国籍市民の暮らしの実態把握に努めてきたところであり、引き続きあらゆる機会を捉えて、住まいや就業、地域参加等にかかる実状の把握に努めてまいります。
 次に朝鮮学校の高校授業料無償化についてでありますが、当該制度につきましては、国において教育のあり方や国際情勢等も踏まえながら、様々な議論を経て実施をされているものと認識をしております。朝鮮学校への摘要につきましては、国における審議や検討を重視してまいりたいと考えております。
 次にALTの直接雇用についてでありますが、札幌市ではすべての市立学校でALTを活用した英語教育の充実をはかるために、民間委託によるALTを段階的に導入するとともに、平成29年度からはこれまでの単年度契約を2年間の複数年契約に変更し、安定的に配置をしていったところであります。また、今年度から各学校においてALTの活用がより一層はかられるよう、契約方法を見直したところであり、今後も民間委託によるALTの配置を継続してまいりたいと考えております。

町田副市長 答弁

 私からは大きな4項目目子ども・子育て支援について、大きな5項目目国民健康保険について、6項目目介護の諸問題についてお答え申し上げます。
 まず子ども・子育て支援についての内の1点目、現物給付による子育て支援についてのご質問でございますが、現物給付をはじめとする経済的な支援の充実は、安心して子どもを産み育てられる環境の整備をはかる上で極めて重要と認識しているところでございます。これまでも幼児教育・保育の無償化や、子ども医療費助成の拡充はもとより、企業への育児休業取得助成金や新年度予算に盛り込んだ第2子保育料無償化の対象拡大など、様々な施策において経済的支援の拡充に取り組んできているところでございます。今後も引き続き、子育て支援の環境整備に積極的に取り組んでいくとともに、全国的な課題でもあることから、国に対して財源措置も含めた制度の拡充について要望してまいりたいと考えてございます。
 次に、児童虐待防止策の強化についてのご質問でございますが、職員の専門性向上や育成に向けて、体系的な研修の充実に加えまして、子どもの相談や支援に関連する様々な部所で業務経験を蓄積できるような効果的な人事異動により、実務を通じた専門知識の習得を進めていこうと考えてございます。また、令和元年の児童福祉法等の改正に基づきまして、福祉職も含めた専門職の配置を計画的に進めるとともに、児童相談所業務に対する評価のあり方については、昨年6月の事案の検証結果や、今後示される予定の国の方針等を踏まえ、検討を進めてまいりたいと考えてございます。
 次に、国民健康保険についてのご質問でございますが、そのうち1点目、都道府県単位化制度の充実についてのご質問でございますが、国民健康保険は加入者の年齢構成が高く、医療費水準が高い一方、低所得者が多いという構造的な問題を抱えており、その財政基盤は極めて脆弱と認識するところでございます。国民健康保険制度を安定的で持続可能なものとしていくためには、医療保険制度の一本化や、国による更なる支援の拡充が必要と考えており、引き続き要望してまいりたいと考えてございます。
 次に保険者努力支援制度についてでのご質問でございますが、国保を安定的に運営していくためには、必要な支出を保険料や国庫支出金等で賄うことにより財政収支が均衡することが重要でございます。国はこうした視点から赤字補填にあたる法定外繰入の解消についても評価手法の1つとしたものであり、札幌市としても受け止めざるをえないものと認識しているところでございます。なお、保険者努力支援制度は、様々な取り組みの成果が収入増につながる仕組みでありますことから、新たな財源確保の手段と捉え、各種取り組みを推進してまいりたいと考えております。
 次に保険料引き上げへの対応と減免のための法定外繰入金でお答え申し上げます。北海道では同一所得であれば同一保険料となる統一保険料の達成を目指しており、道の国庫運営方針におきましても、各市町村による法定外繰入について解消を求めているところでございます。札幌市ではこうした北海道の考え方を尊重しており、保険料の引き下げや新たな減免のための法定外繰入は、現時点では難しいと認識しております。
 次に大きな6項目目、介護の諸問題、諸課題についてのご質問、そのうちの1点目、介護保険制度見直しの影響についてでございますが、国は介護保険制度の持続可能性の確保のため、補足給付などに関する給付のあり方について検討をおこなったと認識をしております。これまで本市におきましては、介護保険制度全体として低所得者に配慮した制度設計がなされるよう、繰り返し国に求めてきているところでございます。今後も引き続き国の動向を注視して、低所得者を含めた高齢者へのサービス提供に支障が生じないよう、介護保険の運営に努めてまいります。
 次に総合事業の今後のサービス提供についてのご質問でございますが、高齢化に伴い今後も増加が見込まれる介護事業や、多様化する高齢者のニーズに対応し、必要な時に安心してサービスが受けられるよう、介護保険事業計画に基づき事業を進めているところでございます。今後とも持続可能性のある事業となるよう、令和3年度からの次期計画の策定にあたりましては、利用状況や事業所の運営状況を把握し、適切な制度設計に努めてまいりたいと考えているところでございます。

