私は、日本共産党を代表し、ただいま議題となっております議案68件中、議案第1号、第11号、第56号、第57号、第65号の5件に反対、残余の議案63件に賛成の立場で討論を行います。

 議案第1号「令和4年度札幌市一般会計補正予算第6号」に反対する理由は、大通・創世交流拠点まちづくり推進費の追加として、北5西5街区の市有地と、大通東1街区の竹中工務店所有地の交換に向けた、土地開発基金の買戻し分79億2,305万1千円が含まれているからです。
 本市所有「北5西5街区」の土地鑑定額は114億円ですが、近い将来札幌駅西側の開発が進むことにより、この地域の土地価格が上がるのは必至です。
 本所有地は、過去に70億円もの巨額の市費を投入し購入しましたが、このたびの買戻しでは、一般会計から利子も含め79億円もの支出となります。
 そもそも、市民の財産である土地を手放すことや、その狙いなど、市民にはほとんど情報が提供されていません。
 多額の費用を使い交換するのではなく、市民のために活用する土地として保有しておくべきであり、土地の交換は行うべきではありません。
 なお、債務負担行為の補正として、母子生活支援施設「しらぎく荘」の運営委託費2,600万円が組まれています。これまでの指定管理者が「更新は引き受けられない」と申し出る事態となった原因は、トイレや浴場を「共用」の構造にしたままであることや、老朽化を見据えた建て替え検討がなされなかったことにあると考えます。
 出産や子育てに関する支援は、これまで以上にきめ細かく実施することが必要な社会情勢であり、母子生活支援施設「しらぎく荘」が円滑に運営できるよう建て替えも含めた検討をすべきです。

 議案第11号「札幌市特別職の職員の給与に関する条例の一部を改正する条例案」に反対する理由は、コロナ禍や物価高騰によって、市民生活の厳しさが増している中、特別職の期末手当引上げは市民合意が得られるものではないと考えるからです。

 議案第14号から30号まで、および第32号から54号までは、指定管理者を更新するものです。
 代表質問でも取り上げましたが、指定管理者施設で働く労働者の3人に2人が非正規労働であり、その割合は10年以上続いています。慢性化している不安定で賃金の安い働き方を改善するため、賃金スライドの導入が必要です。
 この度の更新には賛成しますが、今後直営化を検討するよう求めるものです。

 議案第56号「札幌市個人情報の保護に関する法律施行条例案」並びに議案第57号「個人情報の保護に関する法律の一部改正に伴う関係条例の整備に関する条例案」についてです。
 個人情報保護法の改正により、2023年4月から本市が保有する個人情報について法律の規定が適用されることに伴い整備・施行するための条例案です。
 改正された個人情報保護法では、社会全体のデータ流通を図るため、国が一括で全国共通ルールを決め、個人情報保護やデータ流通については、各自治体が条例で独自に定めることができなくなりました。
 国は、必要な保護水準を確保するとの見解を示していますが、明文化されたものはないため、個人情報の利用制限が緩和されることに繋がります。
 これまで本市の条例で守ってきた「個人情報の収集は原則として本人からとする」「本人以外からの情報収集は、本人の同意が必要」などの規定について定められなくなることは、個人情報保護の後退に繋がります。
 また、自治体が自主的に物事を決めていく自治権をも狭められることになることから反対です。
 議案第65号「札幌市営住宅条例の一部を改正する条例案」に反対する理由は、借り上げ市営住宅の用途廃止を行うものだからです。
 市営住宅の総量を抑制する方針を掲げた住宅マスタープランのもとで、2030年までに、借上げ市営住宅すべてを用途廃止する一環として、東区の「ジュネス38」と豊平区の「エコ・ライフ西岡」、合わせて50戸の廃止を行うものです。
 本市の市営住宅は、依然、応募に対し申し込みが多いという状況が続いており、この市民ニーズに応えるためには、市営住宅を増設することであり、借上げ市営住宅の廃止には反対です。 

 以上で、私の討論を終わります。