吉岡副市長 答弁

 私からは7項目目、丘珠空港についてお答えをいたします。
 最初に、将来を見据えたまちづくりの認識についてであります。現在、丘珠空港の利活用のあり方にかかる検討委員会を設置し、有識者や地元関係者により、空港の将来像などについて議論を重ねていただいているところであります。令和2年度からは空港周辺の地域住民の方々と意見交換をおこなうこととしており、その中で寄せられた意見はしっかりと受け止め、検討に反映をしてまいります。
 次に、丘珠空港の役割についてであります。平成30年、2018年に北海道が公表した、北海道航空ネットワークビジョンでは、丘珠空港は道内航空網の拠点を目指すこととし、その上で道内医療への貢献や防災機能の集約をはじめ、ビジネスジェットの受け入れなど幅広い分野での役割を果たすものと明記されております。札幌市ではこの方針を踏まえまして、将来を見据えた空港利活用の検討をおこなってまいります。

石川副市長 答弁

 私からは3項目目、観光と経済についてご答弁を申し上げます。
 まず1点目、持続する観光についてであります。札幌市の観光振興の方向性を定めました「観光まちづくりプラン」では、豊かなまちづくりと観光振興を一体的に推進することとしておりまして、観光都市としての魅力を高めるとともに、市民自らがその魅力を体験し、発信していくことが重要であると認識をしております。こうした観光まちづくりの考え方を踏まえ、今後は食や夜景、雪といった札幌ならではの観光資源を更に磨き上げることによりまして、外国観光客の増加、ひいては地域経済の活性化につなげ、持続可能な観光都市札幌を実現してまいりたいと考えております。
 2点目の宿泊税についてであります。昨年12月の検討会議からの答申では、札幌が多くの観光客に選ばれる魅力的な町であり続けるためには、更なる観光振興が重要であり、これを進めるための新たな財源確保が必要であるとの提言をいただいたところであります。こうした提言をじゅうぶんに受け止め、札幌の地域経済の持続的な発展をめざし、観光分野への集中的かつ継続的な投資をおこなうために、この度宿泊税を導入する考えを固めたものでございます。今後新たな税の導入時期や徴集方法等につきまして、関係事業者や関係団体と協議を進めますとともに、議会において十分にご議論をいただくことはもとより、パブリックコメントもおこないながら丁寧に手続きを進めてまいりたいと考えております。

長谷川教育長 答弁

 私から2項目目の教員の変形労働時間制についてお答えをいたします。
 1点目の変形労働時間制の目的と、2点目のその導入についてでございますが、いわゆる給特法の改正にかかる付帯決議や、政府見解におきまして、制度の導入にあたっては、在校等時間の上限遵守の他、教員の長時間勤務の実態改善をはかることが求められているところでございます。札幌市といたしましても1年単位の変形労働時間制を、教員の長時間労働の改善につなげるためには、まずは学校全体の業務の削減を進めるとともに、長期休業期間中に振替休日を取得しやすい環境を整えることが重要であると認識しているところでございます。引き続き、教員の負担軽減に努めますとともに、変形労働時間制の導入の可否につきましては、今後国から示される具体的な運用等を踏まえながら、慎重に検討をおこなってまいりたいと考えております。

太田議員 再質問

 ただ今の答弁を伺いまして、私から3点再質問をいたします。
 1点目は新型コロナウィルスの感染症についてです。基本的な対策をとろうとしても、市民のみなさんは、マスクが手に入らないことが、とても大きな不安となっています。先ほどの答弁で、次年度可能な限り早期に備蓄したいと答弁がありましたが、このマスクや消毒剤を、どの程度備蓄するのか具体的にお示しください。
 2点目は、子育て支援についてです。コロナウィルスの感染拡大と同時に、今小学校などではインフルエンザで学校閉鎖になっているところもあります。お金がなくて病院に行けない親子がいるのではないかと、とても心配しています。現物給付による子育て支援を求めました。また国民健康保険での質問では、多子世帯、子どものいる世帯などに減免を実施してほしいと求めました。町田副市長は、一括りに国に要望していくと、北海道の考えを尊重するというような答弁だったと思いますけれども、子育て世帯への支援に対する本気度がまったく感じられません。給食費の負担も重くて、全国では無償化が広まりつつありますけれども、本市の値上げはそれに逆行するものです。現物給付は家計を直接支援しますので、子育て世帯の可処分所得を増やすとともに、効果が実感できる支援です。子育て支援、少子化対策の柱として、本市独自の努力をして、今こそ拡大することが必要です。子どもの医療費無償化、大阪府は北海道と同様に就学前までの助成ですが、大阪市や堺市では市独自の努力で大阪府を上回る高校3年生までの通院助成を実施しています。問題は、子育て支援に対する自治体の姿勢、やる気ではないでしょうか。本市の子ども医療費、6年生までの助成は2021年度から、第2児童相談所ができるのは10年後、子育て支援は急ぐべきです。
 ここで質問しますけれども、先ほど質問でも引用しましたが、昨年の人数調査で実際に予定している子どもの人数がほしい人数より少ない理由を、70%の子育て世帯が経済的な負担が増えるからだと答えています。昨日の質疑で市長も、このように答えておられましたけれども、経済的な理由で子どもを産むか産まないかと、そういう決断に大きく影響をあたえることが明らかになっているんです。こんなに高い割合で出ているのですから、この子育て世帯が強く望んでいるのが、経済的負担を軽減してほしいということです。この願いに沿って、具体的な施策を急ぐことが求められていると思いますがいかがか、伺います。
 3点目は変形労働時間制についてです。繁忙期に、厚労省がいう1日8時間勤務を10時間まで働いていいということになれば、2時間の超過勤務だったものが、超過勤務なしということになります。実際は働いているのにです。1日10時間、1週間52時間、4週間続けて48時間を超えてはいけない。更に、翌月の勤務時間の長さをあらかじめ決めておくなど、これら教員1人1人の働き方を管理職が管理します。今でも多忙で、時間外勤務が多い中で、そのようなことができるのでしょうか。教員の働き方と子ども達との関わりの改善にも、とても結びつかない制度です。例えば子育て中や介護中の教員が、繁忙期だからといって2時間、勤務時間が延びると、保育園に子どもを迎えに行くですとか、親を病院に連れて行く時など、対応がとても困難になります。年休をとってくださいということになるのではないでしょうか。まったく実態に合ったものではありません。しかも子ども達と関わる教育は、時間が延びたり縮んだりすることなど対応できません。そのような背景がありますから、全国で変形労働時間制について、導入する考えはないと議会で答弁する教育長も相次いでいます。
 そこで質問いたしますけれども、萩生田文部科学大臣は2019年11月の衆院文部科学委員会で、「変形労働時間制の活用については、各自治体の判断で採用しないということもありえると思います」と国会で答弁をしています。条令を定めるかどうか、自治体や学校が導入するかどうか、いずれも選択できるんです。また、厚労省の通知で、恒常的な残業がないことが導入の前提となっています。先ほどの答弁でも、慎重に検討していきたいと、まず先生達の過剰な働き方をなんとかしなきゃいけないと、そういうご答弁だったと思います。答弁通り、先生達の働き方を見直すということであるならば、恒常的な残業がある本市は、変形労働時間制の導入において検討する余地はないと思いますが、いかがか、ご答弁ください。

秋元市長 答弁

 3点再質問をいただきました。私からは私の政治姿勢の中でお答えをさせていただきましたマスク等の非常用備蓄物資についてのお答えをさせていただきます。
 現状、自然災害を想定いたしまして、マスクにつきましては災害時の想定最大避難者数に対応する約11万枚を想定をしているところでございます。現状、調達が困難な状況にございますけれども、できる限り早期の確保に努めてまいりたいと考えております。

町田副市長 答弁

 現物給付による子育て支援について再質問いただきましたが、札幌市が実施したアンケート調査結果等からも、子育て世代による経済的支援の要望は大変強いものと受け止めているところでございます。このことから具体的な施策として、新年度予算には医療費助成の拡充や第2子保育料無償化の対象拡大を盛り込んだところでございまして、引き続き今後も様々な施策によって経済的支援の拡充に取り組んでまいります。

長谷川教育長 答弁

 変形労働時間制についての再質問でございます。先ほどご指摘ございましたとおり、教育委員会といたしましても、国が指針で示しました上限時間を超える教員が一定数おりますことは認識をしているところでございます。従いまして、引き続き教員の負担軽減に努めますとともに、今ほどお話がございました、例えば育児とか介護に携わる職員、学年によって繁忙期が異なることとかですね、長期休業期間中の部活動や研修等々、これから運用等国から示されると思いますので、そういったところもきちんと確認をしながら、慎重に検討をしてまいりたいと考えているところです。

太田議員

 保育料の第2子無償化や、子どもの医療費の6年生までの無料化の拡大になったことは、本当に良かったと私も思っているんです。ですけれども、小学生をもつ保護者の方達から様々なお話を聞く機会があります。中でも小学校でのスキー学習。バス代とスキー場使用料で、2回行くと5千円、兄弟がいると、2人分で1万円になるのです。子ども達がとても楽しみにしているその姿を見ると、お金がないから休みなさいなんて言えないんだと、涙を浮かべているお母さんもいました。バス代の補助があることでどれだけ助かるか、このように今必要な急がれる制度を早急に考えていただきたい。医療費ですとか保育料もなるべく早く、急いでやってもらいたいというのが、今日の私の質問だったわけです。子ども達は大きくなっていきますから、制度ができた時には小学生の対象から外れるなんてこともありますから、ぜひ急いでやってください。
 そして教員の長時間労働の改善というのは、急がれる課題です。今教育長から運用なども示されるので、慎重に検討するとおっしゃいましたけれども、導入しないことも含めて慎重に検討していただきたいと思います。変形労働時間制の導入ではなくて、抜本的な教員を増やすということによって、先生達の忙しさは解消すべきであると申し上げて、私の質問を終わります。